【Goodpatch仕事図鑑】ビジネス価値と体験価値を繋ぐデザインストラテジスト
Goodpatchでは、UI/UXデザイン領域の仕事はもちろん、デザインによるアプローチでクライアントの事業戦略を策定するプロジェクトも多数支援しています。従来とは異なる舵切りを必要とするクライアントとまだ見えてない理想像を打ち出し、その未来を実現するための道筋をデザインします。本記事では、それらのプロジェクトを専門に行うデザインストラテジストの仕事を紹介します。
また、こちらの記事でも、デザインストラテジストのマインドセットや具体的な業務内容をフィクショナルなケースをもとに紹介していますので、合わせてご覧ください。
【デザインストラテジー】フィットネス・スタジオ経営再建のケーススタディ
目次
デザインストラテジストの役割
デザインのアプローチを経営に取り入れる潮流はここ10年でさらなる拡がりをみせています。Goodpatchのデザインストラテジストが目指すのは、そのような活動に取り組むクライアントのデザインパートナーとして、デザインで経営を変革することです。
特に、不確実性の高い新規事業立案、さらには世の中のトレンド、消費者の思考/行動の変化に既存のモデルが対応できず、新たなコンセプトが必要とされているケースを支援しています。そうしたプロジェクトでは、顧客体験を中心に業界の原理原則・社会トレンド・企業文化など様々な情報を統合した意思決定が必要になります。デザインストラテジストは、そのような状況下で複雑な問題をリフレームし、事業オーナーの想いに寄り添いながら取るべき事業戦略を導きます。
また、コンセプトを描くだけでなく、より本質的な価値を追求するためにアイデアを具現化することもデザインストラテジストの役割の1つです。具体と抽象を行き来しながら、顧客と向き合い、繰り返し検証することで事業の成功確度を高めます。
関連記事:新規事業開発に必要な「デザインストラテジスト」の話
デザインストラテジストの支援する事業フェーズ
事業フェーズを「立ち上げ期」「成長期」「成熟期」と3つに分けるとそれぞれ下図のような課題を持つクライアントにお声掛けいただくことが多くなっています。
クライアントのビジネス形態/業界業種は様々ですが、デザインストラテジストは一貫してビジネス課題をデザインという手段で解決することを目指します。まず、ビジネスの根幹となる本質的な価値を整理。そして、その事業が目指す未来の解像度を高め、その未来をどのようなステップで実現するかを設計します。
「立ち上げ期」を例にとれば、事業理解、インサイト抽出、マクロトレンド調査、コンセプトモデル検証、収支計画検討などを行い、それらのプロセスを構造化/視覚化したアウトプットを持ち込んだ上でクライアントと密に対話しながら推進します。
デザインストラテジストの持つ観点
事業のコンセプトや方向性が決まっておらず不確実性の高いプロジェクトでは、誰もが少なからず迷走するものです。そのようなプロジェクトでは、チーム全員で現状に対しての共通認識や判断基準を形成することが必要不可欠です。デザインストラテジストは、外部目線/新参者だからこそ持ちえる観点と切り口で事業をとりまく状況を整理します。
デザインストラテジストが向き合うのは、事業がどこに向かっていくべきかという未来ですが、未来の価値の種は最新のビジネストレンド以外からも発見されます。事業に挑戦するに至った過去から現在を見通すことで、なぜいまその課題に取り組むかのストーリーなどが見えてくるでしょう。
プロジェクトの状況にもよりますが、デザインストラテジストは普段、下図で示されるような観点をもって事業の機会領域を探っています。
プロジェクト事例
FORCAS
FORCAS(フォーカス)は、自社の顧客データ分析によって成約確度の高いアカウントを予測し、そのターゲットアカウントにリソースを集中するマーケティング手法「ABM」の実践をサポートするBtoB SaaSプロダクトです。導入企業数も増加し成長を続けていくうえで、FORCASのさらなる可能性を探るため、事業の提供価値の構造化、エンタープライズ強化に向けての価値整理、プロダクト開発指針の設計を共創させていただきました。(ABM:Account Based Marketing)
関連記事:価値の構造化で、プロダクトの未来を描く。FORCASとGoodpatchの共創
SUNTORY+
SUNTORY+は、サントリー食品インターナショナル株式会社によるヘルスケアサービスアプリです。Goodpatchでは2018年12月より、0→1のアイデア創出からプロダクト開発/グロース、プロモーションまで一気通貫で共創。iOS/Androidアプリ、サービスサイト、プロモーションツールなど、ユーザーとのあらゆる接点で体験を届けるお手伝いをしています。2020年度グッドデザイン賞受賞。
関連記事:職種を超えてものづくりに向き合う。サントリーとGoodpatchが共創するSUNTORY+開発ストーリー
Shippio
国際物流・国際貿易のスタートアップShippioは、オンライン上で輸出入の発注、 管理ができるソフトウェア開発とデジタルフォワーディング事業を行っています。Goodpatchは組織の急速な成長の支えとなる強い企業の土台を作るため Shippioのビジョン・ミッション・アンカーズ(バリュー)、 ブランドステートメント、ブランドアイデンティティ、ロゴデザインを共創し Shippioのブランドエクスペリエンス向上をお手伝いしました。
関連記事:内側からデザインする。ShippioとGoodpatchが向き合ったブランドエクスペリエンス
【関連記事】UXデザインの成功事例6選!改善効果や事例から学ぶポイントは?
どんなメンバーがいるのか
デザインストラテジストのチームには、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、日々、不確実性を乗りこなしながら領域を超えたチャレンジを行っています。下図では、メンバーの一部を紹介しています。
ご紹介したメンバーがどのようにしてデザインストラテジストになったのか、どのような業務をしているのかについてお話しているインタビュー記事もございます。こちらもぜひ併せてご覧ください!
八木のインタビュー:広告業界からの挑戦。社会・事業・ユーザーの価値を繋ぐ、デザインストラテジストのキャリア
小林のインタビュー:机上の空論で終わらない価値を。営業出身のデザインストラテジストがデザイナーと共創する理由
デザインストラテジストに興味がある方へ
事業の根幹を担うポジションに立ち、ハートを揺さぶるデザインでビジネスを成功に導く事を目指したい、そんな方の応募をお待ちしています。
グッドパッチ仕事図鑑シリーズはこちらからもご覧いただけます。