「UX」とは、UserExperienceの略称で、日本語では「ユーザー体験」と訳されます。近年、プロダクト開発においてUXの重要性がますます高まり、企業では専門の「UXリサーチャー」を置くケースも増えています。

UXリサーチは、ユーザーの行動や心理を深く理解し、より良い製品やサービスを開発するために欠かせないプロセスです。

しかし、

「UXリサーチって具体的に何をすればいいの?」

「自社に合ったリサーチ手法が分からない」

と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、デザインの力でビジネスを前進させることをミッションに掲げ、デジタルプロダクト開発(UI/UXデザイン)を強みに置き、新規事業立ち上げ、ブランド構築、デザイン組織支援など、あらゆるビジネス課題にコミットするグッドパッチが、UXリサーチの基礎知識から、具体的な手法までご紹介します。

監修者:秋野 比彩美(株式会社グッドパッチ UXデザイナー)
ヤフーでUIデザイナーとしてキャリアをスタートし、トップページの事業責任者を経験した後、大手通信企業のグループ会社でUXデザイナー兼組織マネージャーとして、クオリティー管理、UXデザイナーの採用と育成に取り組む。グッドパッチにUXデザイナーとして入社後は、インサイトリサーチ、ユーザーリサーチ領域をリードしている。趣味は飼っているうさぎを愛でながら、ビールを飲むこと。

並走型リサーチ「Insight Research」

Insight Researchは、リサーチの「①目的設定と分析」「②施策方向性検討」「③アクションへの落とし込み」まで、グッドパッチのデザインリサーチャーが一貫してクライアントと並走する探索型リサーチです。

Insight Research

このような方におすすめです

    • 顧客起点に物事を進めたい、始めたい方(事業・サービス)
    • 機能追加で新商品を出してきたが、限界を感じているプロダクトオーナー
    • 施策検討を行っているが、このままで良いのか不安な事業責任者の方
    • 過去のリサーチからすでに知っているような表面的なレポートしか得られず、アクションにつなげられなかった方
    • DX推進を任されたが、何から手をつけたらいいか分からない方

UXの基本と多様な解釈

UXリサーチについて理解するためには、まず「UX」について理解を深める必要があります。「UX」とは、UserExperienceの略称で、日本語では「ユーザー体験」と訳されます。

しかし、UXは単なる「使いやすさ」だけを指す言葉ではありません。ユーザーが製品やサービスに触れるあらゆる接点において、どのような体験を得るのか、その全体を包括的に捉える概念です。

UXの定義は一つではありません。ここではグッドパッチが考えるUXの定義を説明します。

そもそもUXとは?

「UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)」とは、ユーザーが製品やサービスを通じて得る全体的な体験を指し、そこには主観的、時間的、状況的な側面が含まれます。

例えば、アプリケーションの利用を考えると、UXには以下のような側面が含まれます。

側面 概要 具体例
主観的側面 ユーザーが感じる感情や評価 Aさんにとって良い体験が、必ずしもBさんにも同様に良いとは限らない
時間的側面 製品やサービスの利用前、利用中、利用後のすべての体験 アプリを使用する前の期待感や、使用後の満足感、継続して使い続けたいと思うか、友人におすすめしたいと思うかなど
状況的側面 ユーザーがその製品やサービスをどのような環境や状況で使用するか 屋外や屋内での使用シナリオ、一人で使用しているか、友人と使用しているか、職場など集中しやすい環境で使用しているか、など

上記のように、UXは単なる使用感に留まらず、ユーザーが製品やサービスを通じて得る全ての体験を包含しており、デザインと体験に対する評価は、ユーザーの満足度と製品の成功に直結します。

ユーザーの感情や評価、体験の前後、そして利用環境など多岐にわたる要素を考慮しなければならないため、ユーザーごとに異なる感情や評価が生じることがあり、それが製品やサービスの成功に大きく影響を与えます。

UXデザインについての詳しい説明は、以下の記事で紹介しています。

【関連記事】UXデザインとは?UIデザインとの違いや設計プロセス、事例を紹介
【関連記事】UXデザインの成功事例6選!改善効果や事例から学ぶポイントは?

さまざまなUXの解釈

UXは幅広い概念を持つため、企業やサービス、製品、あるいは開発のフェーズによって解釈が異なる場合があります。ここでは、代表的なUXの解釈をいくつかご紹介します。

〈UXのさまざまな定義〉

定義名 概要

ISO9241-210の定義

製品やシステム、サービスを利用したとき、あるいはその利用を予測したときに生じる人々の知覚や反応の総体としてUXを定義づけている
ジェームズ・ギャレットのUX5階層モデル UXを「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」の5つの階層で捉え、それぞれの段階におけるユーザー体験を設計することで、優れたUXの実現を目指す
UX白書の期間モデル サービスや製品の利用前、利用中、利用後、そして利用時間全体といった時間軸を通してユーザー体験を考慮することの重要性を示す

上記のように、UXに対する解釈はさまざまですが、いずれも「ユーザーを中心とした考え方」という根底は共通しています。

UXリサーチとは?

UXリサーチとは、ユーザーの行動やその行動に至る心理、感情などの調査です。ユーザーの体験を深く理解し、製品やサービスの改善を図るための重要なプロセスといえます。

企業が提供する製品やサービスを成功させるためには、ユーザーのニーズや行動の正確な把握が欠かせません。特に、コアユーザーの行動や思考、感情を理解できれば、製品やサービスを最適に設計し、提供することが可能です。

UXの向上には、ユーザーの理解が重要です。しかし、開発者やデザイナーなど、サービスを提供する側とユーザーの間には、経験や知識の差があります。そのため「ユーザーならこう使うだろう」「ユーザーはこう思っているはずだ」といった誤った認識が生じやすいのです。

UXリサーチを適切に行えば、開発者の仮説や思い込みではなく、実際のユーザーの行動やニーズに基づいた製品開発を進められます。

例えば、ヘルスケア分野のサービスでは、ユーザーや医療従事者の実態が見えにくい実情があります。個人情報保護の観点や、医療ヘルスケア分野特有の専門知識が必要で、ユーザーや医療従事者の行動および思考回路を理解することが難しいからです。

そのため、こういった分野ではユーザーニーズとずれたサービスが生まれるリスクがあります。しかし、UXリサーチを行えばこのリスクを回避し、関係者の悩みや課題を解決するための確かな基盤の構築が可能です。

リサーチの手段は多岐にわたり、インタビューや製品・サービスを使ったテストなど、さまざまな方法があります。目的や状況に応じて最適な方法を選択しましょう。

UXリサーチが重要な2つの理由

UXリサーチが重要な理由は、主に以下の2点です。

  • ユーザーのニーズを適切に把握でき、開発を進めやすくなる
  • ブランド価値の向上につながる

ユーザーのニーズを適切に把握でき、開発を進めやすくなる

UXを向上させるには、商品やサービスへのニーズだけでなく、ユーザー体験全体がどうあるべきかを設計する必要があります。

UXリサーチの対象はユーザー本人とその周辺環境であり、具体的なユーザーの声や行動データを収集できます。そのため、分析やまとめを適切に行うことで、開発チーム全体で共通認識を持ちながら、ユーザーにとって本当に価値のある製品やサービスを作り上げられます。

UXリサーチによって明確になったユーザー像とニーズによって、開発の方向性がぶれずにスムーズな開発を促進する効果も見込めるため、サービスをリリースしたものの「使いたいユーザーが少なく事業としてスケールしなかった」という失敗を未然に防ぐことができます。

ブランド価値の向上につながる

UXリサーチによってユーザーを深く理解し、商品やサービス開発に反映できれば、ユーザー体験の質は格段に向上します。結果として、ユーザーは商品やサービスに対してポジティブな感情を抱き、愛着を感じ始めるでしょう。

UXの向上により愛着が高まる流れは、以下の通りです。

1.利用意欲の向上 分かりやすく使いやすいサービスは、ユーザーのストレスを軽減し、快適な体験を提供する。

サービス利用における心理的なハードルが下がり、利用意欲が自然と向上する。

2.学習コストの低下 直感的に理解できるデザインや、迷うことなく操作できるインターフェイスは、ユーザーの学習コストを大幅に削減する。

サービスの使い方を学ぶために時間や労力を費やす必要がなくなり、スムーズにサービスの価値を感じ取ることができるようになる。

3.愛着の形成 学習コストが低く、快適に利用できるサービスは、自然とユーザーの利用頻度が高まる。利用頻度の増加に伴い、サービスに対する愛着が形成される。愛着は、単なる慣れとは異なり、サービスに対する特別な感情や思い入れを生み出す。

ユーザーに愛着を持ってもらえるサービスは、他のサービスに乗り換えにくくなるため、顧客ロイヤリティの向上も見込めます。また、優れたUXは口コミやSNSでの拡散によって、ブランドイメージの向上にも貢献するため、新規顧客獲得にも効果を発揮するでしょう。

UXリサーチの代表的な分類

UXリサーチの手法は、大きく分けて「定性調査」と「定量調査」の2つがあります。それぞれ得られる情報やサンプルの数に違いがあるため、必要なデータを収集するためにも違いを知っておきましょう。

定性調査

定性調査とは、ユーザーが「はい/いいえ」では答えられない、行動の根拠、理由、経緯など、変容性のある情報を詳細に収集できる調査です。ユーザーの言葉や行動のような、数値では表せない情報を取得するために実施します。定性調査の最大の特徴は、ユーザーの体験について「深く知る」ことができる点です。

例えば、アンケート調査では「使いにくい」と一言で済ませてしまうような場合でも、定性調査では「なぜ使いにくいのか」「具体的にどのような点が使いにくいのか」「それによってどのような感情を抱いたのか」といった、より深いレベルでの情報を引き出せます。

代表的な定性調査の手法は、以下の通りです。

リサーチ手法 概要
ユーザーインタビュー ユーザーと直接対話を行い、製品やサービスに対する意見や感想、利用状況などをヒアリングする。
ユーザビリティテスト ユーザーに実際に製品やサービスを使ってもらい、その様子を観察することで、使いやすさや問題点を明らかにする。
エスノグラフィ ユーザーの日常生活に深く入り込み、彼らの行動や文化を理解する。

定性調査では、ユーザーの行動の背景や意識まで掘り下げて分析できるため、より質の高いインサイトを得られます。

定量調査

定量調査とは、数値化できる情報を得るために行う調査です。調査対象を大人数に設定する場合が多く、集計した数値を統計的に分析してユーザーニーズを把握します。

定量調査の特徴は、ユーザー体験について「広く知る」ことができる点です。多くのユーザーからデータを収集するため、全体的な傾向やパターンの把握に優れています。

代表的な定量調査の手法は、以下の通りです。

リサーチ手法 概要
アンケート あらかじめ用意した選択式の質問に対して、多数のユーザーに回答を依頼する。
アクセス解析 Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどのツールを活用し、ウェブサイトへのアクセス状況やユーザーの行動に関するデータを分析する。
A/Bテスト ウェブサイトやウェブ広告において、複数のテストパターンをユーザーにランダムに表示し、クリック率やコンバージョン率などの結果を比較検証する。

定量調査は、大人数のデータに基づいた客観的な分析が可能な一方で、ユーザー一人ひとりの行動の背景にある、数値化できない感情や価値観までは分からないという側面も持ち合わせています。

UXリサーチを実施するタイミングと手法

グッドパッチでは、デザインプロセスを「Problem/Solution/Development」の3つのフェーズに分け、それぞれの段階で適切なリサーチ手法を用いることを重要視しています。

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中でも、UXリサーチを実施する段階は下記の2つに分けられます。

  • Problemフェーズで行う「探索型リサーチ」
    • ユーザーとその行動や文脈および環境を理解する。どのような価値を提供できるのかを調べるためのリサーチ
  • Developmentフェーズで行う「検証型リサーチ」
    • プロダクトやサービスがある程度の形になったタイミングで実施。コンセプトや体験をイメージできるようなストーリーボード・動画を用いてユーザーが価値を感じられるか調べるためのリサーチ

探索型リサーチ(初期段階)

探索型リサーチは、デザインプロセスの初期段階である「Problemフェーズ」において、ユーザー課題の発見を目的として実施されます。

特に、新規サービスの企画段階のように、ユーザーの課題や解決方法が明確になっていない場合に有効です。既存サービスの改善においても、現状における課題を改めて洗い出す際に役立ちます。

探索型リサーチで用いられる代表的な手法は、以下の通りです。

リサーチ手法 概要
ユーザーインタビュー ユーザーに直接話を聞き、潜在的なニーズや行動の背景を探る。
アンケート 幅広いユーザーに対して質問を投げかけることで、全体的な傾向を把握する。
デスクリサーチ 既存の資料やデータなどを分析し、市場トレンドやユーザーの行動パターンを把握する。
エスノグラフィ ユーザーの日常生活に密着し、行動を観察することで、無意識的な行動や潜在的なニーズを明らかにする。
シャドーイング ユーザーの行動を影のように追跡し、行動の詳細を記録することで、課題やニーズを発見する。
競合分析 競合となるサービスを分析することで、自社サービスとの差別化ポイントや改善点を洗い出す。

上記の手法を組み合わせ、多角的な視点からユーザーを理解することで、効果的な課題発見につなげます。

検証型リサーチ(中期段階)

検証型リサーチは、探索型リサーチなどで見出した課題に対し、解決策の仮説が立てられた段階で、その仮説の検証のために実施されます。デザインプロセスにおける「Developmentフェーズ」に該当し、具体的な解決策がユーザーのニーズを満たしているか、課題を解決できるかを検証します。

検証型リサーチで用いられる主な手法は、以下の通りです。

リサーチ手法 概要
コンセプトテスト まだ形になっていないサービスや製品のコンセプトをユーザーに伝え、反応を評価する。
ユーザビリティテスト ユーザーにプロトタイプなどを利用してもらい、使いやすさや分かりやすさ、問題点などを検証する。
A/Bテスト 複数のデザインや機能を比較し、ユーザーの反応に基づいて、より効果的な選択肢を決定する。
アクセス解析 ウェブサイトやアプリの利用状況を分析し、ユーザーの行動パターンやニーズを把握する。

※アクセス解析は探索型リサーチでも活用される。

上記の手法を用いると、開発中のサービスや製品が本当にユーザーのニーズを満たし、課題を解決できるのかを検証できます。リサーチの結果に基づいて、必要があれば改善策を検討し、より良い製品やサービスの開発を目指しましょう。

探索型UXリサーチの手順5ステップ

グッドパッチでは、探索型リサーチを行うステップとして「GUIDE」を設定しています。

  1. Goal(着眼点を明確にする)
  2. Untangle(既知と未知の整理をする)
  3. Insight(洞察を得る)
  4. Direction(方向性を決める)
  5. Entrust(信じて託す)

ステップと表記していますが、フレームワーク化して妄信的にプロセスを追うことを後押しするためのものではなく、行ったり来たりすることも想定した、あくまで道標という位置付けで設定しています。

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1.Goal(着眼点を明確にする)

探索型UXリサーチを行う前に、プロジェクトの最終的なゴールである「何を達成したいのか」「どこを目指していくのか」という着眼点の明確化が重要です。

目指す方向性が曖昧なままリサーチを進めてしまうと、得られた結果がプロジェクトの成功につながらなかったり、チームメンバー間で認識のズレが生じたりする可能性があります。

具体的な手順は、以下の通りです。

1.個別ヒアリング プロジェクトメンバーや関係者へ、プロジェクトへの思い・期待値を個別にヒアリングする。
2.組織の方向を再認識 企業理念や中期経営計画、事業部方針など、組織として向かう方向をチーム全員で再認識する。
3.着地点の言語化 リサーチ後の着地点をチームで言語化して合意し、同じものを目指せるようにする。

曖昧な表現ではなく具体的な指標や目標を設定し、リサーチの成果を評価や次のステップへの移行をスムーズに行いましょう。

2.Untangle(既知と未知の整理をする)

プロジェクトのゴールを明確に設定したら、次は現状を正しく認識し、既知の情報と未知の情報を整理する「Untangle」のステップに進みます。

リサーチプロジェクトの開始時は、チームや事業が現在どのようなフェーズなのか、自分たちの現状も把握できていない状態です。

GUIDEにおいては、以下のステップを通じて自分たちの「現在地」を理解し、過去のリサーチや経験などから「分かっていること」と「分かっていないこと」の整理と理解を行います。

①フェーズの明確化

まずは、上記のフローチャートを参考に、現段階で行うべきリサーチが「検証型」と「探索型」のどちらに該当するのかを判断します。

②既知の可視化

次に、プロジェクトに関連する既存情報や過去の経験などを洗い出し、チーム全体で共有します。以下のような項目を可視化すると良いでしょう。

  • ユーザーに関する情報(属性、行動、ニーズ、課題など)
  • 競合に関する情報(サービス内容、強み、弱みなど)
  • 市場に関する情報(トレンド、規模、成長性など)
  • 技術に関する情報(最新技術、開発コスト、実現可能性など)

情報を整理し可視化できれば、リサーチの方向性を定め、無駄を省きながら効率的に情報収集を進められます。

3.Insight(洞察を得る)

「Goal」「Untangle」を通して明らかにした内容を基に「問いの設計」「リサーチ設計」「実施・分析」という3つのステップで進めていきます。

グッドパッチでは、リサーチの実施と分析を2セット以上繰り返すことを推奨しています。

1回目のリサーチで得られた結果を踏まえ、2回目以降のリサーチにおいて質問内容をさらに深掘りしたり、対象ユーザーを絞り込んだりすれば、より精度の高いデータの取得が可能です。

①問いの設計

「Goal」で言語化した目的と「既知の可視化」を基に、調査における問いを立てます。ポイントはユーザーの立場で「問い」を言語化することです。

②リサーチ設計

リサーチ手法やリサーチ対象など、リサーチの具体的な内容を設計していくステップです。ここでは「メンバー間で認識を合わせるため、設計はチームで進めること」そして「設計を進めながら「問い」を振り返り、間違っていたら修正すること」の2点を意識しましょう。

③実施・分析×2セット以上

インタビューや行動観察などの調査実施と分析を行うステップです。上述のとおり、このステップは2セット以上行うことをおすすめします。理由は以下の通りです。

理由 詳細
リサーチの質が向上するから 1セット目を踏まえ、2セット目のリサーチを設計・実施できる。
リサーチの価値を実感してもらいやすくなるから ・リサーチ経験が浅い方も2セット目では積極的に参加できる。

・リサーチの設計により、意味と質が変わることを実感できる。

上記のサイクルを繰り返せば、より深いインサイトを獲得し、ユーザーの行動やニーズをより的確に捉えることが可能です。

4.Direction(方向性を決める)

Directionは洞察を基に着地点までのアクションを決める段階です。ここで十分に時間と労力をかけてもうまくアクションが出ない場合は、Goal・Untangle・Insightのいずれかの段階に足りない部分がある可能性が高いです。

Directionでは、以下の3つのアクションを行います。

  1. アクションアイデアの洗い出し
  2. 優先順位決め
  3. タスクへの落とし込み

タスクへの落とし込みの際は、何を(What)・いつまでに(When)・誰がやるのか(Who)の粒度までタスクをリスト化しましょう。

5.Entrust(信じて託す)

「Direction」までで具体的なアクションプランが決定したら、次は関係者へその内容を共有し、プロジェクト全体への理解と納得感を高めます。「Entrust」のフェーズでは、リサーチで得られた情報や決定事項を可視化し、関係者全員が同じ方向を向いて進んでいける状態を作ります。

①リサーチレポートの作成

リサーチの背景や目的、プロセス、得られたインサイト、そして具体的なアクションプランなどを分かりやすくまとめたレポートを作成します。レポートは、関係者間で情報を共有し、共通認識を形成するための重要なツールです。

②レポート・リサーチデータの保管

作成したレポートや収集したリサーチデータは、適切に保管・管理しましょう。今後の新たなサービス開発や改善活動においても、貴重な資料として活用できます。

③ワークショップの実施

必要に応じて、関係者を巻き込んだワークショップを実施するのも有効な手段です。リサーチの結果やそこから得られたインサイトを共有することで、関係者全体の意識統一を図り、プロジェクトをスムーズに進めることができます。

ここまでが、グッドパッチが探索型リサーチを行うステップとして設定している「GUIDE」の流れです。

検証型リサーチの手順5ステップ

検証型リサーチの手順は、以下の5ステップです。

  1. 仮説の設定
  2. プロトタイプ作成
  3. ユーザーテスト
  4. 結果分析
  5. 改善案の検討

1.仮説の設定

検証型リサーチでは、まず解決したい課題と、課題を解決するための仮説を明確に設定しましょう。「誰の、どんな課題を、どのように解決するのか」を具体的に言語化し、検証可能な形に落とし込みます。

例えば「ECサイトで購入に至らないユーザーが多い」というテーマに対して、下記のように課題と仮説を設定します。

  • 課題:商品ページの情報量が少なく、ユーザーが購入を迷ってしまう
  • 仮説:商品ページに詳細な情報やレビューを追加することで、ユーザーの不安を解消し、購入率が向上する

課題と解決策の仮説を設定すると、検証すべきポイントが明確になり、適切なリサーチ手法を選択できます。

2.プロトタイプ作成

検証したい仮説に基づき、リサーチで活用するプロトタイプを作成します。プロトタイプとは、日本語で「試作品」を意味する言葉です。

プロトタイプを作成しておくと、ユーザーテストと検証を繰り返しながら開発を進められるため、プロジェクトの後半になって仕様や機能の大幅変更を求められるリスクが軽減されます。

検証内容によっては、必ずしもプロトタイプが必要となるわけではありません。新しいサービスの価値を検証する場合は、サービスの体験を具体的にイメージできるストーリーボードや簡易な動画などを用いることもあります。

「検証したい内容を適切に評価できるもの」の準備が重要です。

3.ユーザーテスト

作成したプロトタイプや資料を用いて、実際のユーザーを対象にテストを実施します。

ユーザーテストでは「使いやすさ」「分かりやすさ」「魅力度」など、検証したい項目を明確にした上で、ユーザーの行動や発言、表情などを観察します。

検証の一例を以下に挙げます。

  • ユーザビリティ検証の場合
    • ユーザーが迷わずに操作できるか
    • 情報が探しやすいか
    • エラーなく目的を達成できるか
    • ストレスなく操作できるか
  • 価値検証の場合
    • サービスに共感できるか
    • 価値を感じることができるか
    • 利用意向があるか

ユーザーテストを通じて、想定通りにユーザーに利用してもらえているか、課題や改善点がないかを検証しましょう。

4.結果分析

ユーザーテストが完了したら、収集したデータを分析し、プロダクトやサービスの改善点を見つけ出します。

  • ユーザーテスト中にユーザーが戸惑っていた箇所はどこか?
  • 特定のタスクで離脱してしまうユーザーが多い原因は何か?
  • ユーザーの反応が仮説と異なっていた点はどこか?

上記のような項目を分析し、具体的な改善策につながる案を導き出します。

結果分析の際は、定量的なデータと定性的なデータを組み合わせると、より深い分析が可能です。例えば「あるボタンのクリック率が低い」という定量データだけでなく、「なぜクリックしたのか」という理由を、ユーザーインタビューで深掘りすると、具体的な改善策が見えてきます。

5.改善案の検討

結果分析で見えてきた課題や改善点に基づき、プロトタイプや製品・サービスの具体的な改善案を検討します。

ユーザーにとってより使いやすく、分かりやすく、魅力的なものにするために、下記のように多角的な視点から改善策を見つけ出しましょう。

  • UIの改善
  • 機能の追加・削除
  • 情報提示の仕方を見直す
  • サービスフローの見直し

改善案検討の際は、効果の高い改善案の優先順位づけも重要です。開発工数やコストなどを考慮し、実現可能な範囲で優先度の高い施策を決定します。

検証型リサーチは、一度行えば終わりではありません。改善を加えたプロトタイプやサービスに対して、再度ユーザーテストを実施すれば、よりユーザーニーズに合致した製品・サービスの開発が可能になります。

UXの3側面に基づく具体的なリサーチ手法

引用元:Research Toolbox – Daedalus

UXリサーチを行うにあたり、ユーザー体験を「主観的側面」「時間的側面」「状況的側面」の3つの側面から捉えると、より多角的な視点でユーザーを理解し、深掘りすることができます。

扱っているサービスやプロダクト、検証したい内容によって、どの側面のUXを重視するかは異なります。各側面に対応するリサーチ手法は以下の通りです。自社サービスの特徴やリサーチの目的に最適な手法を選択しましょう。

  • 主観的側面|ユーザーの感情や評価を探る方法
  • 時間的側面|体験と感情の変化を捉える方法
  • 状況的側面|利用シーンと環境に注目する方法

主観的側面|ユーザーの感情や評価を探る方法

UXにおける主観的側面とは、ユーザーが商品やサービスに対して抱く、感情・感覚・好み・価値観・信念・態度のような、数値化が難しい個人的な体験や反応を指します。

主観的側面のリサーチは、ユーザー行動の背景にある「なぜ」を理解するために重要です。ユーザーが何に喜びを感じ、何に不安を感じるのか、どのような価値観に基づいて行動しているのかを深く理解できれば、ユーザーの心を動かし、共感を呼ぶ商品やサービスの開発につながるでしょう。

主観的な側面を探るUXリサーチでは、具体的に下記のような情報の把握を目指します。

項目 内容
ユーザーの感情 商品・サービスに対して、喜び、満足、楽しさ、興奮といったポジティブな感情を抱いているのか、あるいは、怒り、不満、不安、失望といったネガティブな感情を抱いているのか。
ユーザーの印象 商品・サービスに対して、使いやすい、分かりやすい、魅力的、信頼できるといったポジティブな印象を抱いているのか、あるいは、使いにくい、分かりにくい、魅力がない、信頼できないといったネガティブな印象を抱いているのか。
ユーザーの好み どのようなデザイン、機能、コンテンツ、表現を好むのか。どのような価値観や美意識を持っているのか。
ユーザーのニーズ ユーザーが商品・サービスに求めるものは何か。どのような問題を解決したいのか。
ユーザーの期待 商品・サービスに対して、どのような期待を持っているのか。どのような体験を求めているのか。

ユーザーの主観に深く迫るために効果的なリサーチ手法の例は以下の通りです。

  • ユーザーインタビュー
  • ユーザビリティテスト
  • 感情分析
  • ディザイラビリティテスト

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューとは、ユーザーに直接インタビューを行い、ユーザーの行動や思考、感情を深く理解するリサーチ手法です。ただ単に質問を投げかけるのではなく、デザイン思考のプロセスを取り入れることで、より質の高い情報を得ることを目指します。

ユーザーインタビューを実施するメリットは、アンケート調査だけでは得られない、ユーザー一人ひとりの深いインサイトや潜在的なニーズを明らかにできる点です。

【関連記事】UXデザインにおけるユーザーインタビューとは?方法・種類・実例ノウハウ集

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとは、ユーザーに実際に製品やサービスを使ってもらい、ユーザビリティ上の問題点や改善点を見つけ出すための手法です。

一般的には、ウェブサイトやアプリなどを対象に行われる場合が多いですが、デジタル製品だけでなく、家電製品や家具など、幅広いプロダクトに適用できます。

ユーザビリティテストは、ユーザーの行動を観察することに主眼を置く場合が多いですが、インタビューを取り入れると、ユーザーの感情や評価などの主観的な側面についても深堀りが可能です。

感情分析

感情分析とは、文章に含まれる感情や意見を分析する自然言語処理の手法の一つです。まずユーザーが書き込んだレビューやアンケートの自由記述欄、SNSへの投稿などのテキストデータを分析します。ユーザーが製品やサービスに対して肯定的、否定的、中立のどの感情を抱いているのかを客観的に把握します。

近年ではAI(人工知能)技術の進歩により、大量のテキストデータを高速かつ自動的に分析するツールも導入され始めています。AIベースの感情分析ツールは、文脈を理解し、皮肉や婉曲表現なども解釈できるため、より精度の高い分析結果を収集可能です。

ディザイラビリティテスト

ディザイラビリティテストは、ユーザーインターフェイスの視覚的魅力と感情的反応を測定する手法です。統制された語彙リストから、ユーザーに製品を最もよく表す言葉を選択してもらいます。

否定的・肯定的・中立的な単語をバランスよく含み、結果を定量的に分析できます。複数のデザインやユーザーグループの比較にも応用可能な手法です。

時間的側面|体験と感情の変化を捉える方法

UXにおける時間的側面とは、ユーザーが商品やサービスに初めて触れる前から、使い続ける中でどのように体験が変化していくのか、変化がどのような流れで起こるのかを理解することを指します。

たとえば、新しいアプリをダウンロードするユーザーであれば以下のような時間的側面を追います。

  • アプリを見つける前:ユーザーはどんな課題を感じていたのか?
  • アプリを見つけたとき:広告や口コミを見て、どんな期待を持ったのか?
  • アプリを使い始めたとき:期待通りだったか?使いやすかったか?
  • アプリを使い続ける中で:飽きずに使い続けられているか?他のアプリに乗り換えたいと思ったことはあるか?

時間的側面を考慮したUXリサーチでは、変化の中にある感情や評価を、利用開始の前後、あるいは利用期間全体を通して捉える点が重要です。時間的側面を把握することで、「ユーザーの離脱ポイントの特定」や「ユーザーが継続的に利用したくなる商品やサービスの開発」などが可能となり、顧客生涯価値(LTV)の向上につなげられるでしょう。

時間的側面のリサーチ手法の例は、以下の通りです。

  • カスタマージャーニーマップ
  • 日記調査

コホート分析

コホート分析とは、特定の共通属性を持つ集団(コホート)を時間軸に沿って追跡し、その行動や変化を分析する手法です。例えば、同じ月に新規登録したユーザーや特定のキャンペーンに参加した顧客などをコホートとして設定します。この分析により、ユーザーの維持率や離脱率、コンバージョン率などを可視化し、どの施策が効果的かを判断できます。

コホート分析は、主に以下の2種類に分類可能です。

  1. 取得コホート:ユーザーがサービスに登録した時期に基づいてグループ化し、時間経過に伴う行動を分析する。
  2. 行動コホート:ユーザーの特定の行動やイベントに基づいてグループ化し、その後の行動パターンを追跡する。

この手法は、マーケティング戦略の最適化や製品改善にも役立ちます。例えば、どの時点でユーザーが離脱するかを特定し、そのタイミングで対策を講じることでユーザーの維持率を向上させることが可能です。また、将来的な需要予測や事業計画の策定にも活用されています。

日記調査

日記調査とは、ユーザーに一定期間、毎日決められた時間に行動や感情、思考などを記録してもらう手法です。行動や心理の変化を時系列に捉えられる、定性調査の内の一つです。

近年ではスマートフォンやPCを使用し、ウェブ上で回答できるツールが多く用いられています。

そのため、ユーザーは自身のタイミングで手軽に記録でき、よりリアルなデータを取得しやすくなっています。

日記調査を行うメリットは、主に以下の通りです。

  • 参加者が日常生活の中で製品やサービスをどのように使用しているかを、自然な環境下で記録するため、インタビューやアンケートよりも現実に近いユーザー行動や感情を把握できる
  • 毎日継続して記録すると、特定の行動をとるようになったきっかけや、感情の変化の兆候などを捉えられる
  • 行動を起こした場所や時間帯、周囲の環境などを合わせて記録すると、行動の背景にある状況や文脈を理解できる

状況的側面|利用シーンと環境に注目する方法

UXにおける状況的側面とは、ユーザーを取り巻く物理的環境や社会的状況、利用目的など、サービス利用時の状況がユーザー体験に与える影響を指します。

例えば、電車内で利用するモバイルアプリと、オフィスで使用する業務システムでは、求められる機能や使いやすさが異なります。状況的側面を考慮したUXリサーチでは、ユーザーがどのような状況でサービスを利用しているのかの把握が重要です。

状況的側面を探るUXリサーチでは、具体的に下記のような情報の把握を目指します。

項目 内容
利用場所 自宅、職場、移動中など、ユーザーがサービスを利用する場所
利用時間 朝、昼、夜、平日、休日など、ユーザーがサービスを利用する時間帯
利用デバイス PC、スマートフォン、タブレットなど、ユーザーがサービスを利用するデバイス
利用環境 周囲の音、明るさ、電波状況など、ユーザーを取り巻く物理的な環境
社会的状況 一人で利用しているのか、誰かと一緒に利用しているのか
利用目的 情報収集、買い物、娯楽など、ユーザーがサービスを利用する目的
感情 リラックスしている、集中している、焦っているなど、ユーザーの心境

状況的側面のリサーチ手法の例は以下のとおりです。

  • コンテクスチュアル・インクワイアリー
  • エスノグラフィ

コンテクスチュアル・インクワイアリー

コンテクスチュアル・インクワイアリー(文脈調査)とは、特定のユーザーの行動を観察しながらインタビューを行う定性調査の手法です。

実際に製品やサービスを利用している場面を観察しながら、とった行動について質問をし、状況や文脈を踏まえた深い情報を引き出すことを目的としています。

ユーザーが普段利用している場所や時間帯にインタビューを行い、より自然な行動や本音を引き出すことができると期待されます。

コンテクスチュアル・インクワイアリーを実施する主なメリットは、以下の通りです。

  • ユーザーの行動を直接観察できる
  • ユーザーの状況や文脈を理解できる
  • ユーザーの潜在的なニーズを引き出すことができる

エスノグラフィ

エスノグラフィとは、文化人類学や社会学の分野で用いられる調査手法をルーツに持ち、ユーザー行動の理解のために、ユーザーの生活や行動を詳細に観察・記録する、定性的な調査手法です。

従来は、調査員がユーザーの自宅や職場などに直接訪問し、長期間に渡って観察を行うのが一般的でした。しかし近年では、モバイルエスノグラフィのように、スマートフォンやタブレット端末などを活用して、写真や動画、テキストなどで行動を記録してもらう方法も活用されています。

エスノグラフィを実施する主なメリットは、以下の通りです。

  • ユーザーインタビューやアンケート調査などでは得られない、ユーザーの無意識の行動や習慣、潜在的なニーズを明らかにできる可能性がある
  • ユーザーの行動を、実際の環境や状況、文脈の中で理解することができるため、より深いレベルでのインサイトを得られる可能性がある

UXリサーチを成功させる5つのポイント

UXリサーチを成功させるポイントは以下の5つです。

  • リサーチで明らかにしたことの活用法を明確にする
  • ターゲットユーザーを明確にする
  • ユーザーに負担をかけないように行う
  • リサーチは継続的に実施する
  • 費用対効果を考慮した分析を行う

リサーチで明らかにしたことの活用法を明確にする

せっかく貴重な情報が得られたとしても、実際のサービス改善や事業成長に生かされなければ、UXリサーチの意味がありません。

リサーチの実施前に「得られた情報をどのように活用するのか」「誰が、どのような形で意思決定を行うのか」を明確にしておきましょう。以下のような点を具体的に決めておくことをおすすめします。

ネクストアクションの策定 リサーチを通して得られた結果をどのような施策に活用するのかを明確にする。
具体的なアウトプットの設定 リサーチの結果をどのようにまとめ、どのように可視化しておくと合意形成のサポートにできるか定めておく。
共有と活用 リサーチ結果を関係者全体で共有し、誰でも見返せる状態にしておく。

ターゲットユーザーを明確にする

サービス開発の初期段階において、具体的なペルソナなどを設定し、ターゲットユーザーを明確化しておくと、後のリサーチやデザイン設計を、より的確かつスムーズに進められます。

明らかにしたい事項を聞ける相手はどんな人なのかを定義し、必ず満たしているMUST条件、できれば満たしたいWANT条件という段階的な条件を設定します。これにより、的外れなターゲットに対して調査を実施してしまい、得たい情報を得られないという問題を防ぐことができます。

調査する相手を間違ってしまうと正しい結果を得られないばかりではなく、調査に協力してくれた被験者にも失礼になるため、必ず正しい条件を設定しましょう。

ユーザーに負担をかけないように行う

UXリサーチは、ユーザーの協力があって初めて成り立ちます。そのため、ユーザーに過度な負担をかけずに、スムーズに協力してもらえるような配慮が大切です。

ユーザーに不快な思いをさせてしまうと、本音や自然な行動の調査ができず、正確なデータ収集の妨げになります。最悪の場合、企業やブランドに対するイメージが悪化する可能性もあるため注意しましょう。

ユーザーに負担をかけないUXリサーチを行うために、以下の点に注意します。

  • 事前準備を徹底する
  • ユーザーのペースに合わせる
  • 無理な要求はしない
  • 個人情報の保護を徹底する

リサーチは継続的に実施する

UXリサーチは、一度実施すれば終わりではありません。ユーザーの行動やニーズは常に変化していくため、1回だけの調査で得られた情報が、いつまでも正しいとは限りません。

サービスの成長段階や市場トレンド、競合サービスの登場など、さまざまな要因によってユーザーを取り巻く環境は変化します。

継続的なUXリサーチの実施には、下記のようなメリットがあります。

  • 常に変化するユーザーニーズへの対応
  • 問題点の早期発見
  • 網羅的なユーザー体験の向上

費用対効果を考慮した分析を行う

UXリサーチには、リサーチの実施やデータの収集、分析などで一定のコストと時間がかかります。やみくもにリサーチを実施するのではなく、費用対効果を最大化するような計画が大切です。

費用対効果の高いUXリサーチを行うために、以下の点を意識しましょう。

  • 目的の明確化
  • 対象の絞り込み
  • 適切な手法の選択
  • 分析の優先順位付け

分析時は優先順位をつけて実施し、目的達成に直結する要素から分析を行いましょう。また、目的達成に直結する要素を見つけるのが難しい場合は、リサーチの専門家からアドバイスを受けながら実施するのがおすすめです。

ちなみにグッドパッチでは、ご支援企業と並走してリサーチを深める「Insight Research」というサービスを展開しています。詳細は下記ボタンからご覧いただけます。

並走型リサーチ「Insight Research」

UXを正しく捉えてニーズに合った開発を!

本記事ではUXリサーチについて、重要な理由や具体的な活用方法を解説しました。UXリサーチはユーザーのニーズを的確に捉え、価値のある商品やサービスの開発に有効です。

またUXリサーチを活用する場合は、自社の商材やターゲットユーザーのニーズにあわせて適切な手法を使うことが重要です。

「自社にあったリサーチ手法が分からない」「具体的にどうリサーチを進めれば良いかわからない」など、UXリサーチにお悩みの場合はグッドパッチにお問い合わせください。

並走型リサーチ「Insight Research」

Insight Researchは、リサーチの「①目的設定と分析」「②施策方向性検討」「③アクションへの落とし込み」まで、グッドパッチのデザインリサーチャーが一貫してクライアントと並走する探索型リサーチです。

Insight Research

このような方におすすめです

    • 顧客起点に物事を進めたい、始めたい方(事業・サービス)
    • 機能追加で新商品を出してきたが、限界を感じているプロダクトオーナー
    • 施策検討を行っているが、このままで良いのか不安な事業責任者の方
    • 過去のリサーチからすでに知っているような表面的なレポートしか得られず、アクションにつなげられなかった方
    • DX推進を任されたが、何から手をつけたらいいか分からない方