プログリットの語学学習アプリ「シャドテン」 多忙なPdMを支え、共に歩んだKPI改善プロジェクト
ビジネスパーソン向けの短期集中型英語学習プログラムで有名な「プログリット」。皆さんは同社が提供するサービス「シャドテン」をご存じでしょうか。
シャドテンは、ユーザーが録音した音声を専門スタッフが24時間以内に添削し、フィードバックを返すという、リスニング力の向上に効果的とされる「シャドーイング」学習を支援するサービスです。電車の中吊り広告などで見たことがあるという方もいるかもしれません。
知名度の向上に伴い、利用者は順調に増加していたものの、さらなる成長に向けた課題を解決するため、同社はグッドパッチのプロダクトマネジメント支援サービス「Product Growth Partnerships」を利用し、サービス改善のプロジェクトが始動しました。
今回はシャドテンのPdM(プロダクトマネージャー)である北澤さんをはじめとするプロジェクトメンバーにインタビュー。データ分析とユーザーインサイトの活用を軸にした改善施策で、KPI達成を目指すこのプロジェクトの詳細に迫ります。
話し手:
株式会社プログリット プロダクト開発部 プロダクトマネジャー 北澤さん
Goodpatch プロダクトマネージャー 石田
Goodpatch プロダクトマーケティングマネジャー 吉田
Goodpatch プロダクトマーケティングマネジャー 富田
目次
「有料会員への移行」と「解約率の低下」 2つの数値改善を追うプロジェクト
——今回のシャドテン改善プロジェクトが本格的に始動した背景と、グッドパッチをパートナーに選んでいただいた理由を教えてください。
プログリット 北澤さん:
私はプロジェクトの途中から参加したので、意思決定の場にいたわけではありませんが、グッドパッチさんから最初の提案をいただいたのは2024年の2月ごろだったと聞いています。
シャドテンは積極的な広告展開をしてきたこともあり、利用者は順調に増えていたのですが、事業上重要なKPIがわれわれが目指す姿に対して足りていない状況でした。
——そのKPIとは何でしょう。
プログリット 北澤さん:
「有料会員への転換率」と「解約率」です。シャドテンは7日間の無料体験期間を経てから、月額料金が発生するシステムになっています。無料の期間でサービスの価値を感じていただき、本格使用を決めてもらえる人の割合(=転換率)が重要な指標になるのです。さらに、有料転換後に解約する人の割合 (=解約率)もサービスの価値を感じ続けてもらう上では重要な指標です。現在もこの2つを最重要の数値として追いかけています。
——利用者を増やして、減らさない。サブスクリプション型ビジネスの基本といえますね。
プログリット 北澤さん:
プログリットでは2024年の1月ごろから「どうすれば、シャドテンをより多くの英語学習者により長く使っていただけるか」を経営課題として検討し始めていました。
当時のPdMは別のプロジェクトも兼務し、リソースがひっ迫していたこともあり、外部の専門的な知見を活用して、ユーザー視点で改善を図ることができればと考え、グッドパッチさんにご協力いただくことに決まりました。
——グッドパッチ以外にも検討された会社はあったんですか?
プログリット 北澤さん:
4社くらい検討したと聞いています。グッドパッチさんに決めた理由としては、デザインとデータ分析のバランスが取れた提案と、UXリサーチのノウハウがプロジェクトにマッチしていた点が大きかったと。
他社ではデータ分析やデザインのどちらかに偏った提案が多かったのですが、グッドパッチさんは両者を組み合わせた施策を提案いただきました。
利用するツールについても私たちの環境に合わせてカスタマイズされていたので、グッドパッチさんが離任された後も、社内でグロースサイクルを維持できるだろうという見込みもあったと聞いています。これはプロジェクト途中から参加した私も、まさに実感していたところです。
7日間の無料期間で価値を感じてもらうための「オンボーディング改善」
——サービス改善のプロジェクトは、どこから手をつけたのでしょうか。
Goodpatch 石田:
まずはシャドテンの状況を把握するため、ユーザーの皆さんがサービスをどのように使い、どんな価値を感じているか、プログリットさんにご協力いただいて10人ほどインタビューを行いました。
「有料会員になったユーザー」と「無料期間で離脱したユーザー」の双方から意見を聞くことで、それぞれどのようなインサイトがあるのかを探り、サービスの改善ポイントを検討しました。
——リサーチやインタビューの結果、どのような課題が見えたのですか?
プログリット 北澤さん:
無料期間におけるユーザーへのフォローが足りなかったことですね。シャドテンの無料トライアルは7日間あり、期間中に最大7回分の添削を受けられるシステムになっています。ただし、1日に提出できる課題は1つまでで、時間を過ぎるとその日は提出できない仕組みです。
この仕組みは毎日トレーニングに取り組むことで学習を習慣化し、リスニング力を少しずつ伸ばしてもらうことを意図しています。1回の学習時間は30分を推奨していますが、ビジネスパーソンが毎日の学習時間を確保するのは一定のハードルがあります。
——30分を1週間続けるとなると、強い意志が求められますね。
プログリット 北澤さん:
だからこそ、学習方法や効果にある程度の信頼が必要なのですが、リサーチやインタビューで明らかになったのは「シャドーイング」の効果を正しく理解しないまま、トライアルを始める人が多かったということです。
シャドーイングは「自分で発音することで、聞き取れなかった部分が聞き取れるようになる」効果を狙うリスニングのトレーニングですが、スピーキングのトレーニングと勘違いしている人が少なからずいらっしゃいました。
Goodpatch 石田:
データでは、無料期間中に課題を多く提出したユーザーは有料会員になる可能性が高い一方で、課題の提出が少ないほど離脱してしまう傾向がありました。
特に提出回数が4回と5回で有料会員になる割合が大きく変わっていたので、5回以上提出してくれる方をどれだけ増やせるかが、KPI達成の一つのマイルストーンになると考えています。
——課題の提出回数が多いほど、サービスの価値を感じてくれているということになりますよね。提出回数を増やすために、どのような施策を導入したのでしょうか?
Goodpatch 石田:
まず「シャドーイングが何であるか」をユーザーが正しく理解して始めることが重要です。トライアルの開始前に「シャドーイングとはどういったトレーニングか」をていねいに説明し、リスニング力を鍛えるプロセスであることをしっかり伝えるようにしました。
次にユーザーが目標を持って取り組みやすいよう、提出の目安やマイルストーンを設定しました。「これを達成すればOK」という目標をアプリ内に表示し、進捗状況が把握しやすくなるよう工夫しました。
また、課題を提出した際には「添削をお返しするまで、通知をオンにしてお待ちください」というメッセージを表示し、次のステップへの期待感を持っていただくようにしています。待っている間には「この動画を見て復習しましょう」といったコンテンツも提供し、ユーザーが次の行動を迷わずに進めるようサポートするようにしました。
プログリット 北澤さん:
これまではトライアルが始まった後は、どのように学習をするのか、課題をどうやって提出するか、すべてユーザー任せになっていました。皆さんに7日間でいかに多くの体験を提供し、密なコミュニケーションを図れるかが重要だと感じています。
各種データの関連性を可視化した「KPIツリー」を策定 意思決定がスムーズに
——サービス利用初期の体験、いわゆる「オンボーディング」を改善することで、有料会員になってくれる方の割合を増やそうとしたわけですね。
Goodpatch 富田:
リサーチやユーザーインタビューと並行する形で、データ基盤の整備も進めました。具体的にはダッシュボードの整備や必要指標の洗い出しなどですね。PdMの方がプロジェクト全体を把握しやすくなるよう、数値モニタリングができる環境を整えるためです。
特に「体験フロー」を可視化するため、アプリのダウンロードからアンケート、オンボーディング、教材選択といったステップを洗い出し、それぞれの段階で必要な数値が取れているかを確認しました。部分的にデータが不足していた箇所についても補足して、モニタリングを円滑に進められるようにしています。
プログリット 北澤さん:
私はプロジェクトが始まって3カ月後くらいにジョインしたのですが、グッドパッチさんにリサーチの結果やデータを整理・可視化していただいたおかげで、すぐに状況をキャッチアップできました。
数値以外の部分でも、インタビューのインサイトなども視覚的に整理されていたので、パッと見て必要な情報が把握できたことはありがたかったですね。
——データが整理されていれば、新しくシャドテンの運営に関わる人もそうですし、社内にも状況の共有がしやすくなりそうです。
Goodpatch 富田:
事業の分析に必要なデータがそろったところで、KPIツリーの策定に乗り出しました。ユーザーの行動がどのように「有料会員への転換率」と「解約率」というKPIに影響するのか図式化し、NSM(=ノーススターメトリック※)も設定できました。
※ビジネスの成長や成功を示すための最重要指標。サービスやプロダクトが最終的に目指すべき方向性を示す指標で、複数のKPI(重要業績評価指標)を包括する中心的な目標として設定されることが多い
プログリット 北澤さん:
先ほどお話ししたように事業KPIは以前からあったのですが、各々の指標や施策がKPIにどのように結びつくのかがあいまいで、数ある施策の中から、何を優先すべきかが判断しにくい状況でした。
7月に行ったワークショップで、4時間くらい膝を突き合わせて話し合い、KPIツリーを設定し直しました。その結果、どの指標に着目すべきか、そして各指標がどのように連動しているかが明確になり、施策の優先順位をつけやすくなりました。8月以降は、やるべき施策に対して納得感を持って進められるようになりましたし、周囲への説明も自信を持ってできるようになったと思います。
——なるほど。限られたリソースの中で、施策に優先順位をつけるのがPdMの大きな役割ですよね。これでプロジェクトの進行もスムーズになったと。
プログリット 北澤さん:
そうですね。KPIツリーをベースに改めてダッシュボードも整備していただいたことで、追うべき指標が明確になり、データも分かりやすく可視化されました。チーム全体で情報を共有しながら、プロジェクトを進める基盤が整ったと感じています。
これまではデータはそろっているけれど「何をどう見れば良いか分からない」状態に陥り、数字に向き合えていない感覚があったのですが、富田さんが作ってくださったダッシュボードは現状が一目で分かるようシンプルにまとめられていました。
Goodpatch 富田:
データが整理されていないと、嫌悪感ではないですが、PdMや他の担当者が「これ以上見たくない」となってしまうこともありますよね。重要なデータにすぐアクセスできるよう、課題やシナリオベースで配置を工夫したり、情報量を調整したりしています。
今後の利用者増に耐え得るサポート体制 第一歩は顧客基盤の整備から
——その後はプロジェクトはどう進んでいったのでしょう。
プログリット 北澤さん:
秋以降はプロダクトマネジメントにおけるオンボーディング以外の課題についても施策を打っていきました。最も時間をかけたのはユーザーサポート体制の改善ですね。
——ユーザーサポートにはどのような課題があったのでしょうか。
プログリット 北澤さん:
先ほどお話ししたように、シャドテンのユーザー数は増え続けています。その結果として、問い合わせの数も増加傾向にあり、対応コストが膨らんでいたのです。
Goodpatch 吉田:
シャドテンのサポートは主にLINEで行われており、問い合わせに対してスタッフが逐一回答する形をとっています。課題は大きく2つあり、1つはFAQがあまり機能していなかったこと。もう1つはLINEの問い合わせと顧客情報がシステム的に連携していなかったことです。
——なるほど。それぞれどのような問題だったのか、詳しく教えていただけますか?
プログリット 北澤さん:
FAQについては、「基本的な内容の質問が多数寄せられてしまう」という点が課題でした。
サービスサイトから遷移できるFAQの内容が少なく、質問したい人がLINEに流れてしまう構造になっており、「課題をどう提出すればいいのか」といった基本的な使い方や「シャドーイングとはスピーキングの訓練ではないのか」といった、FAQで十分に対応できるような質問についても、スタッフがLINEで対応するケースが多かったのです。
Goodpatch 吉田:
もう1つの課題は、LINEの問い合わせデータと顧客情報が突合できないというものです。
LINE経由で問い合わせが来ても、ユーザーの情報として分かるのはニックネームと電話番号だけ。メールアドレスやフルネームといった情報がないため、スタッフが追加で個人情報を伺い、顧客情報と人力で紐づけるなど、対応に多くの時間がかかってしまっていました。
——定型的なオペレーションが増え、スタッフの方々の負担が重くなっていたわけですね。
プログリット 北澤さん:
そうですね。サポートチームのスタッフも英語学習に知見のある方たちなので、LINEの問い合わせは、学習方法に関する質問や悩みの相談を聞くといった形でも活用していただきたいのです。
Goodpatch 吉田:
担当の方たちと話してみると、ユーザーに「英語力を身につけて人生を変えてほしい」と心底願っていました。添削もそうですが「人が介するサービス」がシャドテンの体験価値を支えています。価値を最大化するためにも、人間にしかできないことにリソースを割くのがいいでしょう。
——どのようにして、2つの課題を解消していったのですか。
Goodpatch 吉田:
FAQについては、ユーザーが自己解決しやすくなるよう、サービスサイトとLINEからの導線を整備しつつ、コンテンツも追加して充実させました。
顧客情報の連携については、細かな課題を洗い出すためにオフィスにお邪魔して、サポートチームの隣でどのような業務をしているのか、オペレーションを間近で見せてもらいました。ていねいな対応をするために作業量が増えてしまっていたところもあり、タスクを整理するところから始めた形です。
——ていねいな対応も含めて、全て人力で行っていたと。
Goodpatch 吉田:
LINEのユーザーデータと顧客情報のデータベースを接続するためにツールを入れることになり、石田と協力してベンダーの選定なども行いました。こういうものはツールを入れれば万事解決、ということはなく、システム移行の計画やオペレーションまで設計する必要があるので、大変だった記憶がありますね。
サポートチームにシステムに明るい方は少ないので、ここでプロダクト開発サイドの北澤さんや石田さんと連携しながら、顧客基盤を整えられたのは良かったです。
シャドテンに限らず、プロダクトの改善においては開発チームとサポートチームが別々に動くことが多いのですが、PdMとPMM、両者が連携することで問い合わせ対応のスムーズさと体験の質が共に向上するという価値につなげられたのだなと。長期的なエンゲージメントにもつながっていくと感じています。
Goodpatch 石田:
ユーザーの悩みを解決するという観点では、プロダクトだけでなく、LINEで質問や相談をしてもいいわけです。
プロダクトだけで何とかしようとしても限界がありますから、そういう意味で、サポートチームの皆さんと「ユーザーとのコミュニケーション」というテーマで一緒に課題解決に取り組めたのは良かったですね。
常に困難に直面するPdMを「定性」×「定量」の両面で支える体制づくり
——北澤さんにお伺いしたいのですが、PdMの難しさを感じるのはどのようなときですか?
プログリット 北澤さん:
先ほど吉田さんが、「人が介するサービスがシャドテンの体験価値を支えている」とお話しいただきましたが、シャドテンはプロダクト単体でなく、シャドーイングアドバイザー(ユーザーが提出したシャドーイング音声を添削するスタッフ)の存在があって成り立つサービスです。ユーザーが増えても提出された課題をちゃんと返すには、スタッフの体制にも目を配る必要があります。
プロダクトとしてどこに注力すべきか、対ユーザーだけでなく運営側の事情も考慮する必要があり、意思決定の難しさを感じています。
Goodpatch 石田:
PdMは「やらないことを決める人」だと思っています。後回しにする決断も重いものになりますが、そういうときこそデータや指標があると「今はこれを優先してやるべき」「リソースが限られているからこれは後回しにすべき」という仮説が立つので、それに向かって突き進み、PDCAを回していくことができます。
プログリット 北澤さん:
今はまさに「選択と集中」のモードに入っていて、顧客基盤の整備については話がさらに進んだら、改めて最前線に行こうと思っています。
Goodpatch 石田:
PdMは立場上全てを見ることになるので、すべての課題にいつもフルコミットはできないですよね。ただ、プロダクトもサポートも最終的には全てがユーザー価値になるものなので。支援をする自分としては、システム側だから、サポート側だからと線引きせず、手を変え品を変え、役割を変えながら、俯瞰してアドバイスできるようにしていました。
プログリット 北澤さん:
俯瞰しつつ、施策の細かい点まで向き合っていただいたのは、プロジェクトに入ったばかりの私にとって助かりました。石田さんが中長期のプロダクト戦略を立てていただいて、僕たちが「それを踏まえて今月や来月に何をやるかを決めよう」という意志決定をする、というような分担がきれいにできました。
グッドパッチの皆さんがいなければ、てんやわんやで、目の前のタスクに飲まれてパンクしていたのではないかと。分担のおかげで自分の現実的なキャパシティとともに成長できたと思っていますし、たくさん議論して納得のいく方向性で動けたと思っています。
——今回のグッドパッチとのプロジェクトを通して、北澤さんが特に印象に残ったことはありますか。
プログリット 北澤さん:
まずはグッドパッチの皆さんのキャッチアップのスピードですね。事業の課題や背景、各施策における根本的な事情まで、短期間で一気に把握していく様子には驚きました。
私自身はプロジェクトの途中から参加した身ですが、皆さんのキャッチアップの際にまとめていただいた資料を見て、解像度が一気に高まりました。本当にありがたかったです。
何か施策を打とうとするときに背景の状況を知る動きも早いですよね。顧客基盤の改善を進めるとき、吉田さんがサポートチームに張り付いてオペレーションを直接観察しているのを見たときは、「ここまでやるのか」と驚くと同時に、自分もこれくらいのスピード感を持って仕事を進めたいと思いました。
Goodpatch 吉田:
プロダクトの改善には、サポートチームやユーザーの声を直接聞くことが重要です。データだけではなく、現場の方々が大切にしている思いや姿勢を理解することで、プロジェクトの進行やアウトプットにも大きく役立ちました。
プログリット 北澤さん:
対ユーザーだけでなく、オペレーションを変える、FAQを整備するといった運営側の方まで支援をしていただけたのは意外でした。
また、デザイン会社というと「ユーザー調査をして、こういうインサイトがあるから、こう変えるべき」という定性的なプロセスで進めるイメージがありましたが、富田さんみたいにデータに強い方もいて、定量的なアプローチも合わせて、双方で意思決定をする体制だったからこそ、このプロジェクトも正しい方向に向かっていけたのだと思います。
AI時代だからこそ人の力を大切に──シャドテンの哲学をデザインで支える
——ありがとうございました。最後にシャドテンの今後の展望についてお聞かせください。
Goodpatch 富田:
今回、シャドテンのグロースに携わって感じたのは、費用対効果に対する期待ですね。「プログリット」という英語学習のスペシャリストの会社という市場認知はとれており、マーケットフィットはできているので、後は2万円という価格設定に対して、どう価値を感じてもらうかがカギになると考えています。
また、何度か話題に上がっていますが、SaaS型のサービスに見えて人力が絡むビジネスモデルなので、その点がグロースにおいてはチャレンジングなポイントだなと。
プログリット 北澤さん:
AIの時代だからこそ、人力の提供価値を大事にするのが社長の考え方です。他のシャドーイングサービスはAI添削を採用するものも多いのですが、同じことをやってしまうと価格競争になってしまうし、目標の達成に対して遠回りになり得ます。添削する人がいる、ということの価値をもっと高め、伝えていく必要があるでしょう。
Goodpatch 石田:
テクノロジーと人力の両方が見えるというのは良い方向だとは思います。大切にしたいところを大切にするというのは、サービスとしては差別化できるポイントになりますから。
プログリット 北澤さん:
だからこそ「人の添削に月2万円の価値がある」という点は、今後も追求しないといけません。アプリのUI/UXを抜本的に改善したいですし、今はユーザーに任せている課題の選択を成長に合わせてこちら側からレコメンドできたらいいかもしれない。画面の向こうに人がいることをもっと感じられるような仕掛けを生めたらいいかもしれない──。
今回はプロダクト改善の道筋を作るところまでがプロジェクトのスコープでしたが、やりたいこと、やらなくてはならないことはたくさんあって、機会があったら、またグッドパッチさんとご一緒したいなと思っています。