2024年のグッドパッチを振り返る
2024年もあっという間でした。グッドパッチは2024年12月28日(土)〜2025年1月5日(日)まで冬季休業となります。
2024年もGoodpatch Blogをお読みいただいたり、応援してくださったり、大変お世話になりました。ありがとうございました。
今年最後の記事として、2024年のグッドパッチグループのハイライトをまとめました。よろしければ、振り返りにお付き合いいただければ幸いです。
目次
さまざまな企業とのパートナーシップで、新領域のビジネスを開拓
2023年に続き、2024年もグッドパッチはさまざま企業とのパートナーシップを結びました。化粧品会社との商品開発プロジェクトから気鋭のAI企業との協業、HR領域の合弁会社設立まで。
「デザインの力」の新たな可能性を模索するべく、今後も新領域のビジネスを開拓していきます。ここでは、代表的なものを振り返りながらご紹介します。
化粧品会社mshとの共同開発で、新ブランドを立ち上げ
グッドパッチは化粧品の企画・開発・販売などを行うmsh社と、新ブランド「Ctrlx(コントロールバイ)」を立ち上げ、2024年5月1日に新商品を発売しました。
ユーザーニーズを基にしたコンセプトや商品設計、パソコンのショートカットキーをモチーフにしたネーミングやパッケージなどがSNSを中心に注目を集めました。楽天市場では、発売初日のリアルタイムランキングにおいて4部門でトップを獲得。
ブランドコンセプト設計から商品開発、販促プロモーションに至るまで一貫して携わった本プロジェクトは、グッドパッチとしては初めて「レベニューシェア型」を採用。ビジネスモデルの面でも新たな取り組みとなりました。
プロジェクトの様子に迫った、インタビューもぜひご覧ください!
Algomaticと共同でAIプロダクトのデザイン・開発支援サービスの提供を開始
10月には、生成AIに特化して数々の事業開発を行っているAlgomatic社と共同で、AIプロダクトのデザイン・開発支援サービスの提供を開始しました。
「ChatGPT」の登場以来、注目の的となっている「生成AI」。最近ではAIを活用したサービスも各社から登場していますが、多くの人がAIを使いこなし、恩恵を享受しているとは言えない状況です。
個人はもちろん企業も含め、AI導入が進まない背景はさまざまありますが、「ユーザーが進んで使いたくなるような体験を備えたプロダクト(サービス)」が多くないというのも理由の1つではないでしょうか。
AIと人間がプロダクトを介して、どのような関係を築いていくべきか。関係性をどうデザインするか──今後、多くのデザイナーが取り組む大きなテーマになりそうです。
PeopleXと合弁会社「ピープルアンドデザイン」を設立
同じく10月には、HRプラットフォームを展開するPeopleX社との合弁会社「株式会社ピープルアンドデザイン」を設立しました。人と組織の信頼をデザインし、愛される組織づくりを進め、事業の成功を支援する「戦略HRパートナー」として、コンサルティングサービスやHR SaaSを提供します。
創業から数年で急成長と引き換えに組織崩壊を経験し、さまざまな組織課題に直面してきたグッドパッチ。そのたびに“人と組織”に向き合い、信頼を回復しながら乗り越えてきました。以来、グッドパッチでは「組織に関わる人々の体験=People Experience(PX)」を大切に、コアバリューの浸透やカルチャー醸成などの施策を実践しています。
こうしたグッドパッチ自体の経験、そして、労働人口減少やビジネス環境の変化、多くの企業が組織課題を抱えている実態などから「組織に関わる人々の体験価値の向上が、企業の成功につながる」と考え、HR領域での事業展開を強化。
さまざまな企業の組織課題の解決に向き合ってきたグッドパッチの知見と、HRプラットフォームを展開するPeopleXの開発力・技術力を掛け合わせたジョイントベンチャー、今後の展開にご期待ください。
イベント協賛や講演を通じて、社員の露出が増えた1年
「Designship」をはじめ、さまざまなイベントにグッドパッチが登場
2024年はイベントへの協賛やメンバーの講演など外部への露出が増えた1年でした。10月に開催された日本最大級のデザインカンファレンス「Designship」に、グッドパッチはDIAMONDスポンサーとして協賛。ブースでは、各社のCDOやグッドパッチデザイナー選書の「デザイナーとして可能性を広げてくれた本」の紹介コーナーを設置し、多くの方にお立ち寄りいただきました。
ブースだけでなく、グッドパッチのメンバーが「デザインの力で成し遂げたいこと」を語るムービー、セッションやパネルディスカッションへの登壇も通じて、グッドパッチが手がけるデザインの領域やデザインの可能性を広げる挑戦について、知っていただく機会になりました。
Designship以外にも、ブース出展やパネル展示をしたデザインの祭典「Featured Projects」、UXデザイナーの秋野や、デザインリサーチャーの住谷、ソフトウェアエンジニアの中田が登壇したリサーチャー向けイベント「RESEARCH Conference2024」、クリエイティブディレクターの栃尾が登壇した「Spectrum Tokyo Festival 2024」など、さまざまなイベントにグッドパッチが登場。2025年はどんなイベントにグッドパッチ(のメンバー)が登場するのか、お見逃しなく!
YouTubeにて公式サブチャンネル グッドパッチの「よはく」開設
6月にはYouTubeの公式サブチャンネルが始動しました。その名も「グッドパッチの『よはく』」。
サブチャンネルということで、内容は少しゆるめ。デザインするために大切な「余白」をテーマに、社員や卒業生のインタビュー、グループ総会や社内交流会、グッドパッチ社員が過ごす日常や社内の様子をお届けしています。2025年も定期的に動画を公開していきますので、ぜひお気軽にご覧ください!
また、直近ではUIデザイナーチームがPodcast「ちょこっともくもくデザインラジオ」を始めました。グッドパッチのメンバーがデザインやキャリアについて自由に語る、肩の力を抜いて聴くのにぴったりの番組です。年末年始、お時間があるときに聴いてみてはいかがでしょうか。
「ウェブアクセシビリティ」への取り組み
4月に「改正障害者差別解消法」が施行され、障がいを持つ方々への「合理的配慮」の提供が義務化されたことで、注目が高まったウェブアクセシビリティ。より多くの人にデジタルプロダクトやサービスを使ってもらう、価値を届ける「アクセシビリティの担保」は、デザインと切っても切り離せない関係といえます。
さまざまな企業にデザインパートナーとして伴走していく中で「アクセシビリティ」がテーマになる場面も増えてきていますが、グッドパッチ自身も実践していかねばなりません。3月には「ウェブアクセシビリティ方針」を策定し、9月には試験結果を公開しました。
誰もがアクセシブルにグッドパッチの情報にたどり着けるよう、今後も取り組みを進めるとともに、Goodpatch BlogやYouTubeでも、アクセシビリティに関するさまざまな情報を発信していきます。ぜひご覧ください!
【関連記事】ウェブアクセシビリティとは?取り組むべき6つの理由と対応に向けた5つのステップ
プロトタイピングツール「Prott」サービス終了
2014年にリリースしたプロトタイピングツール「Prott」は、2024年8月31日をもってサービスを終了しました。
Prottはモバイルサイトやアプリを開発するデザイナー、エンジニア、ディレクターなどからなるチームのためのプロトタイピングツールとして、グッドパッチが初めてつくったプロダクトです。
リリースから10年、プロダクト開発に関わる多くの方々に使っていただき、サービス終了の告知したときには「リリース当時、デザインの力を最も感じたプロダクト」「今日もProttパーカーを着て仕事していた」など、社内外からたくさんの声をいただきました。ご愛顧いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。
「デザイン」の価値を改めて考えさせられた1年、逆転劇を目指してグッドパッチも変わっていく
振り返ると、2024年は「デザイン」の価値を見直す機会が増えた1年でもありました。デザイン思考の先駆者ともいえる「IDEO」の日本撤退に端を発した「デザイン思考の終焉」や、生成AIによる「デザイナー不要論」などが、メディアやSNSなどでたびたび話題に。
こうした状況を背景に、デザイナーに求められる役割も変わってきています。6月に公開した「ReDesigner Design Data Book 2024」では、経営に関わるCDOやCCO、CXOなど「デザインエグゼクティブ」を設置する企業の増加や、デザイナーの所属先が事業部付から「デザインセンター」に移行しつつあることなどが明らかになりました。
デザインを取り巻く状況が変わるということは、グッドパッチ自身も変革していく必要があるということでもあります。2024年は初めてCHRO(最高人事責任者)を設置し、新執行役員が就任するなど、経営体制の変更も行いました。
デザインやデザイナーに対する評価や議論も変化する中で、これから私たちはどう戦っていくのか。8月に開催したグループ総会では「DRIVE 180°」というコンセプトを掲げました。
過去に何度も危機を乗り越えてきたように、この逆境を逆転劇に変えるのは、デザインの力を信じる私たち自身の意志から始まる。そんな思いを胸に2025年もグッドパッチは前を向いて進んでいきます。
2025年もグッドパッチをよろしくお願いします!
長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
2024年、Goodpatch Blogでは100本以上の記事を公開しました。ついに3ケタの大台に乗ってしまった気もしますが、さまざまなコンテンツを出せるのも、読者の皆さんのおかげです。編集担当からも重ねて御礼申し上げます。
Goodpatch Blogがお休みになる年末年始は、グッドパッチのデザイナーやエンジニアが筆をとり、さまざまなナレッジを寄稿したアドベントカレンダーの記事はいかがでしょう?こちらも合わせて、約70本のコンテンツがそろっています。
・Design Advent Calendar 2024
・Engineering Advent Calendar 2024
・Anywhere Advent Calendar 2024
それでは皆さん良いお年を。2025年もグッドパッチを、そしてGoodpatch Blogをよろしくお願いします!