プロダクト改善とは?成功のための2つの要素と具体的なステップを解説
事業やサービスをリリースしたものの想定していた成果を得られず、プロダクトの見直しを迫られるケースは意外と多いです。
とは言え「プロダクト改善はどのように行うのか」「どのような考え方が必要なのか」などプロダクト改善に関する知識がないと、的確な改善ができません。
本記事では、2011年の創業以来、デザインファームにおけるパイオニアとして、多くの企業に向けてソフトウェアのUIデザインやUXデザインの支援をしてきたグッドパッチが、プロダクト改善に必要な要素と具体的なステップをご紹介します。
プロダクト改善への取り組み方が分かるので、ぜひご覧ください。
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- 事業責任者が開発責任者も兼任しており、人手も時間も足りない
- 直近の開発に手一杯になっており、中長期の視点でプロダクトを捉えられていない
- 事業視点中心の開発になっており、ユーザーの視点をうまく取り入れられていない
- など、外部パートナーとしてのPdM(プロダクトマネージャー)人材のサポートが必要な組織
目次
プロダクト改善とは
プロダクト改善とは、事業やサービスに潜む本質的な課題をユーザー・ビジネス両方の観点から抽出し、新たな顧客体験をデザインする取り組みのことです。顧客体験のデザインにはプロダクトの機能の実装や、そもそもの機能自体の書き換えも含まれます。
プロダクト改善では現状の課題に応じて、下記のようなさまざまな取り組みを行います。
【プロダクト改善における取り組みの例】
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プロダクト改善では、単なる機能の追加やアップデートだけでなく、定性・定量の両面から多角的なリサーチを行い、抽出した課題を基に改善を繰り返し顧客満足度向上や売上拡大などを目指します。
プロダクト改善の必要性
消費者ニーズが多様化した市場では、プロダクトそのものに価値がないと消費者から選ばれません。ユーザーから求められるためには、消費者や企業のニーズ、市場の変化を捉えつつ、ユーザーの声に耳を傾けてプロダクトを改善する姿勢が重要です。
しかし、従来のウォーターフォール型(上流から下流まで順を追って開発する手法)のプロダクト開発では、プロダクトの価値は全工程の最後にしか分かりません。リリースされたサービスやプロダクトが思うように成長しなかったとき、ユーザーが求めている適切な改善策を実施しなければ、プロダクトの価値はなかなか高めることができないのです。
最終的に誰にも求められていないサービスになってしまうことを避けるためにも、プロダクト改善は必要となってきます。
プロダクト改善の2つの要素
ここでは、プロダクト改善に必要な2つの要素をご紹介します。成果につながるプロダクト改善ではどのような要素を意識するべきか、参考にしてみてください。
【プロダクト改善の2つの要素】
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プロセス
1つ目は、プロダクト開発の「プロセス」です。
従来のウォーターフォール型開発では、全工程の最後にしかユーザーの声を反映できないため、開発したプロダクトが市場のニーズと乖離してしまうリスクがありました。
そこで近年注目されているのが、下記のプロダクトマネジメント4階層を基にしたプロセスです。
【プロダクトマネジメント4階層】
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Core(コア)|ビジョンとミッションの明確化
プロダクト開発の基盤となるのは、Core(コア)で定義されるビジョンとミッションです。「なぜこのプロダクトを作るのか?」「どのような価値を提供したいのか?」 という根本的な問いに対する答えであり、開発プロセス全体を方向づける核となります。
Why(なぜ)|ユーザー理解と価値追求
次に、Why(なぜ)の階層において、徹底的なリサーチを通じてユーザーの課題やニーズを深く理解します。 「誰のために作るのか?」「どのような問題を解決するのか?」 を明確にすることで、プロダクトが真にユーザーにとって価値のあるものになります。
What(何)|ユーザー像と提供価値の定義
Whyで得られたユーザー理解に基づき、What(何)の階層では、具体的なユーザー像を明確化し、ユーザー像に基づいたプロダクトの提供価値を定義します。「どのような機能を提供するのか?」「どのようなユーザー体験を提供するのか?」を具体的に検討できれば、プロダクトの骨格が形成されます。
How(どのように)|アジャイル開発とフィードバック
How(どのように)の階層では、アジャイル開発手法を活用し短期間でのフィードバック収集を繰り返します。「どのように開発を進めるのか?」「どのようにユーザーの声を反映するのか?」を常に意識すると、市場の変化に柔軟に対応した上でニーズに合致したプロダクトを開発できます。
プロダクトマネジメント4階層についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ「Product Growth Partnerships」の資料ををダウンロードしてみてください。
マインドセット
2つ目は、プロセスの変更に応じた「マインドセット」です。
プロダクト開発のプロセスを見直したくても、開発者のマインドが伴わなければ納得できる改善が実現できません。プロダクト改善のためのマインドセットでは、下記の3つの点を意識してみましょう。
ユーザー視点を徹底する | プロダクトの機能ではなく、ユーザーへの価値提供を軸にプロダクト開発をする |
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良いものをチームでつくる | デザイナーやエンジニア、マーケティングなど部門を横断してさまざまな視点から意見を出し合う体制を整える |
失敗・不安を怖がらない | プロダクト改善における変化に柔軟に対応して、新しい考えや刺激を楽しめるマインドを持つ |
プロダクト開発のプロセスを見直し、早期からテストを繰り返すと、早い段階で考えの間違いに気付くケースがあります。
間違った考えを失敗だと考えず、大きなリスクを回避できたと認識し、変化や刺激を楽しむマインドを意識するといいでしょう。
プロダクト改善の4つのステップ
ここでは、グッドパッチが提供している「プロダクト改善サービス」のステップをご紹介します。どのような手順でプロダクト改善を進めればいいのか分かるので、参考にしてみてください。
【プロダクト改善の4つのステップ】
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ステップ1.本質的なニーズ・課題の理解
まずは、プロダクトの本質的なニーズ・課題を理解します。定性・定量の両面から、下記のようなリサーチを実施するといいでしょう。
- デプスインタビュー(調査対象者と1対1でインタビューする手法)
- 市場・競合リサーチ
- アクセスデータ解析
- カスタマージャーニーマップ(ユーザーが商品を認知して購入するまでの行動変容を可視化したマップ)
- 価値マップ(ユーザー行動に対して「なぜそうしよう、したいと思ったのか?」問いを立てて抽象的なユーザーの意思を分析する)
- 事業課題・組織課題リサーチ など
リサーチの結果からユーザーのニーズやサービスを分析し、サービスが抱える課題(プロダクトの課題や組織課題、オペレーション課題など)を定義します。
【関連記事】【保存版】UXリサーチ完全ガイド|成功のポイントと手順を徹底解説
ステップ2.改善施策立案・検証
事業やサービス、プロダクトの成長を踏まえて改善戦略を立案し、下記のようなアプローチで理想の体験を再設計します。
- コンセプトシート
- リーンキャンバス(ビジネスモデルを9つの要素に分けて可視化するフレームワーク)
- バリュープロポジションキャンパス(ユーザーの課題や悩みに応える価値を可視化するフレームワーク)
- ユーザビリティ検証
- コンセプトテスト
- テクニカルプロトタイプ など
ユーザー検証のフィードバックを基に改善を繰り返し、開発手法や体制の最適化を目指します。
ステップ3.ソフトウェアUIデザイン・本開発
事業とユーザーの両視点からKPI、KGIを設計し、ロードマップやバックログを策定します。下記のような手法、アプローチを使いながら、プロダクトの開発を効率よく進めます。
- デザインガイドライン作成
- ソフトウェアUIデザイン
- モデルベースUIデザイン
- デザインシステム構築
- サーバーレス開発
- アジャイル開発 など
ステップ4.改善プロセスの仕組み化
プロダクト開発の試作結果を、下記のような方法でスピーディーに分析・評価します。
- KGI・KPI評価
- ユーザーストーリーマッピング(ユーザーとサービスとの接点、やり取りを可視化したマップ)
- デザインスプリント(5日間でプロダクトの理解から検証までを実施してアイデアの価値を検証するプログラム)
- スプリットテスト(ABテスト)
- アクセスデータ解析 など
カスタマーサポートやマーケティングなどの部署と連携しながら、プロダクトを磨き込んでいきましょう。長期的なサービス拡大や顧客満足度の獲得に向けて、プロダクト開発のプロセスやカルチャーの見直し、改善を繰り返していきます。
ユーザーから愛されるプロダクト改善のポイント
ユーザーに選ばれ、継続的に愛用されるプロダクトを作るためには、単に機能が優れているだけでなく、ユーザーの心に響き、感情的なつながりを築けるかどうかが重要です。
ユーザーとの感情的なつながりを築き、愛されるプロダクトに必要なポイントを紹介します。
どのような点に留意しながらプロダクトを改善するべきか、参考にしてみてください。
【ユーザーから愛されるプロダクト改善のポイント】
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ユーザーが価値を感じるか
1つ目は、ユーザーが価値を感じるかです。
プロダクトの価値とは、ユーザーニーズを満たせるかどうかで決まります。「ユーザーの問題を解決できるのか」「目的を果たす十分なサポート役になっているか」という2点を問いかけてみましょう。
例えば、Appleが「iPod」を開発した際は、ユーザーがどのように音楽を聞いているのか徹底的に分析をしていました。2カ月で100以上ものプロトタイプを制作したそうです。
その後「自分だけの音楽コレクションをポケットに入れて持ち運び、いつでも視聴できる」というニーズを掴み、大ヒットを遂げました。
ユーザーを徹底的に理解し、適切な価値提供ができているのかを見直すことが重要です。
操作が簡単・使いやすいか
2つ目は、操作が簡単で使いやすいかです。ユーザーが扱いやすく身近に感じられるものは、ユーザーのリテラシーに依存しません。そのため、幅広いユーザーに使用してもらえるのはもちろん、繰り返し使用でき日常生活に浸透しやすいです。
例えば、Appleの開発した「iPhone」は、説明書がなくても使えるように直感的なデザインを取り入れています。
「操作が複雑で特定のユーザーしか使えない」「使い慣れるためのハードルが高い」など、ユーザーの使用感に課題はないか見直してみましょう。
感情的な関係を構築できるか
3つ目は、ユーザーと感情的な関係を構築できるかです。
ユーザーに共感をもたらすプロダクトは、人々を夢中にさせます。プロダクト改善は、機能や使い勝手にとどまらず、使用時の感動などを含めて検討することが重要です。
「ユーザーに付加価値を提供できているか」「ユーザーの感情を揺さぶる工夫があるか」など、感情的な関係を構築できているか見直してみましょう。
【関連記事】プロダクト開発の基本。ユーザーに愛されるプロダクトを作るためのポイントとは
プロダクト改善の成功事例
コープデリ生活協同組合連合会が提供する「コープデリ宅配アプリ」は、食品や日用品など計6,000点以上の商品を手軽に注文できるスマートフォンアプリです。
グッドパッチはアプリのUI/UXデザイン支援に始まり、組織が抱える課題やオペレーション上の問題改善など、サービス全般に対する幅広い支援を行いました。
コープデリならではの新しい購入体験を具体化し、プロジェクト開始からの1カ月で2度のユーザーテストを設計・実行を行いました。スピード感のある価値検証によって、その後のフェーズをスムーズに進めることに成功しています。
アプリのリニューアル後はポップな印象になり、ユーザーとの距離が近くなりました。買い物にワクワク感が加わり、よりユーザーが使いたくなるアプリに生まれ変わったのです。
このようにグッドパッチでは課題に応じたプロダクト改善をサポートしています。「コープデリ宅配アプリ」の事例は下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
【関連記事】コープデリアプリをグッドパッチがリニューアル、日常の買い物を「楽しいショッピング」に変えるデザインとは
プロダクト改善でユーザー価値を向上させる
一度リリースしたプロダクトの反応が想像と異なっても、改善をして適切な方向転換ができれば顧客体験価値の向上が見込めます。
本記事で紹介したステップを参考にしながら、現状のプロダクトを見直してどのように改善するべきか検討してみましょう。プロダクト改善の方法や取り組み方に迷った場合は、グッドパッチにお気軽にご相談ください。
プロダクトグロースを専門チームがサポート
UXデザインに強みを持ったPdM(プロダクトマネージャー)メンバーが、貴社のプロダクト開発現場にジョインし、課題の発掘~定義、解決に向けての伴走やグッドパッチが持つナレッジをインストールし、プロダクト開発現場に不足しているスキルをサポートするなどソリューションの詳細をご紹介します。
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