カタログやウェブ上で注文を受けた食材や日用品を、玄関先まで配達する「食材宅配サービス」。これまでニーズの高かった子育て世帯に加え、単身世帯や高齢者世帯、共働き世帯の増加やサービスの充実を背景に、利用者がますます増えています。

「コープデリ生活協同組合連合会」は536万人が加入する関東信越1都7県の6生協で構成する、生協として国内最大規模の事業連合です。取り扱い商品は食材、日用品など計6,000点以上。そんなコープデリの商品を手軽に注文できるスマートフォンアプリがリニューアルしたことをご存じですか?

今回Goodpatchは新たな「コープデリ宅配アプリ」のUI/UXデザイン支援に始まり、組織が抱える課題やオペレーション上の問題の改善など、サービス全般に対する幅広い支援を行いました。

複数のプロジェクトが同時並行に進む中、短期間でのアプリリリースが実現するまでには数々の熱い議論があったと言います。Goodpatchを選んでいただいた背景や、アプリのデザインに加えて、さまざまなクリエイティブを一貫してご依頼いただくに至った道のりをプロジェクトメンバーに伺いました。

話し手:
コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 次長 森本さん
コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 EC70%推進課 課長 小山さん
コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 企画・開発課 課長 川合さん
Goodpatch デザインディレクター 西村
Goodpatch クリエイティブディレクター/UIデザイナー 栃尾

紙注文からECへの移行が課題、アプリの利用率をどう高めるか?

──今回のコープデリ宅配アプリのリニューアルプロジェクトは、コンペを経てGoodpatchにご依頼いただいたと聞いています。プロジェクトの背景と当時感じられていた課題を教えてください。

コープデリ 小山さん:
現在コープデリでは、従来の紙の注文書のほかに「eフレンズ(PCとスマートフォンから注文できるウェブサイト)」と、コープデリ宅配アプリをはじめとしたECでの注文スタイルをご用意しています。

今回Goodpatchさんのご協力でリニューアルを行ったコープデリ宅配アプリは、30代前後の若年層を中心に15〜16万人にご利用いただいています。リリース以来、着々とユーザーが増えており、組合員さんの世代交代に伴って、今後も利用者は増えていくでしょう。

「商品の注文」に関連する機能が中心で、シンプルさがウリではありましたが、一方で「商品との出会いが少ない」といった課題があり、分かりやすいUIでセレンディピティを強化したいという思いがありました。

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 小山さん

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 小山さん

──ぱっと見たときの操作性の明快さは、購買意欲と深い関係がありますね。

コープデリ 小山さん:
まさにそうで、特に若い方は欲しいものをピンポイントで検索して購入する傾向があります。スーパーなど、実店舗での買い物であれば「目的買い」と「ついで買い」の両方が自然とあるものですが、これまでのアプリでは、目に入ったから買うという「ついで買い」の要素が弱かったのです。結果として、客点数と客単価、どちらもeフレンズよりアプリが下回っていました。

──アプリでいかに商品の魅力を訴求するかという課題があったと。一方で、紙の注文書を利用される方も多いのですか?

コープデリ 小山さん:
組合員歴が長いほど、慣れた紙での注文を継続されている方が多いです。資源や人件費の観点からもデジタル注文への移行を進めたいところで、全注文におけるEC受注の割合を70%にすることを目指しています。とはいえ、一度慣れたスタイルから切り替えていただくのは簡単ではなく、ECへの移行は課題となっています。

──なるほど。そういった課題から宅配アプリのリニューアルが決まったのですね。

コープデリ 森本さん:
加えて「これまでと違うデザインに一新したい」という声も組織内部で挙がっていました。そこで、これまで全国のコープですでにお取引の実績があるデザイン会社を含めて検討し、コンペで複数の企業からご提案をいただきました。

実は最後、Goodpatchさんともう1社が審査で同点となり、非常に白熱したコンペとなったのですが、熟考の末、Goodpatchさんに決定いたしました。

いい意味で「生協っぽくない」、殻を破るようなデザインがコンペの決め手に

──コンペの争点になったのは、どういったところだったのですか。

コープデリ 森本さん:
Goodpatchさんとはお取引実績がないことが懸念材料でした。というのも、もう1社とはすでに実績があり、生協の事情を知っていただけているという安心感や仕事の進めやすさというメリットがあったので。

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 森本さん

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 森本さん

──それでもGoodpatchに決めていただいた決め手は何だったのでしょう?

コープデリ 森本さん:
何といっても提案いただいたデザインの良さですね。これまでのデザインと異なるだけでなく、「生協っぽい」イメージに捉われがちで、互いにあまり差異のない他生協のデザインとも異なる、殻を破るようなデザインが新鮮でした。若年層の利用者を増やしていきたいアプリだったこともあり、「このデザインにチャレンジしたい」と思ったことが決め手になりました。

コープデリ 小山さん:
良い意味で生協っぽくないデザインでしたね。生協の良さが語られるときに「実直」や「正直」といった言葉がよく使われるのですが、派手なことはしない堅実なイメージがどうしても付きまといがちです。Goodpatchさんは提案の時点でその枠を越えてきてくれた、と感じています。これまでの型にはまるのではなく、新しいコープデリを見せられるという観点でも、いただいた案は魅力的でした。

──Goodpatchはどういったことを考えて、デザインの提案を行ったのですか?

Goodpatch 栃尾:
正直なところ、私にとって生協は自分の母親世代の方が使うイメージで、自分が利用するイメージが最初は湧きませんでした。ただ今回、アプリを若年層に向けて拡大したいという展望を伺ったので、「自分が使いたいと思う体験やデザインはどんなものだろう?」という問いを持って、現行のアプリを実際に使い、「こうなったら嬉しいな」と思う点を中心にデザイン案を作っていきました。

フルリニューアルでお声がけいただいたということは、今までのやり方を踏襲するのではなく、新しいものが求められているのだろうと思い、コープデリならではの新しい体験を実現できないか常に考えていましたね。

コープデリ 川合さん:
私の印象に残っているのは、コープデリの中身を捉えた提案をコンペの時点でいただいたことに対する驚きです。コープデリグループは多様な事業や活動を行っているため、少し調べたくらいでは全体像は分からない。それを「ここまで理解してくれている!」とこちらが驚くような内容をあの短期間でご提案してくださったことは、最終的な審査の場でも取り上げられました。

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 川合さん

コープデリ生活協同組合連合会 デジタルイノベーション推進部 川合さん

Goodpatch 栃尾:
コンペの裏側はそうなっていたんですね。当時は「新しい提案をし過ぎてしまったかな」とドキドキしていました(笑)。それが決め手になったと聞けて、とても嬉しいです。

1カ月で2度のユーザーテスト、スピード感のある価値検証が「成功体験」に

──ここからはプロジェクトの全体像について伺います。プロジェクトに参画し、Goodpatchは何から始めたのでしょう?

Goodpatch 栃尾:
コンペでは私たちが理想と考えるアプリの姿を提案したのですが、実際に始動するにあたって、まずコープデリに特化した機能に関する知識や理解、アイデアの実現可能性などについて、不足している情報をインプットする必要がありました。

そこで、スプレッドシートに200個ほど課題を書き出し、コープデリの皆さんから随時インプットしていただきながら、どういった解決策に落とし込んでいくかを検討し、精緻化する作業から取り掛かりました。

コープデリ 小山さん:
とても熱心にヒアリングいただいたことを覚えています。こんなに丁寧に聞いてくださったお取引先はこれまでなかったというくらいで。

Goodpatch 西村:
皆さんにご協力いただき、2時間の定例ミーティングを週2回設けられたことがスピーディーなインプットにつながりました。そこからはコープデリならではの新しい購入体験を具体化していきました。最初の1カ月で2度のユーザーテストを設計・実行し、価値の検証まで進められたことで、その後のフェーズがスムーズに進んだと思います。

コープデリ 森本さん:
被験者は30〜50代のコープデリの職員だったのですが、ユーザー体験をしっかりと確認しながら、着実かつスピーディーにプロジェクトを進めてこられたことは、私たちにとっても大きな成功体験となりました。ユーザーテストの結果を基に、連合会全体の中間報告でプロジェクトの進捗と方向性を論理的に説明できました。

──今回は宅配アプリのリニューアル以外にも、ウェブ版にあたる「eフレンズ」をはじめ、別サービスのクリエイティブなどもGoodpatchにご依頼いただいたと聞いています。何がきっかけになったのでしょう?

コープデリ 小山さん:
宅配アプリのリニューアルを進める中で、アプリからeフレンズのページにリンクして、ウェブビューに変わる際に雰囲気が全く異なると、ユーザビリティとして好ましくないのでは、という話が出てきました。プロジェクトを通して、私たちのデザインに対する考え方も変わってきたのだと思います。統一した世界観にするためにも、eフレンズも合わせてGoodpatchさんにお願いしようと決めました。

Goodpatch 栃尾:
そのように考えていただけて嬉しかったです。宅配アプリのデザインが終わり次第、eフレンズのデザインに取り掛かりました。アプリのデザインとの整合性を保ちながら機能面で足りない部分を整える作業と、アイコンなどアプリと共通する素材の制作を中心にアプリとウェブを同じ世界観に仕上げています。

アイコンは約150種類のデザインをリニューアルした

コープデリ 森本さん:
今までのeフレンズはデザイナー不在の状態で、開発側に直接要望を伝えて実装してもらうというフローだったので、デザイナーが介在することも、アプリとeフレンズのデザインをそろえるのも今回が初めての試みでした。それぞれベンダーが異なっていたこともあり、Goodpatchさんにはコミュニケーション上のご苦労をお掛けしたと思います。

Goodpatch 西村:
宅配アプリのリリースと足並みがそろう開発スケジュールを引くために必要な草案を作成し、ベンダーさんに提案いたしました。おっしゃる通り、調整は少々難航しましたが、何とかなってホッとしています。

カート表示が一変、日常の買い物を「楽しいショッピング」に変えるデザイン

──それでは、今回リニューアルしたアプリのデザインの特徴を教えてください!

Goodpatch 栃尾:
特徴的なのはカートの設計ですね。現行アプリをはじめとして、一般的なオンラインストアは、カートのページを見ないと追加した商品を確認できません。

コープデリの商品購入の流れは特殊で、注文カートに入れた商品は、注文の締め切り時間が来ると自動的に購入されます。したがって、ユーザーが「カートに今どの商品を入れているか」を把握できることが重要です。その特殊な仕組みに沿った購入体験を提供するのが、今回実現した「簡易商品表示カート」です。

 

──おお、画面の下部に小さなアイコンが並んでますね。

Goodpatch 栃尾:
はい。カート内に入っている商品を画面下部に表示させる仕組みなのですが、タブをなくすなど、従来と大きく異なる設計なので、定例ミーティングでは「本当にユーザーが使えるのか?」と議論になりました。

実際にユーザーテストを行ったところ、直感的に操作可能なことが分かっただけでなく、「カートに入れた商品を見ながら買い物できるのがうれしい」「アニメーションがあって楽しい」「面白い!」といったポジティブな反応をいただきました。私自身の経験から「カートに入れる体験が楽しければ、さらなる購買につながる」という仮説があったので、楽しさや面白さを感じてもらえたのはうれしかったですね。

 

──コープデリの皆さんは、リニューアル後のデザインにどんな感想を持たれましたか?

コープデリ 小山さん:
ポップな印象になり、ユーザーの方々との距離が近くなったと思います。ワクワクしながら買い物をしていただける楽しい雰囲気。栃尾さんがおっしゃる通り、カートに商品が入るアクションに楽しさが加わったことで、今までどこか事務的だった買い物が「ショッピング」になったように思います。

コープデリ 森本さん:
情報がすっきり整理されて、見やすさが大幅に改善したと思います。今まではリスクヘッジの観点から、記載を求められた情報をとにかく盛り込んだ結果、文字での注意事項で溢れてしまうという状態でした。そこをGoodpatchさんが丁寧にこちらの意図を確認してくださった上で、優先順位をつけて整理してくださり、アイコンのデザインで十分に意図を伝えてくださったことで文字情報をかなり削減できました。

Goodpatch 西村:
食品を扱っているので、安全性にまつわる情報など必ず伝えなければならないことはあります。優先順位をつける際は何度も議論を重ねましたね。仕組みで改善できる部分は機能改善を行いつつ、ユーザーにとって不要な情報を削ぎ落とすことに注力しました。

コープデリ 森本さん:
組織内部からも、デザイン変更によって重要な注意事項が見落とされる可能性や、安全を担保できるのかという点を危惧する声が上がっていたのは事実です。例えば、アレルギー表示のデザインを以前よりシンプルにすることを不安視する声がかなりありました。

そういった場合にも、Goodpatchさんに主導いただいたユーザーテストの結果を基に、変更後のデザインで十分に警告の意図が伝わっていると説明できたため、理解を得ながら進めることができています。

LPから動画、告知用のチラシまで──ポップな世界観で統一し、若年層にアプローチ

──アプリ以外のクリエイティブは、具体的にどんなものを作ったのですか?

Goodpatch 栃尾:
例えば「献立コンシェルジュ」という、別サービスのロゴ、リリースや各種キャンペーンなどの告知用LPを制作しました。そのほか、ストア画像や組合員さんや組織内部に向けて、リリース内容を紹介する動画も制作しています。

Goodpatch 西村:
宅配アプリのデザインにご好評いただいたことが、さまざまなクリエイティブのデザインまで手掛けることにつながりました。

特に宅配利用者に向けてeフレンズの登録を呼びかけたキャンペーンは、コープデリ史上最大規模で行われたものだったので、チラシのデザインをお任せいただき光栄でした。キャンペーンは1回でしたが、チラシ配布後のEC利用率が過去最高を記録したと伺って、結果に貢献できたことが何より嬉しかったです。

キャンペーンで制作したチラシ

キャンペーンで制作したチラシたち

コープデリ 森本さん:
チラシに関しても宅配アプリと同じく、見る方に楽しさを感じていただけるデザインにすることで、特に若年層の方々に利用してもらいたいという思いからGoodpatchさんに一貫してご依頼することにしました。従来であれば、紙の制作物は得意先があるのですが、より多くの利用者のEC移行を目指す背景なども、これまでを経て熟知されていることも決め手となりました。

Goodpatch 栃尾:
アプリのデザインは「いかにシンプルにできるか」を念頭に置くのですが、チラシの場合は、他のチラシもある中で「どうしたら人の目を惹くことができるか」が重要なので、アプローチが異なります。

パッと見たときに楽しそうな世界観はそのままに、必要な情報を踏まえつつ、いかにリッチなデザインにできるかミーティングを重ねました。こちらとしては何でもお任せいただきたかったですし、統一感を持たせながら幅広くデザインできたことに感謝しています。

職員同士のような「安心感」 プロジェクト進行や品質管理で生まれた信頼関係

──ありがとうございます。今回のリニューアルプロジェクトを通じて、Goodpatchのどんなところを評価いただいていますか?

コープデリ 小山さん:
Goodpatchさんのメンバーのほとんどが、私たちよりも若い世代の方々でしたが、クライアントに臆さず、必要だと思うことはどんどん提案してくださる真っ直ぐな熱心さが素晴らしいです。熱いものを感じました。ご一緒することで、こちらの若手職員も良い刺激を受けたはずです。

コープデリ 森本さん:
私たちの意向にある背景をしっかり確認しつつ、最良の落としどころが見つかるまでとことん議論することで、回答を曖昧にしないところですね。定例会議の時間内で決めきれなかった事柄についても、Goodpatchさんのほうからコミュニケーションをたくさん投げかけてくださったことで、着実に決めていけました。そういったところから信頼関係が育まれたと思います。

Goodpatch 西村:
「きっちり決める」ことは徹底していますね。情報設計の際に抜け漏れを防ぐという観点でも重要なことです。議論が甘いポイントが、結果的にユーザーを取りこぼすことにつながってしまうので。

Goodpatch デザインディレクター 西村

Goodpatch デザインディレクター 西村

コープデリ 川合さん:
今回のプロジェクトで、Goodpatchさん側はフェーズごとの然るべきタイミングで専門分野の方が入れ替わり立ち替わりアサインされていたのですが、どの方もちゃんと生協という組織を理解した上で、的確なプレゼンをされたことは強く印象に残っています。冒頭にお話ししたように、事前のリサーチの精度がとにかく高いです。

コープデリ 森本さん:
経験上、最初のプレゼンやコンペのときだけ頼りになる方がアサインされ、その後担当が変わり、プロジェクトの品質が落ちてしまうことは多々あります。Goodpatchさんの場合は、メンバーが変わっても品質が担保されている安心感がありました。

Goodpatch 西村:
プロジェクトの品質管理には一貫して気を配っていますね。弊社メンバーとプロジェクトとの相性や難易度をしっかり見極めてアサインしています。栃尾のように、コンペの段階から現在まで残っているメンバーが社内レビューを担当することで、オンボーディングもきっちり行っています。

Goodpatch 栃尾:
またGoodpatchはプロジェクトを自分ごととして捉えるメンバーが多いのも特徴かもしれません。私自身、コープを使っている同僚に「普段サービスをどう使っているか」をインタビューしたり、アプリやLPのデザインの制作時に意図が伝わっているかどうかのフィードバックをもらったりしながら、常にユーザー目線に立とうと努めてきました。基本的なことですが、メンバーに共通する姿勢だと思います。

Goodpatch クリエイティブディレクター/UIデザイナー 栃尾

Goodpatch クリエイティブディレクター/UIデザイナー 栃尾

コープデリ 川合さん:
フェーズが変わるタイミングで担当が変わられる際にも、「あれだけ一緒に議論したのにお別れか……」と、こちらが寂しさを感じてしまうほどで(笑)。

──確かに、Goodpatchから10人以上のメンバーが関わる大きなプロジェクトになりました。

コープデリ 川合さん:
もう1つ強く記憶に残っているのが、現場におけるアプリ使用状況のリサーチを目的に配送センターの視察をご一緒した日のことです。視察自体、Goodpatchさん自ら手を挙げて同行してくださったのですが、さらに驚いたのは自発的に実際の配達まで体験されたことでした。

実際にアプリを使用する現場がどのように使っていて、良い点や悪い点はどこにあるのか、実際の配達作業を通して、自ら掴み取ってくださった。その上でアプリの課題に取り組んでくださったことは本当に有難かったですし、心底驚かされました。

Goodpatch 西村:
配達をした日のことはよく覚えています。配達以外にも、訪問で実際に入会のご案内をする業務も手伝わせていただいて、新規の組合員さんに加入いただきました(笑)。今後の現場の変化も確認したいですし、今年もぜひやりましょう!

コープデリ 森本さん:
そういった姿勢から、職員同士であるような安心感をGoodpatchさんに感じるのだと思います。コープデリは主婦層の組合員が多い組織なのに対し、Goodpatchさんは若い方が多いので「主婦目線に立った提案は難しいのでは」という不安が当初はありました。それは杞憂でしたね。

配達センターの件もそうですし、メンバーの皆さんがユーザー目線に立つために自発的に動いてくださっていました。同じ価値観を持ってプロジェクトを進めていける、とても頼りになるパートナーです。

宅配アプリリニューアルの経験を生かし、組織全体のブランディングに挑戦

 

──プロジェクトを経てこれから注力していく点など、今後の展望について教えてください。

コープデリ 森本さん:
Goodpatchさんの活気のある社風やスピード感のあるプロジェクトの進め方を羨ましく感じています。組織での教育やOJTについても考えさせられました。若年層の方々も年齢関係なく活躍されていますし、私たちの組織においても、Goodpatchさん同様、年齢関係なくプロジェクトを主導できるような土壌を醸成したいと今強く思っています。

コープデリ 小山さん:
プロジェクトを通じて、たくさんの気付きがありました。例えば、組織内部での大々的なユーザーテストを初めて実施しましたが、こういった組織横断の取り組みをGoodpatchさんのご協力の下で実現できたことも一つの成功体験です。

今回のテストを通じて、他部署の業務を互いに知るという面でも良いきっかけになりましたし、アプリのリニューアルに関しても思いを共有できたと思います。今後も組織全体で横断的な施策をどんどん行っていきたいですね。

Goodpatch 西村:
ありがとうございます。私自身もこのプロジェクトでできると思っていることはたくさんありますね。現場と本部が一体となったサービス体験作りや組合員さんの継続率向上、20以上のウェブサイトを再構築するデジタル戦略の策定など。伸びしろ、ではないですが、コープデリのサービスをさらに良いものにできると感じています。

コープデリ 川合さん:
小山の話す通り、長らく難しかった事業横断型のプロジェクトに手をつけられるようになったことは大きな前進です。

また、宅配アプリのリニューアルと並行して、宅配以外の事業も含めた形でコープデリのサービスを利用できるような、新たなアプリを作ることを計画しています。組織全体のブランディングにも踏み込む、壮大なプロジェクトになるため、時間を要することが予想されますが、今回Goodpatchさんと取り組んだEC関連のプロジェクトを機に、少しずつでも理想に向かって変化を起こしていきたいです。

──リニューアルしたばかりの宅配アプリをはじめ、引き続き支援させていただくプロジェクトに関しても続報を楽しみにしています。本日はありがとうございました。