本記事では、新規事業を牽引し、既存事業の領域を拡大させる「BizDev(事業開発)」について、仕事内容や必要なスキル、採用から外部委託のメリット、成功事例まで網羅的に解説します。
「BizDevという言葉は聞くが、自社でどう生かせばいいかイメージが湧かない」
「既存事業とのシナジーを生む、新しい成長の柱の作り方について悩んでいる」
上記のような課題を抱える事業責任者や経営者の方にとって、必ずヒントとなる内容です。ぜひ最後まで読んで、貴社の事業成長を加速させる次の一手を見つけてください。
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目次
BizDev(ビズデブ)とは
新規事業を作り出し、既存事業領域を広げる「事業開発職」
BizDev(ビズデブ)とは「企業の非連続な成長を実現するために、新たな事業機会や組織課題を探索し、仮説の立案〜検証〜実行を繰り返しながら、新たな価値創出や課題解決を行う活動」を指します。
「Business Development(ビジネス ディベロップメント)」の略で、一般的には新規事業やプロダクトの立ち上げ、既存事業の成長戦略を担う職種です。
BizDevは、アイデア創出から仮説検証、提携交渉、実行、改善までを一貫して担当する「横断的かつ実行力が求められるポジション」です。近年では、外資系・日系企業を問わず、多くの企業で注目を集めています。
とはいえ、幅広いスキルを持つBizDev人材を社内でいきなり採用・育成するのは簡単ではありません。そのため、近年はグッドパッチのような事業開発を支援する外部パートナーを活用し、初期の仕組み構築や、検証プロセスを外部の専門チームと共に進める企業も増えています。
BizDevとPdMの違い
| 観点 | BizDev(ビジネスデベロップメント) | PdM(プロダクトマネージャー) |
|---|---|---|
| 主な関心 | ビジネス成長と収益性 | プロダクトの価値と品質 |
| 重視する指標 | 売上・利益率・市場シェア | ユーザー満足度・利用率 |
| 主な協働相手 | 営業・経営層・外部企業 | エンジニア・デザイナー |
| 必要な知識 | ビジネス・財務・法務 | 技術・UX・データ分析 |
BizDevは「企業の新たな成長機会を発見し、ビジネスモデルや収益構造を設計する」役割を担います。主に「0→1」フェーズをリードしますが、その後の「1→10」段階におけるアライアンスやスケール戦略に関与することもあります。
一方、プロダクトマネージャー(PdM)は「特定プロダクトの価値最大化」を目的とし、BizDevが見出した市場機会を具体的な製品として形にします。BizDevとPdMは密接に連携しながらも、担う領域は異なります。
両者は混同されがちですが、BizDevはビジネス全体の設計に重きを置き、PdMはプロダクトを中心に最適化を図る役割です。PdMについては以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
【関連記事】プロダクトマネジメントとは?プロジェクトマネジメントとの違い・必要性・役割・課題・スキル・事例まとめ
BizDevと営業の違い
| 観点 | BizDev(ビジネスデベロップメント) | 営業職 |
|---|---|---|
| 目的 | 新規事業機会の創出 | 既存商品の販売・売上目標の達成 |
| 時間軸 | 中長期(1〜3年) | 短期(月次・四半期) |
| 成果指標 | 新規事業の成功・提携数・事業成長性 | 売上高・受注件数・契約率 |
| 活動範囲 | 社内外を横断し事業企画・提携・戦略立案を担う | 主に社外の顧客対応・営業活動中心 |
BizDevと営業の違いは、BizDevが「まだない価値」を生み出し、新しいビジネスの仕組みそのものを作るのに対し、営業は「すでにある価値」を売って売上を最大化する点にあります。
BizDevは、市場機会の発見や新規チャネルの構築など、未知の領域への挑戦が主な役割です。顧客ニーズに基づき、仕組みや事業の枠組みそのものをつくり出すことがミッションとなります。
一方、営業は既存の戦略に基づき、集客や販売を担うポジションです。顧客への価値伝達を最適化し、売上へつなげるスキルが求められます。このように、BizDevは事業の“創出”、営業は価値の“提供”に重点を置いている点で、明確に役割が異なります。
BizDevが注目される理由と背景
BizDevが注目される理由と背景として、主に上記3点が挙げられます。では、なぜこれらの理由や背景に対してBizDevが求められているのでしょうか。 詳細を見ていきましょう。
デジタル技術の発展によるビジネス環境の急速な変化
AI、IoT、クラウドといったデジタル技術の進展により、業界の垣根を越えた競争が激化し、スタートアップが大企業を脅かす「破壊的イノベーション」が加速しています。例えば、Netflixがレンタル業界を変革したように、テクノロジーを活用した新しいビジネスモデルが次々と誕生しています。
SNSや生成AIの普及により、サービスの認知拡大が容易になる一方で、競争も激化し、差別化の難度が上がっています。こうした環境では、技術や社会の変化を的確に捉え、真のビジネス機会を見極めて事業化できる人材、すなわちBizDevの存在が重要になります。
事業ライフサイクルの短縮と新たな成長アプローチの必要性
デジタル化の影響で、かつては10年、20年続いた事業モデルが、わずか3〜5年で陳腐化するケースも増え、事業ライフサイクルは著しく短くなっています。
既存事業の延長線上での改善だけでは持続的な成長が難しく、既存事業を守りながら同時に新たな成長の種を探す「両利きの経営」が求められるようになりました。事業開発のアプローチも変革が求められています。
リーンスタートアップやアジャイルなどの手法で素早く仮説検証を行い、市場の反応を見ながら柔軟にピボット(方向転換)する能力が重要です。また、自社のリソースだけに頼らず、オープンイノベーションやアライアンスなど、外部の力を活用して成長スピードを上げる戦略も不可欠になってきています。こうした複雑な環境で成長戦略を描ける専門人材として、BizDevの重要性がますます高まっています。
社会的要請や企業変革に応える新規事業のニーズ拡大
多くの企業が、成熟市場の成長鈍化や国内市場の縮小といった構造的課題に直面しており、新規事業によって事業ポートフォリオを再構築する必要に迫られています。
新規事業の成功率は高くないため、的確な市場機会の見極めや、持続可能性を備えたビジネスモデル設計など、高度な専門性が求められます。
また、既存事業とのカニバリゼーション回避や社内調整、社会課題と収益性の両立といった難易度の高いミッションに対応する上でも、BizDevのような横断的スキルを持つ人材への需要が急速に高まっています。
BizDevの仕事内容
BizDevは、これらの業務を通じて事業を前進させていきます。では、BizDevが担う主な業務内容を5つの観点から解説します。
新規事業の企画
BizDevの中心的な業務のひとつが「新規事業の企画」です。社会や業界が抱える課題を見極め、どのような新しい価値を提供できるかを構想します。
顧客の潜在ニーズを探りながら、サービスやプロダクトのアイデアを練り、収益構造や提供スキームを含むビジネスモデルを設計します。その後、PoC(概念実証)などを通じて仮説の実現可能性を検証します。
新規事業の企画に必要なビジネスデザインについて、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
【関連記事】 ビジネスデザインとは?重要性やプロセス、成功事例をわかりやすく解説
マーケット調査・分析
BizDevにとって、「マーケット調査・分析」も欠かせない業務です。ユーザーリサーチを通じて、ターゲットとなる顧客層や業界構造、競合動向を把握し、市場参入戦略やポジショニングを検討します。
定量データと定性データの両方を組み合わせて調査を行い、仮説の精度を高めることが重要です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】確度の高い仮説検証を実現する「定性×定量 二刀流」のススメ
事業戦略の立案・実行
BizDevの仕事内容として「事業戦略の立案・実行」も挙げられます。BizDevは、提供すべき価値や市場展開のタイミングなど、事業戦略の骨格を描きます。KPI設計やロードマップ作成を通じて、開発・マーケティング・営業といった部門と連携し、全体の推進体制を整えます。
GTM(Go To Market)戦略や競争優位性の構築といった視点も求められます。GTM戦略については以下の記事で解説しています、こちらもご覧ください。
【関連記事】GTM(Go to market)戦略とは?成功に導く3つのフェーズを徹底解説
プロジェクトマネジメント
BizDevは、新規事業や提携プロジェクトの推進において、「プロジェクトマネージャー」としての役割を果たすこともあります。
進行管理やタスク分担、リソース調整を行い、法務・財務・開発・営業などの関係部署と連携して、プロジェクトを円滑に進めていきます。問題や障害が発生した際には、柔軟に対応策を講じるリーダーシップも重要です。
組織の構築
事業の成長に合わせて、BizDevは「組織の構築」にも関与します。チームビルディング、人材採用、育成方針の策定、新規部署の設立などを担います。
フェーズに応じた人材採用や育成方針を策定し、必要に応じて社内チームの再編や新たな部署の立ち上げを行います。また、事業を伸ばしていくために必要な組織文化をどのように醸成するかもBizDevの領域です。持続的に成長する組織文化の醸成もBizDevの重要なミッションです。
チームビルディングに関しては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
【関連記事】チームの士気を高めビジネスを成功に導く。チームビルディングの目的・効果・方法
BizDevに求められるスキル6つ
BizDevとして成果を出すには、戦略構築力だけでなく、実行力や周囲を巻き込む力など多面的なスキルが求められます。代表的な6つのスキルを紹介します。
1.戦略的思考
BizDevに求められる1つ目のスキルは「戦略的思考」です。
市場の変化や競合の動向、自社の強みを俯瞰しながら、持続的な成長につながる事業戦略を構築する力が必要です。短期的な成果にとらわれず、中長期視点で柔軟に判断できる思考力が求められます。
2.コミュニケーション能力
BizDevに求められる2つ目のスキルは「コミュニケーション能力」です。
BizDevは一人で完結する業務ではなく、社内外の多くのステークホルダーと関わります。信頼関係を築き、スムーズな意思疎通を図ることが欠かせません。交渉力やファシリテーション力も含めた高度な対人スキルが必要です。
3.マーケティング力
BizDevに求められる3つ目のスキルは「マーケティング力」です。
事業開発では市場や顧客のニーズを正しく把握し、適切な戦略を打ち出す力が求められます。ターゲット選定やペルソナ設計、プロダクトの訴求方法などを的確に設計することでビジネスチャンスを最大化します。データ分析や顧客インタビューを通じて、仮説検証を繰り返し、プロダクトと市場のフィット感を高めていくことも重要です。
4.プロジェクト管理
BizDevに求められる4つ目のスキルは「プロジェクト管理」です。
事業の立ち上げから拡大まで、限られたリソースの中で最大の成果を出すために、進捗管理や優先順位の判断、課題解決力が必要です。複数の関係者を調整し、チームをゴールへ導く力が求められます。
5.テクニカルスキル
BizDevに求められる5つ目のスキルは「テクニカルスキル」です。
特にテクノロジーを活用した事業開発では、エンジニアやデザイナーとの連携において一定の技術理解が求められます。開発可能な提案を行うためにも、最低限のリテラシーが必要です。例えば、エンジニアとの会話で仕様を正確にすり合わせたり、開発可能な提案を行ったりするなどです。
6.営業力
BizDevに求められる6つ目のスキルは「営業力」です。
BizDevは企画だけでなく、自ら営業の最前線に立つ場面も多くあります。特に「0→1」のフェーズでは、アライアンスや商談を通じて自ら価値を提案し、事業の実行フェーズをリードする力が必要です。
BizDevが担う「事業牽引」に関する資質3つ
BizDevは新規事業を実行・推進する立場であり、単なる戦略立案だけではなく、チームを牽引していく資質も求められます。特に重要な3つの資質を紹介します。
1.熱量と当事者意識
BizDevに必要な資質の1つ目は「熱量と当事者意識」です。
BizDevには、誰よりも高い熱量と強い当事者意識が求められます。率先して動き、事業に深くコミットする姿勢が、周囲の信頼や共感を生み、社内外の協力を得る原動力になります。「この人になら任せられる」と思わせるような責任感と推進力は、BizDevの本質的な資質の一つです。
2.本質を見抜く探究心
BizDevに必要な資質の2つ目は「本質を見抜く探究心」です。
表面的な課題だけで判断するのではなく、「なぜそうなっているのか」「真に解決すべきことは何か」「顧客が本当に求めている潜在ニーズはどこにあるのか」など、本質を見抜く探究心が重要です。
本質を見抜く探究心は、顧客中心で課題を発見し解決策を生み出す「デザイン思考」の根幹でもあります。デザイン思考は、BizDevが事業課題を的確に捉え、精度の高い仮説を立てるうえでも欠かせません。
デザイン思考については以下の記事で詳しく解説しています、併せてご覧ください。
【関連記事】デザイン思考とは?活用事例と、すぐに実践できる5つのプロセスやフレームワーク
3.「売る」と「作る」のバランス感覚
BizDevに必要な資質の3つ目は「売ると作るのバランス感覚」です。
BizDevは、企画・開発と営業・マーケティングの“橋渡し役”を担います。現場では価値観の違いから摩擦が生まれやすく、双方の意図を理解し、共通のゴールを描けるバランス感覚が求められます。技術者とビジネス側の視点を同時に持ち、全体最適を図ることが、プロジェクトの成功に直結します。
BizDevのキャリアパス
BizDevとして得た経験は、多様なキャリアパスにつながります。ここでは、BizDev経験者が選ぶ代表的な進路を紹介します。
既存事業の責任者
BizDevのキャリアパスの1つ目は「既存事業の責任者」です。新規事業で培った推進力や戦略構築力を、既存事業のグロースに生かす道です。既存事業の責任者には、プロダクト管理や中長期的な成長戦略の立案、実行などが求められます。
プロダクトマーケットフィットの検証から、収益化モデルの設計、PL責任を伴う運営など、BizDevで培ったスキルは事業をグロースさせる際に役立ちます。
プロダクトマネージャー(PdM)
BizDevのキャリアパスの2つ目は「プロダクトマネージャー(PdM)」です。ユーザー課題や体験により深く向き合いたい場合、PdMへの転身も有力です。
BizDevは「Why(なぜこの事業をやるのか?)」と「What(何でマネタイズするのか?)」を突き詰める役割です。一方、PdMは「What(どんなプロダクトを作るのか?)」と「How(どうやって作るのか?)」をより深く追求します。
BizDevとして顧客の課題や市場ニーズを深く理解した経験は、ユーザーに愛されるプロダクトを開発するPdMとして価値のあるものとなるでしょう。ビジネス視点を持ったPdMは、開発チームと経営層の橋渡し役として重宝されます。
経営企画・CSO
BizDevのキャリアパスの3つ目は「経営企画・CSO」です。新規事業での仮説検証や市場分析の経験を生かし、全社戦略を担う経営企画やCSO(最高戦略責任者)にキャリアを広げる選択肢です。
新規事業開発では市場分析やアライアンス戦略、M&Aの検討など、経営判断と密接に関わります。BizDevとしてビジネスチャンスを多角的に評価し、新規事業を創出した経験は、会社の進むべき道を示す経営企画やCSOの役割に役立つでしょう。
コンサルタント(新規事業領域)
BizDevのキャリアパスの4つ目は「新規事業領域のコンサルタント」です。
一つの会社にとどまらず、より多様な新規事業開発に携わりたい場合、新規事業領域のコンサルタントとして活躍するケースもあります。事業立ち上げの成功・失敗経験やフレームワークを生かし、複数社へのアドバイスを行うことで、広い業界知見を得ることも可能です。
ベンチャーキャピタル
BizDevのキャリアパスの5つ目は「ベンチャーキャピタル」です。事業アイデアの可能性を評価し、市場の将来性を見極めてきた経験は、スタートアップを支援するベンチャーキャピタルに求められる能力そのものです。
数多くの事業計画に触れるなかで養われた「目利き力」を活かし、投資家として新たな価値を社会に生み出すキャリアを歩むことも可能です。
BizDev人材の採用は難しい!どうすれば良いか?
BizDev人材は高度なスキルセットが求められるため、採用が困難です。ここでは、BizDev人材を確保するための3つの方法を紹介します。
BizDev人材として自社メンバーを育てる
BizDev人材を確保する手段の1つ目は「自社メンバーを育てる」ことです。既存の社員をBizDev人材として育成する方法です。企業文化や事業背景をすでに理解しているため、スムーズな立ち上げが期待できます。
BizDev人材を自社メンバーから育てて確保するのは「長期的な視点で社内に事業開発を根付かせたい場合」におすすめです。育成後の実行フェーズでスムーズな推進が期待できるため、特に「社内調整や意思決定が求められるプロジェクト」においては効果を発揮します。
一方で育成には時間がかかるため、「体系的な研修制度」の整備や「挑戦を促す企業文化」「経験者によるメンタリング体制」の構築が不可欠です。
BizDev人材を社外から採用する(高報酬を支払う)
BizDev人材を確保する手段の2つ目は「高報酬を支払って社外から人材採用する」です。即戦力のBizDev人材を社員として抱えたい場合は「社外から採用するケース」が一般的でしょう。
転職市場から即戦力となるBizDev経験者を採用するため、成功体験や外部の知見をすぐに社内に取り込める点がメリットです。実力のある人材を雇用できれば、事業立ち上げのスピードを加速させてくれます。
ただし、優秀な人材は引く手あまたであり、報酬も高額になる傾向があります。また、カルチャーフィットが得られなければ、期待した成果が出ないリスクもあるため注意が必要です。
BizDevの役割を外部に委託する
BizDev人材を確保する手段の3つ目は「役割を外部に委託する」です。採用や育成にかかる時間とコストを抑えつつ専門性の高い支援を受けられるのが、外部委託という選択肢です。
BizDev支援に実績のある外部パートナーを活用すれば、初期段階から事業検証までを効率的に進めることが可能です。伴走型で知見を社内に蓄積できるパートナーを選ぶことが成功の鍵になります。
BizDevの役割を外部に委託するメリット5つ
BizDevの役割を外部に委託することで、単なるリソース補完を超えた多くのメリットが得られます。以下では代表的な5つのメリットを紹介します。
1.自社でも気付いていない本質的なニーズを発見できる
1つ目のメリットは「自社でも気付いていない本質的なニーズを発見できる」ことです。
外部の視点でリサーチや検証を行うことで、既存メンバーが見落としている本質的な課題やニーズを発見しやすくなります。新規事業では顧客理解の深さが成功を左右しますが、社内にいると視点が固定されがちです。第三者だからこそ見えるインサイトが、ビジネスチャンスを広げます。
「自社メンバーこそが事業を理解している」という面も多々ありますが、実際には、顧客が本当に求めているものや、事業の成長を妨げている根本的な課題に気付いていない場合も多いものです。
2.スピード感のある仮説検証が可能
2つ目のメリットは「スピード感のある仮説検証が可能になる」ことです。
経験豊富な外部チームなら、リサーチ・インタビュー・PoCなどの仮説検証を短期間で実行する体制が整っています。社内の意思決定までのリードタイムが大幅に短縮され、スピードと品質を両立した検証が可能になることは大きな魅力です。
3.社内人材の学習コスト・リソースが削減できる
3つ目のメリットは「社内人材の学習コスト・リソースが削減できる」ことです。
新たにBizDev人材を育てるには、時間もコストもかかります。外部に委託することで、教育や試行錯誤にかかる負担を軽減できます。雇用にかかるコストも不要なため、社内のリソースを温存しつつ事業開発を進められる点もメリットです。
未経験の社員にBizDevを任せた場合、学習・設計・実行にかかる時間的コストや、失敗によるダメージが大きくなる場合もあります。確かなノウハウを持ち、伴走してくれる外部パートナーに委託すれば、リスクを回避できます。
4.事業立ち上げのノウハウを社内に蓄積できる
4つ目のメリットは「事業立ち上げのノウハウを社内に蓄積できる」ことです。
外部委託といっても、伴走型で支援するパートナーを選べば、プロセスのドキュメント化や知見共有を通じて、社内にナレッジが残ります。「丸投げ」ではなく「伴走型の支援」を行うパートナーを選ぶことで、将来的に内製化を目指す場合にも、大きな資産となるでしょう。
5.戦略立案からグロースフェーズまで伴走できる
5つ目のメリットは「戦略立案からグロースフェーズまで伴走できる」ことです。
BizDevの役割を担う支援会社に依頼すれば、単なる戦略立案だけでなく、仮説検証・開発・改善までを一貫して支援できます。事業が軌道に乗るまで継続して支援を受けられるため、早期の自走化に向けた体制構築が可能です。
グッドパッチのBizDev成功事例
ここでは、グッドパッチがBizDevパートナーとして支援した3つの成功事例を紹介します。
BizDevの役割は多岐にわたりますが、グッドパッチでは特に「新規事業の企画(0→1)」「戦略立案と仮説検証」「実行とグロース支援」などの領域で企業をご支援しております。
目標達成・習慣化アプリHabee(日本たばこ産業株式会社)

出典: News(グッドパッチ、JTの新デジタルサービス「Habee」の立ち上げから開発までを伴走支援)
・コンセプトのブラッシュアップ→MVP策定→開発→リリース後運用改善を一貫して支援
・高速な仮説検証とMVPの取捨選択により価値仮説を素早く検証
・ビジュアルからトーン&マナーまで世界観を統一して体験価値を継続的に磨き込み
・アジャイル体制とKPI起点の優先順位設計で改善の再現性を確保
日本たばこ産業株式会社(JT)は、主力の「たばこ事業」とは異なる領域での新規事業創出に挑戦しています。グッドパッチはその挑戦にBizDevパートナーとして参画し、コンセプト確定直後の構想フェーズからリリース後の改善まで一貫して伴走しました。
本プロジェクトでは、現代人に増える「受動的な余暇時間」という社会的課題に着目し、これを前向きな行動に転換する体験として、習慣化アプリ「Habee」を企画・設計しました。
その結果、0→1フェーズの具体化と検証からグロースまで、1年以上にわたりJTチームと共創。スピードと事業化の確度を両立する事業開発体制をともに築き上げました。
さらに詳しい日本たばこ産業(JT)のプロジェクトの背景や意思決定のプロセスは、以下の記事でご覧ください。
【関連記事】JTの新たな挑戦、目標達成・習慣化アプリ「Habee」はどう生まれた? 開発プロジェクトの裏側に迫る
SUNTORY+アプリ開発(サントリー食品インターナショナル株式会社)

出典: 株式会社グッドパッチ |Work(SUNTORY+(グロース))
・構想フェーズからの参画と事業コンセプトの策定
・デザインスプリントとプロトタイプによるユーザー検証
・UXとブランド体験を統合したプロダクト設計
・スピーディーな開発と当事者意識を持った伴走体制
サントリー食品インターナショナル株式会社は、主力の「飲料事業」にとどまらず、企業の「健康経営」を支援する新規事業としてヘルスケア領域への挑戦をスタートしました。
グッドパッチはBizDevパートナーとして構想段階から参画し、サービスコンセプトの策定からプロダクト開発、リリース後のグロースまで一貫して支援しています。
「事業アイデアの価値検証」を素早く行うため、デザインスプリントと実働プロトタイプを活用。ユーザーの実体験から得られる“事実データ”を基に仮説を磨き上げ、確かなユーザー体験を構築しました。
また、スピード感と当事者意識をもってサントリーのチームと一体化し、事業の核となる体験価値を共創しました。さらに事業戦略とUX・ブランド体験の統一を同時に推進しています。
多くの健康アプリが課題とする「継続率の壁」を乗り越え、リリースから4年で導入企業数1,200社を突破するまでに成長(2024年10月時点)。企業の健康経営を支援するサービスとして、社会的な価値創出にも貢献しています。
サントリー食品インターナショナル株式会社のプロジェクト詳細は、以下からご覧ください。
ワンキャリアクラウド開発(株式会社ワンキャリア)

出典: 株式会社グッドパッチ | Work ワンキャリアクラウド
・情報構造と概念モデルの設計
・アジャイル開発体制の構築と仮説検証の定着
・ライブデザイン導入によるリアルタイムな共創プロセス
・デザインシステムの整備と再現性のある開発手法の確立
戦略人事を支援するSaaSプロダクト「ワンキャリアクラウド」は、学生支持率No.1の就職サイト「ONE CAREER」を運営する株式会社ワンキャリアが新たに立ち上げたサービスです。
グッドパッチは、同サービスの立ち上げ期にBizDevパートナーとして参画し、構想設計から開発体制の構築、リリース後の成長基盤づくりまで一貫して支援しました。
新規SaaS事業においては、仮説検証による価値実証と将来的なスケールを見据えた設計が成功の鍵です。 グッドパッチは、不確実性の高い環境下でも事業を前進させるためのアジャイルな開発・検証サイクルを整備し、単なるデザインや開発を超え、事業成長を継続的に生み出すBizDev実行基盤の構築を担いました。
これらの取り組みにより、「ワンキャリアクラウド」は採用支援ツールから「企業の採用戦略を変革する事業プラットフォーム」へと進化しました。 リリースから数年で5,000社以上(2025年12月時点)に導入され、採用活動の意思決定を支える基盤サービスとして定着しています。
株式会社ワンキャリアの事例の詳細は以下からダウンロードしてご覧ください。
新規事業の立ち上げの外部委託はグッドパッチへご相談ください!
本記事では、BizDev(ビズデブ)の概要から仕事内容、求められるスキル、採用課題、外部委託のメリット、成功事例まで幅広く解説してきました。
急速に変化する市場環境において、BizDevは「既存事業の枠にとらわれず、新たな成長機会を創出する推進者」として、その重要性がますます高まっています。一方で、自社でゼロから人材を育成したり、転職市場で即戦力を採用したりするには、多くの時間とコストがかかるのも事実です。
グッドパッチは、数多くの新規事業の立ち上げに伴走してきた実績とノウハウをもとに、企業のBizDev課題を支援しています。共に並走し、事業の成功に向けた最適なプロセスを提供するパートナーをお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。