アプリを開発する際、自社での開発が難しい場合、専門の開発会社への依頼が必要になります。「そもそもどの会社に依頼するべきなのか」「何をどこまで対応してもらえるのか」が分からないという方は多いのではないでしょうか。

アプリ開発会社の発注は依頼できる業務を把握した上で、正しい選び方を踏まえて選定することが大切です。

本記事では、2011年の創業以来、デザインファームにおけるパイオニアとして多くの企業に向けてソフトウェアのUI/UXデザインからアプリ開発の支援をしてきたグッドパッチが、アプリ開発会社に依頼するメリットやデメリット、失敗しない選定方法などを解説します。

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アプリ開発会社とは

アプリ開発会社とは、ウェブアプリやスマートフォンアプリの企画や開発、保守管理などを行う会社のことです。

例えば、下記のように業務アプリや新規ビジネス用のスマートフォンアプリなどの企画・開発を依頼できます。

【アプリ開発会社への依頼例】

  • 新規事業で使用するスマートフォンアプリを開発する
  • DXを推進する名刺管理アプリを開発する
  • 既存アプリを顧客体験が向上するようにリニューアルする

アプリ開発会社に依頼すると、自社に開発環境がない場合でも、効率良く目的に応じたアプリが開発できます。

アプリ開発会社に依頼できる6つの業務

アプリ開発会社には、主に次の6つの業務が依頼できます。

【アプリ開発会社に依頼できる業務】

  • 企画・要件定義
  • 進行管理
  • デザイン
  • 開発
  • プロモーション
  • 保守管理

※企業により対応している範囲が異なります

1.企画・要件定義

1つ目は、アプリの企画と要件定義です。

  • アプリの企画:アプリの種類やジャンル、ターゲットなどを決めて、どのようなアプリを開発するのか方向性を決める
  • 要件定義:アプリ開発の機能やデザインなどを検討して、どのようなアプリを開発するのか決める

「どういったアプリを開発するか」「どんな機能をも持たせるか」といったことは自社だけでもある程度考えることはできますが、具体的な要件定義に落とし込むことは、アプリ開発の知識がないと難しい工程です。

アプリ開発会社ではユーザー提供価値を検討しながら、企画に沿った実装要件に落とし込みます。デザイナーやエンジニアと合意を取りながら、実現可能なデザインや機能を検討してもらえます。

2.進行管理

2つ目は、アプリ開発の進行管理です。アプリ開発にはデザイナーやエンジニア、発注側の企業担当者など多くの人が携わります。だからこそ、自社で進行管理をすると、労力と手間がかかるでしょう。

アプリ開発会社のプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーは、チーム開発を推進するディレクション業務を担います。各担当者と円滑なコミュニケーションを取り、必要な指示出しや進行管理などを行います。

プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーがアプリ開発成功に向けてリードするので、企業側の負担を減らせるでしょう。

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3.デザイン

3つ目は、アプリのデザインです。アプリ開発時は、主に以下の3つのデザインを行います。

  • UIデザイン:製品やサービスを使いやすくする仕組みづくり
  • UXデザイン:ユーザーがプロダクトやサービスを利用するときの一連の体験を設計

UIデザインとUXデザインは、ユーザーがストレスなくアプリを使用するために欠かせません。

例えば、アプリに「お気に入り登録ボタン」を追加する場合、UIデザインではボタンの形や色、大きさ、押したときの反応など、見た目と操作性を検討します。

一方UXデザインでは、ユーザーが「お気に入り登録したい」と思ったときに迷わず操作できるよう、ボタンの配置場所や登録するメリットなどを明確にします。「簡単に登録できる」「後で見返せる」などの安心感や満足感を提供し、より良いユーザー体験を目指すためにデザインするのです。

アプリ開発会社ではUI/UXデザインを意識してアプリ設計ができるので、ユーザーニーズに沿った使いやすいアプリが目指せます。

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4.開発

4つ目は、要件定義に沿ったアプリの開発です。アプリの開発会社には、主に下記の業務を依頼できます。

  • バッグエンド開発:アプリを機能させる部分を開発する
  • フロントエンド開発:ユーザーが直接触れる部分を開発する
  • テスト:プログラム単位、複数のプログラムの組み合わせで正しく稼働するか確認する
  • ストア登録:アプリストアでリリースする場合は登録、申請をする

アプリ開発では、開発言語やフレームワークを活用するスキルが必要です。アプリ開発会社に依頼すると、専門的なスキルを持つエンジニアがアプリ開発を手がけてくれます。

5.プロモーション

5つ目は、アプリのプロモーションです。一般向けにアプリをリリースする場合は、多くのユーザーに知ってもらう必要があります。

アプリ開発会社によっては下記のようなプロモーション活動を通じて、認知拡大を支援しています。

  • SNSなどでの広告配信
  • プレスリリースの配信やメディア向けのデモンストレーション
  • プロモーション動画の制作
  • リリースイベントの実施

アプリ開発会社が未対応の場合は、プロモーションだけ広告代理店やコンサルティング会社に依頼することも検討してみましょう。

6.保守管理

6つ目は、アプリリリース後の保守管理です。アプリはリリースして終わりではなく、品質を維持して長期的に安定した運用をすることが重要です。アプリ開発会社によっては、下記のような保守管理業務も提供している場合があります。

  • エラーやバグへの対応
  • 機能の追加
  • OSのアップデートへの対応
  • セキュリティ対策
  • サーバー監視など

アプリ開発会社に保守管理を依頼できればアプリ運用の負担を軽減でき、無理なく長期的な運用ができるでしょう。

アプリ開発会社に依頼する3つのメリット

アプリ開発会社に依頼するメリットは以下の3つです。アプリ開発会社を活用しようか悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。

【アプリ開発会社に依頼する3つのメリット】

  • 社内に人材がいなくてもアプリ開発ができる
  • プロに任せることでリスクを軽減できる
  • アプリ開発にかかる社内負担を軽減できる

1.社内に人材がいなくてもアプリ開発ができる

アプリ開発会社に依頼すれば、社内にアプリ開発ができる人材がいなくても開発を進められます。アプリ開発にはエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーなど専門知識を持った人材が必要です。

人材を外部から採用する、もしくは育成すると時間とコストがかかり、すぐにアプリ開発を開始できません。

アプリ開発会社にはアプリ開発に必要なスキルやノウハウを持った専門家が在籍しています。社内の人材不足をカバーしつつ、効率良く必要なアプリを開発できます。

2.プロに任せることでリスクを軽減できる

アプリ開発は、知識や経験が必要な工程が多いです。経験不足のまま取り組むと、下記のような失敗が起こるでしょう。

【アプリ開発で起こりやすい失敗】

  • 必要な機能の絞り込みができない
  • 予算内で開発できる範囲が分からない
  • 品質が低くバグが多い
  • ユーザーニーズに寄り添えない

社内の人材だけで進めるとスケジュール管理や要件定義などが難しく、期日内に想定通りのアプリが完成しないケースがあります。

アプリ開発会社に依頼すれば、プロダクトマネージャーを中心に、進行管理、リスク管理が可能です。その結果、プロジェクトの遅延や不具合などのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

また、知識や経験の豊富な会社に頼むことで、バグやトラブルの発生も減らせます。

3.アプリ開発にかかる社内負担を軽減できる

アプリ開発は工程が複雑なので、社内だけで取り組むには負担が大きい可能性があります。特に通常業務と並行してアプリ開発を進める場合には、下記のような課題に直面しやすいです。

  • 業務が忙しくてアプリ開発に時間を割けない
  • 打ち合わせやテスト、保守管理に想像以上に時間がかかり負担が大きい

このような状況下では、リリースまでに時間がかかることが考えられます。アプリ会社に依頼すれば、アプリの企画から開発までを一貫して任せることが可能です。社内負担を軽減できコア業務に集中できる状態を維持しつつ、アプリ開発を進められます。

アプリ開発会社に依頼する3つのデメリット

続いて、アプリ開発会社に依頼するデメリットをご紹介します。事前にデメリットを把握しておき、リスクを把握した上で依頼を検討しましょう。

【アプリ開発会社に依頼する3つのデメリット】

  • 一定のコストがかかる
  • 社内にノウハウが蓄積しない
  • リリース後の修正・変更がしにくい

1.一定のコストがかかる

アプリ開発会社に依頼すると、下記のようなコストがかかります。

【アプリ開発にかかる主なコスト】

  • 人件費(アプリ開発に携わる人の人件費)
  • 固定費(人件費以外の設備費、アプリの登録費、保守管理費など)

※コストは開発手法やアプリの種類、開発規模で変わります

アプリ開発にはデザイナーやエンジニア、プロダクトマネージャーなどさまざまな人が携わるため、一定のコスト発生が避けられません。開発期間が長期化したり、多彩な機能が搭載されていたりすると、コストが膨らむ場合があります。

想定以上にコストがかさまないためにも、あらかじめ予算を決めて予算内でどのようなアプリ開発ができそうか検討しておきましょう。

2.社内にノウハウが蓄積しない

アプリ開発会社に依頼すると、アプリ開発のノウハウは依頼先に帰属します。アプリ開発に関する知識やノウハウは、社内に蓄積されません。

今後アプリ開発に携わっていきたい場合や保守管理を内製化したい場合は、社内の知識不足で苦戦する可能性があるでしょう。

3.リリース後の修正・変更がしにくい

アプリ開発会社に依頼した場合、契約内容によってはリリース後の修正や変更に対応してもらえないケースがあります。リリース後の保守管理や修正を含む契約などをしている場合を除き、基本的には業務完了後の修正に対応できません。

契約に保守が含まれていない場合は、業務完了後に一部のデザインを変更したい場合は、改めて発注のための契約を行い、追加料金を支払った上で一定の時間がかかることを把握しておきましょう。

アプリ開発会社に依頼する際の費用

アプリ開発会社に依頼するときの費用は下記の要素に左右されるため、一概にいくらかかるとはいえません。

【アプリ開発費用を左右する要素】

  • 人件費
  • 開発期間
  • 対応OS
  • 搭載機能
  • 開発手法

費用を念頭に置かずに欲しい機能を詰め込み、長期的な開発をすると、予算をオーバーすることも考えられます。

あらかじめアプリ開発の予算を決めておき、予算内で納得のいく提案ができるアプリ開発会社を選ぶようにしましょう。

例えば、予算が1,000万円の場合は、1,000万円以内でどのような機能、デザインのアプリができるのか細かく確認します。その上で検討すると、予算超過が起こりにくいです。

失敗しないアプリ開発会社の選び方

アプリ開発会社に依頼すると決めたときには、自社に合うアプリ開発会社を選定することが重要です。

ここでは、失敗しないアプリ開発会社の選び方をご紹介します。どのような点に着目して選べばいいのか、参考にしてみてください。

【失敗しないアプリ開発会社の選び方】

  • 自社の目的に合う開発実績がある
  • 依頼したい業務に対応している
  • アプリ開発に携わるメンバー・業者が明確になっている
  • 円滑にコミュニケーションが取れる

自社の目的に合う開発実績がある

アプリ開発会社を選ぶときは、自社の目的に合う開発実績があるかチェックしましょう。アプリ開発は目的や制作するジャンルによって、求められる機能やデザインが異なります。そのため、依頼したいアプリと開発会社の得意分野が一致していることが重要です。

例えば業務アプリを開発したい場合、ゲームアプリを得意とする会社に依頼しても、目的に合うアプリにならない可能性があります。

アプリ開発会社の実績や制作事例を見て、依頼したいアプリと会社の実績が一致しているかを確認すると、相性のいい会社を見つけやすいでしょう。

依頼したい業務に対応している

アプリ開発会社によって、依頼できる業務範囲が異なります。契約後に依頼したい業務に対応していないことが分かると、再度依頼先を探さなければなりません。

アプリ開発会社を選定する段階でホームページなどを確認しながら、どのような開発言語が得意か、どのような業務に対応しているのか確認しましょう。

特にアプリの企画から保守管理までを依頼したい場合は、まとめて依頼できる体制が整っているか把握しておくと安心です。

アプリ開発に携わるメンバー・業者が明確になっている

質の高いアプリ開発をするには、アプリ開発に携わるメンバーや業者が明確になっているかどうかが重要です。会社によっては、デザインやプログラミングを国内外のパートナーに任せているケースもあります。

複数のパートナーが関与している多重構造になっていると、誰がどの範囲を担当しているのかを把握しづらいです。その結果「デザインの質が低い」「なかなか連絡が取れない」などのトラブルが起こることが考えられます。

納得のいく品質のアプリ開発をするためにも、どの領域にどのようなスキルの人材・業者が携わっているのか把握して検討しましょう。

円滑にコミュニケーションが取れる

アプリ開発を開発会社に依頼すると、企画や要件定義、開発などの各工程でコミュニケーションを取る必要があります。

コミュニケーションが取りづらいと開発の遅延やトラブルにつながるため、円滑なコミュニケーションが取れる開発会社を選びましょう。

契約前にコミュニケーションスキルを見極めることは難しいですが、返信の速度や回答内容などから判断してみてください。

特に、ただ返信をするのではなく、企業の思いを汲み取り、アプリ開発の成功を真剣に考える姿勢があるか見ておくことをおすすめします。

グッドパッチのアプリ開発支援事例

最後に、グッドパッチのアプリ開発事例を紹介します。グッドパッチではさまざまなアプリ開発、改善に携わってきた実績があります。

お客様企業に寄り添いユーザーニーズを満たすアプリ改善を実施した事例ばかりなので、ぜひご覧ください。

  • SUNTORY+|サントリー食品インターナショナル
  • ワンキャリアクラウド|株式会社ワンキャリア

SUNTORY+|サントリー食品インターナショナル

SUNTORY+|サントリー食品インターナショナル

サントリー食品インターナショナルの健康経営支援アプリ「SUNTORY+」。グッドパッチは構想段階から参画し、従業員の健康行動を楽しく習慣化するiOS/Androidアプリのアイデア創出から開発、グロースまで一貫して伴走しました。

「まず作ってみる」を信条に、デザインスプリントやワーキングプロトタイプを活用した高速な価値検証を実施。パーソナライズされた健康タスクの提示や、自販機連動のクーポン機能、継続を促す情緒的な演出など、ユーザー中心の設計を追求しました。アジャイルなアプリ開発プロセスが、利用者のモチベーション維持と習慣化をサポートしています。

結果として「SUNTORY+」は一般的な健康アプリを大幅に上回る平均50%という高い継続率を達成。デザインの力で行動変容を促すアプリ開発を実現しました。

SUNTORY+の事例は下記の資料で詳しく紹介していますので、気になった方はぜひダウンロードしてみてください。

事例ダウンロードはこちら

習慣化アプリ「Habee」|日本たばこ産業株式会社

習慣化アプリ「Habee」|日本たばこ産業株式会社

たばこ事業を中核に多角的に事業展開を進めてきた日本たばこ産業(JT)。そんな同社が新たにリリースした目標達成・習慣化を支援するスマートフォンアプリ「Habee(ハビー)」について、グッドパッチは本アプリの開発プロジェクトに参画し、1年以上にわたって伴走支援を続けています。

アプリのコンセプトのブラッシュアップから開発まで一貫した支援を実施。過去のユーザー調査分析から始まり、事業戦略とアプリコンセプトの策定、UIデザインの具体化、仕様検討を行いました。

「友達同士でゆるく楽しく習慣化を目指す」というアプリのコアコンセプトの確立や、ニッチな領域からセグメントを広げる事業方針を提案したほか、開発面ではFlutterフレームワークを使用したアプリ実装、バックエンド連携、スケジュール管理を担当。

リリース後もビジュアル改善やユーザー体験向上のため継続的な伴走支援を提供し、アプリストアページとアプリ内デザインの統一、世界観の擦り合わせ、新機能開発のサポートを行っています。

このように、グッドパッチでは、お客様企業の課題や目的に応じたアプリ開発、アプリ改善を行っています。アプリ開発、改善に課題がある企業様は、お気軽にお問い合わせください。

アプリ開発会社は正しい選び方で選定しよう

アプリ開発会社を利用すれば、社内にアプリ開発のノウハウがなくても目的に合うアプリ開発を実現できます。

グッドパッチはお客様企業のビジネスと本質的な課題にコミットしながら、ユーザー体験の向上につながるアプリ開発サービスを提供しています。アプリ開発を依頼したいとお考えの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ビジネス課題をデザインで解決

私たちグッドパッチは顧客体験(UI/UX)デザインの強みを生かし、あらゆるビジネスの課題を解決するデザインカンパニーです。

他社との差別化に、顧客体験(UI/UX)デザインまで含めた実装が必要不可欠な時代において、UI/UXデザイン、事業戦略、組織デザイン、ブランドデザイン、開発など、幅広い領域でサポート。ルールにとらわれない柔軟な発想で、組織とブランドの可能性を最大限に引き出し、デザインの力であなたのビジネスの課題を解決します。

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