本記事では、新規事業立ち上げで役立つフレームワークを24個紹介します。一覧表を用意しましたので、気になるフレームワークをチェックしてみましょう。フレームワークを利用することで、新規事業の「不確実で雑然とした状況」を整理し、時間のロスを防ぎ、効果的に意思決定できる環境が整います。
「新規事業の担当になったものの、何から手をつければいいか分からない」という課題をお持ちの新規事業担当者に役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。
また、新規事業立ち上げに必要な要素をチェックできるグッドパッチ独自のフレームワーク「BusinessDesign Review」もご提供しています。併せて資料をダウンロードしてください。
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目次
- 新規事業で役立つフレームワーク24個まとめ(一覧表)
- 新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワーク6個(「どの領域で勝負するか」を見極める)
- 顧客課題の「探索」に役立つフレームワーク3個(「誰の何を解決するか」を見つける)
- ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワーク3個(「どうやって課題を解決するか」を見つける)
- 市場動向・競合分析に役立つフレームワーク5個(「競合よりも顧客に選ばれるか」を見極める)
- 仮説の検証・評価に役立つフレームワーク3個(「その事業に勝算はあるか」を見極める)
- 事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワーク4個(「事業内容」を設計する)
- 【BusinessDesign Review】新規事業の成功確率を高めるグッドパッチ独自のフレームワーク
- 新規事業でフレームワークを利用する価値
- 新規事業でフレームワークを利用する際の注意点
- 新規事業開発で外部パートナーを利用する価値・重要性
- 【まとめ】自社に必要なフレームワークを見極めて新規事業を成功させよう
新規事業で役立つフレームワーク24個まとめ(一覧表)
上表は、当記事でご紹介しています「新規事業の立ち上げに役立つフレームワーク一覧」です。各フレームワークの特性を理解し選択することで、現在のあなたのプロジェクトの開発精度を高めることができます。
なお、グッドパッチでは、これらのフレームワークを活用した情報整理において、オンラインホワイトボード「Strap」を利用しています。迅速な資料作成や柔軟な修正、チーム内での情報共有にお勧めです。併せてご紹介いたします。
新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワーク6個(「どの領域で勝負するか」を見極める)
新規事業の「領域」を選定する際に役立つフレームワークは、上記の5つが代表的です。
どの領域で事業を展開するかを検討するにあたっては、企業のビジョンや既存アセットとの相乗効果を考慮し、中長期的に注力すべき分野を見極めることが重要です。
顧客課題やソリューションを具体化する前に、業界・市場・テーマなど、どの領域へ参入すべきかを明確にしておきましょう。
企業のパーパスやビジョンに基づいて決定する場合もあれば、エンタープライズ企業特有の「事業シナジーやアセット活用」といった視点を踏まえて選定するケースもあります。
SWOT分析

新規事業の「領域」を選定する際に役立つフレームワークの1つ目は「SWOT分析」です。SWOT分析は、自社の内部環境と外部環境を整理し、現状を客観的に把握するためのフレームワークです。
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの視点から分析を行います。自社の資産や課題に加え、市場のトレンドや競合の動向といった外部要因も同時に洗い出すことができます。
強み × 脅威:自社の強みを生かして、競合との差別化要因を明確にしたり、逆に脅威をチャンスに変えたりする戦略
弱み × 機会:市場にチャンスがあるものの、自社の弱みがボトルネックになっている場合、それをどう補うのかを考える戦略
弱み × 脅威:弱みと脅威が重なる、最もリスクの高い領域を明確にし、ダメージを最小限に抑える戦略
上記は4つの要素(強み・弱み・機会・脅威)を掛け合わせて分析する「クロスSWOT分析」です。クロスSWOT分析を実施することで、自社の強みを活用して機会を捉えるための具体的な戦略を導き出すことが可能です。
Will Can Must

新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワークの2つ目は「Will Can Must」です。Will Can Mustは、参入を検討する領域が企業の方向性と整合しているかを確認する際に活用されます。
「やりたい(Will)」「できる(Can)」「やるべき(Must)」の3つが重なる領域を明確にすることで、新規事業の進むべき道筋を定められます。特にこの重なり合う領域で事業を展開すれば、メンバーのモチベーション維持と企業のパーパス実現を両立できるため、プロジェクトの初期段階における指針として有効です。
VRIO分析

新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワークの3つ目は「VRIO分析」です。VRIO分析は、自社の経営資源が競争優位を築けるかどうかを評価するための手法です。
経済的価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の4つの要素を満たしているかどうかを基準に判断します。競合と比較して、自社の資源が実際に強みとして機能しているかを精査したい場合に有効です。
すべての要素を満たしている場合、長期的に持続可能な競争優位性を確立できるとされており、市場での立ち位置を客観的に検証したい場面での活用に適しています。
バリューチェーン分析

新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワークの4つ目は「バリューチェーン分析」です。バリューチェーン分析では、事業活動を機能単位に分解し、価値提供の強みやコスト構造における優位性を評価します。
原材料の調達から製造、物流、販売、サービスに至るまでの一連のプロセス(チェーン)を分析対象とする点が特徴です。自社の活動の中でコストが集中している部分や、他社よりも高い価値を提供できている領域を特定できます。
新規事業においては、「既存のバリューチェーンをどのように活用・変革すれば、新たな価値を創出できるか」を検討する際に有効です。
アンゾフの成長マトリクス

| 戦略 | 内容 | リスク |
|---|---|---|
| 市場浸透 | 既存市場×既存製品 | 低い |
| 新製品開発 | 既存市場×新規製品 | 中程度 |
| 新市場開拓 | 新規市場×既存製品 | 中程度 |
| 多角化 | 新規市場×新規製品 | 高い |
新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワークの5つ目は「アンゾフの成長マトリクス」です。アンゾフの成長マトリクスは、検討中の事業領域における各戦略のリスクレベルを把握するために活用されます。
「製品」と「市場」の2軸を用い、それぞれを「既存」と「新規」に分類することで、企業の成長戦略を視覚的に整理できます。新規事業の立ち位置(例:新規市場 × 新規製品=多角化)を確認することで、適切なリソース配分やリスク許容度を判断しやすくなります。
アドバンテージマトリクス

新規事業の「領域」の選定に役立つフレームワークの6つ目は「アドバンテージマトリクス」です。アドバンテージマトリクスは、業界内の競争環境を分析し、事業のタイプを明確にするために用いられます。
「競争要因の数」と「優位性構築の可能性」の2軸で評価し、事業領域を「分散型」「特化型」「手詰まり型」「量産型」の4タイプに分類します。自社が属する領域を特定することで、コスト削減を重視すべきか、差別化戦略を追求すべきかなど、戦略の方向性を明確にすることができます。
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顧客課題の「探索」に役立つフレームワーク3個(「誰の何を解決するか」を見つける)
顧客課題の「探索」に役立つフレームワークは上記のとおりです。新規事業の対象領域にいる顧客が抱えている本質的な課題を明らかにします。
表面的なニーズではなく、深層心理に迫るためには、定性的・定量的なデータを活用して多角的に分析することが重要です。
ペルソナ分析

顧客課題の「探索」に役立つフレームワークの1つ目は「ペルソナ分析」です。ペルソナ分析は、顧客のニーズ・行動・価値観を深く理解するためのフレームワークです。
架空の顧客像を詳細に設定し、真に求められているニーズを明確にします。
・都内在住の30代男性会社員
・効率的な資産運用に関心がある
・忙しくて情報収集の時間が取れない
・リスクへの不安を強く感じている
上記のように詳細な人物像を描くことで、チーム内でターゲットに対する共通認識を持つことが可能になります。実際のユーザーインタビュー結果などを反映させ、リアリティのあるペルソナを構築することが重要です。
顧客にとって本質的な価値を持つ解決策を導き出すための出発点となるでしょう。
【関連記事】ペルソナとは?よりリアルなユーザー像を作り上げる具体的な作成方法
バリューポジションキャンバス

顧客課題の「探索」に役立つフレームワークの2つ目は「バリューポジションキャンバス」です。バリューポジションキャンバスでは、顧客の真の課題と自社の提供価値が適切に合致しているかを評価します。
「顧客プロフィール(課題・利得・苦痛)」と「バリューマップ(製品・利得の創出・苦痛の解消)」の2つのブロックを対比させて整理します。顧客が抱える課題(Job)や悩み(Pain)に対して、自社のサービスがどのように対応できるかを可視化することが可能です。
プロダクト開発の初期段階において、顧客にとっての価値(バリュープロポジション)を明確に定義し、ズレのないソリューション設計を行うために活用します。
【関連記事】バリュープロポジションキャンバスとは?作り方と事業の提供価値を導き出す重要性
5W1H/6W3H

顧客課題の「探索」に役立つフレームワークの3つ目は「5W1H/6W3H」です。「5W1H/6W3H」は、課題の背景や原因を多角的な視点から掘り下げて分析するために用いられます。
基本の5W1Hに加え、ビジネスでは「なぜやらないのか(Why Not)」や「どれだけ(How Many)/いくらで(How Much)」といった量や予算の要素を追加します。顧客の状況や行動に対して多角的な問いを立てることで、課題を特定しやすくなり、市場参入の機会を見出すことができます。
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ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワーク3個(「どうやって課題を解決するか」を見つける)
ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワークは、上記の3つです。探索フェーズで明らかにした顧客課題に対して、どのように解決策を提供するかを検討します。
既存の枠組みにとらわれず、革新的な発想を促進するために活用できる手法を紹介します。
マンダラート

ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワークの1つ目は「マンダラート」です。マンダラートは、9つのマス目を使って思考を放射状に展開する発想法です。
中心のマスに解決したいテーマを記入し、周囲の8マスに関連するワードや解決策を埋めて掘り下げていきます。思考を視覚的に広げることで、アイデアが停滞しがちな場面でも体系的に発想を促進できます。
1つのテーマから派生する要素を網羅的に整理できるため、多くのアイデアを創出したい場面で有効です。行き詰まりを打開するきっかけとしても活用できます。
SCAMPER法

ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワークの2つ目は「SCAMPER法」です。SCAMPER法は、既存のアイデアや製品に対して7つの視点から問いを投げかけ、新たな発想を創出するための手法です。
| 視点 | 問い |
|---|---|
| 代える(Substitute) | 他のものに置き換えられないか? |
| 組み合わせる(Combine) | 複数の製品をどのように組み合わせることができるか? |
| 適応させる(Adapt) | 他に類似したものはあるか?過去のアイデアは使えるか? |
| 修正する(Modify) | 大きさや色の変更は可能か? |
| 他の使い道(Put to other uses) | 他の使い方がないか? |
| 削減する(Eliminate) | 現在の製品から取り除けるものはないか? |
| 逆転・再編成(Reverse・Rearrange) | 逆にしても可能か?並べ替えをしても可能か? |
上記の7つの切り口を活用して、既存の要素を変化させながらアイデアを検討します。具体性が高く、実現可能なソリューションを導き出しやすい点が、この手法の特徴です。
マインドマップ

ソリューションアイデアの「立案」に役立つフレームワークの3つ目は「マインドマップ」です。マインドマップは、情報やアイデアを視覚的に整理し、発想を制限なく広げることを支援するフレームワークです。
頭の中にあるイメージや連想を図式化することで、思考の整理と構造化が容易になります。中心となるテーマから枝分かれするようにキーワードを展開すると、アイデア同士の関連性や全体構造をひと目で把握できます。
ブレインストーミングでは、ホワイトボードなどを使ってチーム全員で実施することで、より効果的に活用可能です。
潜在的なニーズの把握や、思いがけない解決策の手がかりを導き出すのに役立ちます。
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市場動向・競合分析に役立つフレームワーク5個(「競合よりも顧客に選ばれるか」を見極める)
市場動向・競合分析に役立つフレームワークは上記のとおりです。対象とする市場や業界において、アイデアが通用するかどうかを客観的に評価します。
3C分析

市場動向・競合分析に役立つフレームワークの1つ目は「3C分析」です。3C分析は、事業環境を「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点で分析するフレームワークです。
市場のニーズ、競合の動き、自社の強みを照らし合わせ、勝てるポイント(KFS:重要成功要因)を導き出します。「競合が満たしていない顧客ニーズを自社の強みでどう解決するか」という戦略の仮説を立てる際に役立ちます。
5フォース

市場動向・競合分析に役立つフレームワークの2つ目は「5フォース」です。5フォースは、業界の収益性を左右する5つの競争要因を分析するためのフレームワークです。
「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争業者」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」の強弱を評価します。業界構造を把握することで、自社の事業が構造的に十分な収益を確保できるか、また優位なポジションを築けるかどうかを検討する材料となります。
ポジショニングマップ

市場動向・競合分析に役立つフレームワークの3つ目は「ポジショニングマップ」です。ポジショニングマップは、競合と差別化可能な独自のポジションを視覚的に整理・発見するための手法です。
以下の手順で、競合との差別化が最も明確かつ顧客ニーズの高いポジションを検討します。
・競合と比較する
・KBFからタテ・ヨコ2つの軸を設定する
・マトリクスに自社・競合をマッピングする
軸の設定方法によって分析結果の見え方が大きく変わるため、複数のパターンを作成して検討することが効果的です。
STP分析

市場動向・競合分析に役立つフレームワークの4つ目は「STP分析」です。STP分析は、市場を細分化し、狙うべきターゲットを明確に定めた上で、自社の市場でのポジションを確立するためのフレームワークです。
Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の順に進めていきます。競合との比較を通じて、自社の商品やサービスの最適な位置づけを明確にするのに有効です。
4C分析

市場動向・競合分析に役立つフレームワークの5つ目は「4C分析」です。4C分析は、企業側の製品中心の視点ではなく、顧客視点で商品・サービスを評価するためのフレームワークです。
Customer Value(顧客価値)、Cost(経費)、Convenience(利便性)、Communication(対話)の4つの要素を軸に分析します。売り手の都合ではなく、顧客の価値認識や利便性を重視する点が特徴です。
新規事業において、顧客中心のサービス設計がなされているかを確認する際に有効です。
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関連記事:新規事業のアイデアの出し方は?思いつかない時の対処法や考え方・プロセスを解説
仮説の検証・評価に役立つフレームワーク3個(「その事業に勝算はあるか」を見極める)
仮説の検証・評価に役立つフレームワークは上記3つが代表的です。立案した新規事業のアイデアや戦略が、実際のビジネスとして成立するかを検証します。
リスクを最小限に抑えながら事業化を進めるのに役立つフレームワークをご紹介します。
リーンキャンバス

仮説の検証・評価に役立つフレームワークの1つ目は「リーンキャンバス」です。リーンキャンバスは、ビジネスアイデアを9つの要素に分解し、検証すべき仮説(リスク)を可視化・定義するフレームワークです。
リーンキャンバスの9つの要素は以下のとおりです。
| 要素 | 概要 |
|---|---|
| 課題 (Problem) | 顧客が抱える上位1~3つの重要な問題 |
| 顧客セグメント (Customer Segments) | 誰がこの問題を抱えているのか。その中で、特に初期にアプローチすべきターゲット |
| 独自の価値提案 (Unique Value Proposition / UVP) | なぜ顧客はあなたのソリューションを使うべきなのか、競合にはない独自の強み |
| ソリューション (Solution): | 課題を解決するための具体的な製品やサービスの核となる機能 |
| チャネル (Channels) | 顧客に製品やサービスを届けるための経路(販売経路、流通、プロモーションなど) |
| 収益の流れ (Revenue Streams) | 顧客からどのように、いくらお金を得るのか(価格設定、収益モデル) |
| コスト構造 (Cost Structure) | 事業を運営するために必要な費用(固定費、変動費、特に高いコスト) |
| 主要指標 (Key Metrics) | 事業の成長や健全性を測定するための最も重要なKPI(例:AARRRの指標など) |
| 圧倒的な優位性 (Unfair Advantage) | 競合が簡単に真似できない、自社だけが持つ持続的な強み |
上記を一通り埋めることで、事業全体の構造を俯瞰的に整理でき、仮説の抜け漏れを防ぎやすくなります。完璧な計画を練る前に、まずは仮説ベースでも入力してみて、顧客インタビューなどを通じて随時アップデートしていく運用が効果的です。
【関連記事】リーンキャンバス(Lean Canvas)とは?作り方を事例ベースでわかりやすく解説
PDCA

仮説の検証・評価に役立つフレームワークの2つ目は「PDCA」です。PDCAは、業務や品質を段階的に向上させるための管理手法です。ビジネス全般で広く用いられていますが、新規事業の立ち上げにおいては、仮説検証を進めるための実践的なサイクルとして活用されます。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の流れを繰り返すことで、プロジェクトの精度を高めていきます。一度の実行で正解を導くのではなく、小さな失敗と改善を積み重ねながら検証を進めていく姿勢が重要です。
特に初期フェーズではサイクルを高速で回し、市場から得られるフィードバックを迅速にプロダクトへ反映させることが求められます。
ECRS

仮説の検証・評価に役立つフレームワークの3つ目は「ECRS」です。ECRSは、検証や事業化に向けたオペレーションにおいて、ムダを削減し、効率的に業務プロセスを最適化するためのフレームワークです。
Eliminate(排除)、Combine(結合・再構成)、Rearrange(順序変更・再配置)、Simplify(簡素化)の4つの視点に基づいて業務を評価します。検証段階で見つかった非効率な部分や、提供価値に直結しないプロセスを見直すことで、コスト削減や提供スピードの向上に効果を発揮します。
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事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワーク4個(「事業内容」を設計する)
事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワークは上記4つが代表的です。新規事業のアイデアを、最終的なビジネスモデルや事業計画として具体化する段階で活用されます。
正式な事業化の判断材料となる投資審査や経営会議に向けた最終成果物を構築する際に、有効なフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバス

事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワークの1つ目は「ビジネスモデルキャンバス」です。ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの構造を9つの要素に分解し、どのように価値を提供し、収益を得るかを構造的に整理するためのフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバスの9つの要素は以下のとおりです。
| 要素 | 概要 |
|---|---|
| 顧客セグメント (Customer Segments) |
誰に価値を届けるのか、ターゲットとする顧客層は誰か |
| 提供価値 (Value Propositions) |
顧客のどのような課題を解決し、どのような価値を提供するのか |
| チャネル (Channels) |
顧客とどのように接点を持ち、価値を届けるのか(販売、流通経路) |
| 顧客との関係 (Customer Relationships) |
顧客からどのように、いくら収益を得るのか(収益モデル) |
| 収益の流れ (Revenue Streams) |
顧客に製品やサービスを届けるための経路(販売経路、流通、プロモーションなど) |
| リソース (Key Resources) |
提供価値を実現するために必要な主要な資源(ヒト、モノ、カネ、情報)は何か |
| 主要活動 (Key Activities) |
提供価値を実現するために、最も重要となる活動は何か |
| パートナー (Key Partnerships) |
事業を補完し、リスクを低減するために必要な外部の協力者(提携先)は誰か |
| コスト構造 (Cost Structure) |
事業を運営するためにかかる主要な費用、コスト構造はどのようになっているか |
各要素を整理することで、ビジネス全体の設計図を可視化でき、論理的なつながりの有無を検証できます。社内外のステークホルダーにビジネスの仕組みを説明する際の共通言語としても活用されます。
仮説検証を終えた後の段階では、収益モデルやコスト構造に無理がないかを確認するための最終チェックとしても有効です。
4P分析

事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワークの2つ目は「4P分析」です。4P分析は、企業側の視点からマーケティング戦略を設計・検討するためのフレームワークです。
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4要素を組み合わせ、マーケティング施策全体の整合性を確認します。特に、4つの要素間で一貫性が保たれているかどうかが重要です。
例えば、高級志向の商品であれば、価格設定は高めにし、流通経路やプロモーションもブランドイメージに適したものを選ぶ必要があります。
設定したターゲット顧客に最も効果的にアプローチするための施策を設計する上で、4P分析は有効な指針となります。
AARRR

事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワークの3つ目は「AARRR」です。AARRRは、顧客の行動を5つのフェーズに分類し、ユーザー行動を分析するためのモデルです。KPI設計や成長戦略の立案に活用されます。
・Activation(活性化):顧客はどれくらい好ましい経験をしているか?
・Retention(継続):顧客は継続して商品やサービスを利用しているか?
・Referral(紹介):顧客はまわりの人にこの商品やサービスを伝えているか?
・Revenue(収益):顧客の行動が収益化されているか?
上記の視点で行動を整理することで、ユーザーの離脱ポイントやボトルネックが明確になります。各フェーズに対応したKPIを設計し、改善策を実行することで、効率的に収益化までのプロセスを構築できます。
プロダクトライフサイクル

事業戦略立案・計画策定に役立つフレームワークの4つ目は「プロダクトライフサイクル」です。プロダクトライフサイクルは、製品やサービスが市場に投入されてから衰退するまでの流れを、導入期・成長期・成熟期・飽和期・衰退期の5つの段階で捉えるフレームワークです。
対象プロダクトが現在どのステージにあるかを把握することで、適切なマーケティング施策や事業戦略を立案する基準になります。段階ごとに市場の特性や競争環境が大きく変化するため、各ステージに応じた投資判断や戦略の見直しを行う際に有効です。
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【BusinessDesign Review】新規事業の成功確率を高めるグッドパッチ独自のフレームワーク
グッドパッチでは、新規事業の成功確率を高めるための独自フレームワーク「BusinessDesign Review(ビジネスデザインレビュー)」を提供しています。
ここまで多くのフレームワークを紹介してきましたが、数が多く、どれを採用すべきか判断に迷う方も少なくありません。その点、「BusinessDesign Review」は、新規事業の立ち上げに必要なワークを統合し、現場で使いやすい形に体系化した実践的なフレームワークです。
以下では、「BusinessDesign Review」で活用される具体的なフレームワークを解説します。
アイデア|誰のどんな課題を解決するのか?
- 誰の、どんな課題に対し、どんな解決策を提供する事業か?
- その解決策は顧客の未解決の痛み(Pains)を解消するか?
- アーリーアダプターは誰か?その顧客の財布の大きさは十分か?
アイデア評価のフレームワークでは、事業の出発点かつ最も重要な要素である「提供価値」を深く掘り下げます。新規事業が失敗する大きな要因の一つは、作り手の「こうあるべきだ」という思い込みに基づいてプロダクトやサービスを設計してしまうことです。
「誰が(ペルソナ)」どのような「本質的な課題」を抱えているのかを明確にし、それに対してどのような価値を提供すべきかを徹底的に言語化することが求められます。上記のような観点からアイデアを評価し、顧客が対価を支払うに値する価値があるかどうかを厳格に見極めていきます。
市場性|その事業は今やるべきか?
- 市場セグメントの設定(STP分析)は適切か
- 対象市場は今後も成長が期待できるか(PEST分析などを用いた評価)
- 競合状況や技術トレンドを踏まえ、「今このタイミングで参入する優位性」があるか
市場性を評価するフレームワークでは、市場の規模・成長性・競合状況・トレンドといった観点から、事業参入のタイミングが適切かどうかを検討します。
特に、PEST分析などのマクロ環境分析を活用することで、市場全体の将来性やリスク要因を把握することが可能です。市場規模が小さすぎる場合は事業の拡大が見込みにくく、縮小傾向にある市場では持続的な成長が難しくなります。
「なぜ今、この事業に取り組むべきなのか」という問いに対し、外部環境を含めた明確な根拠を提示できるかが重要です。
戦略性|どうすれば競合に勝てるのか?
- 業界内に存在する競合企業の数や種類を把握する(5フォース分析)
- 競合や既存大手のポジショニングや戦略パターンを明確にする
- 競争優位を築くために、模倣されにくいコアコンピタンス(独自資源)をどの程度保有しているかを確認する
戦略性を評価するフレームワークでは、競合の存在や自社の優位性、参入障壁の有無などについて、検討項目が網羅されているかを確認します。「競合のいない市場は存在しない」という前提のもと、自社がどのような独自性を持ち、持続的な競争優位を築いていけるかを構造的に検討するプロセスです。
また、ヒト・モノ・カネといった経営資源をどこに集中させるべきかを明確にし、戦略策定に活用することが求められます。
収益性|どうやって儲けるのか?
- 誰に、どのような価値を提供し、誰から、どのような方法で、いくらの対価を得るか(4P分析、ビジネスモデルキャンバス)
- 単月黒字となるタイミング(Break Even Point)
- 投資回収のタイミング(Payback Period)
- コスト構造は競合と比較して優位性があるかどうか
収益性を評価するフレームワークでは、新規事業を継続的なビジネスとして成立させるために、収益とコストのバランスを可視化します。
上記のような観点から収益モデルを構築し、必要なコストを差し引いても十分な利益が確保できるかを検討・検証することが重要です。
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新規事業でフレームワークを利用する価値
- 「不確実性」を減らし事業の成功確度を高められる
- 論点を効率的かつスピーディーに整理できる
- 客観的な分析で見落としや優先順位の誤りを防げる
- ステークホルダーとの情報共有を円滑にし、視点統一しやすくなる
新規事業においてフレームワークは、不確実性を低減し、意思決定の精度を高めるために欠かせない手法です。
上記の4つの視点に基づいて、フレームワークを活用することによって得られる価値を整理していきます。
「不確実性」を減らし事業の成功確度を高められる
新規事業においてフレームワークを利用する必要性の1つ目は「不確実性を減らし、事業の成功確度を高めることができる」です。フレームワークの活用によって、事業に伴う不確実性を軽減し、成功の可能性を高めることが可能になります。
新規事業の立ち上げには、市場ニーズの有無、顧客が価値を感じるかどうか、競合に対する優位性の構築など、多くの不確定要素が存在します。感覚や経験のみに頼って意思決定を行うと、検討漏れや判断の偏りといったリスクが生じやすくなります。
フレームワークを用いることで、検討すべき論点を体系的に整理でき、客観的なデータや分析結果に基づいて意思決定を行うことができます。
論点を効率的かつスピーディーに整理できる
新規事業においてフレームワークを利用する必要性の2つ目は「論点を効率的かつスピーディーに整理できる」です。新規事業開発では、限られた時間とリソースの中で、多角的な検討を迅速に進める必要があります。
フレームワークを活用することで、「何を検討すべきか」が明確になり、議論や意思決定のスピードが向上します。一から検討を始めると、論点が拡散しやすい場面でも、フレームワークという思考の枠組みがあることで、チーム内の認識を揃えながら効率的に検討を進行することが可能になります。
客観的な分析で見落としや優先順位の誤りを防げる
新規事業においてフレームワークを利用する必要性の3つ目は「客観的な分析で見落としや優先順位の誤りを防げる」です。新規事業の発案者や立ち上げメンバーは、アイデアへの思い入れが強くなりやすく、主観的な判断に偏る傾向があります。
このような状態では、重要な市場分析を省略したり、競合の存在を過小評価してしまったりするリスクが高まります。フレームワークを活用することで、客観的な視点を取り入れ、感情ではなく事実に基づいた判断が可能になります。
結果として、見落とされがちなリスクの可視化や、優先順位の適切な設定につながり、無駄な投資を未然に防ぐことができます。
ステークホルダーとの情報共有が容易になり、視点をそろえられる
新規事業においてフレームワークを利用する必要性の4つ目は「ステークホルダーとの情報共有を円滑にし、視点の統一を図りやすくなる」です。新規事業には、経営層、事業開発メンバー、外部パートナーなど、多様な立場のステークホルダーが関与します。それぞれの専門性や関心が異なるなかで、認識を統一することは容易ではありません。
そこでフレームワークを共通言語として活用することで、誰もが共通の視点から事業内容を評価し、建設的な議論を進めやすくなります。また、検討内容が可視化されることで、意思決定のプロセスに対する透明性が高まり、組織全体での合意形成も促進されます。
新規事業でフレームワークを利用する際の注意点
- フレームワークを記入すること自体を目的にしない
- フレームワークの意図を理解し、要点に絞った必要な検討を行う
- 先入観や思い込みを排除する
ここでは、新規事業におけるフレームワーク利用時の注意点について解説します。フレームワークは新規事業を推進する上で非常に有効なツールですが、使い方を誤ると逆効果を招くこともあります。
新規事業でフレームワークを活用する際に留意すべきポイントについて、次の3つの視点から整理します。
フレームワークを記入すること自体を目的にしない
新規事業におけるフレームワーク利用時の注意点の1つ目は「フレームワークを記入すること自体を目的にしない」ことです。フレームワークは、新規事業に関する思考を整理するための手段であり、記入そのものがゴールではありません。
新規事業で重要なのは、意思決定に必要な検討結果を導き出すことです。すべての枠を丁寧に埋めることに時間をかけるよりも、意思決定に直結する論点に絞って深く検討する方が、成果につながります。時間をかけすぎず、仮説検証を前に進めていく姿勢が求められます。
フレームワークの意図を理解し、要点を絞った必要な検討を行う
新規事業におけるフレームワーク利用時の注意点の2つ目は「フレームワークの意図を理解し、要点に絞った必要な検討を行う」ことです。本記事では複数のフレームワークを紹介していますが、それらをすべて活用する必要はありません。自社の事業フェーズや直面している課題に応じて、適切なフレームワークを選定することが重要です。
目的や構造が異なる複数のフレームワークを同時に使用すると、検討の論点がぼやけてしまい、要点を捉えた議論がしにくくなる可能性があります。目的に応じた取捨選択を意識しましょう。
先入観や思い込みを排除する
新規事業におけるフレームワーク利用時の注意点の3つ目は「先入観や思い込みを排除する」ことです。多様なフレームワークを活用する場合でも、検討メンバーが固定されていると、先入観や思い込みが反映されるおそれがあります。
思考の偏りを防ぐためには、第三者の視点を意識的に取り入れることが重要です。例えば、社外パートナーへのレビュー依頼や、ユーザーインタビュー・調査結果をもとに議論を行うことで、新たな観点が得られ、視野が広がります。
また、チーム内で「悪魔の代弁者(デビルズ・アドボケイト)」の役割を設け、批判的視点から仮説を検証する手法も有効です。
グッドパッチが提供する「BusinessDesign Review」では、ワークショップ形式で第三者視点からの評価とフィードバックを取り入れることで、思い込みを排除し、より客観的な意思決定を支援しています。
新規事業開発で外部パートナーを利用する価値・重要性
- 客観的な視点で思い込みを排除できる
- 専門知識とノウハウを活用できる
- スピードと品質を両立できる
新規事業の立ち上げにおいては、外部パートナーの活用が有効です。以下では、アイデアの事業化における外部パートナーの重要性について、3つの観点から解説します。
客観的な視点で思い込みを排除できる
アイデアの事業化における外部パートナーの重要性の1つ目は「客観的な視点で思い込みを排除できる」ことです。社内メンバーのみで検討を進めると、既存事業の常識や組織の論理に無意識にとらわれてしまい、視野が限定されがちです。
外部パートナーは、組織的な制約にとらわれない第三者としての視点からアイデアを評価し、見落としていたリスクや新たな市場機会を指摘できます。冷静かつ客観的なフィードバックを受けることで、事業アイデアの精度向上とブラッシュアップが効果的に進みます。
専門知識とノウハウを活用できる
アイデアの事業化における外部パートナーの重要性の2つ目は「専門知識とノウハウを活用できる」ことです。新規事業の立ち上げには、市場調査やビジネスモデルの設計、UXデザイン、技術開発など、幅広い分野における専門的な知見が求められます。
しかし、それらすべてを社内だけで対応するのは現実的ではありません。外部パートナーを活用することで、自社に不足している知識や経験を効果的に補い、事業の精度と実行力を高めることが可能になります。
スピードと品質を両立できる
アイデアの事業化における外部パートナーの重要性の3つ目は「スピードと品質を両立できる」ことです。外部パートナーは、豊富な支援実績や独自に確立されたフレームワークを有しており、ゼロから手探りで進めるよりも、短期間で高品質なアウトプットを導くことが可能です。
社内で試行錯誤を繰り返す時間を削減できるため、競合他社よりも早く市場にプロダクトを投入できる可能性が高まります。
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【まとめ】自社に必要なフレームワークを見極めて新規事業を成功させよう
本記事では、24個のフレームワークを事業フェーズごとに分類して紹介しました。新規事業の成功確率を高めるためには、以下のプロセスに沿って、適切な手法を選定しましょう。
- 新規事業の「領域」の選定(Domain Selection)
- 顧客課題の探索(Problem Discovery)
- ソリューションアイデアの立案(Solution Ideation)
- 市場動向・競合分析(Market & Competitive Analysis)
- 仮説の検証(Hypothesis Validation)
- 事業戦略立案・計画策定(Business Strategy & Planning)
フレームワークはあくまでも目的達成のためのツールであり、使用すること自体が目的ではありません。プロジェクトの状況やフェーズに応じて最適な手法を選び、顧客への提供価値を高めていくことが求められます。
どのフレームワークを選べばよいか判断に迷った場合や、客観的な視点からの評価が必要な場合には、グッドパッチの「BusinessDesign Review」をご活用ください。新規事業の専門家が、貴社のプロジェクトを成功に導くための支援を行います。
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