バリュープロポジションキャンバスとは?作り方と事業の提供価値を導き出す重要性
サービス開発に関わる皆さんは、「自社サービスの価値」を一言で表すことはできますか?競合優位性はどこにあるのでしょうか。以前Goodpatch Blogでは、顧客の悩みや課題を明確にするペルソナ法をご紹介しました。今回ご紹介するのは、顧客(ペルソナ)がサービスに関わる際のタスク、利得や悩みなどを洗い出し、サービスの価値を導き出す「バリュープロポジションキャンバス」という手法です。
Goodpatchでは、新規サービスの立ち上げやサービス・プロダクトの改善のご相談も受けております。
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目次
バリュープロポジションキャンバスの重要性
ビジネスの成功指標の一つには利益があります。利益を生むサービス開発のためには、ターゲットを定めて正しく価値を届けることが重要です。つまり、企業が提供できる価値が顧客のニーズと一致している必要があります。バリュープロポジションキャンバスを利用することで、顧客のニーズや抱える課題を整理でき、仮説を踏まえた上でサービス開発に取り組めるようになります。
バリュープロポジションキャンバスの構成と作り方
バリュープロポジションキャンバスは、大きく分けて二つの項目から成ります。一つ目はバリュープロポジション、二つ目は顧客について分析した部分です。
上の画像が、基本的なバリュープロポジションキャンバスの型です。ワークシートでもこの型を用います。バリュープロポジションと顧客プロフィールは三つのセグメントに分かれており、それぞれが対応しています。詳しく見ていきましょう。
1. 顧客プロフィール(Customer Profile)
バリュープロポジションキャンバスにおける顧客プロフィールは、次の三つに分けられます。
- 顧客が解決したい問題(Customer Jobs)
- 顧客が嬉しいと感じること(Gains)
- 顧客がマイナスだと感じること(Pains)
顧客が解決したい課題(Customer Jobs)では、ユーザーのニーズを客観的に捉えて書くと良いでしょう。ここでは、例えば「仕事の合間にすぐお腹が空いてしまう」ことを課題とします。その後、顧客が嬉しいと感じること(Gains)、顧客がマイナスだと感じること(Pains)を整理します。Gainsは顧客が商品にどのような期待をしていて、どのような結果に満足するのか。Painsは顧客が課題を解決する上で足かせとなることを書きます。先ほどの例に続けば、Gains は「栄養価が高くてお腹を満たす」「ダイエット効果も見込める」、Pains は「食べる時間はなるべく短く」「カロリー摂取しすぎるのは嫌だ」と仮説を立てることができます。
顧客のニーズに辿り着くためには「ユーザーモデリング」という手法を使うことができます。興味がある人はぜひこちらも読んでみてくださいね。
2. バリュープロポジション(Value Proposition)
バリュープロポジションは、前述した顧客プロフィールに対応しています。
顧客プロフィール:
- 顧客が解決したい問題(Customer Jobs)
- 顧客が嬉しいと感じること(Gains)
- 顧客がマイナスだと感じること(Pains)
バリュープロポジション:
- 課題に対して何を提供するか(Products & Services)
- 顧客が嬉しいと感じるためのドライバー(Gain Creators)
- 顧客の足かせを外すための手段(Pain Relievers)
対応していく要素をすべて埋めていくと、以下のように顧客プロフィールとバリュープロポジションが整理できました。
このように顧客とサービスの関係性を可視化することで、サービスの提供価値が明確になります。上記の例を踏まえると、顧客が嬉しいと感じるためのドライバー(Gain Creators)には「栄養価が高くて代謝アップを叶える」「サイズは小さいが腹持ちする」、足かせを外すための手段(Pain Relievers)には「片手で持って素早く食べられる」「カロリーは抑える」などが挙げられるでしょう。これはあくまで一例ですが、今後の商品開発のアイデアが浮かび上がってきませんか?
どの項目でも長文を書く必要はなく、誰にでもわかりやすい端的な表現を心がけてみてください。チームメンバーに自分の考えが伝わり、商品のコンセプトを練るときにも応用しやすくなります。
また、バリュープロポジションは、新しくサービスを立ち上げ、利益をどう生み出すか考えるための「ビジネスモデルキャンバス」でも活用できます。
さいごに
いかがでしたか?今回はバリュープロポジションキャンバスの概要と重要性についてご紹介しました。
企業は商品やサービスを開発し、提供することでビジネス的価値を得ることができます。しかし、多様な選択肢が増えた今ビジネスを成功させるためには、顧客をある程度絞り込み、価値を届ける必要があります。現代のビジネスに必要な視点については、デザイン思考について解説したこちらの記事を読んでみてください。
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参考文献:
https://media.bizmap.tokyo/vpc/about-vpc/#VPC
https://business-1.net/value_propsition/#i-3