こんにちは。グッドパッチでUIデザインチームのディレクターをしている栃尾です。
2025年8月現在、グッドパッチのUIデザインチームには30人以上のデザイナーが在籍しており、それぞれの得意分野を生かして日々さまざまなプロジェクトに挑んでいます。

デザイナー採用に悩みはつきものですよね。私も同じです。カルチャーをどう伝えるか、どこまで情報をお伝えするか……。仲間集めのために、あれこれ試してきました。

そんな中で先日、UIデザイナー向けの採用サイトを公開しました。
https://design-partnership.goodpatch.com/careers/uidesigner

企画から実装まで、すべてメンバー自身で手がけた「私たちらしさ全開」のサイトです。この記事では、制作に込めた想いや、ちょっとした遊び心をご紹介します。

コンセプトとこだわりポイント

今回のコンセプトは “SPARK YOUR CREATIVITY(内なる創造性に火を灯せ)”。

これは普段のクライアントワークでも、メンバーに意識してほしいと思っている言葉です。
ただ「見た目がいい」や「かっこいい」だけで終わらせるのではなく、誰かのハートを揺さぶるデザインを作ってほしい。そのためには、自分の中の衝動や情熱を出し切ることが欠かせません。想いが届いたとき、人は自然と動き出す。だからこそ今回の採用サイトも、そんな瞬間を生み出したくて作りました。


このサイトを見た人の気持ちが少しでも高鳴って、「面白い!かっこいい!こんなデザインをグッドパッチのメンバーと一緒に作りたい!」と感じてもらえたら──それが、このコンセプトに込めた願いです。

1. 広がりと可能性を感じる、宇宙モチーフのビジュアル

トーン&マナーは「宇宙」や「無限の可能性」を感じさせるグラデーションや光の演出で統一し、ページ全体に広がりを持たせました。コンテンツの切り替えも、光やアニメーションでふわりとつながるように設計しています。こうした演出を入れることで「固定概念にとらわれない自由さ=グッドパッチらしさ」を表現したいと考えました。

2. “うまさ”より“好き”が伝わる世界観

今回「グラフィックのうまさで魅せる」より「好きでつくっている」ことが伝わるサイトにしたかったこともあり、遊び心のあるアイコンやイラスト、ちょっとした仕掛けを至るところに散りばめています。

グッドパッチのUIデザインチームでは「遊び心」という言葉をよく使います。誰にも気づかれないかもしれないけれど、気づいた人は「あぁ、あれね」とクスッとできる──そんな仕掛けを考えるのも、私たちらしさだと思っているからです。

数字情報もただ並べるだけではつまらなかったので、モチーフと組み合わせたグラフィックにして、見た瞬間にワクワクするようなデザインにしました。裁量や柔軟性があるグッドパッチの雰囲気を、このユニークなビジュアルから少しでも感じてもらえたらと思っています。

3. クリエイティビティが溢れる、ギャラリーページ

案件以外で作った社内クリエイティブを集めた「ギャラリーページ」も、本サイトの見どころです。サムネイルは大きめに、グリッドでドンと配置。細部までこだわった質感や、メンバーそれぞれの個性をストレートに伝えたかったので、あえてデザインはシンプルにしました。

このページは、私たちが求めるクリエイティブを視覚的に感じてもらう場所。そしてチームにとっても、「このクオリティを目指していくぞ!」と、お互いを刺激し合える場所になっています。

4. “人”の魅力が伝わるインタビューページ

仕事への向き合い方や、デザインへのこだわりも、一人ひとり違って当然です。そんな十人十色のかっこよさをそのまま伝えたくて、インタビューページも作りました。

カードは角度をつけて動きを出し、眺めているだけでも楽しいデザインに。スクロールするたびに、新しい個性が次々とあふれ出す──そんなイメージで作りました。

グッドパッチの魅力は、いろんなバックグラウンドを持つ人が集まっていること。そして、それぞれが個性的な強みを持っていること。そんな空気も、このページから感じてもらえたら嬉しいです。YouTubeやPodcastもぜひのぞいてみてください。

UIデザイナー向け採用サイトの作り方

さて、ここからは軽くプロセスのお話を。

採用サイトとなると人事部に企画をお願いしたり、外部に発注したりするケースが多いと思います。これまで私たちも同様の運用をしてきました。しかし、それでは制作者人によって微妙に解釈が異なってしまったり、私たちが求めるUIデザイナー像や想いが、文章だけでは十分に伝わらないという課題がありました。

今回、たくさんのUIデザインメンバー、広報チームにも協力してもらいました!みなさん、ありがとうございました!

そこで、今回は誰かに発注するのではなく、自分たちで企画から実装まで一貫して行うことに。そうすることで、“私たちの意思”をデザインにそのまま込められると考えたからです。

制作期間は約2カ月。グッドパッチのデザイナーには、案件以外に30時間ほどの組織貢献時間があるため、その時間を活用して作業を進めました。

1. 競合分析

まずは競合調査として他社の採用サイトが、どのようなコンテンツを掲載しているのか、また、どのようなページ構成・ビジュアル表現をしているのかをリサーチしました。分析の結果、多くの採用サイトは「VMV」「事例紹介」「メンバー紹介」「選考フロー」など基本的な情報は網羅している一方、応募者がワクワクするような“体験”をデザインで作り込んでいる例は少ないと分かりました。

そこで今回のUIデザイナー採用サイトでは、先ほどのこだわりポイントでもお伝えした以下を意識しました。

  • 「SPARK YOUR CREATIVITY」というコンセプトを軸に、デザインの力や創造性を感じさせるビジュアルストーリーを展開
  • 惑星や宇宙をモチーフにしたグラフィックとインタラクションで、“探求心”を喚起する体験を提供
  • UIデザインの定義、制作事例(SHOWCASE)、チームの雰囲気を立体的に伝える構成
  • 選考フローやFAQをシンプルかつ見やすく配置し、応募までの心理的ハードルを下げる

このように、「デザインで世界を動かす会社らしさ」を前面に出しつつ、応募者が「ここで自分のクリエイティビティを発揮したい」と直感的に思える体験を目指すことに決めました。

2.コンテンツ洗い出し

次に、必要な要素の選定を行いました。特に「UIデザイナーの役割」というコンテンツは、他社ではあまり見かけないものですが、グッドパッチの採用サイトには欠かせないと考えました。
なぜなら、グッドパッチにおけるUIデザイナーには単に美しいUIを設計するだけでなく、

  • 課題の本質を問う姿勢
  • プロジェクトに深くコミットするスタンス
  • 事業のグロースに並走する意志

といったクライアントワークをする上での資質や姿勢が求められるためです。こうした役割の解像度を上げることは、ミスマッチのない採用や、共感によるエンゲージメントにもつながると考えました。

3.ワイヤーフレーム作成

ここからが、私がデザインにおいて一番好きな作業。体験を考える部分です。選定したコンテンツをもとにワイヤーを引き、訪れた人がどんな順番で情報を読み進めれば自然に理解できるのか──そのストーリーを描きながら構成案を作成しました。

テキストはすべて私が執筆しています。何を伝えるか、UIデザインチームをどうしていきたいか。ストーリーテリングのように、一つひとつの言葉に思いを込めて選びました。

4.デザイン制作

実はこれまでグッドパッチでは「これ!」と言えるビジュアルアイデンティティは明文化されていませんでした。

そこでこのタイミングで、今いるメンバーが感じるグッドパッチらしさを一枚のムードボードに落とし込むことにしました。揺るがないグッドパッチらしさを見出した上で、今回の「SPARK YOUR CREATIVITY(内なる創造性に火を灯せ)」というコンセプトを体現するデザインへと落とし込んでいきたかったからです。

コンテンツ選定やワイヤーフレーム作成を通してクリアになってきた「何を伝えたいか」「何を達成したいか」。 それらを軸に、冒頭のコンセプトをさらに磨き込んでいきました。

5.実装

実装はSTUDIOで行いました。ノーコードツールならではの制約はありましたが、「遊び心は妥協しない」が合言葉。

「このグラフィック、もっと遊ばせたい!」 「この実装だとテンプレっぽくてつまらない、壊しちゃおう!」

そんな声が飛び交う中、笑いながらも真剣に実装を進めていきました。

この後、実際のサイトには反映されなかったものの、画像をぎゅんぎゅんと回転させてくれた弊社UIデザイナー乗田。そろそろ石井さんが寂しそうなのでリニューアルを検討していきたいです!

リリース後の反響

リリース後は、想像以上の反響がありました。面接で「かっこよかった」「グッドパッチのUIデザイナーのイメージが少し変わった」「こういう挑戦もするんですね」という声をいただくことが増えたんです。また採用サイトに基本情報を集約したことで、カジュアル面談では説明にかける時間が減り、そのぶん「これからどんな仕事をしていきたいか」「どんなキャリアを描きたいか」といった、本質的な話を候補者の方とじっくりできるようになりました。

さらに、リリースに際し応募していたSTUDIOのアワードにもノミネートしていただきました。受賞は逃しましたが、「あのサイトがノミネートされた!」という事実だけで、しばらく社内はざわざわ。挑戦できたこと自体が、私たちにとって大きな財産にもなりました。

ノーコードツールで実装したことで、運用面も変わりました。UIデザイナーがエンジニアを介さず直接更新できるので、「これを載せたいな」と思ったらすぐに反映することができるようになりました(ギャラリーページは毎月更新をしていますので、ぜひちょこちょこ見に来てください)。

おわりに

今回の採用サイト作りは、デザインや実装の細部まで、グッドパッチらしさを込めたプロジェクトでした。遊び心も、ビジュアルのらしさも、メンバーが感じる「こうしたい!」を形にするためにこだわり抜いた結果が、反響やアワードのノミネートにつながったと思っています。

採用は「デザインの力を証明する」大きなチャンスだと感じます。思いが届き、誰かの心がふっと動き、行動につながる。その瞬間をつくるために、相手のことを思いながら言葉と表現を選ぶ──プロダクトづくりと同じですね。

記事を読んで、採用サイトを見て、「いいな」と思ってくれた方。ぜひ一緒に働きましょう。グッドパッチでのお仕事は、きっと楽しいと思います。

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