2024年はシチューがモチーフ、グッドパッチ流「ホリデーカード」の作り方
こんにちは!UIデザイナーの河内です。
グッドパッチでは毎年年末に、クライアントや社員の家族、その他仕事上でお世話になった方々へ、1年間の感謝の気持ちを込めてホリデーカードを送っています。
社内のデザイナーが1年間を振り返って「今年はどんな年だったのか、そして来年はどんな年にしたいか」を考えながら、テーマを決めて制作しています。
今回の記事では、2024年のホリデーカードがどのようなプロセスを経て制作されたのか、制作においてどんな工夫をしたのか、制作の裏側をご紹介します!
コンセプトを決める
制作に取り掛かる前に、まずはホリデーカードのコンセプトを考えます。ここは最終アウトプットの方向性を決める大事なプロセスです。
今年の総会のコンセプトや去年との違いを出す案などいくつかある中で、社内のメンバーと相談しつつ、社外の人でも分かりやすく、かつ社内の人も共感できるようなコンセプトとして、「走り続けるための、心の休息時間。」としました。
アイデアを発散する
ラフに取り掛かる前に、コンセプトに適しており、かつホリデーカードに相応しいモチーフとなるアイデアを出していきます。
モチーフの発散を行いながら、世界観の方向性やビジュアルのタッチ、どのようなシーンを切り取るべきかなど、最終アウトプットのイメージも同時に膨らませていきます。この時に出てきたアイデアとしては、UIデザインに絡めたON/OFFを切り替えるアイデアや、錯視を使ったアイデアはどうかなど、さまざまな方向性からコンセプトに沿ったアイデアを探っていきました。
ラフを描く
いよいよアイデアの発散で出てきたモチーフをもとに、ラフを描いていきます。
ホリデーカードを受け取った方が共感できるように、「休息時間」とは一体どんなシーンなのか、受け取る人はどのように休息の時間を過ごしているのか、など、さまざまな視点からイメージを膨らませ、「家でくつろぐ」というようなよくある「休息」のイメージにとらわれず、幅広い方向性を模索しました。
今回のホリデーカードでは、さまざまな人々が集まる憩いの場をモチーフに、一人ひとりが自分の好きな方法でリフレッシュしている様子を描いたものを採用しました。体の中からじんわりと温まる温度感を想起させたかったため、料理の上でのんびりしている瞬間を切り取っています。
制作〜ブラッシュアップ
手書きのラフデザインをもとに精緻化していきます。
まず、画面全体のバランスを考えるため、モチーフを白黒で描きつつ要素を配置していきます。その後見せたいモチーフの優先度を決め、野菜の大きさや、粗密のバランスを整えていきます。同時に、鍋の具材が美味しそうに見えるような形も追求していきました。
大まかに要素の配置が見えてきたら、色をつけてコンセプトの印象にあったビジュアルに整えていきます。もともと、ラフの段階では赤色が印象的なミネストローネを想定していましたが、コンセプトを体現する上で重要な「人の休んでいる姿」の印象が薄れてしまったため、急遽シチューに変更しました。
続いて構図の調整です。元々は鍋の中身を主役とした構図にしていましたが、デザインの中でもくつろいでいる人々がデザインの中で実際に存在しているかのような世界観を感じられるよう、鍋の外も描いていきます。
今回はクリスマスを感じられるシュトーレンや、今まさにシチューを食べようとしている動きが感じられるようスプーンやランチョンマットを追加しました。暖かな印象を与えられるように、湯気の形や濃度にもこだわっています。
最終調整
色や構図を調整し、完成イメージが見えてきた後はさらにディティールを詰めていきます。
「Happy Holidays」に使用するフォントは、画面の印象を大きく左右する重要なポイントです。最初からイメージを限定せずさまざまなフォントを画面に当てて試してみることで、コンセプトに沿ったフォントはどれが良いかを模索していきます。
このとき、自分一人だけで判断するのではなく、社内のメンバーからの意見を取り入れながら、よりコンセプトに沿った印象に近いフォントは何かを探っていきました。今回は、最終的に温かみのある手書き風のフォントを採用しました。
デザインの配色も再度修正していきます。もともとは現実世界に近い色味を採用していましたが、コンセプトを体現するためには、温かみがまだまだ足りない印象でした。社内のメンバーと相談しながら、より暖かな印象を感じられる暖色を起点とした色に変更していきました。
コンセプトを体現する上で重要な好きなポーズでくつろぐ人々には、ただくつろいでいるだけでなく、例えば具材を食べている人だったり、シチューの上で釣りを楽しむ人だったりと、ホリデーカードを受け取った人を楽しませられるような遊び心も加えていきます。
コンセプトを一番に考えつつも「グッドパッチらしさ」を表すことも重要です。グッドパッチらしいデザインといえば、ロゴにも使われている青色を中心としたデザインが印象的ですが、今回のコンセプトでは暖色が中心となっているため青色を主役とせず、具材の中にサービスロゴを加えることでさりげなくグッドパッチらしさを表現しています。
チロルチョコのパッケージデザインにも!
年末の特別バージョンの社内イベントでは、社員の皆さんにも「もっとほっこりした気持ちを届けたい!」という思いから、社内イベントで配布するチロルチョコのパッケージデザインも合わせて制作しました。
ホリデーカードを社内で公開後、zoomの背景にホリデーカードのデザインを活用してくれた方も!ホリデーカードが新しい方法で活用されたことで、デザインの力を改めて実感しました。
いかがでしたか。グッドパッチでは毎年恒例になっているホリデーカードですが、構想から含めるとその制作期間は意外と長く、今回は1カ月半くらいでした。
こうしたノベルティにも手を抜かないのがグッドパッチ流。コンセプトづくりからちょっとした遊び心まで、あれこれ試行錯誤しながら、ときには社内のデザイナーと相談しながら、制作している様子が伝われば幸いです。
グッドパッチのUIデザインチームは、UIデザインだけにとどまらない、さまざまなクリエイティブ活動を行っています。この記事を読んで興味を持ったという方は、ぜひ以下の採用サイトもご覧ください。
UIデザイナー採用サイト:https://design-partnership.goodpatch.com/careers/uidesigner