新しいものが大好きなGoodpatchで10月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2024)
暑い夏が終わったかと思いきや、秋の深まりを感じられたり、再び夏日になったりと、不安定な気候の10月となりました。寒暖差が激しいこの時期、くれぐれも体調にはお気をつけください。
今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!
目次
サービス
Canva、アプリ利用10億回突破を受け開発者プラットフォームを拡大
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000066101.html
2024年9月27日、ビジュアルコミュニケーションプラットフォーム「Canva(キャンバ)」は、アプリ利用10億回突破を受け、開発者プラットフォームを拡大しました。
今回のアップデートでは、新たなAPIの追加やプレミアムアプリプログラムによる収益化機会を提供し、開発者がグローバル市場での成長を目指せる環境を整備。また、2024年7月にLeonardo.Aiを買収したことにより、AI機能が強化され、ユーザー体験の向上を図っています。
特に、デザインAPIやコンテンツクエリAPIが、クリエイティブワークの自動化を促進し、デザインの可能性を広げています。デザイナーとしては、誰でも簡単にデザインできるCanvaという道具といかに共生できるのかを考える機会となりそうです。
コンセント、4社の取り組み事例から、企業の“ダークパターンの無自覚な使用”を防ぐ鍵を探る「ダークパターンレポート2024」を公表
https://www.concentinc.jp/news-event/news/2024/10/darkpattern-report2024/
デザイン会社の株式会社コンセントは「ダークパターン」の問題に向き合う上での課題や、企業による無自覚な使用を防ぐための論点を考察した「ダークパターンレポート2024」を公開しました。
ダークパターンとは、ユーザーをだましたり、勘違いさせるようなデザインのことを指します。2024年現在、日本国内においても消費者庁による行政処分の実施など取り締まりが本格化していますが、完全には防ぎきれていません。ダークパターンレポート2024ではその理由として「どこからが違反となるのか、法令上の線引きの難しさ」と「仮に法令上は問題がないと判断できたとしても、企業はユーザーをだましたり操ったりしていいのだろうか?」の二点を挙げています。
デザインをする上で、ユーザーにとって一番欲しい情報は何かを意識しながら作り進めますが、その意識が時には別の意味に受け取られてしまうなど、想定とは違う結果につながってしまうこともあります。デザイナーはビジネスへの効果とユーザーへの配慮の両方に注意を払う必要がありそうです。
「iPhone 16」販売開始
https://www.apple.com/jp/iphone-16/
2024年9月20日に、AppleはiPhone 16の販売を開始しました。iPhone 16の目玉機能として注目されているのが生成AI機能の「Apple Intelligence」です。AIが、文章を書くことをサポートしたり、画像生成など新たな機能を提供。またSiriも以前より進化し、より深い言語理解ができるとのことです。今までサービスを通して触れていたAIが、デバイスに組み込まれることで、より身近な存在になりそうですね。
また、新たにカメラコントロールというボタンがデバイスに追加されました。iPhoneを横に持つことで、カメラのシャッターを切るようにボタンを押したり、ズームの際にもダイアルを回しているような感覚が提供されています。
より進化したiPhone、早く手に入れたいですね。
イベント
2024年度グッドデザイン賞受賞作品発表
https://www.g-mark.org/learn/past-awards/gda-2024/results
公益財団法人日本デザイン振興会は、2024年度のグッドデザイン賞の受賞結果を2024年10月16日に発表しました。本年度は全1,579件の受賞が決定しました。
グッドパッチからはGoodpatch Anywhereが一緒にUI設計をさせていただいている「スタディサプリ 小学・中学講座」がグッドデザイン賞を受賞しました。
本年度のグッドデザイン賞の受賞結果から、筆者は「持続可能性」や「災害」に対するデザインのアプローチが注目されているように感じました。地球温暖化、ゴミ問題、人の共生、など持続可能な社会を構成していくためのプロダクト、サービスのデザインが印象的でした。
また、災害時にも使えるプロダクト、サービスなどの受賞も多く見られました。今年は、年始に能登半島地震が発生したり、8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発令されたりと、災害を意識する機会が例年より多くあったと思います。災害を乗り越えていける社会の実現にはデザインの力がますます注目されそうですね。
Designship 2024開催
2024年10月12日、13日の二日間にわたって年に一度開催されるデザインカンファレンス・Designship 2024が開催されました。今年は「広がりすぎたデザインを接続する」をテーマに、多様なデザイン分野の専門家が集結しました。
トークやワークショップを通じて、技術・芸術・ビジネスの交差点でデザインの可能性を探り、業界の最新トレンドを学ぶ場となっていました。今年も、さまざまな背景を持つクリエイターたちが議論し、ネットワーキングの機会が豊富に提供されました。デザイン領域のさらなる盛り上がりを予感するような、充実の時間となっていました。
ビジネス
Studioが事業拡大に向けたリブランディングを発表。「すべての創造者のための器」となるブランドへ。
https://studio.inc/pressrelease/rebranding_2024
Studio株式会社は2024年10月1日に、事業の更なるグロースに向けたリブランディングを発表しました。
Studioがリブランディングを行った背景として、創業当初から掲げてきた「創りたい人が、創りたいものを作れる世界を当たり前にする」という思想に立ち戻り、日本だけでなくグローバルを舞台に挑戦するためとしています。新コンセプトとして「すべての創造者のための器」を掲げ、ビジュアルアイデンティティと社名の表記もリニューアルされています。
今回のリブランディングの注目ポイントは、以前のピンクのアクセントからメインカラーを無色に変更し、各サブブランドに独自のアクセントカラーを設定したことです。これにより、各サブブランドの特徴が際立ちながら、全体に統一感のあるビジュアルアイデンティティが確立されています。また、新しいエディタのβ版は、デザイナーだけでなく、個人事業主やスタートアップの創業者、企業のマーケターなど、幅広いユーザーをターゲットにしている点にも期待が高まります。
ReDesigner、デザイナーのキャリア、働き方のトレンドを可視化する調査レポートを公開
https://redesigner.jp/contents/career-trend-report
2024年10月9日、デザイン人材のキャリア支援サービス ReDesignerが「ReDesigner Career Trend Report 」を公開しました。ReDesignerユーザーへアンケートを実施し、デザイナーのキャリア動向やトレンドなどを調査し、レポート化したものとなっています。
レポートでは、UIデザイナーやUXデザイナーなどデザイナー11職種のキャリア動向や収入、転職の影響、働き方などについて詳細なデータが紹介されています。例えば、転職したデザイナーの71%が年収増加を経験しており、そのうち半数以上は50万円以上の増加を実現しています。また、40歳を過ぎたデザイナーの年収分布が増加傾向にあることや、職種間で比較するとデジタルプロダクトデザイナーの年収レンジが最も高いことなども示されています。このデータは、デザイナーとしてのキャリアプランニングに非常に有益なのではないでしょうか。ぜひチェックしてみてください。