9月は気候が不安定でしたが、徐々に涼しくなってきましたね。
さて、今月はAppleが新しいプロダクトを発売したり、デザインにまつわる数々のイベントが開催されたりと話題が盛りだくさんでした。

本記事では、社内で特に注目の集まったプロダクトやサービス、デザインをご紹介します。

過去の月間まとめはこちらをご覧ください。

プロダクト

Apple new products

https://www.apple.com/apple-events/september-2018/

2018年9月12日にAppleより新たなiPhoneシリーズ(iPhone XR, Xs, Xs Max)とApple Watch Series 4が発表されました。XsとXs Maxは「息をのむ美しさ」と表現されたSuper Retinaディスプレイを、iPhone XRとApple Watch Series 4は業界の中でも液晶の最先端技術を使ったLiquid Retinaディスプレイを採用。さらに全iPhone機種にはパフォーマンスの強化とともに電力消費を抑えた最新チップ「A12 Bionic」が搭載され、iPhone Xより1.5時間長いバッテリー継続時間を実現しました。

他にも多くの機能を一新したiPhoneシリーズですが、見た目のサイズや色だけを比べても、どの機種を買うか迷われた方も多いのではないでしょうか?全機種の違いをわかりやすく説明してくれるAppleに詳しいGoodpatchメンバーのおすすめは、手に馴染むサイズ感でデュアルカメラ搭載のiPhone Xsでした。皆さんも是非お気に入りの一台を見つけてくださいね。

BALUMUDA The light

https://www.balmuda.com/jp/light/

高い技術力と優れたデザインを絶妙なバランスで融合させ、様々なヒット商品を生み出しているBALMUDAから今月、BALMUDA The Lightというデスクライトがリリースされました。子供たちの目を徹底的に考えて作られた本製品は美しくシンプルな見た目を持ち、自然光に近い波長で目に優しい光を放つ「太陽光LED」と、目線の先に影を作らず手元を広く照らす「フォワードビームテクノロジー」などの技術によって実現された機能性を持ち合わせています。

こちらのWebページにはコンセプトの着想から完成に到るまでのストーリーが掲載されています。「はじめに見た夢が鮮やかであればあるほど、その夢は強くなるのだと思います」という言葉に始まり、BALMUDA代表の寺尾さんが父親として感じた子供への想いを原点としたチームの情熱を感じることができます。決して安い買い物ではありませんが、毎日使うものだからこそコンセプトにまで共感できるものを選んでみるのもいいかもしれませんね。

Visual Studio Code

https://code.visualstudio.com/blogs/2018/09/10/introducing-github-pullrequests

大人気のテキストエディタ、Visual Studio CodeにGitHub純正のPull Request拡張が登場しました。ユーザーは一度もウィンドウを切り替えることなく、エディタの中だけでPRの作成・レビュー・マージを行うことができます!
オープンソース・ソフトウェアにおいて開発者はコアとなり得る最低限の機能のメンテナンスおよびアップデートに注力することが多く、特にユーザーごとに求めるものの差が大きいテキストエディタではその傾向がより顕著です。VimやEmacsなどのターミナルエディタからAtomやSublimeなどのモダンなGUIエディタまで、基本的には専用のマネージャ経由でユーザーが開発したプラグインを導入し機能を拡張していくというアプローチが主流であり、ソフトウェア開発者自らが公式に拡張機能を出すというのは比較的稀であると言えます。

今年に入ってからDX(Developer Experience, 開発体験)という言葉を耳にするようになり、エンジニアリングの現場においても良い体験が価値認識されるようになってきましたが、この発表はそうした風潮に対する追い風となり得るかもしれませんね。

サービス

Uber Rebrand 2018

https://www.uber.design/case-studies/rebrand-2018

先月はEvernoteやFOLIOのリブランディングが話題になりましたが、Uberも今月リブランディングを果たし、世界中で話題を呼びました。「ユニバーサル」「グローバル」といった普遍的なワードをテーマに据え、今や660以上の都市で利用されているUberの安全性・視認性といったテーマに対し白と黒をイメージカラーに掲げるという思い切ったリニューアルとなっています。

スタートアップとしてとにかく「記憶に残る」ロゴを押し出してきた企業が、サービスの成熟に伴って誰もが愛せる普遍性を追求したリブランディングを行うことは決して稀ではありません。しかし今回、アプリケーションなどの画面内で完結するものではなく、車体への印刷や市街の景観とのバランスなど現実世界との関係性における機能性までをも考慮したデザインシステムが生まれたということは、今後も語り継がれる貴重な事例となり得るかもしれません。

Shopify AR

https://www.shopify.com/blog/shopify-ar

カナダ発のECプラットフォームShopifyが商品をARで出品・閲覧できる機能を今月リリースしました。売り手は3D Warehouse appを使って3Dモデルを作成し、買い手がより商品をリアルにイメージできるように出荷方法を工夫できます。この機能により、商品のコンバージョン率の増加だけでなく、返品率の減少を計ることもできるでしょう。

今月は日本発のECプラットフォームWowma!もAR機能をリリースするなど、EC市場では益々リアルな購買体験に注目が集まっています。ECでは顧客が抱える「見えない」「触れない」ことによる漠然とした不安に対するアプローチが長年の至上命題となっていましたが、今後期待されるAR機能の発展により、お店で商品に触れ回るような気軽なショッピングがインターネットを介して楽しめるようになる日も遠くないかもしれませんね。

Sketch 52 beta

https://www.sketchapp.com/beta/

突如リリースされたSketch Beta。Sketch自体のUIがリデザインされ、ユーザービリティ・アクセシビリティが向上しただけでなく、より柔軟にブーリアン演算やデータ挿入ができるようになりました。Goodpatchのデザイナー達からは「地味に欲しかった」「めっちゃ助かる」という歓喜の声が聞かれましたが、皆さまはもう体験されましたでしょうか?

今回のアップデートは安定版ではなくベータ版で、ユーザーはメニューから簡単にカスタマーサポートにフィードバックを届けることができます。Adobe Xdも正式リリース前に同様の機構でユーザーの声を回収しブラッシュアップを行なっていましたが、プロトタイピングツールが自身の今後をもプロトタイピングで決めるというのは非常に納得感がありますよね。今後ユーザーの声と共に、Sketchがどのように進化していくのか、楽しみです。

イベント

good design company 1998-2018

http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/201809/201809.html

今年で設立20周年を迎え、ブランディングデザインの講師やさまざまなヒットを生み出す著作者として広く知られているgood design companyが、20年間で手がけたデザインとそのプロセスを一挙公開します。

一般的なデザインの思想とは異なるアプローチから生まれた作品も多く、特に相鉄のデザインブランドアッププロジェクトの制作の裏側には驚かされました!また、ところどころに散りばめられた「水野の語録」には、心にグッとくるような言葉がたくさん書かれています。デザイナーはもちろん、デザインの仕事以外を手がける人にもぜひ訪れてほしい展覧会です。

Adobe Max Japan

https://maxjapan.adobe.com/

今年もAdobeがクリエイティブイベントAdobe Max Japanの開催をアナウンスしました。注目は日本デザインセンターやメルカリ、DeNAなどをはじめ合計55名のスピーカーが集まり、計2日間に渡り行われるキーノートセッション。Adobe製品に今後搭載されるかもしれない開発中の新機能や、既存のソフトの意外な使いこなしを体感できる絶好の機会です。

特に注目なのは、Adobeのマーケティングマネージャー轟啓介氏による、「新機能の使いこなしと今後の進化」というセッション。毎月機能をアップデートして進化し続けているAdobe XDの最新情報や今後の展望をキャッチアップできるのではないでしょうか。Adobe IDを使ってログインし、無料有料セッションの参加登録ができるので、今からでもぜひ登録してみてください!

Material Design day Tokyo

https://developers-jp.googleblog.com/2018/09/material-design-day-tokyo.html

2018年9月27日、Google Japan オフィスにてMaterial Design Day Tokyoが開催されました。Material Designの開発チームによるMaterial Themingやツールについての講演だけでなく、Codelabを通じてMaterial Designの応用を学ぶワークショップも開催されました。

当日のCodelabでは、Goodpatchより今年Google I/Oに参加したデザイナーが講師として参加。Material Designの定義からMaterial Themingの応用までを取り扱う盛りだくさんな内容でした!
SketchでMaterial Theme Editorを使いこなすという知識もさることながら、なかなか学ぶ機会のない現場のテクニックを実際に学べた本イベントは、参加したデザイナーの方々にとって大いに意義のあるものとなったのではないでしょうか。

メディア

ReDesigner Magazine

https://magazine.redesigner.jp/

デザイナーのキャリアを支援するReDesignerから、新しくデザイナーのキャリアに特化したメディアReDesigner Magazineがリリースされました。今第一線で活躍するデザイナーのキャリアインタビューをはじめ、デザイナーのキャリアに関する情報を発信し、デザイナーのキャリアを考えるサポートを行います。

デザイナーとしてのキャリアを歩み始めようとしている人や、今後のキャリアに悩んでいるデザイナーはぜひ読んでみてください。新たな選択肢やヒントが見つかるかもしれません。
創刊にあたってキャリアデザイナーの佐宗が想いを記事にしていますので、ぜひ読んでみてください!
「デザイナーの選択肢を増やしたい」ReDesigner Magazineを始めた理由

以上、9月に話題になったアプリやサービス、デザインのまとめでした。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、お楽しみに!

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