インフォグラフィック(infographic)という言葉を聞いたことはありますか?この言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

インフォグラフィックは、電車の路線図やWebメディアに活用されるグラフ、図解など種類は様々ですが、私たちにとって身近な存在です。瞬間的な理解が求められるプレゼン資料などにも役立つため、実はインフォグラフィックはビジネスシーンにおいても重宝されています。

しかし、インフォグラフィックを自らデザインすることに苦手意識をお持ちの人も多いのではないでしょうか。今回は絵が苦手な人にこそ、インフォグラフィックの重要な部分は装飾ではなく、情報を分かりやすく整理する伝え方だということを知っていただければと思います。本記事では、ノンデザイナーに向けたインフォグラフィックについて、作成フロー、そして便利なインフォグラフィック作成ツールなどをまとめてご紹介いたします!

インフォグラフィックとは

インフォグラフィックとは、情報を整理して視覚的に表現したものです。情報を視覚化する目的を、ここでは以下の二つと定義します。

  • 発散したアイディアの収束
  • アウトプット

前者のアイディア収束のための視覚化では、図を思考ツールとして用いるほか、リアルタイムで視覚化できるグラフィックレコーディングなどが挙げられます(これらの記事内容もビジネスパーソンにとって重要な項目なので、ぜひ読んでみてください)。今回ご紹介するインフォグラフィックの目的は、アウトプットです。

インフォグラフィックに最も重要なのは「正確なコンテンツが簡単に伝わる」こと。装飾や見た目の美しさよりも先に、正確さやシンプルさが求められるので、絵を描くことに苦手意識がある人にもおすすめです。本記事の最後ではおすすめの無料ツールもご紹介するので、ぜひチャレンジしてみてください。

インフォグラフィックの種類

インフォグラフィックには用途別に7つの種類があります。

ピクトグラム

ピクトグラムとは、単純な視覚記号で情報を表したものです。例えば、上の画像のピクトグラムを見て、瞬間的にトイレのマークだと認識する人は多いでしょう。このように、言語に制約されずに情報を表現できるのがピクトグラムのメリットです。

ダイアグラム

ダイアグラムとは、情報をイラストや幾何学的なモデルで表したものです。サービスのランティングページなどにおいて、コンセプトやストーリーの補足として活用されることも多いので、サービス開発を担当する方にとってはおなじみのグラフィックスではないでしょうか。また、多くのダイアグラムではピクトグラムを使用しますが、必ずしも必要な要素ではありません。

チャート

チャートとは、数値などのデータを図・表・グラフを使って表現したものです。数値データは視覚化すると規模が明確になるため、人口比や収入の増減などを表すのに活用できます。

相関図

相関図とは、物事の相関関係を表した図を指します。上の組織図のように、文章で説明すると非常に複雑な関係性は視覚化すると伝わりやすいですね。

フローチャート

フローチャートでは、作業の流れや手順を表します。インフォグラフィックの作成フローを説明する際に改めてご紹介いたします。

年表

年表とは、歴史上の出来事を時間軸に沿って明記したものです。歴史の参考書や美術館でよく見かけるインフォグラフィックの種類ですが、企業史やプロジェクトの変遷を説明する際にも活用できます。

地図

地図は、地形や場所の相関関係を表しています。世界地図のような具象的なものから、路線図のような抽象的なものまでデザインできます。

インフォグラフィックの作成フロー

ここからは、今までの情報を活用しながらインフォグラフィックを作成する方法をご紹介いたします。上記の通り、インフォグラフィックと言っても形や用途は様々なので、全てのインフォグラフィックデザインに共通する4つのステップに分けた制作フローがこちらです。

上記の図も、インフォグラフィックの種類のひとつ「フローチャート」です。日本人は左から右に文字を読むので、制作工程もこの方向で視覚化しますが、これは言語によって異なる点も興味深いですよね。

1. テーマの設定

インフォグラフィックデザインの方向性を決める最も重要なステップと言えます。インフォグラフィックのターゲットは誰なのか、どんな目的で相手に情報を伝えるのかを考えてテーマを設定しましょう。

2. 一次情報の収集

テーマを明確化したら、目的に応じて必要なコンテンツや一次情報をリサーチしましょう。この時点では構成やグラフィックスのデザインは決まっていなくて良いので、設定したテーマを表現するのに適切な情報かどうかを判断します。

3. 適切な表現の検討

一次情報を集めたら、今度は適切なグラフィックスを先ほど紹介した7つの種類から選びます。例えば、インフォグラフィック作成の目的が過去3年間の売上をクライアントに示すことならば、棒グラフなどのチャートが最も適切な表現と言えるでしょう。

4. グラフィックス編集

ここまでの3つのステップでは情報の伝え方を「考える」という作業でした。考える段階が終わり、アウトプットの準備ができ次第、必要な素材を集めて編集します。Adobe Illustratorなどのソフトをお持ちでなくても、Microsoft Word、PowerPoint、Keynoteなどで作成することも可能です。

ノンデザイナーにとっては、編集のステップが最も難しく感じられるかもしれません。しかし、記事のはじめに述べた通り、インフォグラフィックに最も重要なのは「正確なコンテンツが簡単に伝わる」こと。最初の3つのステップをしっかりこなせれば、シンプルでも効果的なインフォグラフィックが作成できます。

便利なインフォグラフィック作成サイト

効率的に高品質なインフォグラフィックを作るためには、便利なツールを活用することもおすすめです。ここでは、素材や構成などをあらかじめ用意してあるWebサービスをご紹介します。

Canva

http://www.canva.com

Canvaはノンデザイナーに優しい、ドラッグ・アンド・ドロップが基本の操作のインフォグラフィック作成サイトです。高品質のピクトグラムやテンプレートが用意されているので、まずはこちらのサイトを活用してデザインに慣れると良いかもしれません。

easel.ly

https://www.easel.ly

easel.lyは、とても完成度が高いテンプレートを用意していることで有名なサイトです。配色を変えたりイラストを加えるなど、ある程度のカスタマイズなら簡単にできます。

Piktochart

https://piktochart.com

Piktochartは仕上がったインフォグラフィックの無料ダウンロードができる貴重なサイトです。配色のセンスに自信がない人でもお洒落なチャートを作成できると評判です。日本語フォントの種類は少ないので、そこはご注意を。

Venngage

https://venngage.com

Venngageもテンプレートが豊富なインフォグラフィック作成サイトです。他のユーザーたちがデザインしたグラフィックスも閲覧できるため、インフォグラフィックの知識を深めたい人に有益です。

まとめ

インフォグラフィックで重要なことは、情報の種類に応じて適切な形を見極めること。これは絵や装飾に苦手意識を持つ人でも身につけられるスキルです。会議や日常のコミュニケーションなど、ビジネスパーソンなら役立てることができる思考ツールであるインフォグラフィック。ぜひ活用してみてください!

インフォグラフィック・エディターとして活躍する櫻田 潤さんのインタビュー記事では、インフォグラフィックをどのように扱うのか、ビジネスパーソン向けの方法を伺いました。ぜひ合わせてご覧ください!

情報を視覚化する方法を広く説いたこちらの記事では、インフォグラフィック以外の方法についてもご紹介しています。おすすめの本もピックアップしているので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

参考文献:
https://spc-jpn.co.jp/blog/7571/
https://liginc.co.jp/287677

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