【マジでコレ見れば分かる】Appleの発表会まとめ on 2015.09.10
みなさんこんにちは!グッドパッチのApple信者エンジニアの猪田です。
日本時間の本日午前2時に、Appleの発表会が行われました。
Macはもちろん、iPhoneやiPadなど、世界を前進させてきたApple。『iPhone 6』の後継機種や『iPad Pro』なるiPadの登場が噂されていましたが、どのような製品が発表されたのでしょうか。
そこで今回は、発表された製品についてご紹介します。Keynoteで発表された内容以外にも、公式サイトで掲載されている画像や情報を基に、できる限り詳しくまとめてみました。
目次
発表された製品一覧
今回発表された製品は以下の通りです(発表順)。
噂通り『iPad Pro』と新型『Apple TV』が登場されました!
- 『iPad Pro』
- 『iPad mini 4』
- 『Apple Watch』のケースとバンド
- 第4世代『Apple TV』
- 『iPhone 6s』 / 『iPhone 6s Plus』
『iPad Pro』
ディスプレイ
- 12.9インチ
- 解像度2732×2048(560万画素、『iPad Air 2』より78%大きい)
- 酸化物TFT採用
- Apple製品史上初、可変リフレッシュレート採用(バッテリーの持ちがよくなる)
酸化物TFT、は『iMac Retina 5Kディスプレイモデル』にも採用されているトランジスタで、より一層画面の綺麗さが際立つかと思われます。
また、可変リフレッシュレートにも対応したとのようです。リフレッシュレートは、デバイスが1秒間に何回画面を更新(再描画)するかを表す値で、今までは1秒間に60回更新されていました。今回、Apple製品史上初めて“画面が静止している状態を自動で検出し、静止している場合は1秒間に30回まで更新頻度を下げる”という可変リフレッシュレートに対応。これによってバッテリー消費を抑えているというわけですね。
外観
- 重量713g(『iPad Air 2』は437g、『iPad Air』は469g)
- 薄さ6.9mm(『iPhone 6』は6.9mm、『iPhone 6 Plus』は7.6mm)
- 本体の四隅に4つのステレオスピーカーを搭載(『iPad Air 2』に比べて最大3倍の音量)
- 『Smart Connector』搭載(後述)
- カラーラインナップはシルバー、ゴールド、スペースグレイ
『iPad Pro』は、『Nexus 10』のように複数のスピーカーが搭載されることになりました。『iPad Pro』に搭載されるスピーカーは4つで、本体の向きに合わせて、どのスピーカーからどの音を出力するかを自動で切り替えてくれるようです。ただ単にスピーカーを複数搭載させるだけでなく、こういった技術の組み合わせは、Appleらしいこだわりを感じます。
パフォーマンス
- デスクトップクラスの64bitプロセッサ『A9X』搭載(『A8X』プロセッサより1.8倍高速)
- CPUパフォーマンスは初代『iPad』の22倍
- GPUパフォーマンスは初代『iPad』の360倍(『iPad Air 2』の2倍)
- 4K動画もRAW画像も編集できる
- 『iMovie』で同時に3本の4K動画ストリームを再生可能
- 10時間駆動バッテリー
- 800万画素のカメラを搭載
ネットワーク
- IEEE 802.11ac対応
- 最大866Mbps(『iPad Air 2』も同様)
『Apple Pencil』
iPad Pro – Apple Pencil – Apple
- Apple初、スタイラスペン
- シグナルを1秒間に240回という驚異的な早さでスキャン
- 筆圧検知センサー、傾斜センサー搭載(筆圧や傾きに応じてペンの太さが変わる)
- 12時間持続バッテリー
- 充電はキャップ部分にLightning端子があるので、『iPad Pro』から充電
- 15秒間の充電で30分間使用可能
- 価格は99ドル
純正スタイラスペンの登場で、液タブキラーにもなりそうな『iPad Pro』。筆圧と傾斜を検知可能なため、ペンタブレット業界最大手のWacom製品と、どの程度性能差があるのか楽しみです。
ところで、なぜスタイラスペンの名称に“Apple”というブランドを付加させたのか気になります。“iPencil”も“Smart Pencil”も商標登録の問題で、使えなかったのでしょうか…。
『Smart Keyboard』
iPad Pro – Smart Keyboard – Apple
- 『Surface』のタイプカバーのようなもの
- 『Smart Cover』に物理キーボードを搭載させたカバー
- 『iPad Pro』本体に搭載されている『Smart Connector』と接続
- 左下で言語切替可能(ソフトウェアキーボードの配列に準拠)
- 有線接続のため、ペアリング不要
- 薄さ4ミリ
- 水と汚れに強い
- 価格は169ドル
物理キーボード搭載の純正カバーが発表されたため、『Surface』キラーにもなりそうな予感。耐水性には力を入れており、電線は一切使っていないのだとか。
その他
- ストレージ容量は 32GB / 64GB / 128GB
- 価格は799ドルから
- 11月に発売
『iPad mini 4』
『iPad Pro』と従来のiPadの価格比較画面にて、突然発表された『iPad mini 4』。
『iPad mini 2』から『iPad mini 3』への進化は『Touch ID』が搭載されたのみ、『iPad mini 3』から『iPad mini 4』への進化はプロセッサが変わっただけという、iPad miniの開発にあまり力を入れていないことが分かります…。
変更点
- CPUがA8プロセッサへ
- GPUがM8コプロセッサへ
- マルチタスクモードの“スプリットビュー”に対応
『iOS 9』では、マルチタスクモードと呼ばれる、複数のアプリを1画面に同時表示できる機能が搭載されています。マルチタスクモードには、“スライドオーバー”と“スプリットビュー”の2つの機能を含んでおり、前者は一時的に他のアプリを同時表示させる機能、後者は常に同時表示させる機能です。
従来のiPad miniは、前者の“スライドオーバー”のみ対応していましたが、今回のモデルでは“スプリットビュー”に対応するようです。
『Apple Watch』のケースとバンド
本体追加
- 『Apple Watch Sport』ローズゴールドアルミニウムケース 38mm / 42mm
- 『Apple Watch Sport』ゴールアルミニウムケース 38mm / 42mm
噂されていた、廉価版ゴールドケースが追加されました。『Apple Watch Sport』ファミリーに追加されるため、Apple Watchの中では安価なケースとなります。
バンド追加
- PRODUCT REDを含む、いくつかのスポーツバンド
- 新たなエルメス製レザーバンド『Hermes』(Hermes – Apple)
- いくつかのレザーバンド
Apple Watchユーザにとって地味に嬉しい部分は、純正バンドのラインナップが大幅に増えたところではないでしょうか。
第4世代『Apple TV』
本体
- 大型化
- 『tvOS』というOSを搭載(開発者向けに今日から配布開始)
- AppStore対応(SDK配布開始)
- USB Type-C 搭載)
- 32GB / 64GB と2モデルを用意
- 4K 非対応
- 複数の『Siri Remote』と接続可能(対応ゲームの場合マルチプレイ可能)
『OS X』『iOS』『watchOS』に続き、新たなOS『tvOS』が発表されました。『tvOS』は新しい『Apple TV』でのみ利用可能なので、従来の『Apple TV』ユーザは利用できないようです。
また、残念ながら4Kの出力には対応していない模様。4Kの出力には、出力端子としてHDMI2.0が必要となりますが、新しい『Apple TV』の出力端子にはHDMI1.4が採用されています。米国で大人気の4Kのストリーミング配信サービス『Netflix』は4Kの配信にも対応している特徴がありますが、残念ながら新しい『Apple TV』でも4K配信を体験できないようです。
『Siri Remote』
- 『Apple Remote』の後継リモコン
- マイク搭載につき、リモコンで『Siri』を使える
- タッチサーフェスと呼ばれる、トラックパッドのような面積を搭載(カーソル移動など)
- 加速度センサー搭載
- 赤外線通信(IR)対応
- Bluetooth 4.0対応
『Apple Remote』にはカーソルを移動させるための十字キーが存在していましたが、『Siri Remote』ではこれが廃止され、Macのトラックパッドのような面積を搭載しました。また、加速度センサーが搭載されているため、『Wii』キラーになるのではないかという声も上がっています。
その他
- 32GBは149ドル、64GBが199ドル(第3世代は69ドル)
『iPhone 6s』 / 『iPhone 6s Plus』
『3D Touch』
- 新たなマルチタッチ技術
- 『Apple Watch』や2015年のMacBook系に搭載された『Force Touch』の上位機能
- 『Force Touch』は、タップとプレスだけ
- 『3D Touch』は、タップとピーク(軽いプレス)とポップ(強いプレス)に対応
- ピークとポップはUIの名称で、ピークはモーダルを、ポップはフルスクリーン表示されるもの
- ホーム画面でプレスすると、“クイックアクション”というコンテキストメニューが使えるようになる
カメラ
- 1200万画素のiSightカメラへ
- 4K映像撮影が可能
- パノラマ撮影やHDR撮影機能も向上
- FaceTimeカメラ(インナーカメラ)は500万画素へ
- 『Retina Flash』搭載(自撮り用にディスプレイを通常の3倍の明るさに光らせフラッシュとして利用する機能)
- 『Taptic Engine』搭載
『Retina Flash』という必殺技のような新しい機能が、ものすごく気になります。“ディスプレイを通常の3倍の明るさに光らせる”仕様のようですが、LEDバックライトが爆発しないか心配です(笑)
『Live Photos』
- 写真撮影時に前後の状態も同時に撮影することで、写真に動きを加えるというもの
- プレスすることで、写真を動かすことができる
- 壁紙に『Live Photos』を設定でき、ロック画面でプレスすると壁紙が動く
本体
- ローズゴールド、ゴールド、シルバー、スペースグレイの4色展開
- 新しいアルミニウム素材(7000番台のアルミ合金)を採用
- 新しい『Touch ID』センサーを搭載し、認識速度が向上
- ストレージ容量は16GB / 64GB / 128GB
- Bluetooth 4.2対応
サイズ(H x W x D)
- iPhone 6s)138.3 x 67.1 x 7.1(iPhone 6:138.1 x 67 x 6.9)
- iPhone 6s Plus)158.2 x 77.9 x 7.3(iPhone 6 Plus:158.1 x 77.8 x 7.1)
従来の『iPhone 6』よりも、若干厚くなり、大きくなったようです。強度向上とのトレードオフかもしれません。
パフォーマンス
- 『A9』プロセッサ搭載
- CPU性能は『A8』よりも70%高速化
- GPU性能は『A8』よりも90%高速化
- 『M9』コプロセッサ搭載
ネットワーク
- MIMOのアンテナ2本により、最大866Mbpsへ(2倍高速化)
- 23のLTEバンドに対応
- LTE-Advancedに対応
『iPhone 6』はIEEE 802.11acという高速なネットワーク接続規格に対応していたものの、最大転送速度が433Mbpsまでしか対応していませんでした。『iPhone 6s』及び『iPhone 6s Plus』ではアンテナ本数を増やすことにより、最大866Mbpsまでの転送速度に対応しています。
アクセサリ
- 専用のDockとケースを発売
- Dockは従来のホワイトモデルを廃止し、iPhoneの本体色にあわせたカラーラインナップへ
その他
- 予約受付は9月12日より開始(日本でも同様)
- 日本を含む12カ国で9月25日に発売へ(第1次販売国として中国追加)
- 『iOS 9』は9月16日に正式リリースへ
特筆すべき点は、第1次販売国として初めて中国が追加されたところでしょうか。Appleも中国市場を相当意識していることが分かります。
ところで『iPhone 6s』と『iPhone 6s Plus』の価格は?
さて、多くの人が気になっている製品は、やはり新型iPhoneでしょう。
円安による価格上昇が心配されるところ。日本で販売されるSIMフリー版『iPhone 6s』と『iPhone 6s Plus』の価格は、以下の通りです。ちなみに、『iPhone 6』と『iPhone 6s』及び『iPhone 6 Plus』と『iPhone 6s Plus』の価格は、据え置きのようです。
『iPhone 6s』
- 16GB:86,800円
- 64GB:98,800円
- 128GB:110,800円
『iPhone 6s Plus』
- 16GB:98,800円
- 64GB:110,800円
- 128GB:122,800円
今回の発表で販売終了される製品たち
Appleの発表会では、わくわくする新しい製品が発表されるのと同時に、いくつかの製品の販売が終了されてしまいます。
今回の発表で販売終了される製品は、以下の通りです。
- 『iPhone 6』及び『iPhone 6 Plus』の128GBモデル販売終了
- 『iPhone 6』及び『iPhone 6 Plus』のゴールドモデル販売終了
- 『iPhone 5s』は、従来通り16GBモデルと32GBモデルの販売を継続
- 『iPhone 5c』の販売を終了
その他気になったこと
以上が、今回の発表会で発表された製品です。
最後に、個人的に気になった部分を上げておきます。
- 『iPad Pro』のDemoで、MicrosoftのロゴがKeynoteに映しだされ、Micorosftの社員が登壇した
- 『iPad Pro』のDemoで、Microsoftに次いでAdobeの社員が登壇した
- 『Apple Pencil』が発表されたとき、会場は苦笑いで包まれた
- 発表会の公式ストリーミング配信は、Apple製品でのみ閲覧できたが、今回は『Windows 10』に搭載されている『Microsoft Edge』で閲覧できるようになった
Microsoft社員の登壇は『Office for iOS』のデモンストレーション、Adobe社員の登壇は『Photoshop』のデモンストレーションが目的でした。
MicrosoftのCEOがサトヤ・ナデラ氏に変わってから、Microsoftの発表会ではiPadを使ったり、社員がAppleの発表会に登壇したりと、前CEOビル・ゲイツ氏が率いる時代では考えられない、良きライバル関係となったことが分かります。
今回の発表では、以前から噂されていた『iPad Pro』や新型『Apple TV』が実際に発表されたものの、『iMac Retina 4Kディスプレイ(21.5インチ)』や第2世代『Apple Watch』は発表されませんでした。
『iPhone 6s』に『3D Touch』が搭載されることで、新たなUIやUXが世の中に生み出されることになります。Appleが文明を創り、グッドパッチのようなデザイン会社が生活を変えていく…。
次回の発表会が楽しみですね!