グッドパッチはUXデザイナーがプロダクトマネージャー(PdM)として活躍することが多い──ここ最近、Goodpatch BlogでもPdMをテーマとした記事を公開していましたが、ついに先日、「Product Growth Partnerships」という企業向けのソリューションの提供を開始しました。

Product Growth Partnershipsは、プロダクト(サービス)リリース後のいわゆる「グロースフェーズ」における支援を行うもので、ユーザーテストや機能追加検討、開発プロセスの改善など、支援の領域は多岐にわたります。

グッドパッチは、これまで多くの新規事業開発やブランディング、デジタルプロダクトのデザインなど、さまざまなクライアントビジネスの支援をしており、自社プロダクトも含めたプロダクトマネジメント(グロース)のノウハウやナレッジもあります。

この記事では、PdMを取り巻く環境から今回発表したソリューションの内容までをご紹介できればと思います。

プロダクトの成長には、UXデザインに強いPdMが必要に

開発、マーケティング、デリバリーなど、プロダクトの責任者であるPdMが負う責任範囲は広いです。そのため、さまざまなバックグラウンドの方が担える可能性がある一方で、日本においては、約半数が「開発」と「ビジネス(営業・マーケティング)」出身者と偏りがあり、デザイナースキルを持つPdMは5%弱しかいないようです。

引用元:日本で働くプロダクトマネージャー大規模調査レポート 2022 by pmconf(https://note.com/pmconfjp/n/n8ad11e37d7ed)

エンジニア出身のPdMは、技術的な知識やスキルが豊富で、製品の開発や品質向上に貢献できますし、営業出身のPdMは、顧客のニーズを把握し、製品を販売することに長けているでしょう。

では、デザイナー出身のPdMが得意とするところはどこか。それは、プロダクトの中心とも言える、本質的な顧客体験を軸としたプロダクト開発や販売戦略にあります。例えば、グッドパッチのUXデザイナーがPdMを担う場合、以下のような点が考えられるでしょう。

ユーザー体験の向上

UXデザイナーは、ユーザーのニーズを深く理解し、それを製品やサービスに反映させることを得意としています。PdMとして、ユーザー体験を重視したプロダクト開発をすることで、ユーザーの満足度を高められるでしょう。

ユーザーニーズを背景とした、プロダクトの競争力強化

UXデザイナーは、ユーザー調査やユーザーテストなどの方法で、ユーザーのニーズを深く理解し、ユーザー体験を高めることに長けています。

ユーザー体験は、製品やサービスの競争力を高める重要な要素です。UXデザイナーがPdMになることで、優れたユーザー体験を実現したプロダクトを開発でき、他社との差別化を図ることができます。

プロダクト開発プロセスの改善

ユーザー中心のモノづくりをするという姿勢は、プロダクト開発プロセスにも影響を及ぼします。例えば、早い段階でユーザーテストを実施してプロダクトの改善点を見出し、開発サイクルのスピードを上げるなど。グロースに向けた、効率的な動きを提案できます。

チームメンバーの連携強化

UXデザインの世界では、プロダクト開発チーム自体の体験(働きやすさ)が、プロダクト自体の品質に直結するという考えがあります。そのため、UXデザイナーは、エンジニアやビジネス部門などの他のメンバーとの連携を大切にします。チームメンバーとの連携を強化し、プロダクト開発の効率化と品質向上を導けるPdMとして機能するでしょう。

このように、プロダクトの価値の中心とも言える「顧客体験」にフォーカスできるUXデザインの強みを発揮することで、開発やビジネスの領域にも良い影響を及ぼせる。それがデザイナーがPdMを担うメリットなのです。

昨今、数多くのデジタルプロダクトが生まれていますが、機能や性能が似たようなものが多いのが現状です。競争力という視点でも、顧客体験を中心としたプロダクト作りや販売戦略がこれまで以上に必要とされる時代になっていると感じます。

「Product Growth Partnerships」が目指すもの

今回発表したソリューションは、主にグロースフェーズをターゲットにしたものですが、端的に言うと、「『プロダクトビジョン』の達成に向けて前進できている」状態を作り出すことがゴールだと考えています。

プロダクトビジョンとは、「プロダクトを通して、対象となる業務や市場に対してどのような価値を提供し、何を実現するのか」という、プロダクトの開発理由や存在意義のようなもの。

このビジョンに到達するには、「ユーザーに受け入れられ、ビジネスとして拡大していく」という両方を満たさなければなりません。つまり、以下の2つの軸を両立させる必要があります。どちらかに偏ってもグロースは実現しません。

  • ユーザー価値の向上:プロダクトサイドの責任領域
  • 事業収益の向上:ビジネスサイドの責任領域

今回リリースした「Product Growth Partnerships」はグッドパッチのUXデザインに強みを持ったPdM、そして事業収益の向上に責任を持つPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)がプロジェクトに参画し、クライアント企業内の各機能と連携しながら、ビジネスとプロダクト、両面の成長にコミットします。

根底にあるプロダクトビジョンの策定や、ビジョンを具体的に落とし込むロードマップ構築など、現状の課題感に合わせた、さまざまなソリューションメニューを用意しています。気になった方はぜひソリューションの資料をご覧ください。

「プロダクトマネージャー」というデザイナーの新たなキャリアパス

リリースされるプロダクトが加速度的に増えている今、PdM人材の不足や教育といった市場課題も顕在化しており、市場においてプロダクトを成長させる上でのペインやニーズは尽きません。

記事の冒頭で触れたように、デザイナースキルを持つPdMは少数も少数。それゆえに可能性が大きい領域だとも考えています。

UXデザイナーは「プロダクトの設計・開発」を担う職種ですが、PdMは「プロダクトの企画・開発・運営」を統括する職種です。UXデザイナーとしてのキャリアを積んだ後、より大きな視点でプロダクトを成功させたい、顧客視点を生かして、より良いプロダクトを世に送り出したいと思う方も多いのではないでしょうか。

海外ではすでに「プロダクトエクスペリエンスマネージャー」という役割が存在しているようですが、日本国内においても、UXデザイナーの強みを活かした新たなキャリアパスを確立したい、という狙いもあります。

グッドパッチでは、これまでも多くのクライアント様のプロダクトをデザインの側面から支援してきましたが、PdMの人材不足・育成といった課題においても、答えを提示できるのではないか──本ソリューションの発表が、そんな未来につながればと考えています。

スタートアップの企業から成熟したエンタープライズ企業の新規事業まで。プロダクトの成長に悩む現場は多いはず。これまでのプロジェクトで得た知見やナレッジをフルで活用しながら、最終的には内製化および求める人材の採用をゴールに据え、担当のPdMや事業責任者とともにプロダクトグロース支援を行っていきます。