サービスをリニューアルしたい、でも本当に今やるべき?

「自社サービスのデザインを大きくリニューアルしたいがいつがベストなのだろう…」
「なんとなく自社サービスのデザインが時代についていけていない気がする…」など、サービスのリニューアルのタイミングを迷われることがあるかもしれません。

実際、リニューアルのタイミングはいつが適切なのでしょうか?また、どのような課題感がある時にリニューアルするべきなのでしょうか?

■そもそもリニューアルとは?

リニューアルとは、時代の流れや市場、事業の構想が変わることにあわせて、ユーザーへの「見せ方」や「伝える内容」を再構築することです。

リニューアルには決まった型があるわけではありません。自社のサービスのコアにある価値や特徴の部分を再確認し、どのようにユーザーに伝えるかを模索していくことがリニューアルの目的です。

リニューアル前によくある4つの課題

今回の記事では、世の中の事例とともにサービス・プロダクトのリニューアルするタイミングを4つの課題感からお伝えします。以下の4つに当てはまるものがあれば、リニューアルのタイミングかもしれません。

課題1. 競合と差がついていない

ユーザーが価格だけで自社サービスを選んでいたり、なかなか競合と大きな差が出せない場合はリニューアルを検討するタイミングかもしれません。

参考にしたい対応事例:KOIKEYA PRIDE POTATE

競合と差をつける、老舗のプライドを表現したパッケージ
【課題】
・商品の市場が年々減少し、価格競争に陥ってしまっていた
・価格以外で変革の必要性を感じていた

対応策】
老舗らしさを表す家紋をモチーフとしたロゴをパッケージに採用
・競合とはまったく異なるシンプルな見せ方でブランドを差別化

【結果】
・発売から1ヶ月を待たずに品切れになるなどの話題を呼んだ
出典:​​
https://dentsu-ho.com/articles/5154

私もこのパッケージがとても好きで、持ち歩いていてもおしゃれに見えるポテトチップスなので店頭で見かけると思わず手にしてしまいます。「フライドポテト」にかけ、「KOIKEYA PRIDE POTATO」と老舗のプライドを感じられる名称も遊び心がありますね。

競合と差がついていない時、どうすればいい?

顧客が本当に求めているものなどをリサーチするのも一つの手法ですが、競合と差をつけるために「自分たちの思想を尖らせること」もとても大切です。自分たちが「なぜそのサービスをユーザーに届けたいのか?」を明確にし、固定観念に囚われずデザイン・開発することで刺さる製品になるのではと思います。

課題2. イマイチサービスの魅力がユーザーに伝わらない

ユーザーが価格だけで自社サービスを選んでいたり、なかなか競合と大きな差が出せない場合はリニューアルを検討するタイミングかもしれません。

参考にしたい対応事例:アサヒスーパードライパッケージリニューアル

 

「辛口」という魅力を直感的に伝える
【課題】
・コロナの影響で購入者の裾野が広がっている中で、消費者のニーズとのズレを感じていた
・アサヒスーパードライの魅力でもある「辛口」が連想する味が、アサヒ側とユーザーで差異があった

【対応策】
・商品の魅力を的確に伝えるため、飲みごたえのキレを赤いグラフのビジュアルで訴求

確かに、赤いグラフがぐいっと上がっている部分が、直感的に喉越しを感じさせるビジュアルになっていますね。

出典:
https://webtan.impress.co.jp/e/2022/03/17/42452
https://www.asahibeer.co.jp/news/2022/0106_2.html

サービスの魅力を伝えるにはどうすればいい?

自分たちの現状を把握するためには、ユーザーリサーチと競合調査を重ねます。リサーチの中には自分が気がつかないギャップがあるかもしれません。
ギャップがないのにうまくいっていない場合は、もしかしたら自分たち自身が自社サービスの良さを言語化できない可能性があります。「なぜこのサービスを売りたいのか?」「ユーザーの生活をどう変えたいのか?」を今一度問いかける必要があるかもしれません。

参考記事:事業成長に貢献する「Insight Research」プロジェクト事例集

課題3. 時代の変化についていけない

どの時代にも愛される良いデザインももちろんあります。ただ、今までのターゲットユーザーと実際のユーザー属性がずれてきたり、なんとなくダサい気がするが言語化できないなどの場合はリニューアルを検討するタイミングかもしれません。

参考にしたい対応事例:EPOSカード

ユーザーの生活や消費傾向の変化に合わせデザインを刷新
【課題】
・スマホ決済など新たな購買体験が普及し、物理的なカード以外のタッチポイントが増えてきていた
・ユーザーの消費傾向の変化にあわせたブランド体験が必要だった

【対応策】
・自分の好きなことにお金を投資する近年の消費傾向に合わせ、体験を重視した「ファンクラブ会員証」がコンセプトのカードにリニューアル

出典:
https://www.nendo.jp/jp/works/epos/

世の中の技術の流れやユーザーの生活に寄り添った素敵なデザイン事例です。

時代の変化についていけない時、どうすればいい?

時代にマッチしたサービスや製品を届けるためには、ビジュアルデザインはもちろん、ユーザーの趣味嗜好や行動様式なども密に関わってきます。自社のサービスがユーザーにとってどんな存在でありたいかを定義し、ユーザーとのコミュニケーション方法を整えていきましょう。

課題4. 世代交代や創業〇周年で価値を改めて伝えたい

世代交代や創業記念、POの交代など節目の時期に気持ち新たにするタイミングでサービスの価値を見直すのもおすすめです。

参考にしたい対応事例:ヤンマー

創業100周年を機に企業の価値を改めて見直す

【課題】

・2013年に創業100周年を迎え、次の100周年に向けて次のステージに上がりたいが何から手をつければいいかわからなかった
・グローバル市場に対し、ヤンマーがどこに向かって行くのかビジョンを示したかった。
・一般の人々がヤンマーに抱くイメージが「農業機械を作っている会社」。グローバルに戦うために世界最高レベルのボートのエンジンを開発する力も持っているなど他にやっていることを示したかった。

【対応策】
・ヤンマーの100年の間で取り組んできた人々の生活を支えていることをヒントに、「食糧生産」「エネルギー」という人類の未来に不可欠なテーマに向かって次の100年を進み続けることを伝えるブランドに生まれ変わった。

出典:
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20141128-yf2112/

節目で気持ちを新たにしたい時は、どうすればいい?

節目のタイミングなので、今までやってきたことや信念をベースに、次の未来に向けて自分たちがどう変わっていきたいかを問い直していきます。自分たちが未来永劫変わらず持ち続ける信念を言語化し、未来に対しどのようにアプローチして行くのか考えるといいかもしれません。

当てはまったらリニューアルのタイミングかもしれません

リニューアルのタイミング、4つのパターンを紹介しました。ぼんやりした気持ちが少しでもクリアになっていただけたらいいなと思います。
Goodpatchではサービス・プロダクトのリニューアルの相談もお待ちしております。
また、ビジュアルデザイナーが事業やユーザーとのタッチポイントなどの上流から入り一緒にリニューアルを行うビジュアルデザインのパッケージもあるので気軽にご相談ください。

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