35℃超えの暑い日も減ってきて、風に秋の気配が感じられる時期になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今月もGoodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介します。

 

サービス

NOT A HOTEL、豪華別荘の宿泊権と会員権付与の「メンバーシップNFT」をリリース 約1時間で完売

https://news.notahotel.com/p/vol-22-1not-a-hotel-nft-

NOT A HOTEL株式会社は2022年8月2日、1日単位でNOT A HOTELを利用できるメンバーシップをNFTで販売し、第一弾セールで3億円相当が完売したことを発表しました。

NOT A HOTELは「世界をもっと楽しく」をビジョンに、2020年4月に設立。購入した物件を、アプリ上で自宅とホテルの切り替えが可能となり、あたらしい住まいの形を実現。昨年フラッグシップ物件の栃木県・那須や宮崎県・青島の豪華別荘を30日単位から最大12人でシェア購入できるサービスをローンチしています。

今回販売されたメンバーシップNFTは、NOT A HOTELを毎年1日単位で利用できる宿泊権などで、購入時点では旅の日程も旅先も決まっていません。購入後に宿泊できる日付が決定され、旅先は毎年ランダムに変更されます。

旅する日のスケジュールが合わなければ、その年の宿泊権利のみを売却する事も可能で、メンバーシップを保有していれば、また翌年新たな宿泊権利が届きます。

ブロックチェーンによってもたらされる新しい価値と体験の設計はとても気になりますね。

絵を描くAI「Midjourney」、描いてほしいキーワードから誰でも画像が作成可能に

https://www.midjourney.com/home/

Twitterを中心に、言語から生み出せる画像の画力が話題になっています。

Midjourneyは、ユーザーが入力したテキストを元に、AI(人工知能)が内容に沿った画像を生成するサービスです。チャットアプリDiscord内で提供されており、2022年8月時点ではβ版が公開されています。無料で約25回まで使えますが、より多くの画像を生成したり、商用利用したりする場合には、月額10ドルまたは30ドルのプランに加入する必要があります。

連日多くのユーザーがサービスを利用した画像をTwitterなどのSNS上に投稿しており、弊社内でも話題になっていました。(画像は弊社内で「竜に乗って戦う日本の侍」で生成された画像です。)入力したテキストの内容に沿った完成度の高い絵を作り出すとして「ちょっとした挿絵くらいならAIで十分な時代がきた」といった感嘆の声も世間では出てきているようです。

アートのみならずデザインの分野でもAIとの共存を考えなければいけない時代は数年以内に訪れるのかもしれませんね。

YouTubeが他社ストリーミングを有料で観られる「チャンネルストア」を計画

https://www.wsj.com/articles/youtube-advances-plans-for-streaming-video-marketplace-11660341418

2022年8月12日、動画共有サイトのYouTubeが動画配信サービスを扱うオンラインストアの立ち上げの計画が報じられました。

このオンラインストアは「チャンネルストア」と呼ばれ、YouTube以外に複数ある動画配信サービスを自由に選択できる仕組みで、早ければ2022年秋ごろから利用が可能になる見込みだそうです。チャンネルストアを利用するとYouTubeで番組や映画の予告編を見て、気になる番組を配信しているサブスクリプションサービスにYouTube上で加入できます。

ユーザーにとってチャンネルストアは、Youtube内で動画配信サービスを完結させることができる柔軟性が使用する上での大きなメリットになると思われます。また、チャンネルストアを通して今まで使用してこなかったサービスに触れる機会が増えるので、企業として新規ユーザーを増やせるきっかけになるかもしれません。
現時点ではどのサービスがストアに含まれる可能性があるかについては言及されていません。YouTubeがどのエンターテインメント企業と提携していくのか、また激化する動画配信市場が、チャンネルストアの誕生によってどのような影響を受けるのか、今後の正式発表が楽しみです。

メルカリが2022年度版 サステナビリティレポートを公開

https://about.mercari.com/press/news/articles/20220809_sustainabilityreport/

2022年8月9日、株式会社メルカリが2022年度版サステナビリティレポート「FY2022.6 SUSTAINABILITY REPORT」を公開しました。

メルカリは長期ビジョンを実現するにあたり取り組むべき重点課題として、「循環型社会の実現 /気候変動への対応」「ダイバーシティ&インクルージョンの体現」「地域活性化」「安心・安全・公正な取引環境の実現」「コーポレートガバナンス /コンプライアン」の5つを定義しており、本レポートでは、それらに対する取り組みや背景、成果が紹介されています。

中でも「循環型社会の実現 /気候変動への対応」に関する成果としては、2021年のユーザーによるメルカリでの衣類の取引によって、約48万トンのCO2の排出を回避できたと算出されています。この数値は東京ドーム約200杯分の容積に相当するそうです。また、メルカリへの出品によって回避できた衣類の廃棄量は、日本国内において約4.2万トンであり、これは日本で1年間に廃棄される衣類の総量48万トンの約8.8%に相当するそうです。

今回、取引や出品による環境への貢献としてレポートされた項目は「衣類」のみでしたが、他のカテゴリも幅広く扱うメルカリがサービスを通じて環境負荷を減らしていることは容易に想像がつきますね。他の項目についても興味深い内容になっているので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

LayerXがバクラクビジネスカードを提供開始

https://bakuraku.jp/card

「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げる株式会社LayerXは、次世代の法人カード「バクラクビジネスカード」の提供を開始しました。これまでLayerXはバックオフィス業務を効率化するサービス群である「バクラク」シリーズとして、請求書・申請・経費精算・電子帳簿保存に関するサービスを展開してきましたが、今回事業用決済の法人カードにおける課題解決に着手しました。

バクラクビジネスカードを開発するにあたり、定性・定量の両側面からユーザーリサーチを実施。その結果、「予算との紐付け管理が難しい」「決済データの連携が遅い」など、カードを利用する前後の業務体験に大きな課題感があることが判明したそうです。また、実際にカードを利用する従業員だけでなく、カードを管理する経理担当者の体験にも配慮した機能を提供するとのことです。

上記のように、「直接ユーザー」だけでなく「間接ユーザー」にも配慮し、利用中だけでなく前後の時間軸にも目を向けられた体験設計によって、ハタラクがバクラクになることが期待できるのではないでしょうか。

デザイン 

モリサワが新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を発表

https://www.morisawa.co.jp/about/news/7391

株式会社モリサワは、クラウド型の新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を2022年10月4日にリリースすると発表しました。

Morisawa Fontsはデバイスに依存しないユーザー単位のライセンスで利用できるフォントサービスです。モリサワは2005年から「MORISAWA PASSPORT」という書体ライブラリーを提供していますが、その後継となるMorisawa Fontsは、新たにクラウドサービスへと移行します。これにより、例えばオフィスと自宅で異なるPCを使う場合でも、同一アカウントでログインすることで同じフォント環境の再現が可能になります。

オフィスと自宅で複数のデバイスを使い分けるといった時代のニーズに対して、今回のサービス提供はとても大きな価値があるでしょう。Goodpatchのデザイナーの多くも利用することになると思うので、サービスの開始が楽しみです!

トレンド

@cosmeを運営するアイスタイル、Amazonと資本提携

https://www.istyle.co.jp/news/press/2022/08/0815-2.html

化粧品口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」や実店舗「@cosme STORE」などを運営する株式会社アイスタイルは、2022年8月15日、米Amazonおよび三井物産株式会社と業務資本提携を結んだと発表しました。併せてAmazonがアイスタイル発行の新株予約権を引き受けるなどで持株比率36.95%となり、筆頭株主になる計画です。

アイスタイルは今後、アマゾンジャパンとの具体的な協業として、Amazon.co.jpにて「@cosme SHOPPING(仮称)」をオープンするとしています。さらに、三井物産のネットワークを活かしたECや実店舗でのサプライチェーンの構築や、グローバル事業でのパートナー発掘などにも取り組む予定です。

アイスタイルは、今回の提携などを通じて総額180億円強を調達する見通しです。今回の大型資本提携により、コスメ・美容関連の情報提供や購買体験がより良くアップデートされることが期待できるでしょう。

決算アプリで直接銀行送金が来年以降可能になる見通し

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1120J0R10C22A8000000/

スマホ決済アプリ「PayPay」などから、来年にも銀行に直接送金ができる見通しになりました。

全国銀行協会は電子マネーを提供するフィンテック企業が日銀に口座を開設することを条件に、銀行間の送金システムへの加盟を解禁することを発表しました。全銀協はこれまで、フィンテック企業との全銀システム接続にかかる重たい負担を過大視していましたが、全銀協はAPI(アプリケーション・プラグラミング・インターフェース)という負担の軽い接続方法によりその課題を解決させました。

また、政府は銀行を介さずにフィンテック企業が提供する口座に直接給与を振りめる「デジタル払い」の解禁を検討しているとのことです。このようにどんどん銀行や企業同士の境目が変化していくことで、ユーザーは自分の決済アプリから他ユーザーの銀行口座に送金可能となり、また他ユーザーが銀行口座から送ったお金を自分のアプリで受け取ることもできるようになるかもしれません。企業間でのお金の制約がなくなっていく分、「銀行」や「お金」というものの観念が更新されていく感覚を強く感じます。今後の金融の動きが私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか、見逃せません。

以上、8月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!

過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!

終わりに

いつもGoodpatch Blogをご愛読いただきありがとうございます。
今後よりみなさんの力になるオウンドメディアになるように、初の「読者アンケート」を実施します!

https://forms.gle/DQ5s9TTs3sDNbmtZ8

3分程度で終わるアンケートです。ぜひご協力を頂けますと幸いです。

またご回答いただいた方には、抽選でオリジナルブレンドのドリップコーヒーをお送りさせていただきます!※プレゼントは日本国内居住者の方に限ります。