新しいものが大好きなGoodpatchで5月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2022)
日に日に日差しも強くなり、夏の気配が感じられる時期になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今月もGoodpatchで話題になったサービスやトレンドをご紹介します。
サービス
Amazon × Paypayが連携。2022年5月10日から利用がスタート
https://www.amazon.co.jp/b/?node=10435052051
総合オンラインストア「Amazon.co.jp(以下、Amazon)」の決済方法として、2022年5月10日からキャッシュレス決済サービス「PayPay」が利用可能になりました。
今回の導入によって4,700万人(2022年4月時点)を超えるPayPayユーザーは、クレジットカードがなくてもAmazonでPayPayを使った簡単・即時のキャッシュレス決済やPayPayにチャージできるようになります。また普段の買い物やキャンペーンなどで付与されたPayPay残高を使ってAmazonでの買い物が可能になったり、「PayPayポイント」と「Amazonポイント」との両方を獲得できる、など両サービスの恩恵を最大限に受け、よりお得に買い物を楽しめるようになります。
これによりさらに多くの人々に、クレジットカードさえ必要としないシームレスなキャッシュレス決済の体験が広がっていくことが期待されます。
お金の流れを透明に。ICチップ搭載 B/43(ビーヨンサン)のカードのデザインが刷新
こちらもフィンテックの話題です。
株式会社スマートバンクのサービス、B/43(ビーヨンサン)のカードデザインが刷新されました。B/43は、Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった新しい支出管理サービスです。Visaプリペイドカードとスマホアプリの連携により、毎月の予算をプリペイドカードにチャージして、支払いを行うだけで明細が即座に自動記録されるため、簡単に支出管理が可能になっています。
今回のプリペイドカードのデザインは、「お金の流れをもっと透明にしたい」という思いを込め、カードの中心部分が透けているものに生まれ変わりました。さらに、機能面も大きくアップデート。ICチップが搭載され、Visaタッチ決済に対応。カードを渡さずにピッとタッチするだけでよく、今の時代に合ったより使いやすいカードになっています。
スマホ決済は確かに便利ですが、金額上限を自分で設定するプリペイドカードも便利な部分があります。特に、同棲しているカップルや夫婦間での支出管理にはもってこい。口座情報の連携も不要でアプリでお金の流れも残ります。また、物理カードが好きな人も意外と多いのではないでしょうか。「アプリだけで支払いが完結」にはないカッコよさがありますよね。 提供時期は2022年6月中旬頃から。楽しみです。
Airbnbが「この10年間で最大規模の機能変更」を行うと発表
https://www.airbnb.jp/2022-summer
2022年5月12日(日本時間)、旅行コミュニティプラットフォームのAirbnbは、同年夏季にサービスを大幅にアップグレードすると発表しました。現状の機能に150の改善を追加する形で、過去10年間で最大の変更を加えるとのことです。発表された変更点には、ユニークな宿泊先見つけられるように設計された新しい検索方法「Airbnb検索カテゴリ」や、1回の旅行で2つの宿泊先を予約できる「宿泊先の分割」という新機能などがあります。
Airbnbといえば共同創業者の2人がデザイナーであることから、Goodpatchでもよく話題にあがる企業です。創業当初からデザイン思考を駆使して成長を続けてきたAirbnbらしく、今回のリニューアルもユーザーに対して「新しい旅の体験」を提案するという、遊び心が感じられるものとなっています。具体的には、テレワーク環境への移行を背景として、長期の宿泊予約や柔軟な宿泊先選びをサポートする機能が盛り込まれています。
次第に国内外への移動が緩和されてきた中で、久しぶりにAirbnbを使って旅行したい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今年夏のリリースが楽しみです。
デザイン
すべてのお母さんに、ありがとう。POLAが母の日にメッセージ広告を公開
https://www.pola.co.jp/wecaremore/mothersday/\
2022年5月8日の母の日に、化粧品の製造販売を行うPOLAが、新聞と特設Webサイト上でメッセージ広告を公開しました。特設Webサイトは、スクロールをするとお母さんへの多様な価値観、境遇を全て包み込むようなメッセージと共に色とりどりの花が咲き誇る、流れるようなモーションが印象的なサイトになっています。
https://twitter.com/mount_inc/status/1524210257488416768
「母の日を心から祝えない人もいる」「お母さんが女性である必要もない」広告のメッセージ文にはこのような文章が綴れられています。世界に同じ花がないように、様々な母親がいて、それぞれ愛情の形も違います。
だからこそPOLAは優しく、そして鮮やかに咲き誇る花々をメインビジュアルとしたメッセージ広告を作ったのではないでしょうか。一人一人のお母さんのために咲く花が、感謝の思いを表現しているのかもしれませんね。
POLAは創業100年となる2029年に向け、「POLA2029年ビジョン」を掲げています。そこには「We Care More. 世界を変える、心づかいを。」というタグラインがあります。今回のメッセージ広告は、まさに全てのお母さんを想った広告だったといえるのではないでしょうか。今後もPOLAが、どのようにビジョンを体現していくのか注目ですね。
展示・イベント
FigmaがアップデートイベントConfig2022を開催
https://config.figma.com/events/figma-config-2022/home
コラボレーションデザインツールのFigmaが、5月10日から11日にかけてグローバルデザインカンファレンス「Config2022」を開催しました。Config2022では、Figmaの大幅なアップデートが発表されました。追加された新機能には、「Auto Layout」といった主要機能のアップデートや、チーム内でのタスク管理を支える「ウィジェット」の新機能、また多くのデザイナー待望のダークモードへの対応などがありました。
GoodpatchのデザインワークでもFigmaを使っているため、社内でも多くのデザイナーがConfig2022に参加しました。Goodpatch Tech BlogでもConfig2022の内容をまとめ、感想を発信しています。
Figma Config 2022 感想まとめ | Goodpatch Tech Blog
さらに便利になったFigmaを早く使いこなせるよう、たくさん手を動かして新機能を使い倒したいと思います。
日本デザイン振興会が学生向けのグッドデザイン・ニューホープ賞を募集中
2022年5月11日、グッドデザイン賞の主催者である公益財団法人日本デザイン振興会が学生向けのグッドデザイン賞「GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2022」の新設を発表しました。
グッドデザイン賞は、すでに社会に実装されていたり、これから実装されるデザインを対象にしていましたが、今回設立された「GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD」ではデザイナーと学生を接続させることでデザインの力を高めたいというコンセプトを持って設立されたようです。
発表を記念して開催されたオンラインイベント、グッドデザイン・ニューホープ賞キックオフナイトを聞くと、「学生のうちにグッドデザイン賞取れるように頑張っていこう」という意味合いではなく、「社会が解けない課題を学生にしか見えていないような視点を持って課題を解いてもらいたい」という思いを持ってアワードが設立されたように感じました。
また、審査員による評価や世間への認知と共に同じ志をもつ仲間を集めるという意味でも今回のアワードに必要性を感じますね。
在学中の学生だけでなく、卒業直後の新卒者の応募も可能です。応募期間は5月11日から7月15日まで、デザインを学ぶ学生はぜひこの機会に応募してみてはいかがでしょうか。
トレンド
デジタル庁事務方トップ、同庁CDO(Chief Design Officer)の浅沼尚氏が就任
https://digital-gov.note.jp/n/n68a4966b961a
2022年4月26日、デジタル庁は、2代目デジタル監として浅沼 尚氏の就任を発表しました。浅沼氏は、デジタル庁の立ち上げ段階からCDOとして参画。その後「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」や「マイナポータル」などのサービス開発に取り組まれていたそうです。
今回の就任記者会見において浅沼氏は、「サービスを生活者視点でデザインするという考え方やアプローチを、デジタル庁組織のなかに浸透、定着させていきたい」と表明。同時に「デザインの本質は人間中心のアプローチで課題を解決することである」と語りました。公共性が高い行政サービスでは、対象ユーザーとなる市民の特性や状況は多種多様です。だからこそ、人に寄り添うデザインの考え方を起点として、デジタル庁が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」というミッションを実現していこうという意志が見受けられます。
今後、デジタル庁が手掛ける行政サービスの使いやすさなどが、市民や行政機関にとっての基準値となることで、デザインの重要性が波及していくことが期待されます。また、政府の方針や姿勢をわかりやすい形で市民へと伝達するといった、コミュニケーションデザインの領域にも注力するとのことです。このことからも今回の就任発表は、市民と行政の関係性だけでなく、デザイン業界にとっても大きな影響を与える発表であったと言えるでしょう。
経産省が「ファッションの未来に関する報告書」を公開
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220502002/20220502002.html
2022年5月2日、経済産業省は「ファッションの未来に関する報告書」を公開しました。この報告書は、同省が2021年11~12月に有識者会議「これからのファッションを考える研究会〜ファッション未来研究会〜」を設置し、計5回にわたる議論の結果を取りまとめたものです。
ファッションビジネスに関わる方をメインターゲットにした同報告書では、自然に調和的なファッション、テクノロジーで変わるファッション、新たな価値を生み出すファッションという3つの視点から、ファッションの未来を描くために重要だと考えられる10のキーワードについて、豊富な事例とデータと共に解説されています。
同報告書ではファッションを「人がどのように自己を表現するか、すなわち人とコミュニティ・社会・環境との接点の在り方」としています。筆者はファッションに対する価値観にはその人自身の根源的な価値観が濃く映し出されていると解釈しました。報告書内では、そういった消費者の価値観の変化についても数値的なデータも合わせてまとめられているため、ファッションビジネスに関わる人以外にとっても示唆に富む内容になっているのではないでしょうか。是非、ご覧になってみてください。
以上、5月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!
過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!