領域を越えてデザインへ飛び込む。異業種からGoodpatchへ転職した社員の公開座談会レポート
Goodpatchには、「Go beyond 領域を超えよう」という言葉があります。自らのコンフォートゾーンを飛び越えて、より良いビジネス・より良いデザインを追求しようというバリューです。今回はそんなバリューを、Goodpatchへ異業種から転職という形で体現してきた社員の公開座談会を開催しました。本記事では、転職を考えたきっかけや転職後の変化など、座談会の内容をお届けします。
コンサル業界出身者がUXデザイナー、デザインストラテジストになるまで
ーーまずは質問の多かった、デザインの業界へ転職のきっかけをそれぞれ教えてください。
アカウントマネージャー 高橋:
僕は大手印刷会社の社内ベンチャーでWebサービスを経験した後、色々あって同じグループ内のまた別のベンチャーにいました。当時はデジタルから離れていましたが元々デジタル領域が好きだったので、ライフステージ的に落ち着いた後にまたキャリアをそちらに戻したいなと考えていました。
前職のWebディレクター時代は周りにデザイナーやエンジニアがいなく、結構苦労していました。デザイナーやエンジニアといいものを作ることのできる会社を探していたところ、縁あってグッドパッチと出会いました。
プロジェクトマネージャー 田邉:
私の人生ではじめての転職がグッドパッチでした。グッドパッチのプロジェクトマネージャーという職種は、SIerにいた自分からすると当時は衝撃でしたね。通常1人複数の案件を持つことの多いプロジェクトマネージャーが1人1つの案件を担当していることが新鮮でした。自分のスキルをコミットできるところに魅力を感じて、グッドパッチへ転職を決めました。
参考記事:
転職で広がった可能性。SIer出身のPMという個性を活かして実現した理想の働き方とは
デザインストラテジスト 酒井:
僕は10年近くコンサルティングに携わる傍らで、デザインアプローチの本を好きで読んでいたのがきっかけです。長い期間コンサルティングに関わる中で、コンサルのアプローチだけでは解決できない課題があると気づき始めました。コンサルティングのロジックやファクトベースのアプローチに、ユーザー視点や体験をうまく融合させることができれば、クライアントワークにインパクトを与えられるのではないかと思いました。
私たちはビジネス的価値を最大化するために日々デザインと向き合っています。実はこれはデザイン会社の中でも珍しいのかなと思います。グッドパッチが上場した後のフェーズで入ると、自分の過去の経験や知見が活きるかもしれないと思いグッドパッチに転職を決めました。
参考記事:
【非デザイナーの方向け】コンサルからデザイン業界への越境エピソード
UXデザイナー 高階:
僕は前職でも、ジャーニーマップなどデザインの方法論を見様見真似で取り込んでいました。ユーザーのインサイトを捉えてシステムやサービスに活かしていくアプローチに手応えも感じていましたね。ただし、システム系の会社だったこともあり、デザイン的なアプローチはクライアントからもあまり求められなくて。そして次第に「もっとデザインに取り組める環境に身を置いてみたい」という思いが募っていき、転職を考えるようになりました。当時からグッドパッチのブログを参照しながらUXデザインを実践していたこともあり、その流れで応募をしていましたね。
参考記事:
理解するコンサルタントから共感するデザイナーへ。コンサル業界出身者座談会
入社時点でのデザインの経験値
ーー皆さんは異業種から転職した段階で、どのくらいデザインの実践経験があったのでしょうか。
アカウントマネージャー 高橋:
僕はサービスの運用を経験していました。0からコーディングはできませんが、HTMLやCSSなどのスキルはありました。また、デジタル領域から離れていたときに小売向けのマーケティング支援をしていたんですが、プレゼンテーションのスキルやクライアントさんへの勉強会など、何かを伝える設計が後々役に立ったなと思います。
プロジェクトマネージャー 田邉:
私はデザインに関するセミナーを受けていました。前職で自社の新規事業を作る活動もしていたので、サービスデザインやUXデザインは自分で勉強していました。グッドパッチに入ってから、デザインを実践することで身に付くことの奥深さを体感しています。
デザインストラテジスト 酒井:
僕はグラフィックやUIデザインなどのデザイン経験はないですね。ですがグッドパッチの捉えるデザインの領域は広いので、僕もある種デザインをやっていたのかなと思います。
UXデザイナー 高階:
ジャーニーマップなど、部分的にデザインの方法論を活用していたくらいで、経験値と呼べるものはなかったと思っています。今、改めて考えてみると「過去に自分がしていたことはデザインと呼べるんじゃないか」とも思いますけどね。実は色々経験していたのかなと。
ーー前職で培ったものが活きた領域や、逆に足りなくて苦労した領域・スキルなどあればお伺いしたいです。
アカウントマネージャー 高橋:
大企業内における組織の構図や意思決定に関わる様々な要素が想像できるようになりました。グッドパッチのクライアントはベンチャーもいれば大企業など、様々な背景や事情を抱えて相談しにきます。それらの組織構造を理解しコミュニケーションを取ることができているのは、前職の経験のおかげもあるのかなと思います。
また苦労したというほどではないですが、自分から動く行動力は必要だと思います。大企業は大きな規模の仕事ができる反面、ある程度業務フローが固まってしまっていて、自分を業務に最適化するようになってしまったり、社内のコミュニケーションスキルだけ上がっていくなんてことも。その環境に慣れてしまう危険性もありますしね。グッドパッチに転職してしばらくは、自分によりプレッシャーをかけて積極的に動くようにしていました。
ーークライアントワークにおいて、一般的なコンサルティング会社とグッドパッチの違いはなんでしょうか。
デザインストラテジスト 酒井:
よりユーザー視点を重視している点と、それをプロダクトやサービスへ落とし込むまでやれることがコンサルと違う点だと考えています。元々僕はビジネス領域のコンサルティングを担当していました。例えば新規事業を作る際、コンサルティング会社ではマーケットや競争環境、収益性から絞り込んでいくことが多いです。それに対してグッドパッチでは、そうした視点に加えて、ユーザー視点で考えることも重要視しています。
2つ目に、コンサルティングファームにもよりますが、一般的にプロダクトやサービスの落とし込みは必ずしも得意ではない場合が多いです。実際に、前職で新規事業サービス立案のプロジェクトに携わった際、UI/UXや開発までは関与できずクライアント側が設計を行う形になりました。そのサービス自体はローンチはされたものの、結果としては、サービスとしてうまく立ち行かなくなったという苦い経験があります。他にも色々な事情や要因があったとは思いますが、もし当時グッドパッチにお願いしていれば、もしくは前職時代にこうした支援が可能であれば違う結果になったのかなと感じることもありました。一方、グッドパッチは上流から下流まで一気通貫でプロジェクトに関与させていただくケースが多いです。よりクライアント、さらにはその先にユーザに寄り添った提案ができると思います。
ーー皆さんが転職された時はどのようなポートフォリオを作りましたか?
UXデザイナー 高階:
僕は前職で携わったプロジェクトの中から、UXデザインと呼べそうな案件をピックアップして、事例集のようなポートフォリオを作成しました。ただし、募集要項的にも必須ではなかったです。作っていない同僚もいますし。
前職時代のスキルをデザインへ生かす
ーー皆さんが転職された後に、前職までのどんなスキルが役立っているのでしょうか。
デザインストラテジスト 酒井:
前職だとロジカルシンキングを徹底的に叩き込まれたので、構造化や言語化がデザインでも役立っています。プロジェクト単位で動くので、マネジメントやクライアントとの期待値調整も、前職の経験として役に立っていると思います。
UXデザイナー 高階:
僕も前職のスキルが役立っています。例えば、業務フローを作成する機会が多かったのですが、カスタマージャーニーマップやサービスブループリントって、体験を可視化するという意味で業務フローに似ているなと感じています。もちろん今の方がよりユーザーの思いや価値に向き合っていますけどね。
もう一つ、要件定義もそうですね。要件定義のやり方や勘所がわかっているので、開発部隊との連携もスムーズです。自分たちが考えた体験や実現したいアイデアを、責任を持って開発部隊に引き継ぐことができるのも強みかなと思っています。
プロジェクトマネージャー 田邉:
前職では要件定義から開発、保守・運用までをやっていました。グッドパッチに来てから開発案件を担当していて、テストや品質面において開発出身だからこそ気付ける点も多くあります。高い品質のデリバリーもバランスを取りながら進められているところが、開発全般のスキルが役に立っているのかなと思います。
ーー現在出ているUXデザイナーの求人は必須要件としてデジタルプロダクトのグロース運用もしくはデジタルプロダクトの新規立ち上げと記載があるのですが、この経験がないと土俵に上がれないのでしょうか。
グッドパッチゼネラルマネージャー 大山:
ジュニアのUXデザイナーとして、そこまでの経験がない方ももちろん採用させていただいています。ただどうしてもUXデザイナーに求められる領域というのは、ここに記載されている内容になっています。最終的にはプロジェクトでそのスキルが求められてきます。
アップデートされた当たり前「作り切るだけでなく、届け切る」
ーー転職後にアップデートされた自分の「当たり前」はありますか?
アカウントマネージャー 高橋:
グッドパッチに転職してから、お客様の要望に対してそのまま提案することがまずないことに驚きました。メンバー全員がどこに本質的な課題があるのか、どのような体制やプロジェクトの進め方なら貢献できるのかを本気で考えています。グッドパッチではよく「問いを立てる」という言葉を使います。僕自身も要望を聞いてそのまま提案するのではなく、その背景や課題に感じていることを深掘りして、「プロジェクトを通して果たすべき目的や達成すべき状態は何か?」と問いを立てるようにしています。
プロジェクトマネージャー 田邉:
前職は開発会社だったので、作り切るのが当たり前に思っていました。ですが、実際に形として目に見えるものにするのはエンジニアの役目です。グッドパッチに入って、作り切るだけでなく届け切るまでが開発の定義だと当たり前がアップデートされました。
デザインストラテジスト 酒井:
企業カルチャー的な観点から見ると、グッドパッチではGiver(与える人)であることがとても重視されています。コンサルティング会社にもそういう人はいますが、どうしても時間との兼ね合いで他人に対しての協力が難しいことがあります。グッドパッチのGiverの多さには、自分の中の当たり前がアップデートされましたね。
UXデザイナー 高階:
プロジェクトの進め方の柔軟さが変わりましたね。仮説を立てては検証、改善していくことが常なので、クライアントにも「予定していたスケジュールでなく、こっちをやりませんか?」と提案することが多いです。請負でなく準委任契約のプロジェクトがグッドパッチに多いこともその要因かと思います。いいものを作る、そのために柔軟に動くのが、僕にとっての「新しい当たり前」かなと感じます。
ーー前職に近い仕事に転職したことで変化したことや成長できたことはありますか。
デザインストラテジスト 酒井:
アプローチの違いを感じていますね。コンサルティングはいわゆる逆算型で、最終的なゴールを定めたら直線的に進めていきます。グッドパッチのアプローチは比較的柔軟に設計されています。ロジックで考えるけど考えすぎないですし、ロジックがなくても面白いものやユーザーがハッピーになれるモノは何かを考えるなど、僕自身振り幅を持って考えるようになったと思います。
プロジェクトマネージャー 田邉:
事業戦略フェーズに関われていることが、自分にとって成長ポイントです。私の前職だと超上流のところには、そこまで入っていませんでした。今はプロダクトのロードマップから一緒に入れるので、そこから開発の視点で今後どのように予算を積むかもご相談をいただいたりします。なのでそこで貢献できるのは嬉しいですし、事業戦略はいい学びが多いです。
ーー現職でデジタルプロダクト関連のスキルを積むのは難しそうですが、それでも入社後の役に立つような勉強をしたいです。おすすめのコンテンツはありますか。
UXデザイナー 高階:
体系的な知識は本でインプットして、現場の生々しい感覚はポッドキャストで掴んでいました。例えば僕はデザインプットというポッドキャストが好きでよく聞いていましたね。フリーランスのUIデザイナーと、インハウスのUXデザイナーが対談形式でデザインのあれやこれやを話している番組で、彼らの現場での思いが聞けるので僕の目的にも合致していました。
プロジェクトマネージャー 田邉:
私も本は読みますが自分でやってみないと気が済まないタイプで、実践型のセミナーを見つけては参加していました。直近だとDesignship Doを受講しました。直接の講義以外にも動画コンテンツなどもあり、夜の手の空いた時間で見るなど、自分のペースで学べる部分はとてもありがたかったです。
アカウントマネージャー 高橋:
僕の場合、アカウントマネージャーと言うのは機能としては営業なのですが、セールスとしてのインプットはあまりしていません。どちらかと言うとグッドパッチのブログやテック系のニュース、メディアを漁っていました。直接的なコンテンツというよりも自分の行動に結びつくようアンテナを張っていたなと思い出しました。
デザインストラテジスト 酒井:
最低限の知識は自分で学習しようと思い、新入社員が読むUIUX系のグッドパッチブログをよく見ていました。あとはデザインだけでなくサービスや設計でいけているところがないかを事例を知ってる人に聞いています。
参考記事:
UXデザイナーのマインドセットを学ぶGoodpatch流の新卒UXデザイン研修
新卒UIデザイン研修 〜GoodpatchのUIデザイナーとして持つべき価値観編〜
以上、「異業種からGoodpatchに転職した社員の公開座談会」のイベントレポートをお届けしました!営業・事業開発・マーケティング・コンサルタント・広告関連でご活躍の方でご関心がある方は、こちらからお問い合わせください。
また、Goodpatchでは美大・芸大に限らず、総合大学の経済・経営学部出身の学生が「デザイナー」として働いています。
中途入社においても、グラフィックやビジュアルデザインの経験がある人だけではありません。 営業・事業開発・マーケティング・コンサルタント・広告など、幅広いバックグランドを有する社員が、クライアントの課題解決のために活躍しています。
ビジネス戦略、ブランド、ユーザー体験、インターフェースなど多様な専門性を持つデザイナーの声は、こちらのムービーでご覧いただけます。