転職で広がった可能性。SIer出身のPMという個性を活かして実現した理想の働き方とは
今回インタビューしたのは、Goodpatchプロジェクトマネージャーの田邉 美冬。SIer業界からGoodpatchへと転職してきたメンバーです。彼女がGoodpatchへ転職した理由や、SIer業界から転職してきて感じたギャップ、Goodpatchプロジェクトマネージャーの特徴とは?また、子育てをしながら感じた自身の変化についても振り返ってもらいました。
目次
UI/UXについて突き詰め、デザインの魅力に気づく
大学までは、障害者支援に関する研究をしていました。研究を進めていくうちに、「デジタルの力で困っている方々のサポートができるのでは?」と思い、興味の対象がITへ。そこで前職の企業に入社し、Sler業界で働き始めました。
前職では、金融の部署で信託銀行様向けの会計システムを担当していました。その部署で働いていたときに、2人の子供を出産。育休中、「復帰後は別の部署に異動して新しい挑戦をしてみよう」と思い、発足して間もない先進技術(AIやブロックチェーン、VRなど)を扱う部署にプロジェクトマネージャーとして加わったのです。
ただ、クライアントから「技術のすごさはわかるけど、どうビジネスにつながるのか?」という疑問を投げかけられることが何度もありました。確かに、技術は目に見えなくて効果がわかりづらいので、技術の素晴らしさやすごさを感じてもらうためにはUI/UXが必要だと思い、UI/UXの領域に踏み込もうと決意しました。
実は、UI/UXの勉強をするためにGoodpatchのDesigners Gymに参加していて。Goodpatchのセミナーにもほとんど参加していました。当時は、まだ十分に社内の研修制度も整っていなかったので、多少のセミナー費用は惜しまず独学で勉強。得た知識を会社に持ち帰って実践するプロセスを、繰り返し行っていました。
もともと、エンジニアがいてこそ届け切ることができると思っていましたが、GoodpatchのセミナーやDesigners Gymを通じて「人が見て、触って、すごい!と思えるものを生み出せるのも素敵だな」と感じて。特に6gramの事例に衝撃を受けました。「この発想すごくない?!」と思い、どんなプロセスでこんなアウトプットが生まれているのか気になって、人づてで話を聞くことに。
すると、専門性のあるメンバーが集まってチームで進めているから、アウトプットの質が高いと気づいたのです。前職で一緒にプロジェクトを進めていたデザイン会社のデザイナーは少数で進めているイメージがあったので、プロセスに関わっているデザイナーは数多くいるという事実に衝撃を受けました。チーム力でアウトプットの質が上がるのであれば、単価があげられるのも納得でした。
選考を進むにつれて不安が消えていく
選考時に聞いたお話で衝撃的だったことが2つあります。1つは、Goodpatchではプロジェクトマネージャー1人1案件にフルコミットであること。SIer業界ではプロジェクトマネージャーのなり手が少ないので、1人3〜4案件を掛け持ちするのが普通なのです。
もう1つは、プロジェクトマネージャーという職種単体で採用を行っていること。プロジェクトマネージャーのスキルである、プロジェクトをまとめる力・リスクマネジメント力・アンテナを張る力などは備わっていて当たり前と思われがちで、それ単体で評価されづらいものでした。Goodpatchの求人票を見て「このスキルに対価を払ってくれるんだ」と驚きましたね。
【求める人物像】
・不確実性、難度が高いプロジェクトマネジメントを楽しみながら推進できる方
・ビジネスを前進させるデザインを信じている方
・チームやクライアントとのコミュニケーションを重視する方
・多種多様なクライアントのビジネス課題に一緒に挑戦したい方
・プレゼンテーションやファシリテーションを積極的にやりたい方
・領域にとらわれず、新しいことにも当事者意識を持てる方
転職経験が何度かある夫も、「プロジェクトマネージャー単体で採用している会社ってあるんだ。正しく評価をしてもらえるからすごく良いじゃん!」と後押ししてくれて。一度しかない人生だし、やってみようと自主応募を決意したのです。
選考過程では、当時執行役員の松岡が丁寧にフォローしてくれたことが印象に残っています。「良いことばかりじゃなく、時には困難な状況で立ち向かう力も求められるけど大丈夫?」と質問されて。今までイベントやブログで見ていた良い側面のイメージはいくらでもできるけど、悪いときのイメージはあまりしていなかったなと、ハッとしました。状況が悪いときでも折れない心を持っているか、問われていたのかなと思います。
あと、入社前に懸念していたことが1つあって。子育てをしながら働いている女性が、プロジェクトマネージャーのチーム内にいないことが気になっていたんです。そんなときにマネージャーの長岡が「社内には働きながら子育てもしている社員はたくさんいるし、子育てで不確実な物事に向き合う姿勢や、相手のことを細やかに気遣う観点は、クライアントへの言動にも活かせると思うから、思う存分やってほしい」と言ってくれたのです。その言葉を聞いて不安が払拭され、やっていけそうだと思いました。
選考を通して意向が高まっていく中で、Goodpatch Blogで読んだこの言葉が入社を後押ししてくれました。
僕はGoodpatchが社会に還元できる価値のひとつがユーザーの手に渡る「ものを作りきること」だと考えています。2012年当時にGunosyのUIリニューアルが話題を呼んだのも、最後まで作りきったからこそだと思うんです。
ものを作りきるためには、エンジニアとプロジェクトマネージャーの知恵や知識を集約させる必要があるので、開発畑の人間として、Goodpatchが作り切ることに重きを置いていることが嬉しくて。ものを作り切ることに貢献できるかもしれないと考えると、ワクワクが止まりませんでした。
リスクを恐れずユーザー視点を貫くエンジニアに感銘を受ける
入社前と入社後でギャップがあるとよく聞くじゃないですか。ただ、Goodpatchは表裏のない会社で、今まで参加してきたDesigners Gymやセミナーで感じた社員の雰囲気にもまったくギャップがないことに驚きました。
有名な会社出身の方ばかりいてキラキラしているイメージがあったのですが、話を聞くと、みんなたくさん悩んで失敗をしてきているし、人間味あふれる会社であることが伝わってきて。入社後もそのイメージそのままですね。
あとはエンジニアと一緒に働いていて、嬉しい気づきがありました。前職では「ユーザー体験的には、ここは変更した方が良いかも」という話をどうしても言い出しづらい時があったんです。手戻りは時間もコストもかかるので、私の前職だけでなくそういった会社の方が多いと思います。
ただ、Goodpatchのエンジニアは「ユーザーにとって分かりづらいと思うから、これは直そう」と自ら提案することがあるんです。手戻りのリスクをまったく恐れないところに、すごく衝撃を受けました。
転職後に明らかに変わった “子供への接し方”
入社後に感じた自身の変化としては、夫から「子供との接し方が変わったね」と言われたことがあります。言われてみると、今までは子供の話を聞いているようで「うん、うん」と上の空な時が正直あったのですが、最近は「この子は何を思ってこの話を私にしてきているんだろう?」と、言葉の裏側を想像するようになったなと。それがなぜだろうと考えると、私のマネージャーの接し方の影響なんです。
いつも「ちょっとこのこと相談したいな」と思ったのを察知したかのようにMTGを設定してくれたり、クライアントとのやり取りを見ていてさりげなくフォローしてくれたり、いつも救ってくれている感覚があって。そういった姿勢が、子供への接し方に反映されているのかなと思います。
個人的な話になりますが、私は子どもを持つ親としての価値観も考えさせられました。「BEYOND THE STATUS QUO」を親としてできてるかな?と、考えるきっかけになりました。このムーブメントに向き合う中で、当たり前を疑うことや、視点を変えて見てみることの大切さに気付くことができましたね。
他にも、Goodpatchが家庭へ与えた影響はあります。自社プロダクトであるオンラインホワイトボード「Strap」を使って、子供たちと一緒にお弁当作りプロジェクトを実行したのです。学校の食育に関する取り組みの一環で、子供たちがお弁当を作るというものがあり、なるべく自分の手でやってもらいたい気持ちはあるものの、登校時間には間に合わせないといけないので「難しいおかずは避けないと……」と悩めるポイントが結構ありました。
そんなときに、Strapを使って子供たちと一緒に「どんなお弁当にしたいか?」「どんな材料が必要か?」「どれぐらいの時間が必要か?」「前日に用意できそうなことはないか?」「何時に寝ないといけないか?」と考えました。 “お弁当作り” という1つのプロジェクトに対して、構造化しながら議論を進めることで、自分たちのやるべきことが見えてきたのです。そんな過程を一緒に楽しみながら、学んでいる感覚がありました。
GoodpatchのPMだからこそ実現できる働き方
先ほど、Goodpatchのエンジニアならではの特徴をお話しさせていただいたと思うのですが、プロジェクトマネージャーにも特徴があると思っていて。
先述の通り、Goodpatchのプロジェクトマネージャーは1人1案件なので、リスクマネジメントやステークホルダー、コストなど、本来見なければならない部分に集中できるのが良いところだと思います。考えることに集中できて、プロジェクトマネージャーとしての本来の力が十分に発揮できるのが大きな特徴です。
向いていると思うのは「誰かのために」「自分のことより人のこと」という風に考えられる人です。Goodpatchのプロジェクトマネージャーで集まると、みんな自分のことじゃなくチームの誰かの話をするんですよ(笑)。
今後の目標はいくつかあります。ゆくゆくは、元々興味があった福祉系のプロダクトに挑戦したいです。障害がある方を支えるためのサービスを作りたいと思っています。
あとは、Goodpatchで働きながら子育てをするメンバーが増えるようにサポートしていきたいです。フルフレックス・1人1案件に加えて最近はリモート中心という体制なので、とても働きやすいことは伝えていきたい。帰宅した子どもに「おかえり」と言ってあげられて、3時のおやつが出せて、触れ合える時間が作れるのはとてもありがたいです。
プロジェクトマネージャーとしては、作り切ることに全力を投じることです。クライアントに長く寄り添っていける人でありたいです。
Goodpatchではプロジェクトマネージャーを募集中です。デザイナーやエンジニアが価値を発揮するためのプロジェクト設計や、デジタルサービス・アプリの企画/開発のディレクションに関心がある方は、ぜひお気軽にご連絡ください!
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