まだまだ冬の冷え込みが続きますが、花屋で桜の枝物を見る季節になり、そろそろ春服に衣替えする頃合いですね。
それでは早速、今月Goodpatchで話題になったアプリやサービスをご紹介します!

アプリケーション

保護猫団体をサポートする”猫の推し活”サービス『neco-note』が今世紀最大の猫の日にサービス開始

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000092844.html

株式会社neconote(ネコノテ)は今世紀最大の猫の日とも呼ばれる2022年2月22日、猫の推し活サービス「neco-note(ネコノート)」を開始しました。ユーザーは月額会員登録を行い、推している猫のライブチャットに参加したり、おやつ券などのアイテムを購入したりできます。「neco-note」は課金額の50%をその猫の所属する保護猫団体に寄付し、保護猫団体が”自分”達で“自”続的に活動することをサポートしているそう。

今まで保護猫活動に関わりたいと考えていても、何をすれば良いのかわからない、猫をそもそも飼えないから手伝えない、などと保護猫活動の参加にはハードルが高いイメージがありました。そんな中「neco-note」が月額会員として猫を推すだけ、という敷居の低い入口を設けたことで、今まで保護猫活動に関わることができていなかった人も気軽に参加することができるようになるでしょう。また、「neco-note」にはボランティアを募集する保護猫団体とボランティアをしたいユーザーのボランティアマッチング機能も搭載されているそう。ただ寄付をするだけでなく、ライブチャットやおやつ券などで「猫の推し活」を楽しみ、そこからボランティアに参加するようになる、という体験は他にない新しいポジティブな保護猫活動のあり方となるのではないでしょうか。

TikTok、ウェザーニュースと提携し地震速報ライブのプッシュ通知受け取りが可能に

https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-and-weather-news-begin-operating-an-earthquake-alert-notification-system

2022年2月2日、TikTokは気象情報を取り扱うウェザーニュースと提携し、TikTokの通知で地震速報の提供を開始しました。震度5弱以上の地震が観測されると、日本のTikTokユーザーに対し地震速報をプッシュ通知で配信され、アプリ内のウェザーニュースLiVEのアカウントを通して最新情報を正確に受け取ることが可能になりました。

TikTokはZ世代を中心に幅広い世代から支持を受ける動画配信サービスです。今回のリリースから、TikTokが社会インフラとしての価値を拡張していくと予想できます。テレビを持たず、ネットニュースやSNSで最新情報を収集する人も増えており、筆者も例外ではありません。ただ情報源がインターネットのみだと「今すぐ必要な命に関わる情報」に気づくのが遅れたり、正確な情報を得られなかったりデメリットもあります。そんな中、若者から支持されるSNSが公式で正確な情報を届ける活動は、かつての東日本大震災で電話がつながりづらい中SNSが社会インフラとして活躍したように、ポジティブな印象を受けます。一方で緊急時以外の通知頻度の最適化や、重要通知内容だけ受け取れるようにユーザー自身でカスタマイズできるような工夫も、これまで以上にサービス提供者に求められるでしょう。あまりにも通知頻度が多いと通知設定そのものをオフにされてしまい、アプリへのアクセス頻度もユーザーが正確な情報を得る機会も喪失してしまいます。このようにアプリを作る際は画面上の目に見えるアプリ内のデザインだけではなく、通知やメール配信などのアプリ外のユーザー接点を適切にデザインすることも必要です。

Bumbleがはじめから目的を明らかにするマッチングアプリ「fruitz」を買収

https://fruitz.io/

北米、ヨーロッパを中心に全世界で広がり、会員数が1億人という驚異の数字を持つマッチングアプリ企業のBumbleが、2022年2月7日(米国時間)に急成長中のマッチングアプリFruitzを買収しました。Fruitzでは、ユーザーがどんな目的でマッチングアプリを利用しているのか明らかになっており、より安全に出会うことができるのが特徴です。また、マッチングアプリ市場で成長しているZ世代に特に広がりをみせていることが注目されています。Bumbleはすでに国際的な事業展開をしていますが、Fruitzを傘下に入れることで、よりZ世代に利用されるのではないかと考えています。

SNSでの出会いに抵抗がなくなったり、コロナをきっかけにマッチングアプリを許容したりする人が増えてきています。民間調査会社のアンケートでは新型コロナウイルス拡大後、スマートフォンを持つ20〜40代の男女1万人のうち4割を超える人が出会いを求めてマッチングを利用したと答えています。ただ、利用者が増えている一方でトラブルを経験した人も4割を超えるという調査結果が出ています。若者がトラブルなく安全に出会うためにも、マッチングアプリには自分の意図にあった使い方ができるFruitzのような機能が必要だと思います。

BumbleのCEOは「Fruitzのようなユニークな製品を作り上げた企業とBumbleのサポートと成長マーケティングが組み合わされば、よりFruitzの成長を加速させ、消費者向けの製品提供を拡大することができる」と述べています。Bumbleは今後Fruitzに機械学習技術、マーケティング、ローカリゼーション、安全性プラットフォームなどのリソースを提供します。より市場に適応した安全性の高いマッチングアプリになって日本に上陸することを楽しみに待ちましょう。

ソフトウェア

アップル、iOS 15.4ベータ版に新emojiを追加。溶ける顔、指ハート、妊娠中の男性、肌の色の異なる握手など

https://blog.emojipedia.org/first-look-new-emojis-in-ios-15-4/

2022年1月27日、アップルが「iOS 15.4」に採用される予定の37個の新しい絵文字と75個の肌色のバリエーション、計112の新絵文字を公開しました。表情を表す絵文字には、「溶ける顔」、「のぞき見の顔」、「敬礼の顔」、「涙を抑える顔」など、どれもすぐに使いたくなるような7種類の絵文字が加わります。その他、アイドル界から流行した「指ハート」や両手で作る「ハートハンド」など、今後活躍しそうなハンドジェスチャーも見られます。

さらに、絵文字のバリエーションが増えたことで多様性のある表現が可能になります。大量に更新された絵文字の中で「妊娠中の男性・ジェンダーレス」と「肌の色の異なる握手」が注目を集めています。これまでアップルは、異なる性別のバリエーションを持つ絵文字を提供するために工夫をしてきました。2019年アップルが初めて性別を特定しないジェンダーニュートラルな人を表現する絵文字を公開して「多様性」への尊重を表しました。その思想を踏まえて、今回のアップデートでも、妊娠している人の絵文字に「男性」と「ジェンダーレス」のバリエーションが加わります。その他、これまで肌の色が一色しかなかった「握手」の絵文字は、肌色とその組み合わせのバリエーションで異人種間の握手も表現できるように。より多くの選択肢から状況にあったものを選べるようになります。現在、これらの絵文字はiOS 15.4ベータ版でしか見られませんが、世の中にリリースされた後どんな反響が出るのか楽しみですね。

サービス

「iPhone」が決済端末に!Appleが「Tap to Pay」を米国で提供へ

https://www.apple.com/newsroom/2022/02/apple-unveils-contactless-payments-via-tap-to-pay-on-iphone/

2022年2月8日(米国時間)、AppleはiPhoneひとつで非接触型決済の支払いを受けられる新機能を発表しました。2022年中に米国で「Tap to Pay」が提供開始され、iPhoneで非接触型のクレジットカードおよびデビットカード、Apple Pay、その他のデジタルウォレットからの支払いに対応できるようになります。また決済プラットフォームやアプリ開発者も、この決済機能をそれぞれのiOSアプリに統合できるようになるそうです。

これによってiPhoneは様々な非接触型決済の受け取りに対応可能となりますが、非接触対応していないクレジットカードおよびデビットカードによる決済には、この先も専用端末が必要になります。そのことから、既存の専用端末にiPhoneが完全に取って代わるという訳ではなさそうです。
一方で、これまでキャッシュレス決済を受け入れにくかった環境に「Tap to Pay」は一石を投じる可能性があります。例えばフリーマーケットのような、個人が売り手となる場面で、販売者は自らのiPhoneひとつで、これまでより多くの決済手段に対応できるようになります。また、フリマアプリにもtap to payが実装されると、オンラインの入金と対面での入金をシームレスに管理できる体験も可能になるかもしれません。
アプリケーションのマーケットを作って個人のクリエイティブを世界に広げたAppleが、次は個人のローカルな価値交換の可能性を広げることになりそうです。

災害に備えて必要なものを預けておけるサービス「防災ゆうストレージ」

https://www.post.japanpost.jp/life/you_storage/introduction/index.html

2022年1月26日、日本郵便株式会社と寺田倉庫株式会社は、共同で災害時に備えて必要なものを保管し必要なときに届けられるサービス「防災ゆうストレージ」を共同で提供することを発表しました。避難所で必要な物資を保管する「じぶん用支援物資」、無くしたくないものや思い出の品を安全な場所に預けておく「大切なものエスケープ」の2つの用途を想定。「じぶん用支援物資」の配達場所は自宅以外も指定可能で、避難所などで受け取ることができます。

「じぶん用支援物資」は、長期化する避難所での生活に役立ちます。生きていくのに必要最低限な食料や寝具などの物資は比較的手に入りやすいのに対して、すぐに命には関わらない下着などの衣類や乳幼児向けの日用品を避難場所で手に入れることは困難です。緊急避難を強いられるような状況や勤務先での避難に備えて日用品をあらかじめ用意しておくことで、避難所でも快適に生活することが期待できます。一方で、河川の氾濫や地殻変動の影響で交通網が分断された場合や、停電や障害の影響でインターネットに接続できない場合はサービスが利用できないことも考えられます。自宅での備えとうまく組み合わせて利用することが望まれるでしょう。

「大切なものエスケープ」は、なくしたくないものを預けておける安心感だけでなく、災害を乗り越え新しいスタートを切る原動力を与えてくれるかもしれません。家屋の倒壊を伴うような大規模災害に被災すると居住地や家財を全て失い、新天地で生活を再開しなければならないこともあります。そのような中で、今までの暮らしや思い出に根付いたものが残っていることが力になるでしょう。災害がないことが一番ですが、万が一に備えてあらかじめ大切なものを「避難」させてはいかがでしょうか。

プロダクト

空中ディスプレイ技術をPOSレジに採用した実証実験がセブンイレブン店舗にて開始

https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2022/165442.html

2022年2月1日より順次、都内のセブンイレブン6店舗にて非接触・空中ディスプレイ技術を採用したセルフレジ「デジPOS」の実証実験が行われることが発表されました。空中ディスプレイがPOSレジに採用されることは世界初であり、完全非接触による安全性やレジカウンターの省スペース化などが目的とされています。

今までにもホテルやオフィスなどの受付機、デジタルサイネージを中心に展開されてきた空中ディスプレイ。開発に携わった株式会社アスカネットのこれまでの事例を見てもさまざまな領域に展開されていますが、なかなか日常生活で見る機会はありませんでした。今回はより一般消費者が触れる機会の多いコンビニでの採用ということで、最新技術がぐっと身近になる第一歩になるでしょう。また、最新技術に疎いユーザー層が利用することも考えられるため、この取り組みによって空中ディスプレイの使い心地の課題点などもはっきりしてくると考えられます。

次第に物理的なものから離れていくインターフェースの世界。スマートフォンをはじめとするタッチパネルにおける自然なインタラクションは、AppleのFluid Interfaceに代表されるような理論ができはじめています。完全非接触のUIとUXをどのように考えていくか、今回の実証実験はそれを考えていく足がかりになると考えられます。


以上、2月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!

過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!