キャリア

フルリモートでキャリアをどう作る?グッドパッチPdM・UXデザイナーの成長環境と働き方のリアル【関西支社イベントレポート】

勤務地選択制度を導入しているグッドパッチですが、実際に全社員のうち、約15%が関東圏以外に在住しており、多くのメンバーが日本全国からフルリモートで活躍しています。集まれる場所が増えれば、新しい共創や付加価値が生まれるはず。そこでグッドパッチは2025年9月、関西支社をオープンしました。

11月12日には、プロダクトマネージャー(以下、PdM)とUXデザイナーに向けて、「関西でのキャリアの可能性」をテーマとしたイベントを関西支社で初めて開催。UI/UXデザイナー、PdMを中心に、およそ30名が集まりました。

イベント冒頭で、グッドパッチ執行役員CHROの井出は関西への思いを次のように語ります。

「ものづくりの街大阪に拠点を構え、老舗の価値を正しく伝えたいと思っています。アウトプット自体はAI化できても、創業100年を越える企業の伝統やフィロソフィーは置き換えられるものではありません。私たちが手掛けてきたデジタルプロダクトとハードのものづくりを掛け合わせることで、関西を盛り上げ、新たなデザインの証明をしていきたいと思います」

メインのプログラムとなるトークセッションには、PdMのチームづくりを行う五十棲と、UXデザイン組織の責任者を務める北村が登壇。「グッドパッチでのやりがいと伸び代」をテーマに、働き方やキャリア形成、これからの展望についてお話ししました。ここではその内容を一部レポートとしてお届けします。

登壇者プロフィール

Design Div UX Unit マネージャー 北村 篤志(以下、北村)

2016年入社。大阪在住。UXデザイナー組織マネージャー。主なミッションはUX組織の戦略策定、品質向上、ピープルマネジメント、採用、育成。いくつかの案件で、プロジェクトの統括としてクライアントの事業成長を支援。

Design Div Product Manager 五十棲 凌賀(以下、五十棲)

2024年入社。大阪在住。PdMとしてクライアントのプロダクト成長を支援。具体的にはプロダクトのビジョンや戦略の策定、プロトタイプ検証、リリースまでの開発体制の構築や、プロジェクトのリードなど。プロダクト成長のプロフェッショナルとして、クライアントごとの課題に沿った支援体制を構築を行う。

グッドパッチのPdM、UXデザイナーの特徴とは?

司会(以下、──):PdMとUXデザイナーの仕事内容について教えてください。

五十棲:
グッドパッチのPdMは、プロダクトのグロースやKPI達成のために、クライアントの経営者や事業責任者に伴走しながらさまざまなマネジメントを行います。

プロダクト開発は事業戦略レイヤーのCoreからスタートし、Why、What、Howを整理しながら設計していきますが、その流れにおいてPdMは中心になる存在です。クライアントの経営者や事業責任者と壁打ちをしながら伴走し、UXデザイナーやUIデザイナーと協業しながらプロダクト開発をリードする。戦略と具体のアウトプットをつなげるのがPdMの役割です。

グッドパッチのPdMについてのスライドを説明するPdM五十棲

撮影:片岡 圭史(以下同)、撮影場所:グラングリーン大阪北館 JAM BASE 4F Syn-SALON

北村:
UXデザイナーの役割は企業によってさまざまですが、グッドパッチでは「クライアントの事業成長を『ユーザー体験』から支えるパートナー」と定義しています。ユーザー体験とプロダクトのKPIをつなげるのが特徴ですね。

一般的なUXデザイナーはリサーチ・分析やサービスコンセプトの体験設計、プロトタイプ検証を行うイメージが強いと思いますが、グッドパッチでは事前のプロジェクトプランニングから、要件定義や開発ディレクションなどの開発工程まで担います。特にUXデザイナーだけのプロジェクトの場合、ディレクターやPdMの動きをまんべんなく行います。

グッドパッチのUXデザイナーについてのスライドを説明するUXデザイナー北村

──PdMとUXデザイナーの役割には、重なる部分があるわけですね。

北村:
混じり合いながらやっていますね。PdMはより戦略寄りのイメージで、UXデザイナーは具体寄りかなと思います。

五十棲:
もともとグッドパッチのPdMチームは「もっと戦略部分をやりたい」というUXデザイナーの希望から始まっています。それもあって、一般的にはエンジニアやマーケティング出身のPdMがWhatとHowに焦点を当てることが多いのに対し、グッドパッチのPdMはCoreやWhyの戦略レイヤーに重点を置くことが多いですね。

フルリモート×クライアントワークは成り立つのか

──クライアントワークの場合、クライアントの事情によって業務量や忙しさが変動することもあると思います。この辺りは、実際のところどうですか?

五十棲:
PdMもUXデザイナーも重要なポジションであり、アウトプット次第でクライアントの成果が変わります。決して楽な仕事ではないというのが、正直なところです。

ただ、フルリモートとフルフレックスの制度があるため、融通はかなり利きます。働きやすさは担保されていますね。実際、私には現在イヤイヤ期でめちゃめちゃ元気な2歳の子どもがいるんですけど(笑)、それでも共働きで仕事ができていますし、こうしてイベントにも登壇できています。

北村:
私も共働きで、4歳と2歳の子どもがいます。朝は、子どもたちを自転車の前後に乗せて保育園へ送りに行き、帰宅後は洗濯物を干して、9時頃から仕事を開始。18時半頃に仕事を終え、夕飯を食べ、なかなか入りたがらない子どもをどうにかお風呂に入れ、そのあと家事をいくつかこなすのが大体のスケジュールです。

22時〜24時が唯一自分のために使えるゴールデンタイムで、仕事をすることもありますが、寝落ちすることも多いです(笑)。ハードではあるけれど、フルリモートだから両立できているなと思いますし、充実感はありますね。

プレイヤーもマネージャーも、役職に関係なくフルリモートで働けるので、将来的にマネジメントをやりたい方も安心だと思います。

五十棲:
地方在住者は多いですよね。PdMチームも北海道から福岡まで、メンバーは全国に点在しています。ずっとリモートだとしんどく感じる人もいると思いますが、関西であれば関西支社ができたことで出社するこも可能になりました。全社だと半年に1回の総会など、対面でコミュニケーションを取る機会も用意されていますね。

北村:
リモートの問題点は組織として仕組みで解決しようとしています。リモートでも週1回の1on1を行ったり、中途入社者にはメンターを付けて何でも相談できる時間を設けたりしていますし、UXグループ全体でも週次でお互いの案件の進捗を報告したり、フィードバックをもらったりする時間がありますね。

グッドパッチで広がるキャリアの選択肢

──プライベートと両立させながら、クライアントワークで力を発揮できる環境なんですね!グッドパッチには、具体的にどのような成長機会がありますか?

北村:
まず事業会社と比較すると、新規事業の立ち上げやサービスづくりなど、多くの「打席」に立てる点が最も大きな違いです。クライアントワークの期間は3カ月から長くても3年ほどで、大体は半年から1年ほど。つまり3年で3〜6つのプロジェクトを経験できます。

また、私たちが対峙するカウンターパートは経営者や事業責任者で、主に戦略の話をします。視座の高い方々との仕事を通じて、ビジネス感覚が養われます。

コンサルと比較してみると、サービスやプロダクトの戦略から開発まで、一貫して関わることが可能です。コンサルからグッドパッチに転職してきた人も、「ものづくりまで関わりたい」「戦略を立てた先まで手掛けたい」という理由が多いですね。そういう人にとって、とても良い環境だと思います。

表:比較対象として挙げられる事業会社・コンサルとの比較

──各職種で得られる経験やスキルについても聞きたいです。

五十棲:
プロダクトとビジネス側の双方の戦略を組み合わせるのがPdMの面白さであり、得られるものだと思います。片方だけの戦略を考えるのも大変ですが、それらをマージした上で方向性を定めていく。全体バランスを取りながら「ユーザーにどう愛されていくのか」を考え、進めていくのは、なかなかできない経験だと思います。

その中で獲得できるスキルとして私が一番感じるのは、プロダクト開発/グロースをリードする力です。経営者や事業責任者、社内でアサインされている現場の人たちなど、時に意見が異なるさまざまなステークホルダーをマネジメントし、大胆かつ緻密に意思決定しリードしていくのは、とても貴重な経験です。

北村:
ステークホルダーマネジメントは(UXデザイナー・PdM)共通して身に付く力ですよね。初めてのクライアントとプロジェクトを始め、決められた期間で何かしらの成果を出さなければいけない。そのためには、まずクライアントの特性や社内政治、マネジメントスタイルなどを理解する必要があります。

UXデザイナーの場合でいうと、UXの総合力はもちろん、体験軸と事業軸のバランスを取ることによってビジネス感覚も養われると思います。

五十棲:
社内に同じ職種の仲間がいて、それぞれのナレッジを得られる機会も多いです。最近だとAIの活用事例をシェアする社内グランプリがあり、「こんなこともできるの?」みたいなアイデアがあちこちに転がっている。

実際に入社間もない名古屋在住のディレクターが、ナレッジを生かしてCEO Award(社長賞)を受賞するなど、全員で学んでナレッジ化したものが他の誰かのスキルになっている。学ぼうと思ったら無限に学べる、素晴らしい環境だなと思います。

スライド「グッドパッチでの自己成長・キャリア形成」

──中長期的に見て、どのようなキャリアパスがありますか?

北村:
さまざまですね。その職種のプロフェッショナルとして極める道もあれば、事業責任者になる道もあり、さらにそれらを行き来できます。そういう環境と機会を提供したいというメッセージは、経営からもよく発せられていますね。

例えば、入社3年目のUXデザイナーから事業責任者にチャレンジしている人の場合、中途入社してUXデザイナーとして活躍した1年後、UXグループのマネジャー経験を経て、現在はAIデザインツール「Layermate」の事業責任者をしています。今年10月にLayermateを子会社化し、プロダクト責任者が必要になり抜てきされました。

このように経営からキャリアの機会が提供される場合もあれば、本人が自ら取りに行く場合もありますね。

グッドパッチが提供できる、キャリア形成「起業家的なキャリア・事業責任者・プロフェッショナル」その行き来も可能

関西から、日本を良くしたい

──グッドパッチの関西支社が設立されました。これから関西で何をしていきたいですか?

北村:
関西の経済成長に、デザインの力で貢献したいです。

私は大阪で生まれ、大学まで関西で過ごし、社会人になってからは東京で十数年働いていました。去年家庭の事情で大阪に帰ってきて、私も40代に突入し、生まれ育った関西に貢献したい思いが自然と湧いてくるようになって。そんな折に大阪オフィスができ、これはチャンスやなと。クライアントワークなら、さまざまな関西の企業の支援ができますから。

特に、ものづくり企業の支援をしたいと思っています。関西にはものづくりのDNAがあり、私自身も「ものづくりをしたい」と考えてファーストキャリアにエンジニアを選びました。良い技術や製品なのにユーザーに価値が届いていないプロダクトがあれば、デザインの力で価値を届けたい。もし同じような思いを抱いている方がいたら、ぜひ一緒にやりましょう。

五十棲:
今日のイベントを企画するに至った経緯として、関西にPdMの転職先が全然ないことが挙げられます。私自身、転職先が東京の企業ばかりなことにめちゃめちゃ悩んだんですよ。だからこそ、「関西でPdMといえばグッドパッチ」という存在になりたいと思っています。

グッドパッチのクライアントワークの良さは、クライアント企業がその伴走支援の仕組みを自分ごと化し、組織文化として継承させていくところにあります。プロジェクトが終わったら終了ではなく、その後もクライアント企業で育っていく。つまり、グッドパッチのPdMが関西に増え、クライアントワークを積み重ねていけば、西日本の企業も活性化していきます。そうやって西日本から日本全体を良くしたい。その仲間が一人でも増えたら、とてもうれしいですね。

トークセッション後の参加者の声

トークセッション終了後はPdMとUXデザイナーに分かれ、登壇者の2人と参加者が車座になって座談会を行いました。

PdMグループでは「関西でPdMの募集が少ない」ことへの共感の声が上がり、やはり先々のキャリアを考える際のネックになっている様子がうかがえます。だからこそ、学べる仕組みがあることに興味を持つ人も多くいました。

UXデザイナーグループもまた、社内に20人弱いるUXデザイナー同士でナレッジをシェアできる環境に関心を持つ人が目立ち、PdMと同じく成長できる環境を求めているようです。

また、両グループともクライアントワークに関する質問が多数寄せられました。一般的にクライアントワークは成果物単位の受託契約であり、案件を複数掛け持ちすることが多く、パートナーとして伴走するほどの工数を割けないイメージを持つ人も。

一方、グッドパッチの場合は期間単位の準委任契約で、目的に対する手段は決まっていないため、考案や提案から深くプロジェクトに入ります。同時期の案件数も1〜2件に制限しているので、目の前のクライアントにフルコミットできる環境があり、その点に魅力を感じている人が多く見られました。

車座になって会話している、座談会の様子

終了後のアンケートでは、参加者から以下の声が寄せられています。

「リアルなお話を伺えてよかった。社員の熱量・人柄が伝わってきた」

「トークセッション、座談会、懇親会と、段階的にラフに話せる設計がよかった。イベントまでデザインされていると感じた」

「『デザイン』を共通言語とした他社・他職種の方々との交流が生まれてよかった。関西での可能性を信じてみようと思えた」

今後もグッドパッチでは、関西在住者に向けた採用イベントを企画予定です。また、グッドパッチに興味を持ってくださった方に向けて、カジュアル面談を行っています。転職は考えていないけれど、今後に向けて情報収集をしたい人も大歓迎です。

「関西でものづくりに関わり続けたい」「デザインの力で社会を良くしたい」という想いのある方と、カジュアルにお話しできればうれしいです。

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