街を包み込む金木犀のほのかな香りも薄れはじめ、次第に冬の気配が近づいて参りましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今月もGoodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介します。

サービス

Twitterが「ツイート編集」機能の提供を開始 

2022年10月3日、Twitterは「ツイート編集」機能の提供を開始しました。こちらの新機能は現在、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのTwitter Blueという月額制サブスクリプションに登録しているユーザーのみに公式で展開されています。

この「ツイート編集」機能はツイートの3点リーダーから、投稿後30分以内の間で合計5回まで使用できる機能になっており、編集されたツイートには「編集アイコン」と「ラベル」が表示され、「ラベル」をタップするとツイートの編集履歴を誰でも確認できる仕様になっており、各バージョン毎での「いいね数」や「リツイート数」「引用リツイート内容」も確認することができます。

この仕様には、「ツイート編集」機能が誤用・悪用されないように2022年9月からTwitterが実施したテスト結果からのフィードバックと、「会話の整合性を保ち、何が語られたかの記録として起こすことが非常に重要だと考えている」といったTwitterの思想が反映されているようです。

直近はアメリカでの展開が想定されているとのこと。社会的インフラといっても過言ではないTwitterによるアーキテクチャの変更が、どのようにユーザーの行為に作用し、その結果としてどんな社会的影響を及ぼすのか、引き続き注目したいところです。

AppleがApple Cardの普通預金口座機能を発表

https://www.apple.com/newsroom/2022/10/apple-card-will-let-users-grow-daily-cash-rewards-while-saving-for-the-future/

2022年10月13日、Appleは、米国で発行している「Apple Card」のユーザーが普通預金口座を開設できるサービスの提供を開始することを発表しました。開設された口座には「Daily Cash」と呼ばれる特典を貯蓄することができます。

Daily Cashは、Apple Cardの利用額に対するキャッシュバックプログラムです。Apple Cardを利用すれば、Apple Storeでの買い物のほかUber Eatsなど一部加盟店で3%、Apple Payを使うと2%、他の支払い方法で1%がキャッシュバックされます。新サービスによって、ユーザーはDaily Cashの特典を自動的に口座に貯蓄できるようになります。

Apple Newsroomによると、今回提供する普通預金口座は「高利回り」であり、「Daily Cashの報酬を時間とともに増やしながら、将来のために貯蓄することもできる」とのことです。2019年夏から米国で提供されているApple Cardですが、日本への展開についてはまだ未定となっています。進化したApple Cardが国際化されることを期待したいですね。

プロダクト

Metaが新VRデバイス「Meta Quest Pro」を発表

https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/

2022年10月11日、Metaが新しいVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表しました。エンタメやレクリエーション用途を重視した従来モデルに対し、ハイエンドモデルとなるMeta Quest Proは、ビジネスやクリエイティブな作業をサポートするアプリとの連携が充実しています。

https://twitter.com/metaquestjapan/status/1579890569354309633?s=46&t=1cX6fVlNkQFAH6_cP5VoFA

今回特に話題を呼んだのは、VR開発においてMetaとMicrosoftがパートナーシップを締結したことです。これにより、ビジネスコミュニケーションアプリ「Microsoft Teams」内でVR空間での没入型ミーティングが可能になったり、「Microsoft 365」に含まれるOfficeアプリ(WordやExcel、PowerPointなど)をVR空間で利用できるようになります。

発売は日本時間10月26日から。価格は、ヘッドセット、コントローラー、スタイラスペン先、部分遮光ブロッカー、充電器を含めて226,800円(税込)です。

デザイン

Figmaが新機能、プロトタイプへの動画アップロードをリリース

https://help.figma.com/hc/en-us/articles/8878274530455

2022年10月12日、Figmaがプロトタイプへ動画アップロードできる機能をリリースしました。Adobeに200億ドルで買収される契約を締結した先月の発表に続くこのビッグニュースは、グッドパッチ社内でも大きな話題になりました。

気になる詳細についてですが、この新機能はプロフェッショナル、ビジネス、エンタープライズといった有料プランのユーザーのみ使用できることになっており、30MB以下のmp4形式の動画ファイルをシェイプに対する塗りつぶしとしてアップロードできるとのこと。また、FigmaのVP of Product DesignであるNoah Levin氏のツイートによると、β版段階時に、主要なユーザーであるNetflixからのフィードバックを元にブラッシュアップしていったようです。

動画を埋め込んだリッチなプロトタイプにより、ユーザビリティテストや第三者とのUIの確認作業が捗ることはもちろんのこと、Figmaを用いたプレゼンテーションやプロトタイプ機能を使用したイベントページなどといった少しニッチなユースケースがより充実した体験になることも期待できますね。

Microsoftがテキストからデザインを生成する「Microsoft Designer」を公開

https://designer.microsoft.com/

Microsoftは、Microsoft 365初のグラフィックデザインアプリ「Microsoft Designer」を発表しました。本アプリは、文章からバナーやポスターなどのグラフィックデザインを生み出すサービスです。

先々月Goodpatch Blogでも取り上げた「お絵描きAI」に似てると思った人も多いはずではないでしょうか。実際、Microsoft Designerの裏側で動いているのは、OpenAIが開発した文章から絵を描くAIにも使われている「DALL-E2」です。これまでAdobe ExpressやCanvaなどが豊富なデザインテンプレートを提供してきましたが、「なんとなく思ったものが見つからない」「なんとなく似たものになってしまう」という課題がありました。これを常に裏側で学習し続けるAIが「新しいデザインを生成する」ことで解決するかもしれません。

「Microsoft Designer」は無料アプリとして提供され、Microsoft 365の利用者にはプレミアム機能が追加料金なしに提供される予定です。

展示・イベント

日本デザイン振興会がグッドデザイン賞の2022年度受賞結果を発表

https://www.jidp.or.jp/ja/2022/10/07/gooddesignaward2022?query=tagNames%3DNEWS%26tagNames%3DREPORT

2022年10月7日に、公益財団法人日本デザイン振興会は、主催事業であるグッドデザイン賞の2022年度受賞結果を発表しました。

今年度のグッドデザイン賞のテーマは「交意と交響」。分野や領域を超えて⼈々の「意志」を互いに交わして、影響を与え合うことで新たな可能性を⾒出していくデザインを募集していました。審査対象数は全部で5,715件。国内外のデザイナーや建築家など、各分野の⼀線で活躍する97名の審査委員による厳正な審査を経て、この中から晴れて1,560件の受賞が決定しました。

受賞の中から、2022年度の最高賞であるグッドデザイン大賞が11月1日に発表されます。ファイナリストとして、再生プラスチックを製品全体の40%以上使用し、高度循環社会の実現をめざした日立の掃除機や、地域で子どもたちの成長を支える活動「まほうのだがしやチロル堂」などが選ばれています。

既に開拓された製品や考え方を々なニーズやサスティナブルの観点で見直し新たな視点や可能性を生み出すデザインの数々は、まさに「交意と交響」を表現しているように思えます。

グッドデザイン賞受賞対象は11月6日まで東京ミッドタウン・デザインハブでグッドデザイン・ベスト100に選ばれた100件を中心に展示されています。この機会にぜひ、世界を前進させるデザインをみてはいかがでしょうか。

Adobe MAX 2022 Creativity Conference が開催

https://maxjapan.adobe.com/

米国時間10月18日、Adobeが主催するクリエイターの祭典『Adobe MAX 2022』が開催されました。日本でも19日・20日に実会場でのイベントが開催され、多数のクリエイター向け製品のアップデートや、開発中の技術のプレビューが披露されました。

2022年のテーマは「速さ、使いやすさ&スーパーパワー」「協業的なクリエイティビティ」「3Dと没入型体験の制作」。例えば協業的なクリエイティビティでは、共同編集機能の追加やアプリケーション同士の連携機能の強化が主なトピックで、非デザイナーでもデザインを確認することができ、コメントや範囲の指定も可能になるという嬉しい機能が追加されました。Illustratorでは、「クロスと重なり」機能、Lightroomでは、Photoshopと同じ人物の選択や「コンテンツに応じた削除」が可能になるなど「速さ、使いやすさ&スーパーパワー」も大幅に強化されます。

その他ここでは書ききれないほど、ビッグなニュースが盛りだくさんの『Adobe MAX 2022』。デザインに勤しむクリエイターだけでなく、世界の人たちのものづくりが今後どのようにアップデートされていくのか、色々機能を試して確かめていきたいですね。

トレンド

スターフライヤーがサブスク 福岡の家賃+羽田飛び放題の開始検討を発表

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC274XV0X20C22A9000000/

福岡を拠点とする航空会社スターフライヤーが、東京ー福岡間の乗り放題航空券と、福岡県内の賃貸住宅をセットにしたサブスクリプション(定額課金)サービスを2023年春までに提供すると発表しました。

このプランは、リモートワークが多い東京の賃貸マンションに家族で住んでいる会社員をターゲットとして、福岡(北九州)への移住を促すもので、乗り放題航空券+賃貸で月額20~40万円程度とのこと。都心部の2LDKの家賃相場が20万円台後半からであることを考えると、かなり魅力的なプランです。

旅好きをターゲットにするのではなく、移住者をターゲットにするのは、斬新で新しいアイデアですね。また、「航空券+賃貸」がセットのサブスクという点でも新しく興味深いです。コロナ禍で新しいライフスタイルと仕事のしかたで生まれる、新しいサービスに期待大です。

以上、10月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!

 

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