こんにちは!22卒UIデザイナーの菅原です。

今日は私が制作した、今年の内定式の内定証書のデザインプロセスを紹介します。

私自身、去年内定式にて素敵な内定証書をGoodpatchから頂きました。デザインで世の中を変える決意を改めて持った特別な日を、今度は自分のデザインで作れたらと思っていたところ機会をもらって内定証書を制作することになりました。最後の最後まで紆余曲折あったプロセスが誰かの役に立つことを願ってここに記します。コンセプトからグラフィックデザインを初めて担当する人に参考にしてもらえると嬉しいです。

23新卒内定式の様子はこちらのレポートをご覧ください!

「力強く飛ぶ鳥カモメのように」内定証書に込めたコンセプト

内定証書のコンセプトは、「夢見る新たな道を切り開く」です。これはどんな悪天候でも流されずに飛ぶカモメがモチーフです。そのカモメの鳥言葉である「夢見る新たな道を切り開く開拓者」から発想を得ました。

そしてそんなカモメは、船に幸運をもたらす鳥とも言われています。導くカモメ=新たなデザインの道を切り開く開拓者と捉え、内定者たちはGoodpatchという船を引っ張っていく力強いデザイナーになってほしいという思いを込めました。
また、この内定証書をもらってただ嬉しいだけではなく自分がGoodpatchの一員なんだということを自覚し、自分を奮い立たせるようなデザインを目標に制作に取りかかりました。

内定証書のデザインプロセス

以下のような流れで制作を進めました。

  1. コンセプト作り
  2. コンセプトからデザインへの落とし込み
  3. ビジュアルデザインのブラッシュアップ
  4. 原点に戻り、ビジュアル作り直す
  5. 裏面制作
  6. 印刷

1.コンセプト作り

新卒メンバーへのヒアリング

コンセプトを考える上で、まず内定式を一緒に体験した同期にヒアリングを実施しました。

内定証書をもらった時・もらったあとの気持ちなど、当時の思いや感情を詳しく聞いたところ、二人ともデザインに込められた想いを知ることで内定証書がより特別なものに感じており、内定証書を見返すことで当時の気持ちを思い出すことがあったとのことでした。
僕自身も去年内定証書をもらい、見返すたびに背筋を伸ばしてくれるような感覚がありました。そこで内定証書では「見返すたびに改めて自分がGpの一員であることが自覚できる。モチベーションを継続的にあげる装置の役割」を目指します。

モチーフ発散・絞る

モチベーションが上がり、熱い設定やストーリーを絡められるモチーフを探している中、あるマンガの1ページを思い出しました。

“カモメは強風や吹雪の中にあっても、風に流されずに飛行できる。”

この時、カモメはどんな時でも船を導き、強い意志を持って飛び続ける良いモチーフになると確信しました。
また、カモメは世界的にも海や航海のシンボルとして描かれることが多いようで、船乗りにとってカモメは最も大事な鳥であり、船にカモメがいると幸運を運んでくると言われています。コンセプトにピッタリだと思い、カモメ案を中心にムードボードを制作しました。

ムードボードの作成

カモメの鳥言葉は「夢見る新たな道を切り開く開拓者」

カモメをデザインの新たな道を切り開く開拓者として捉え、内定者たちはその姿を見てGoodpatchという船を引っ張っていく人材になれるようになってほしいという思いを込めたムードボードを制作します。このムードボードを作ることで、作りたい内定証書のイメージを可視化し、認識を統一することができます。

また、この段階で裏面に記載されるコンセプトメッセージも作っていきます。ムードボードとコンセプトメッセージ、イメージと言葉両方で世界観をきちんと固めることで、途中で起きる迷走を防ぐことができます。

2.コンセプトからデザインへの落とし込み

ムードボードができたら、次にビジュアルの落とし込みを考えていきます。
構図を何パターンか考える中で翼を大きく見せる案がシンプルでメッセージが伝わりやすいと思い、この案をより具体化していきます。

3.ビジュアルデザインのブラッシュアップ

角度や質感、光の当たり方などを先輩デザイナーからフィードバックをもらいながら修正を繰り返します。ある程度作っていく中で、ダイナミックさはあるけど翼特有の軽さがなく、どこか重厚感のあるデザインになっていきました。

重厚感のある翼は画面から羽の持つ躍動感を損ねてしまい、「強風にも負けず力強く飛ぶ」というコンセプトからかけ離れてきました。方向性が危ういと思い、改めて原点の翼の構図制作に戻ります。

改めて、翼のディティールが一番カッコよく映る見せ方は何かを発散していきます。最初の案の持ってた伸び伸びとした開放感と翼単体で見るカッコよさを出すにはどうしたら良いだろうかと試行錯誤を重ねました。

4.原点に戻り、ビジュアルを作り直す

データで1から作ることに気づかないままこだわりすぎて、回転率が怪しくなってきたので写真を当てはめ、最初の案の持ってた伸び伸びととした開放感と翼単体で見るカッコよさを出す見た目は何かをどんどん試していきます。

次に翼に線を加えたり、色合い自体を変えてみたりと再びデザイン案を発散していきます。

最終的には色合いなど少し攻めたA案、オーソドックスに安定したB案の2つに絞り、再度ブラッシュアップして最終的に決めました。

5.裏面制作

今年は表面のビジュアルが際立つように、裏面は要素を削ぎ落としたシンプルなデザインにしたいと思いました。そのために余白を生かしたレイアウトやフォントを試します。内定証書によくあるセンター揃えではなく左揃えにして伸びのあるレイアウトに。それでいて表面の主張にも負けない黄色をベースにした裏面へ仕上がりました。

フォントは癖がなく読みやすい「Soleil」と「りょうゴシック PlusN」を採用。よりコンセプトメッセージがスッと入る裏面のデザインを目指します。

また、コピーもより魅力的にするため、BXコピーライターの先輩に添削をお願いしました。「君」と「自分」を揃えてより新卒の方へのメッセージ性を強めたり、コピーの締めでより印象を強くするなど、細かい部分が変わることでさらに世界観や情景が浮かぶようになりました。

6.印刷チェック

数回印刷チェックを行い、色味や質感が実物で表現されているかを確認します。今回の内定証書は、その人自身のデザインに対する思いや決意を常に奮い立たせることが目的です。手に持つたびにモチベーションが上がる内定証書にするため、データでは味わえない質感や色味にもこだわりを持って制作しました。紙は高級感を出すことができ、豊かな風合いが特徴の「ヴァンヌーボVG」というマットな質感の用紙に。また、Goodpatchのロゴや翼にはニス加工を施し、より翼にかかるグラデーションが美しく見えるようさりげない立体感や艶めきを出しています。

内定式を終えて

内定式当日は、実際に内定者の方と会って内定証書に込めた想いを伝えさせて頂きました。社員の方に10分近く内定証書をもらった喜びを熱弁してくれた子がいたり、次は自分が作りたい!という声が既に上がっていたりと、とても喜んでもらえました。

新卒入社の内定式は一生に一度。そんな機会にデザインという形で携われたのは本当に貴重な機会でした。去年、自分が内定証書を貰った時の興奮や込められたメッセージは今でも特別なものとなっており、その体験を次の世代にもして欲しい気持ちから内定証書を作りたいと思ってました。

今回の制作を通して、自分だけの力でデザインを作り上げることの難しさを痛感すると同時に、最後まで良いものを作りたいという意思を持って作ることが出来たのはとても良い経験でした。

以上、23卒の内定証書の制作プロセスでした。サポートしてくれたグッドパッチの皆さん、ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました!

最後になりますが、グッドパッチでは一緒に新たな道を切り開きたい方からのご連絡をお待ちしております!

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