Goodpatch Berlinの代表Borisに聞いた、ベルリンでの自由な働き方

Goodpatchは現在、東京・ベルリン・ミュンヘン・台北にオフィスを構えて事業を展開しています。その中の1つであるGoodpatch Berlinを立ち上げ、取締役として働くBorisが9月に来日。この機会に、ベルリンでの働き方について教えて!とインタビューをしました。

<Boris Friedrich Milkowski>
スイスとドイツで働いたあと、日本で慶應義塾大学大学院を経てGoodpatchにジョイン。2015年にベルリンオフィスを立ち上げ、現在デザイン・マネージングディレクターとしてGoodpatch Berlinで働く傍ら、Goodpatchの取締役を務める。

ミッション:ベルリンのクリエイティブエナジーのカタリスト(触媒)になる

Borisが立ち上げたGoodpatchベルリンオフィスは、現在15人のメンバーを抱え、「ベルリンのクリエイティブエナジーのカタリスト(触媒)になる」という目標を掲げています。また、多数の大手自動車メーカーや医療部門のスタートアップ事業とパートナーシップを組み、日々ベルリンのクリエイティブ産業を盛り上げようとしています。今年はNTTデータドイツ法人との協業の続編も発表し、積極的にデザインをビジネスに浸透させる活動を行っています。

まずは、彼らの普段の仕事について聞いてみました。

ベルリンオフィスのチーム構成

ーベルリンオフィスでは、どのようなプロセス/チームで仕事をしているんでしょうか。

Boris デザインプロセスは日本と同じものを導入しています。違いがあるとすれば、「メンバーの役割」だと思います。
ベルリンでは、プロジェクトマネージャーがいません。代わりに、デザインストラテジストと呼ばれる人たちが居ます。デザインストラテジストは、ビジネスとデザイン両方を理解した上で、戦略をデザインに結びつけられる人です。
私はGoodpatch社全体で「プロジェクトマネージャーとは何をする人なのか」をもう一度定義する必要があると考えています。プロジェクトマネージャーは必要ですが、将来的にはチームに携わる全員がプロジェクトマネージャーとしての意識を持つ必要があるからです。

大切にしているのは「効率」よりも「効果」

ー日本とドイツ両方のGoodpatchで働いたことのあるBorisですが、働き方で違いを感じる部分はありますか?

Boris 東京オフィスは来る度に、新しい発見があって楽しいです。もちろん、シリコンバレーっぽいところもあるけれど、まだまだ日本企業らしいカルチャーも同時に存在していると思います。

私は「Goodpatchの東京オフィスは〜」や、「ベルリンオフィスは〜」という風に一般化した言い方をしたくない。そうやって一般化することは簡単だけど、組織の中にいる人によっても考え方は全然違うからです。その違いを大切にしたいんです。

敢えて一般的に言うとすれば、日本で働く人が「効率(Efficiency)」を大切にしていると感じるのに対して、ドイツで働く人は「効果(Effectiveness)」を大切にしていることだと思います。Efficiencyは「Doing things right(物事を正しいやり方でやる)」という意味で、Effectivenessには「Doing the right thing(正しい事をする)」という意味があります。

何かをする際に、日本では比較的プロセスを大事にしますよね。ミーティングのやり方がその一例です。効果的な結果が得られなかったとしても、ミーティングを週次で開催したりします。その場合、私は「ミーティングを定時に開催した」というプロセスが大事にされているように感じます。
日本人がプロセスを大切にすることで、美しいものを生みだすことは習慣化していると思います。例えば、漢字を書くときも、書き順を何度も直されるでしょう?結果、同じ漢字が書かれるのに。こういうところは、日本人の価値観のように思います。

でもベルリンでは、プロセスはほとんど気にしないに等しいんです。もちろんプロセスも大事だけど、結果が良ければプロセスはぐちゃぐちゃだったって構わない。そして、プロセスに沿っている時でも常に、「正しい事をしているか?」と自分に問い続けます。

プロセスを正確に踏んで何かを成し遂げる過程は美しい。プロセスを外れても何か有益なものを創り出す過程はパワフルです。私はどっちも良いと思っています。

もう1つ確実に違うのはパーソナルな時間の確保のしやすさだと思います。ヨーロッパのほとんどの会社はフレックス制を取り入れていて、ベルリンオフィスもそのうちの1社です。その結果、チーム内の生産性とメンバーの働くモチベーションは格段に上がりました。

ヨーロッパの夏は特に、日中が長い。夜の10時半ごろまでは明るいから、仕事が8時に終わったとしても公園やビアガーデンで夜を楽しむことができるんです。

私が全てを捧げれば、メンバーも全てを捧げてくれる

ーBorisはメンバーのどのようなところを評価していますか?

Boris 私は、成果を評価するようにしています。コア時間でどれだけ成果を残せるかが重要だと思います。

もちろん働く時間が長いことは悪いことじゃない。仕事に責任感があることがわかるから。だけど、身体には良くないし、生産性が良いとも決して言えない。なぜかって、働く時間を後に押した分、午前の生産性が落ちたりしますよね?人にはそれぞれ生産性の高い時間があると思っていて、決して残業したからその時間が伸びるとは限らないと思うんです。

だから、2年前に働く場所や時間に対してフレックス制を取り入れました。週に40時間働けば、何をしたって良い。そうやってある程度のフレキシビリティをメンバーに与えることで、仕事に対する自己責任感を持たせて、生産性を上げています。

金曜日の1時に退社して、旅行へ行ってくれたって良い。メンバーがハッピーならそれで良いんです。この前メンバーの1人に、旅行へ行く時にSlackを切ってと伝えたんです。しかし、彼女は「私がオンでいたいからいるの」と言うことを聞きませんでした。それが彼女にとってベストなんだと思い、私は彼女に感謝しました。

これを私はギブアンドギブだと思っています。ウィンアンドウィンではないですよ。「私が全てを捧げれば、メンバーも全てを捧げてくれる」という意味です。

繰り返しになるけど、組織に対してもメンバーに対しても強要はしたくないんです。ゆくゆくはメンバー一人ひとりが自律できるようになってほしい。私の仕事は、メンバーをモチベートさせること。もし、メンバー誰かがタスクを成し遂げられなかったとしたら、それは私の力不足だと思います。モチベーションを上げきれなかった、もしくは、アサインミスかもしれない。

メンバーには興味関心がある分野にとことん力を注いでほしい。そして、学びたいスキルが身につけられる環境にいてほしい。

ー最後にこれからの方針について教えていただけますか?

Boris 次、私が東京に来るのは来年の1月頃になります。それまでにもっと、東京とベルリン間の情報交換を活発化させたい。こうして東京に来てメンバーと話したり、東京のメンバーがベルリンに来た時に話したりすることも良いけど、離れていても密な情報交換ができるとさらに良いと思ってます。こうしてお互いの良いものを交換しながら、Goodpatchを世界的に前進させたい。ベルリンで導入したツールを東京でも導入したり、カルチャーやイベントのアイデアを交換したりね。まだまだ一緒にできることはあると思います!

取材後記

今回初めてBorisにインタビューをして、彼が組織の代表として持つリーダーシップと責任感に、Goodpatchのメンバーとして頼もしさを感じました。ベルリンチームはメンバーも増えつつあり、事業としても急成長段階にあります。その中でも、メンバーが自由に、責任感を持ちながら働けているのは、Borisがメンバーのモチベーションを上げるための創意工夫をしているからなのだと思います。

これを機に、東京とベルリンでさらなるシナジーを生んでいきます!

2017年9月より、Goodpatch Blog for Berlinを始めました!ぜひ英語版の本記事もご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

keika

'94年生まれ。中国と日本のハーフで、1歳から18歳までを中国・上海で過ごす。2016年にロンドンで写真・デザインを学ぶ。グッドパッチが注力しているFintechと、国外のデザイン組織情報を中心に発信。
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