多くの企業では、新規事業の立ち上げや既存事業の企画検討で、新たなサービスや価値をユーザーに提供するためにアイディアを求められる場面があります。皆さんは、どのような形でアイディエーションを実施されていますか?「似たような案ばかり出てしまう」「ユーザー視点を取り入れた発想を身に付けたい」などと、考えられたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回Goodpatchでは新たな試みとして、どんな職種や立場の方でも参加できて、柔軟な発想を生み出せるアイディエーションワークショップを実施しました。ユーザーを中心としたアイディアの発散、収束の方法をハンズオンで体験していただける内容で、デザインに馴染みのない方でもすぐ業務に活かせるフレームワークが登場します。本記事では、実際に提供するアイディエーションワークショップの内容をご紹介します!

アイディエーションを含むGoodpatchのデザインプロセス全体を学べるワークショップについては、こちらをご覧ください。

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アイディエーションワークショップとは?

アイディエーションワークショップとは、自由な発想を促し幅広いアイディアをたくさん出す方法を学び、新しい視点に気づくことができる講座です。

上記リンクのワークショップでは、サービスやプロダクトを利用するユーザーを把握し、 ユーザーが体験する一連の行動を可視化することで、アイディアを出すべきポイントを絞ります。次にアイディエーションを行い、複数出たアイディアから凝縮したアイディアに絞り込みます。 その上でユーザーがそのアイディアに触れる体験の設計と、ユーザーへの提供価値についてのコンセプトをまとめるワークを実施します。

当ワークショップでは、アイディエーションの発散と収束に焦点を絞ったワークを行います。アイディエーションカードを使って、自由にアイディアを発散させ、ユーザー視点に立ちアイディアを収束させる、これら両方を体験していただきます。目的に合わせ個別のカスタマイズもできますので、詳しくは下記よりご相談ください。


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こんな企業・職種の方におすすめです

アイディエーションは特定の職種の人だけができれば良いというものではありません。選択肢や可能性を最大限広げてから行う意思決定は、発散のプロセスを経ずに行うものより精度が高い場合が多いです。新規事業、事業開発、営業企画、商品企画ではもちろんですが、職位や役職、事業内容や事業のフェーズを問わずアイディエーションは全員が身につけておくと良いスキルでしょう。

今回はオイシックス・ラ・大地様にご協力いただき、実際に行ったワークショップの事例を公開させていただきます!

オイシックス・ラ・大地株式会社(https://www.oisixradaichi.co.jp/
毎月20万人以上のお客様に定期利用されている食品宅配サービス企業。
ウェブサイトやカタログによる一般消費者への有機野菜、特別栽培農産物、無添加加工食品等、安全性に配慮した食品・食材の販売をおこなっています。2017年10月には大地を守る会と経営統合、2018年度にはらでぃっしゅぼーやとの経営統合をおこない、より多くの方が豊かな食生活を実現できるよう、食卓と畑をつなぎ、お客様視点で商品・サービスを企画、課題解決をおこなっていきます。

ワークショップ詳細

アイスブレイク

ワークショップでは4〜5人で1つのチームを作ります。Goodpatchがデザインパートナーを務めるプロジェクトでは、コミュニケーション量が多いプロジェクトは成功しやすいという傾向があります。そのため、ワークショップに参加する皆さんもまずはチームづくりから取り組みます。これから始まるワークショップでチーム全員が力を発揮できるよう、アイスブレイクから実施します。

Goodpatchでは、アイスブレイクに使えるアプリケーションを開発しましたので、もしよければこちらもご覧ください!

アイディエーション概論

当ワークショップは、アイディエーションカードを使った強制発想法で行います。

2種類のアイディエーションカードを使い分けることで、アイディアの発散と収束を行います。自由な発想のアイディアを多く生み出し、さらにそれをユーザーインサイトと結びつけ、ひとつのサービスアイディアとして完成させることが可能です。

発散カードワークショップ

座学で紹介した数種類のアイディエーションカードを使用して、早速アイディアを発散させていきます。

今回は「新しい宅食サービスをつくる」というお題に対して、チームでサービスアイディアを発想してもらうことがゴールです。

アイディエーションカードに書いてある言葉をヒントに、テーマに則って新しいサービスを連想し、付箋に書き出し、次々と模造紙上のガイドに沿って貼り付けていきます。

例えば、「恐怖におののく」というカードが選ばれた場合は、「恐怖におののく宅食サービス」について、そこから連想される言葉やどのようなサービスなのかを全員で考えて、発表していきます。

各チームごとに1人のGoodpatchメンバーが付き添いながら、時にはヒントカードを提示し、アイディアの出やすい環境をつくりながら議論の活性化を促します。

思いついたアイディアの評価を気にせず、口に出して発表することがアイディエーションにおいては重要です。出てきたアイディアを褒め合い、そのアイディアに模倣や便乗をすることで、これまでとは違ったアイディアが飛び出します。

連想された言葉が1つのサービス内容に固まってきたら、ファシリテーションカードを使って、アイディアをより具体的にしていきます。

ファシリテーションカードには、

  • 「いつ利用されるのか」
  • 「どこで利用するのか」
  • 「利用者に言ってほしい言葉は」

などの具体性が求められる言葉が書かれており、サービスをユーザーがどのように受け止めるのかイメージする際に役に立ちます。仮のサービス名まで確定させると1ターンが終了となります。

チーム人数分のアイディア発散からサービス名確定までを複数回(最低ひとり1回)繰り返し、アイディア発散をし続けます。

ペルソナ確認

お題である「新しい宅食サービス」を届けるターゲットペルソナについての理解を深めます。

ペルソナの基本情報が書かれたシートを読み込み、ペルソナに対して1チームずつインタビューを行います。各チームの代表者1人が質問を複数個ぶつけ、ペルソナ自身も気づいていない課題を見つけ出します。

収束カードワークショップ

ペルソナへのインタビューを元に発散フェーズで出したサービスアイディアの中から以下の3つのポイントを観点に吟味し、1つ選択します。

1つのアイディアを選択したら、再び模造紙とアイディエーションカードを使用します。次は収束カードを使ったワークです。ペルソナの課題を深掘りしたり、サービスとして提供するものを考えたり、収束カードに沿って順番に考えることで、出したアイディアをサービスとして形にしていきます。

ストーリーボード作成

サービスアイディアが収束し具体的な形が見えてきたところで、ストーリーボードを描いていきます。ストーリーボードとは、サービスの具体的な利用シーンを連続したストーリーで描くというものです。体験の可視化を行うことで、自分たちにとって都合が良いだけでなくペルソナ中心のサービスになっているかどうかを確認することができます。

サービスをイメージしてもらうためのヒントになることが重要なので、絵に苦手意識がある人でもどんどん描いていくことがポイントです。下記のストーリーボードほど上手な絵でなくても、ざっくりと描いていくことが大事です。

コンセプト作成

ストーリーボードで体験を可視化したら、チーム全員でサービスの認識を揃えるためにコンセプトシートを用いてターゲットやそのニーズ等を言語化していきます。

最後にはサービス名とロゴも考案し、各チームプレゼン準備を進めていきます。下記ロゴのような完成度でなくても、チームで認識を揃えて描いていくことが重要です。

プレゼンテーション

発散フェーズで大量に出したアイディアを元に、収束フェーズを経て新しいサービスアイディアが誕生しました。ターゲットペルソナのニーズを踏まえた新しいサービスアイディアについて、各チームに発表していただきました。

プレゼンを行った後は、他チームにサービス内容に対する「ここが良かった!」「こうするともっと良くなるのでは?」などの「Good & More」を発表してもらいます。また、ペルソナであるGoodpatchメンバーからのフィードバックも受け取り、ユーザーニーズに応えているかどうかの確認を行うことができます。

ワークショップを実施した企業さまの声

「同じサービスを続けていると、アイデアが偏ったり、既知のアイデアになりがちですが、今回のWSのように一度大きく広げてみると今までとは違う頭の使い方ができそうと思いました。またチームのメンバーと前半楽しくアイデアを出せたので良いコミュニケーションで収束もできたのが良いと思いました」

「短時間で案を出しまくる。脳みそ筋トレのようで疲れたのですが、今まで使っていない筋肉が鍛えられたような気がしました! 何でもいいから出しまくる。会社ではなかなかやれそうで出来ていないことだったので、とてもいい機会でした。 今後この筋肉を鍛えていくと、良いアイディアが出やすそうです。」

「時間調整とゴールへ導く力が流石だなと感じました。 最後の方は息切れ状態でしたが、頭をフルに使って柵の無いアイディア出しができとても楽しかったです。 最初のアイディア出しと、ペルソナが出てきてからの繋がりが薄く「あれ?」と思ってしまったので、アイディア一つに対して、複数もペルソナでパターンを考えてみるなんてことをしてみたら、また違った結果になりそうだなとも思いました。」

「全員が発言したりアイデアを出せるのがよかった。 デザイナー、エンジニア、企画と一緒にやりながら、1つのサービスを作っていけるイメージを持てた。」

アンケートに答えてくださったコメントをそのまま掲載しています。

Goodpatchの開発現場で培われたアイディエーションプロセスを詰め込んだ、ワークショップの内容を全部公開させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?アイディエーションワークショップの他にも、UI/UXデザインについて解説する座学中心のセミナーなども実施しております。

ご要望に合わせてカスタマイズは可能です。下記よりぜひお気軽にご相談ください!お問い合わせ後、ワークショップ実施の金額やその他事例などもお伝えさせていただきます。


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