街が華やぐバレンタインシーズンですね。
大切な人に想いを届ける季節にちなんで、今月はユーザーに愛されるための工夫が凝らされた、魅力的な他社プロダクトの事例が数多く集まりました。
それでは今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!
サービス・プロダクト
北欧発フードロス削減アプリ「Too Good To Go」日本初・アジア初上陸 新宿・渋谷などで開始
【日本初・アジア初上陸】21カ国目、累計5億食以上のフードロス削減に貢献 世界No.1*北欧発フードロス削減アプリ「Too Good To Go」提供開始 | Too Good To Go Japan株式会社のプレスリリース
世界21カ国で5億食以上の廃棄を救ってきた北欧発のフードロス削減アプリ「Too Good To Go」が、ついにアジア初・日本初上陸を果たしました。
最大の特徴は、その日余った食品を詰め合わせた福袋のような「サプライズバッグ」。何が入っているかはお楽しみというワクワク感と、通常価格の半額以下というお得さが、ユーザーの「レスキュー(購入)」意欲を楽しく刺激します。
利用方法はとてもシンプルです。アプリで近隣店舗を検索・予約し、指定の時間に店頭で画面を提示するだけ。アプリ上では自身の環境貢献度も可視化されます。新宿・渋谷・目黒エリアを中心に、クリスピー・クリーム・ドーナツやNewDaysなど、すでに80店舗以上が参加しています。
なかでも注目は、ファミリーマートとの実証実験です。店頭でおなじみの「涙目シール」商品をアプリ上で単品予約・事前決済できる仕組みを導入します。仕事帰りに目当ての商品をスマートに受け取る体験は、まさに「三方よし」のスマートなデザインといえるでしょう。
「環境のために我慢する」のではなく、「お得で楽しいから参加する」。そんなポジティブな行動変容をデザインするこのサービスは、日本の「もったいない」文化をデジタルでアップデートし、フードロス削減を日常の“当たり前”へと変えていく大きな可能性を秘めています。
原価公開によって価値と体験を武器にするアウトドアブランド「道草飯店」開店
ユニークなものしか作らない。販売原価も公開。キャンプ市場に新風を起こす新ブランド『道草飯店』開店! | 合同会社道草飯店のプレスリリース
2026年3月、アウトドア界の新ブランド「道草飯店(みちくさはんてん)」がキャンプギア市場へ参入します。「キャンプなんて人生の道草。でも道草があるから人生は楽しい」をコンセプトに、“遊びの余白”と“寄り道の豊かさ”を体現する製品が提供されるもようです。
道草飯店の最大の特徴は、伝統的なアウトドアブランドにはほとんどなかった商品の「販売原価の公開」です。各アイテムの原価を透明化することで、消費者が価格の妥当性を自ら判断できる仕組みを提示します。ポリシーとして「ユニークなものしか作らない」「できるだけ長く使えるモノを作る」も掲げており、スペックや機能以上に、製品価値の理解をデザインする試みと言えます。
道草飯店を立ち上げたのは、有名アウトドアブランド「DOD」で長年商品企画を手掛けた寺田英志氏。寺田氏はカマボコテントやタケノコテントなど個性的なギアの企画で知られ、その裏側には“記憶に残るプロダクト体験”を構築してきました。新ブランドでも「ユニークなものしか作らない」「長く使えるモノを作る」というポリシーを掲げ、単なるモノ売りを超えた体験価値の設計を目指しているようです。
その第一歩として、2月の第一弾商品の名称が公開されるとともにSNS上では“「販売原価」と「形状」を予想する参加型キャンペーン”が行われました。XやInstagramではブランド公式アカウントが原価構造を分解したコンテンツを発信し、フォロワーが意見を投稿する動きが活発です。製品発表前からユーザー参加を促し、価格理解を深めるプロセス自体を体験としてデザインされていますね。
道草飯店の姿勢は、アウトドアギアにおける透明性と参加性を前面に押し出すものであり、従来のプロダクトローンチとは一線を画しています。原価を公開し、ユーザーと価値を語り合う試みは、製品そのものだけでなくブランド体験全体のデザインとしてアウトドア領域に新風を吹き込む可能性を秘めています。
タイパや効率を捨てたナビアプリが、日常に驚きをくれる理由
目的地は、着くまで秘密。散歩がちょっと楽しくなるiPhoneアプリ「Wherewalk」をリリース
山形市の個人事業主TurtleSoftは、iPhone・Apple Watch向けアプリ「Wherewalk(ウェアウォーク)」を2026年1月27日にリリースしました。本作は、近隣の目的地をランダムに選出し、行き先を伏せたまま「方角と距離」のみでナビゲートする新感覚の散歩アプリです。
開発の背景には、散歩がマンネリ化したり、行き先を考えるのが億劫になったりして習慣が途切れてしまうという課題がありました。「考えなくても始められる散歩」をコンセプトに、目的地選びの手間を排除。あえて到着まで場所を明かさないことで、日常の風景の中にワクワク感や新しい発見を生む体験をデザインしています。地図を眺め続ける必要がないため、周囲の景色を楽しみながら、通勤前や休憩時間のわずかな時間でも気軽にリフレッシュが可能です。
タイパや効率が重視される現代において、Wherewalkはあえて「行き先を教えない」という不便さを楽しさに変えるアプローチをとっています。最短ルートや確実性を追求する従来のナビアプリとは対照的に、予測不能な要素を意図的に取り入れることで、歩くプロセスそのものへの没入感と、ゴールした瞬間の驚きという情緒的価値を創出しています。これは、利便性だけが体験の質を左右するのではないことを示す、ユニークな設計思想といえるでしょう。
本アプリは500円の買い切り型で、目的地のジャンルをカスタマイズして自分好みの散歩を楽しむこともできます。個人開発ならではの、ユーザーに寄り添った「無理なく心地よく続く」体験を重視しており、今後も継続的な機能改善が予定されています。
データから東京を読み解く。「データでわかる東京」がつくる新しい公共体験

東京都の政策や都市の現状を可視化するWebサイト「データでわかる東京」が2026年1月30日に公開されました。東京都とGovTech東京が連携して政策の進捗や社会課題に関する指標を分野横断的に集約し、ひとつの場所でまとめて閲覧できる構成になっています。

実際に触れてみて感じるのは、「数字を見る」というよりも「東京の動きを眺める」体験に近いこと。環境や防災、福祉、経済などテーマごとに整理された画面は、情報を探すというより、気になる分野をたどりながら自然と読み進められるつくりになっています。
グラフを中心としたビジュアル設計も印象的です。数値を細かく追わなくても、推移や傾向がひと目で伝わるため、「今どうなっているのか」を直感的につかめます。グラフや資料の多くはMicrosoft Power BIで構築されており、画像として固定化するのではなく、データ更新に応じて反映される設計が想定されています。継続的に運用される公共データとしてのリアリティも感じられます。
また、データと政策が並列で提示されていることで、「この数字は何を目指しているのか」という背景まで自然と理解できる構造になっています。単なる公開情報ではなく、都市の現在地を一緒に考えるためのインターフェースのような存在です。
都市を感覚だけで捉えるのではなく、データというレンズを通して眺めてみる。普段見慣れた東京が、少し違って見えてくるかもしれません。
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」 サービスのUI/UXをリニューアル

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」、 サービスのUI/UXをリニューアル 2026年1月26日から順次アップデート ~未来の予定の”きっかけ”が届く新機能「みつける」も登場~
2026年1月、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」がUI/UXの大規模リニューアルを発表しました。今回のアップデートは、単なるデザイン変更ではなく、プロダクトの思想そのものをアップデートするもののように感じられます。
従来のTimeTreeは、「共有カレンダー」を中心に、家族やチームと予定を調整・管理する体験が主軸でした。今回のリニューアルでは、複数のカレンダーを横断して俯瞰できる「ホームカレンダー」が導入され、自分の時間を起点に予定全体を見渡せる構造へと進化しています。仕事・家族・プライベートと分かれていた時間が、一つの流れとして再構成される設計です。
さらに象徴的なのが、新機能「みつける」の追加です。ここでは季節のイベントやトレンドの予定、公開カレンダーの更新情報などが表示され、ユーザーは“これからの時間のきっかけ”と出会うことができます。予定は自分で入力するもの、という前提から一歩踏み出し、「未来の選択肢が提案される」体験が組み込まれました。
今回のリニューアルで印象的なのは、予定の「管理」だけでなく、「発見」の体験が組み込まれた点です。複数カレンダーを横断して俯瞰できる構造や、「みつける」機能による提案表示は、ユーザーの行動選択を後押しする設計と言えます。
カレンダーを共有ツールか“時間との接点を広げる場へと拡張するアップデート。その方向性に、TimeTreeのプロダクト戦略の変化が表れているように感じました。
イベント
職種を超えてカジュアルに語り合う。多様な視点と出会いが交差する「Spectrum Tokyo Festival 2026」
2026年2月14日(土),15日(日)の2日間、デザインカンファレンス「Spectrum Tokyo Festival 2026」が開催されました。デザイナーをはじめ、サービス・プロダクト開発に携わる多種多様な人々が、硬い肩書きを脱いでフラットに集まれる場所。それが「Spectrum Tokyo Festival 2026」です。
最大の特徴は、通常のカンファレンスとは一味違った、オープンでカジュアルな空気感にあります。会場のいたるところで、ビールやコーヒーを片手に初対面の相手とも自然にデザインや仕事のリアルな話が盛り上がる。そんな偶然の出会いや熱量の高い対話だからこそ、教科書には載っていない「生きた学びや発見」が得られるのがこのイベントの醍醐味です。
ステージ上での刺激的なトークはもちろん、会場全体に漂う「つくること」を純粋に楽しむムードが、参加者一人ひとりのモチベーションを心地よく刺激してくれます。
「フェスティバル」と呼ぶにふさわしい、デザインという共通言語から広がるコミュニティの熱量からは、今後も目が離せません。次回開催の際は、ぜひ皆さんも会場であの自由な空気感を肌で感じてみてください!
UI UX Camp! 2026「いま、見つめなおすデザイン」

UIUX Camp! 2026「いま、見つめなおすデザイン」
AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化により、デザイナーの役割や「デザイン」の定義そのものが問い直されている昨今。2026年3月5日(木)、6日(金)の2日間にわたり、オンラインイベント「UI UX Camp! 2026」が開催されます。
今回のメインテーマは「いま、見つめなおすデザイン」。
変化の激しい時代だからこそ、小手先のテクニックではなく「人を理解し、より良い体験を生み出す」という普遍的な本質に立ち返り、デザインをアップデートしていく姿勢が示されています。
登壇者には、THE GUILDの深津貴之氏やbtraxのブランドン・ヒル氏、デジタル庁の浅沼尚氏など、デザイン・ビジネスの最前線を走る豪華な顔ぶれが揃いました。セッションの内容も、生成AIが現場にもたらした変革から万博のデザインシステム、行政におけるデザインまで幅広い展開です。まさに今、デザイナーが抱える課題と可能性を凝縮したようなプログラムとなっています。
「UI UX Camp!」は単なる知識のインプットに留まらず、自身のデザインへの意識や関わり方をどう変化させるべきか。今の現場でのAI活用事例を知れることはもちろん、未来のデザイナーの価値を問い直し、どう行動に移していくかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
世界的大ヒットの没入型イベント「ピクサーの世界展」が日本初上陸!
世界7カ国で350万人以上を動員した「ピクサーの世界展(Mundo Pixar)」が、2026年3月、東京・豊洲にやってきます。3,500㎡を超える圧倒的なスケールで、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』など、世代を超えて長く愛されるピクサーの作品から24体以上のキャラクターが登場し、その世界が再現されるとのことです。
ピクサー作品に共通するのは、徹底して観る人の心に寄り添い、深い共感を生み出す「ストーリーテリング」の力ではないでしょうか。実はグッドパッチも、ピクサーの企業文化から大きな影響を受けており、私たちが日々のデザインプロセスで大切にしている「本質的なユーザー体験の追求」と強く共鳴するものがあります。
デジタルとフィジカルが高度に融合した本展の空間デザインには、「感情を動かす体験設計」のヒントが随所に散りばめられているはずです。想像するだけで胸が高鳴ります!
2026年の春、デザイナーやクリエイターにとって、新しい発想や表現のヒントに出会える特別な機会として、ぜひ足を運んでみてください。
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