新しいものが大好きなGoodpatchで8月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2025)

お盆休みも明けて、少しずつ日常にも身体が慣れてきた頃でしょうか。
猛暑も少しずつ和らぎはじめ、夏の終わりを感じられる日も増えてきました。
今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

AI

はてな、Webサイト制作のための「はてなCMS」で新機能「Figma to はてなCMS」をリリース

はてな、Webサイト制作のための「はてなCMS」で新機能「Figma to はてなCMS」をリリース

株式会社はてなが、新機能「Figma to はてなCMS」をリリースしました。この機能は、デザインツールFigmaで作成したデータを直接「はてなCMS」に取り込み、Webサイトとして公開できるというものです。

これまでのWebサイト制作では、Figmaで作成したデザインをエンジニアがコーディングで再現するという分業が一般的でした。
しかし近年、AI技術の発展や、機能ごとに最適なサービスを連携させるMCP(Micro-CMS Platform)という考え方の登場により、そのワークフローは大きく変わろうとしています。今回の新機能はまさにその流れを汲んだもので、デザインから実装までの工程を劇的に効率化する可能性を秘めています。デザイナーがFigma上で作成したレイアウトやコンポーネントがそのままWebサイトに反映されるため、デザインの忠実な再現はもちろん、開発工数の大幅な削減に繋がります。

私たちデザイナーの視点から見ても、意図したデザインがダイレクトに反映される点は非常に魅力的です。また実装における観点や時間が削減されることで、より良い表現を模索するためのスクラップ&ビルドの時間を十分に確保できるようにもなります。

「Figma to はてなCMS」のような、デザインとコンテンツ管理という専門領域のツールがより密に連携するアプローチは、今後のスタンダードになっていくでしょう。各領域の最適なツールがAPIを通じてシームレスに連携し、クリエイターはそれぞれの専門性を最大限に発揮しながら、より本質的な価値創造に集中できるワークフローの実現が期待されます。

サービス・プロダクト

観光体験を変えるツーリズム市場向け音声配信サービス「MORPHONE(モアホン)」2025年8月1日よりサービス開始

観光体験を変えるツーリズム市場向け音声配信サービス「MORPHONE(モアホン)」2025年8月1日よりサービス開始

2025年8月1日、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社が、観光体験をアップデートする新サービス「MORPHONE(モアホン)」をリリースしました。

スマホとマイクがあれば、リアルタイムで複数人に音声を一斉配信できるクラウド型音声サービスで、専用端末やアプリは不要。視聴者もQRコードを読み取るだけで、すぐに音声ガイドを受け取れます。誰でもすぐに使える手軽さが大きな魅力です。
この「利用開始までの障壁の低さ」は、サービスデザインにおいて非常に重要なポイントですが、「MORPHONE」では。ユーザーの手間を極力排除し、スムーズな体験が設計されています。

さらに注目すべきは、観光事業者側の体験も丁寧にデザインされている点です。従来必要だった配送・在庫管理・充電といった煩雑な作業を一掃し、端末管理や人件費を大幅に削減。ガイド人材不足といった業界課題の解消にもつながります。

クラウド型の特性により、距離や人数の制限なく配信できるのも大きな利点です。現地でもリモートでもガイドが可能で、大規模ツアーや多言語対応など幅広いシーンでの活用が期待されています。

また、利用者自身のスマートフォンを活用することで、端末紛失のリスクも最小限に。「MORPHONE」は、ユーザー体験と運営者体験を両立する、観光DXの新たなスタンダードとなりそうです。

わずか40gのAIグラス「Halo」登場。もはや299ドルで買える脳の外部ストレージ

わずか40gのAIグラス「Halo」登場。もはや299ドルで買える脳の外部ストレージ(アスキー) – Yahoo!ニュース
(画像引用:Brilliant Labs)

ARデバイス開発スタートアップのBrilliant Labsが7月31日、新型AIグラス「Halo」を発表しました。価格は299ドル(約4万7000円)で、2025年第4四半期より出荷開始予定となります。

注目すべきは、わずか40g強という驚異的な軽さでありながら、フルカラーディスプレイ、カメラ、デュアルスピーカーなど豊富な機能を搭載している点です。最大14時間のバッテリー寿命を実現し、一日中着用できる設計となっています。

中核となるのは、低遅延でマルチモーダルな会話型AI「Noa」です。20以上の言語に対応し、ユーザーが見たり聞いたりした内容から継続的に学習する「記憶」機能を備えています。そのため、文脈に応じた的確なサポートを提供してくれます。先行予約者は「Noa Plus」のより高度なパーソナライズと長期記憶機能の無料ベータ版へのアクセスも可能となります。

また、視力矯正が必要なユーザーのためにディスプレー光学系は調整可能で、度付きのレンズもパートナーサイトで購入が可能となっているため、より多くの人が着用できるようハードウェアとなっている。

Haloは単なるガジェットを超えて、日常生活や仕事の質を根本的に向上させる新しい体験を提供し、よりAIが身近なものとして感じられる商品になることが期待されています。

デジタルコンテンツが売り買いできるサービス「ココナラマーケット」、サービス開始1ヶ月で25,000件を超えるコンテンツ出品数

『ココナラコンテンツマーケット』サービス開始から約1カ月で累計出品数25,000件を突破 | 株式会社ココナラ — coconala Inc.

株式会社ココナラは6月30日より、新しいマーケットプレイス「ココナラコンテンツマーケット」を開始しました。100種類以上のカテゴリから記事・画像・イラストなどのオリジナルデジタルコンテンツを出品・購入できるサービスです。

ココナラといえば、知識やスキル、経験を誰もがネットショッピング感覚で売り買いできるプラットフォームとして知られてきました。その一方で、「1対1の取引だけでなく、自分の制作物をより多くの人に届けたい」という出品者の声が高まっており、今回のサービス誕生につながったといいます。

リリースからわずか1ヶ月で、出品数は25,000件を突破。割引キャンペーンによる後押しもあるとはいえ、デジタルコンテンツを売りたいというニーズの高さを示す数字です。

生成AI時代を迎え、画像や文章、音声といったコンテンツは誰でも一定の水準で生み出せるようになりました。しかし、大量に生成されるコンテンツとの差異を生むのは、「人が持つ文脈」や「個性のにじみ出方」です。地域の方言で吹き込まれたナレーションや、趣味として描き続けてきた動物イラスト、“手”で描いたからこそ生まれるタッチなど——そこに宿る作り手の背景が、購入者の心を動かすのではないでしょうか。

プロではない作り手の感性や生活に根ざした視点が、そのまま価値に変わる。そうしたコンテンツが生まれ続けること、そしてそのニーズが広がり続けることを、デザイナーとして期待したいところです。生成AIが制作を支えるいまだからこそ、「人が人に届けるコンテンツ」の意義が際立ち、デザイナーにとっても新しいインスピレーションの源泉となるはずです。

「地獄」を語り継ぐデザイン ― 長崎新聞の挑戦的な平和企画

長崎新聞|平和企画

被爆80年を迎えた今年、被爆者の方々の平均年齢は86歳を超え、「声」を直接聞く機会が失われつつあります。こうした現状に対し、長崎新聞社は、単なる報道機関としてだけでなく、デザイナーやクリエイターのような視点から、その記憶とメッセージを未来へつなぐ様々な試みを続けています。

例えば、「3秒」というごく短い時間で街が壊滅した事実を新聞紙面全体で表現したり、平和公園の石畳を原寸大で再現して家で祈る体験を促したりと、見る人、体験する人の想像力を掻き立てるデザインが光ります。また、「武力か、対話か。」といった問いかけを投げかけることで、単なる情報提供にとどまらず、受け手自身が考えるきっかけを与えています。戦禍をわかりやすく視覚化し、対話を生む設計は、まさにコミュニケーションデザインの好例と言えるでしょう。

また、被爆者の証言が貴重な財産となる中、彼らの言葉をPDF形式で公開するだけでなく、テクノロジーを用いてアーカイブし、誰もがアクセスできる形にすることに挑戦しています。

テクノロジーを活用し、失われゆく「声」を次の世代へと伝える取り組みは、未来のメディアのあり方を示唆していると言えるのではないでしょうか。

ビジネス

Figma創業者レターから読み解く、デザインの未来

Figma logo

Figma’s IPO: Design is everyone’s business
(画像引用:Figma Newsroom

デザインプラットフォームを手掛けるFigma社が、7月31日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式上場しました。初日の終値は115.50ドルと公開価格(33ドル)の3.5倍の取引で終え、アメリカだけでなくグローバルでも大きな話題を呼んでいます。

この記念すべきタイミングで、同社の共同創業者兼CEOであるディラン・フィールド(Dylan Field)が、「デザインがこれまで以上に重要である理由」と「Figma社の今後の展望」について綴った、創業者レターを公開しました。レターでは、今回の株式上場における真の目的や、Figmaの使命や目標、そして現代におけるデザインとデザイナーの重要性に関して、述べられています。

また、近年急速な発展を続けているAIについては、デザインの進化において欠かせない要素かつ、デザインは「勝敗を分ける決定的要素」だと再認識させるものであるとし、Figma社がAI領域に対して積極的に投資を行う姿勢であることが示されています。

そして、レターの最後には、「結局のところ、ツールが世界を変えるのではありません。世界を変えるのは、あなた自身です。」、「Figmaが、あなたひとりでも誰かとでもアイデアを育むための平和な庭(Peaceful Garden)となり、Figmaを通じて少しでもこの世界が良くなる手助けができたらと思っています」という、力強くも温かいメッセージで結ばれています。

イベント

「デザイン物産 2025」47都道府県の工夫のデザイン(渋谷ヒカリエ・d47 MUSEUM)

デザイン物産2025

デザイン物産2025 | D&DEPARTMENT

2025年7月4日から、渋谷ヒカリエ8階・d47 MUSEUMにて「デザイン物産 2025 47都道府県の工夫のデザイン」が開催されています。主催は、ロングライフデザインをテーマに活動を続けるD&DEPARTMENT PROJECT。全国47都道府県から、それぞれの地域に根ざした「工夫のデザイン」を集めた展覧会です。
この展示は、2014年の開催から約10年ぶりの再企画。「物産展」という親しみある形式をベースにしながらも、プロダクトだけにとどまらず、地域の風景・街並み・行事などといった日常に根づいたデザインが多彩に展示されています。 

本展の中で印象的なのは「湧き上がるように生まれたデザイン」というワード。「湧き上がる」をもう少し言い換えると「やらざるを得なかった」状況から生まれた、地域に根づいた切実なデザインでもあると感じました。経済・気候・社会構造といった変化のなかで、各地の人々が責任感や危機感を持って取り組んできた日常の選択が、デザインとして形になっている。その背景にある物語に触れられることが、この展覧会の大きな価値なのではないでしょうか?

展示と合わせて公式音声ガイダンスもPodcastで配信されています。出展者とD&DEPARTMENTの対談形式で、47都道府県すべてにエピソードが用意されており、展示の背景や活動の想いを音声でも味わえる豪華な内容になっています。展覧会と音声ガイダンス、両方を体験することでより深く今回の展示を理解することができます。

メンバー募集のお知らせ

今月の「まとめ」はいかがでしたでしょうか?8月も新しい出来事やリリースが盛りだくさんでした。こちらの記事はグッドパッチのデザイントレーニングチーム「hatch」のメンバーで共同執筆しています。「hatch」では一緒に働くメンバーを募集しておりますので、ご興味がある方はぜひエントリーください!

👉UXデザイナーの募集要項はこちら
👉UIデザイナーの募集要項はこちら