今回は、グッドパッチで新規事業の開発を担当するマネージャー 中村 謙一のインタビューをお届けします。現在、Prottに次ぐグッドパッチの自社プロダクトを開発中の中村は、今までにも様々な領域でサービス開発に携わってきました。そんな中村に、今までやってきたことと、グッドパッチで働く理由、新規事業の展望、そして、意外なところであったProttとの出会いについても聞いてみました!

惹かれるがままに、IT業界に飛び込んだ

僕の社会人としてのキャリアは、2006年にIT企業に就職したのが始まりなのですが、当時IT業界ってまだ「怪しい」という認識がされていて、IT企業がプロ野球球団を持つのはけしからん!などと世間を賑わせてたり、ITなんて虚業だと言われていた時期だったと思います。当時よく利用されていたサービスといえばヤフオク、楽天市場、SNSではmixiが順調に拡大していて、ブログではアメブロが始まったりしていました。Web2.0がすごくバズっていた時代ですね。
重いコンテンツがあるものはPCサービスとして提供されていて、モバイルはガラケーで、まだまだサービスもコンテンツも貧弱でした。そんな中、僕がキャリアをスタートさせたところが、DeNAでした。働くことになったきっかけは、DeNAの創業者の南場氏が書いたたった数行のweb上のコラムだったのですが、その小さな出会いから人生が大きく変わっていったと思います。

学生時代からインターネットに興味はあって遊んではいたものの、自分がIT業界で仕事をするとは思ってもいませんでした。でも、同世代の友人ほとんどが選んでいた金融や、商社・不動産系の有名企業や士業に、興味が持てなかったんです。そもそも僕が新しいもの好きな性格なので、より自由に動けそうな環境を求めていたのだと思います。

縁があってDeNAにジョインしてからは、モバオクというモバイルオークションのサービスの企画や、マーケティングの仕事をしていました。モバイルサービスがまだまだ貧弱だった中、モバオクは相当攻めていて、ユーザ数も順調に伸び、100万人以上に利用されるサービスに成長していきました。この時はパケット定額制もまだ導入されていなくて、パケット額が天文学的な額になってしまう「パケ死」なんて言葉もありましたよね。今と比較すると通信速度は遅く、Wi-Fiなどの環境もなかったり、1ページあたりの容量制限が100KBだったりしたので、どうやってサイトを軽くするか?など、たくさんのチャレンジがありました。

プレイヤーとマネジメントを経験し、キャリアを探る

モバオクで1年ほど企画・マーケをやらせてもらった後、新しくグループ会社になった現DeNAトラベルに出向し、オンラインの新規顧客獲得をメインとしたwebマーケに携わることになりました。DeNAはジョブローテーションのサイクルが早かったので、どんどん新しい事に挑戦できました。入社後の3年だけでも、オークション・保険・旅行と異なる業種でサービスの企画・集客をできたことは僕の性に合っていたと思います。特に旅行業は、もともと僕自身も海外旅行が大好きで、学生時代には世界中を飛び回って旅行していたので、その時の知識や感覚も活かせたと思います。
2009年に新規事業でソーシャルゲームの事業部の立ち上げに参画するため出向解除となり、そこから数ヶ月間でエンジニアと2人でゲームを開発・リリースすることになりました。当時は、エンジニアとプロデューサーが2名1組となったチームが6〜7チームあって、それぞれがゲームを開発していました。寝る間も惜しむように開発して、誰がより面白いものを作れるのか切磋琢磨していたことを覚えています。大変なこともありましたが、チームを超えた一体感が生まれていて、アドレナリンも出まくっていたので、今では「楽しかった!」という記憶にすり替わっています(笑)。

爆発的にヒットするタイトルが出始めると、事業部はどんどん大きくなり、会社でも最大の稼ぎ頭になりました。それに合わせて、僕の業務も、ゲームを開発する側からマネジメントに変わっていきます。ゲーム開発ではKPIを細かく設定して、そのKPIを見ながら日毎やイベント時の時間毎で状況を確認して、チューニングをするので、それを複数のチームできちんと回るようにお手伝いしたりしていました。マネジメントも楽しかったのですが、もっと自分でプレイヤーとしてバリューを出したいと思った2012年にDeNAを退職し、友人と起業することにしました。

起業は結果からすると、失敗に終わってしまいました。反省点は山ほどあるのですが、その中でもっとも大きいものは「価値を生むものに時間を割く」ことができていなかったことだと思っています。会社になった以上、やらなければならない事務作業がたくさんあり、不慣れな業務を抱えて上記のような状態に陥いっていました。当時はMac用の会計ソフトで使いやすいものも無かったので、時間をすごく取られてしまっていましたが、クラウド会計ソフトのfreeeがリリースされた時は、ストレスから一気に解放されたことを覚えています(笑)。

起業を経て、もう一度スタートアップへ

起業を経て、2015年に「もう一度組織で働く」という決意をしてジョインしたのが、オンラインのプログラミングスクールを運営するスタートアップでした。この時も大きな企業ではなく、自分の価値を最大限発揮することで、会社の成長に貢献できるスタートアップを選びました。最初はプロダクトオーナーとしてサービスのリニューアルや機能改修、新しいユーザーを取り入れるためのメニュー追加や価格設計など、プロダクトに関するあらゆることに取り組んでいました。僕はもともとユーザーとの距離が近いサービスが好きなので、直接フィードバックをもらったり、実際にサービスを利用しているユーザーと会うことで、ユーザーの声をサービス改善に活かしていくことができる環境をとても重要視していました。
会社では次第に法人向けの研修プログラムの引き合いが増え、プログラミング以外の企画の設計や、デジタルマーケティング分野のワークショップのファシリテーションや研修講師を務める機会も増えていきました。

そんな中、これからの優秀なビジネスパーソンとして、テクノロジーとデザインとビジネス、この3つのスキルセット・マインドセットを兼ね備えている人材を育てて輩出しよう、と新しい教育事業を立ち上げることになりました。そのプログラムの中では、「作っては壊す」「ユーザーの声を聞く」というプロトタイピングの考えを体験してもらうために、グッドパッチのProttを使わせてもらっていたんです。このプログラムには本当に様々な役職の方が参加してくださったのですが、時には60歳オーバーの役員レベルの方が、積極的にProttをチームに導入して、画面を考えたり設計をリードするなんてこともありました。この頃から、Prottはシンプルなインターフェースで直感的に操作できる、素晴らしいプロダクトだと感じていました。

グッドパッチで、挑戦できる土壌を作りたい

2年半スタートアップでやりきったタイミングで転職をするのですが、もうグッドパッチ一択でした(笑)。前職の教育事業で伝えていた、テクノロジー・デザイン・ビジネスの軸を持った人材が今後重宝されるようになる、という考えも違和感なくマッチしたのかなと思います。グッドパッチメンバーが出演しているPodpatchも聴いていて、楽しそうな印象を持っていました。
また、過去に10年弱ドイツで暮らしていた経験から、グローバルな環境もいいなと思いました。ベルリンやミュンヘンのオフィスを構える日本のスタートアップなんて、なかなかないですよね。

現在グッドパッチでは、新規事業を担当して開発を進めています。スケーラビリティや収益性はもちろん、グッドパッチらしさの追求も同時にクリアしなければならず、壁にぶつかることがたくさんありますが、近道はないので一つずつ突破していくしかないと思っています。
僕一人の力で出来ることは限られていますが、グッドパッチには専門性の高いスキルセットやマインドセットを持つメンバーがたくさん集まっているので、全員のパワーを借りて、「デザインの力を証明する」というミッションを強烈に体現するようなサービスにしていきたいです。もっともっと新規事業に挑戦できるような土壌を作り上げて、どんどんグッドパッチ発のプロダクトを世に送り出したいと思っています。デザイナーやエンジニアなど、デザインの価値を信じる仲間を探しているので、ぜひ気軽に遊びに来てほしいです!

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