満を持しての登場となるのは、PRの杉本花織。2017年にインターンとして入社し、現在はPR/PXグループを支えるメンバーとして、社内外のステークホルダーをつなぐ重要な役割を担っています。2021年には全社MVPを受賞。「メンバー全員のいいところ・好きなところを言えます」という言葉通り、Goodpatchに誰よりも共感している存在です。

広報未経験から、今では経営者と並走し、その思いを代弁するまでとなった杉本。この5年間、どのような日々を過ごしてきたのか、そしてどのような思いでGoodpatchを見つめてきたのか。素直な言葉の数々からはGoodpatchへの、そしてメンバー一人ひとりへの愛情が垣間見れるはずです。

作り手としての熱量が足りず諦めた美大での生活

小さいころからものづくりの領域に興味が強く、小学校からずっと美術大学の附属校に通っていました。そのまま大学も美術大学に進学しましたが、大学2年生ごろ「この進路で本当に良いのだろうか」と思い、3年生の春に中退することを決めました。

何か強い意思があって辞めたというよりも、逃げたい気持ちのほうが強かったですね。デザインやアートに触れることは好きでも、作り手としての覚悟や熱量が足りなかったんです。
とはいえ、美術大学に通ったことを後悔はしていません。個性的な友人も多く、自己肯定感を大事にしてくれる教育方針の学校だったので、それぞれの個性を尊重しあえる環境はありがたかったですね。

友人たちが新卒で就職するタイミングまでは自由に生きて、その後にきちんと進路を考えようと思い、まずは書店員のバイトをはじめて。当時から文章を書くことやインターネットの世界が好きだったので、バイトをしながら文章にまつわる仕事を探しました。

そこで見つけたのが、株式会社ペロリ(当時)の新規事業の仕事です。ペロリでの日々は、毎日が文化祭みたいでした。何をするにも自分たちで全部やる文化がすごく楽しくて。学生のころもいろんな特技を持つ人が一挙に集まって何かを成し遂げる文化祭が大好きでした。

いろんな人の強みが集まることで、自分ひとりでは絶対に到達できないところに行くことができることが実感できるのが嬉しかったんです。まったく違う強みを持つ人が集まることでいいものができる喜びは、今の仕事のモチベーションとも繋がりますね。

あるとき、たまたまGoodpatchの「社長直下でオウンドメディアを立ち上げるインターン募集」を発見して。実は当時ペロリにGoodpatchを卒業したデザイナーがふたりいたんです。「デザインについてわからないことがあったら彼らに聞けばいいよ」と言われるくらい、社内でも一目置かれている存在でした。

「デザイナーの会社」というイメージが強かったこともあり、真剣な転職先としては考えていませんでした。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、本当にふら〜っと面接に行ったんですよ。それで最終面接で代表の土屋に「(Goodpatchに)入って何を学びたいの?」と聞かれたので「ライターの仕事だけでなく、マーケティングも勉強したい」と言ったら、地雷だったらしくて(笑)。「うちはマーケティングの会社じゃない!」と言われたのを今でも覚えています。

メンバーの純粋な思いに触れることで培われた“Goodpatchイズム”

入社してまず取り組んだことは、コンテンツマーケの記事の執筆でした。当時の目標は、Prottのユーザー数を増やすことだったため、デザイナーではない人に向けて「【初心者向け】ビジネスに必要な「デザイン思考」とは何か?プロセスをイラストで紹介!」という記事を書いてみたんです。チームの中ではコンセンサスが取れてGOサインが出ていたのですが、リリース後にSlackで「なぜこういう記事を書いたのか」とデザイナーからフィードバックをもらって。

いちインターンである私に真剣にフィードバックしてくれて、「今後は協力するから一緒にもっといいものを作っていこうよ」と言ってもらえたことにいい意味で驚きました。「デザインに対して純粋な思いがある人が多いんだ」と感じた最初の出来事ですね。そうやって、会社やデザインのことを思って純粋に行動している人たちと仕事をすることによって、GoodpatchのDNAを少しずつ受け継いできたのだと思います。

インターンを始めて3ヶ月ぐらい経ったころから、PRアシスタントとして仕事をするようになりました。そのころは、週1本のペースでブログを書いていて、本当に辛かったですね。当時はとにかく「何か書かなきゃ」と、書くこと自体が目的になっていたんです。

上司に認められる、怒られないために仕事していたところが強くて、情報を届けたい人のことを考えられていなかったなと思います。常に他人軸での評価を気にしていて、「これは本当に読者のためになるのか」という判断を自分自身でできていませんでした。そんなやり方なので、もちろん思うような結果も出せなくて、悔しい思いをしましたね。

チームだったから成長できた、PRとしての転機

自分でアウトプットのクオリティや基準を決めて責任を持つことができるようになったきっかけが、新メンバーの入社でした。2019年の8月末に新メンバーが加わり、私とはこさん(高野葉子)、そして新メンバーの3人体制でPR/PXグループという新しい組織ができました。

GoodpatchのPR/PXグループは、多様なステークホルダーと関係性を構築する“Public Relations”に加え、“People Experience”という社内外のあらゆるステークホルダーの「人」の体験向上を担うグループです。求められる視点の多さはもちろん、非常に深い事業理解も求められます。

そんな難易度の高いグループ立ち上げ期に、はこさんが3X休暇(3年勤続すると付与される休暇)で半月程お休みしたんです。私と新メンバーで留守を守ることになり、PR/PXグループのメンバーとして、社外に出すアウトプットの最終ジャッジを求められる機会が必然的に増えました。当然、入社したてのメンバーは決められないので、私がやらなきゃと腹をくくって。

そこからはとにかく毎日「これはGoodpatchとしていいのか」と考え続けましたね。自分の頭で考えられるようになると、いかに今まですべてを決めてもらっていたのかも痛感して。そうしているうちに、それまでもらってきたFBが点ではなく線で繋がっていき、「これはこういう理由でGoodpatchとしていい/悪い」と伝えられるようになりました。

また、新しいメンバーに自分の経験やGoodpatchが大事にしていることを伝えることで、たくさん学び直しましたね。自分で物事のジャッジができるようになると、少しずつ自信が持てるようになって。すると自信に比例してメンバーから信頼してもらえる場面も増えていきましたはこさん不在の日々がPRとしての力を伸ばしてくれたと思っています。

PR/PXは会社の内外を繋ぐ役割。視野を広げ、視点を多く持つ

特に2021年は、はこさんが産休育休中だったこともあり、打席に立つ機会を本当に多くいただいたと感じています。Goodpatchの10周年を盛り上げる有志のプロジェクトと10周年記念社員総会の企画にはじまり、ピアボーナスを送り合える「Unipos」の導入、リモート入社のメンバー向けに始めた「Jointpatch」や、毎月恒例の「Pizzapatch」といった社内交流イベントの企画など、カルチャーを醸成するために欠かせない仕事を任せてもらいました。

もちろん大変なことはたくさんありますが、「会社のことをもっと好きになれた」「あの人と話せてこんな風に盛り上がって、こんな展開につながった」などと声をもらうと、「やってよかった!」と苦労が一気にふっ飛びます。

一緒に働く仲間が増えたり、デザイン会社として国内初のIPOを経たりしたことで、Goodpatchを取り巻くステークホルダーはより多様になっています。そんなGoodpatchでPR/PXの業務を全うするためには、経営と現場、社会と自社などさまざまな視点を行き来することが何より重要

言葉にするのは簡単ですが、代表の土屋と話すたびにインプット量と視野の広さに圧倒され、自分の未熟さを痛感します。最近は、経営会議にもオブザーバーとして参加しています。会社がどういう未来を描いているのかを直に知ることで、PR/PXとして注力するバランスを探る毎日です。とにかく必死で会社の成長に食らいついています。

経営者と並走し、事業を強くすることがPRにはできる

Goodpatchが創業10周年を迎えるタイミングで、50名を越える方にインタビューして思ったのは、「Goodpatchらしさ」というのは「その人自身がどのように会社のことを大切に思っているか」ということ。誰かひとり理想的なロールモデルを作るよりも、多種多様な色味によって形作られる「らしさ」を大切にしたいと感じました。

一人ひとりあり方が違っていいし、そこから滲み出るものを「Goodpatchらしさ」として感じてもらいたいんです。昨年、全社総会でMVPを受賞した際に「メンバー全員のいいところ・好きなところを言えます」とスピーチしたのは本当で、それぞれにそれぞれの良さがあるので、これからも一人ひとりの良さを丁寧にすくい取って、届けていきたいと思っています。

Goodpatchは10周年を迎えましたが、ようやく「デザインの力を証明する」スタート地点に立ったくらいの感覚です。ここからさらにビジョンを実現していくためには、自分たちとはまったく異なる働き方やビジネスをしている人たちと交わっていかないといけません。

なので、Goodpatchの掲げるビジョンへ共感はしつつも、どんどん領域を拡張していける人に仲間になってほしいと思っています。デザイン業界だけではなく、より広い社会にインパクトを与えるためにはどうすればよいかを考えることに面白さを見出せる人にはぴったりの環境だと自信を持って言えます。

今まではとにかく会社の内側のことを理解し共感して、それを外に届けていくことが仕事でしたが、GoodpatchのPRとして期待されていることは、経営者と並走し、同じ視座で判断や提案ができること。そのためには、事業や採用課題、他社との比較、時流などを客観的に分析し、自社の強みや課題を見極める力をもっともっと磨かなければと思っています。

本来的にPRは、経営にインパクトを与えることができる職種。そういうメッセージをもっと発信することで、PRの価値をアップデートしていきたいし、PRとして働く人をエンパワーメントできたらいいなと思っています。


Goodpatchでは、経営や事業をドライブするためのPeople Experienceを軸に据え、社外も含めた各ステークホルダーとの関係構築、アライアンスなどを担ってくださる新たなメンバーを追加増員することになりました。

人に向き合うPRにご興味のある方は、ぜひご連絡ください!

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