日に日に夏の気配が感じられる季節になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今月もGoodpatch Blogでは、Goodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介します!

アプリケーション

新しい銀行のカタチ「みんなの銀行」

https://www.minna-no-ginko.com/

株式会社みんなの銀行は、国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」の提供を2021年5月下旬に開始します。みんなの銀行は、24時間365日いつでも口座開設をすることができ、ATMの入出金・振り込みなど、来店しないとできなかった銀行サービスがスマートフォンで完結できます。また、アプリがキャッシュカードの代わりになるのも大きな特徴です。

みんなの銀行の「みんな」には、新しい銀行のカタチをみんなでつくっていきたいという思いが込められており、「みんなの声が新しいカタチを生む」という思想を全面的に押し出したPR施策を実施しているところが特徴的です。お金のことをみんなで考えるイベントの開催や、お金に関するお題についてSNSにアンケートをとる企画などを通して、ユーザーの声を直接的に鮮度高く汲み取ることで世界観の実現を目指しています。

使い続けてもらうサービスを作るためには、ユーザーと継続的にコミュニケーションをとることが重要です。自分が声をあげても意味があるのかと消極的だったユーザーも、サービスや開発者とのタッチポイントが見えやすくなったことでより気軽にコミュニケーションが取れるようになるのではないでしょうか。ユーザーから声をあげる心理的ハードルも下がることでしょう。

Twitterがタイムライン上での縦長画像のサムネイルに対応

https://twitter.com/TwitterJP/status/1390141559694368770

Twitter Japanは2021年5月6日、アップロードされた縦長画像がタイムライン上でサムネイル表示できるようになったことを、公式アカウントで発表しました。これまでは縦長の画像をアップロードすると画像の一部が切り抜かれて表示されていました。今回のアップデートを経て、縦横比16:9、4:3の縦長画像であれば切り抜かれずに完全な画像がタイムライン上に表示されるようになりました。

Twitterで縦長画像がタイムライン上に表示されるようになったことで、クリエイターの権利がより強固に保護されるようになると考えられます。これまで、画像の一部が切り取られて表示されることで著作権者名が隠され、リツイートした人が意図せず著作権を侵害してしまう事例がありました。今後はそのようなケースが減少すると予想できます。また、画像の作成者が意図しないところで切り抜かれ改変されて使われてしまうようなことも減っていくことでしょう。

さらに、タイムライン上での表示のされ方を利用したユーザーによるTweet表現の幅の広がりが期待できます。やむを得ず切り取られていた部分が表示できるようになったことで、縦長画像の特徴を活かした新たな表現方法が生まれることでしょう。一方で、サムネイルでは見えていなかった部分が画像全体で表示することで現れる「ドッキリ」的な表現などは減っていくかもしれません。今後Twitterでの表現方法がどのような広がりを見せるか、展開が楽しみです。

サービス

家計簿プリカサービス「B/43(ビーヨンサン)」が話題

https://b43.jp/

家計簿アプリとVisaプリペイドカードが一つになった家計簿プリカサービス、「B/43(ビーヨンサン)」が話題になりました。きっかけは同サービスの運営会社SmartBank CEO 堀井 翔太さんのnoteです。お金の向き合い方に対して日本人が抱える課題の納得感、課題に向き合うB/43の挑戦が、SNSを中心に多くの人の共感を生みました。

経済産業省が2025年までに「キャッシュレス決済比率40%」という目標を掲げる中、2020年1月時点の日本のキャッシュレス決済比率は19.9%にとどまっています。キャッシュレス化が徐々に進む一方、予算を管理することの難しさや管理ツールに使いづらさを感じている人も多いのではないでしょうか。

B/43は、毎月の予算をプリペイドカードにチャージし日々の支払いを行い支出を見える化するだけでなく、残高をあらかじめ目的別に振り分けて利用できる「ポケット」というこれまでのデビットカードにはない機能を導入しています。月の残高を用途ごとにひと目で把握して使いすぎを防ぎ、自分の大切なことにお金を使いたい。そんなユーザーニーズがサービス設計に組み込まれています。また、利用登録の手軽さや心地よいインタラクションデザインは、金銭管理ツール利用開始時に感じる心理的ハードルを下げ、ユーザーの現金決済からキャッシュレス決済への移行を後押しすると考えられるでしょう。

B/43というサービス名には、「Balance(残高) / 43(予算)」 や「Budget(予算) / 43 (資産)」 を意識して生活できるように、という願いが込められているそうです。現在の機能は、予算に対する残高の管理に特化していますが、今後は資産運用の領域に展開していくと考えられます。日本人の資産管理のあり方をB/43が一変させる未来も近いかもしれません。

「バーチャル不動産」企業としてさらなる発展を目指してoVice株式会社が資金調達

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000058507.html

2021年5月11日、オンラインでのコミュニケーション不足を解消できるバーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供するoVice株式会社は、バーチャル空間を提供する「バーチャル不動産」企業としてさらなる発展を目指しプレシリーズAラウンドで総額1.5億円の資金調達を行いました。

oViceはそれぞれのアイコンを近づけることで簡単に話しかけられる、2次元のバーチャル空間です。アイコンの距離の近さで音量が変わるなど、現実の空間で話しているような感覚を味わうことができます。2020年8月にサービスリリースをしてから、これまでに約3800件で利用され、オンラインイベントやバーチャルキャンパス、バーチャルオフィスなど様々な場面で活用されています。

世の中にはリモートワークのツールが充実している一方で、偶発的なコミュニケーションが難しいという課題を抱えている組織は多いのではないでしょうか。だからこそアイコンを近づけて聞こえてきた会話に参加できるなど、自然な会話を生み出す工夫のある2次元のバーチャル空間は、コロナ禍、そしてその先にある未来のニューノーマルな働き方にとって必須のツールとして広く活用されるのではないかと期待を寄せています。

プロダクト

任天堂がSwitchでゲームプログラミングを学べるソフトを発表

https://www.nintendo.co.jp/switch/awuxa/index.html

任天堂が新作ソフト「ナビつき!つくってわかるはじめてゲームプログラミング」を2021年6月11日に発売することを発表しました。このソフトはノード型の命令などを組み合わせることで、実際にSwitch上で動作するゲームをつくることができ、つくったゲームで遊ぶことによってプログラミングを学べるというものです。

日本でも2020年に小学校でプログラミングが必修化されたことなどもあり、プログラミング教育という分野への注目度は高まっています。これまでも国内外問わずこの分野に様々なアプローチで取り組むプロダクトやサービスなどありましたが、その中でもこのソフトの強みはSwitch上で完結するというところです。これによってパソコンなどに慣れていない子供も気軽に入門することができます。さらに自分で作った作品を遊び慣れたゲーム機で遊べるという体験はもっとプログラミングしてみたいという動機付けとしてデザインされています。

また本作で使われている「ノードン」というキャラクターで表現された「命令を線で繋げる」という形のプログラミングは、実際にプロが利用しているゲームエンジンでも使える技術でもあり、ここで学んだことを実世界にも生かしていくことに繋がっているという点も魅力的です。入口から出口までしっかりデザインされたこのソフトで、今よりもっとプログラミングやものづくりに興味を持つ人材が増えていくと期待できるのではないでしょうか。

Luupが電動キックボードのシェアリングサービスを提供開始

https://luup.sc/news/2021-04-23-escooter-start/

2021年4月23日より、次世代電動シェアサイクル「LUUP」に電動キックボードが導入されました。国内で初めてヘルメットの着用が任意となる、電動キックボードのシェアリングサービスです。導入が開始されたエリアはLUUPが既に展開している渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区の全域で、電動キックボードの利用には運転免許証の登録と走行ルールの確認テストの満点合格が必要です。

実際に5kmほどの移動に利用してみたのですが、スムーズに利用開始でき、一度進み始めると坂道も楽々で安定感のある乗り心地でした。返却時も写真を撮るだけで完了。サドルがなく足が地面と近いため簡単に乗り降りできる点が、電動自転車との違いです。スーツやスカートという服装の方も日常的に利用できるのではないでしょうか。

海外の都市部で普及している電動キックボードのシェアリングサービスが、交通法規に関する政府の特例措置が得られたことにより、ついに国内でも本格始動です。省スペースな電動キックボードは、土地の狭い日本の都市部だからこそ活躍が期待でき、今後一気に普及が進むかもしれません。また、昨今は住む場所を見直す人が増えており、移動体験のアップデートによってさらに暮らしの選択肢が広がりそうです。

紛失防止デジタルアクセサリー「AirTag」の発売が発表

https://www.apple.com/jp/airtag/

アップルは2021年4月20日(米国時間)に開催された春の新製品発表会「Spring Loaded」で、紛失防止デジタルアクセサリー「AirTag」の発売を発表しました。AirTagには超広帯域無線(UWB)という技術が搭載されており、自転車やお財布、鍵などあらゆるものにAirTagを取り付けるだけで、iPhoneの「探す」アプリからその位置を簡単に特定できます。

UWBは、従来のWi-FiやGPSに依存した位置特定の機能よりも高精度の追跡を可能にします。「探す」のネットワークはAirTagを含めたほぼ全ての現行アップル製品によって構築されているため、離れた場所にあったとしてもそのネットワークを活用して正確な位置を特定することが可能です。アップル製品のシェアが拡大するほど、さらに紛失物を見つけやすくなるという仕組みになっているのです。このようにして実現される追跡ネットワークは、二次元での数センチ単位の精度を高めるだけでなく、三次元での追跡、例えば「AirTagをつけた鍵が上着の胸ポケットにある」といった見つけ方をも可能にします。

さらにAirTagはその表面に絵文字を含む最大4文字のレーザー刻印も可能となっています。紛失物を見つける際に役を立てるのはもちろん、オリジナルの単語を刻んで、自分だけのデジタルアクセサリーとして使える遊び心も醍醐味の一つでしょう。探し物を正確に発見できる機能とアクセサリーとしてのオリジナリティを両立したAirTagは、今後アップルユーザーの標準装備となっていくことでしょう。

その他

特許庁が「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」を公開

https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei/chusho.html

2021年4月19日、特許庁は「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」を公開しました。同庁はこれまでも『「デザイン経営」宣言』や『デザイン経営 ハンドブック』を公開するなど、デザイン経営の普及を進めています。

中小企業をメインターゲットにした同ハンドブックでは、企業が自社の課題に合わせて取り組める9つの「入り口」と、中小企業のデザイン経営事例が豊富に掲載されています。「みんなのデザイン経営」という副題の通り、「デザイン経営には興味があるけど、何から始めたらいいかわからない」という企業のデザイン経営への着手を後押しする、実践的な内容となっているのではないでしょうか。

ハンドブック内にもあるように、デザインは単なる方法論ではありません。不確定要素が多い現代にこそ、人に寄り添い、共感をもとに価値創造する、デザインのマインドセットを取り入れた経営が求められます。中小企業やスタートアップは大企業のように巨額の投資をすることはできませんが、経営者の意思や理念が浸透しやすいという利点があります。「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」は、そのような中小企業の経営に必要な心構えとデザイン経営に取り組むきっかけを与えてくれるでしょう。

デジタル庁が「2021年デジタルの日」ロゴ作成者の推薦受付を開始

https://www.digital.go.jp/posts/ii1Q2jLe

国・地方行政のIT化やDXの推進を目的とし、IT分野を担当するデジタル庁が、「2021年デジタルの日」のイベントで活用されるロゴの作成者の推薦受付を開始しました。「デジタルの日」とは「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を実現するため、政府と民間が共同で定期的にデジタルについて振り返り、体験し、見直し、共有し合う日として2021年10月10日(日)・11日(月)に開催されます。推薦する作成者は、有名人・アーティスト・漫画家など、実在の人物なら誰でも簡単に推薦できます。

この推薦受付は2021年9月に発足するデジタル庁の発信として注目されると共に、ロゴ自体ではなく作成者を推薦するという新しい公募の仕方が話題になりました。東京五輪のエンブレムの応募資格などではデザインコンペで2つ以上受賞しているデザイナーのみという制限が見られましたが、このような公募の形態を取ることによって、有名人や漫画家など、デザイナー以外が作成者に選ばれる可能性もあり、よりユニークなロゴが生まれるのでは、と期待が高まります。6月に作成者、7月にロゴがそれぞれ発表されるとのことでどんなロゴとなるのか楽しみですね。

Googleが新たなデザインシステム”Material You”を発表

https://material.io/blog/announcing-material-you

Googleは2021年5月18日、同社が開発者向けに開催する会議”Google I/O”にて、次期モバイルOS”Android12”などに搭載する新たなデザインシステム”Material You”を発表しました。2014年に発表され、様々なプラットフォーム上で指針とされてきたデザイン言語”Material Design”が大幅にアップデートされるという発表は大きな反響を呼びました。

”Material You”は”Material Design”のシンプルで統一的な思想を踏襲しながら、あらゆるアプリケーションに共通するカラーパレットを、ユーザー自身がカスタマイズできるようになるのが大きな特徴です。”Material You”はその名の通り、ユーザーをデザインの「受け手」から「作り手」に変化させます。さらに、コントラストや線の太さなどのカスタマイズ範囲も広がり、アクセシビリティも向上しています。

ユーザーがカスタマイズしたデザインがサービスを横断して適用されることで、ユーザーはより統一的でパーソナライズされた体験を実現できます。その一方、アプリケーションの製作者はサービスの独自色を出すことが難しくなるという側面もあります。”Material You”の登場によって、ユーザー体験がユーザー、デザイナー双方にとってどのように変化していくのかに注目が集まります。

 


以上、5月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!

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