皆さま、明けましておめでとうございます。
2023年もGoodpatchはデザインにまつわるトレンドを常に追いかけていきますので、楽しんで読んでいただけると嬉しいです。

今月もGoodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介します。

サービス

Twitterの有料サービス「Twitter Blue」が日本でも提供開始

https://help.twitter.com/ja/using-twitter/twitter-blue

これまで広告収入が主なマネタイズ手段だったTwitterが個人向けの有料サブスクリプションサービス「Twitter Blue」を日本でも開始しました。利用料は、Web版のTwitterから加入すると月額980円、iOSアプリから加入すると月額1380円。「Twitter Blue」に加入することで、アカウントに青い“チェックマーク”が付与され、広告の削減、アイコンやアプリ配色のカスタマイズ、ツイートの“取り消し”などさまざまな機能が追加で利用できるようになります。

Goodpatch社内でも長年Twitterを愛用しているメンバーは多いため、リリース後に早速話題になっていました。グローバルな巨大サービスでありながら短期間でさまざまな仕様の検証をハイスピードで回すことを実現する組織デザインなども気になります。

デザイン

「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」のTwitterアカウントが開設

https://experience-japan.info/

2021年に公開された日本デザインセンター発の日本の観光体験を支える無償ピクトグラム「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」のTwitterアカウントが今月開設されました。EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMSは、日本観光を楽しむ全ての人へ向けて作られた無償のピクトグラムです。

日本の体験を1段階深く掘り下げ、独自性と豊かなラインアップが特徴の「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」を、1月1日より定期的にTwitterアカウントにて紹介しています。

ロングライフデザインを重要視する一方で、コンテンツが次々に更新されてしまう今日。「本当に良いもの」を長く愛してもらうためには、デザインとして、プロジェクトとして生きていることを発信し続けることが大切です。EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMSのような、私たちの生活に寄り添い溶け込むデザインが生まれるだけでなく、「共に成長するような」取り組みを応援し続けていきたいですね。

Netflix、iOSアプリのインターフェースをアップデート

https://twitter.com/jmtrivedi/status/1615095149687894016

2023年1月16日、映画やドラマのストリーミングサービスを提供するNetflixは、iOSアプリのアップデートを行いました。スマートフォンの傾斜具合に応じて揺らめくカードや磨りガラス効果が取り入れられたタブバーなど、様々なUIのアップデートが施されていることがわかりますが、特に筆者の目を引いたのは滑らかなジェスチャーやモーションによる直感的な操作感です。

実際に手元で操作してもらえれば、今までの操作感とは一目瞭然だと思いますが、作品一覧から作品詳細へ向かう時、またその逆の場面でも流れるように遷移します。さらに遷移中にその遷移を中断することも可能です。このような滑らかさを感じるインターフェースは AppleがWWDC18で提唱したFluid Interfaceと呼称されています。

※Fluid Interfaceについて更に詳しく知りたい方はWWDC18セッションをご覧ください。
Designing Fluid Interfaces:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2018/803/

このFluid Interfaceにより、「この作品を見てみようかな、やっぱり他の作品にしてみよう」などといった常に移ろい続けるユーザーの思考に対して、より即座に反応できるようになりました。道具であるアプリを過剰に意識することなく、作品というコンテンツにより没入できる体験が生み出されることが期待できますね。

noteがロゴをリニューアル

https://note.jp/n/n909c0f3ab4b6

2022年12月21日、note株式会社のロゴデザインをデザイナーの原研哉氏がリニューアルしました。リニューアルに伴いオリジナルフォントを新たに作成しており、モーショングラフィックスとサウンドロゴなどVIを展開しています。

noteはあらゆるクリエイターのためのプラットフォームとしてめざましい活動や挑戦を続けています。当ブログでも以前、noteのメンバーシップ制を紹介させていただきました。デザインを担当した原研哉氏のコメントにもありますが、無色透明でどんなコンテンツに対しても基盤として機能するロゴタイプになっているように思えます。まさにnoteがこれから目指すクリエイターをはじめとした全ての人の活動拠点のあり方を表現していますね。

日本のクリエイターエコノミーは今後も成長が期待されています。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションを掲げるnoteが、どんなアクションを次に起こすのか注目です。

展示・イベント

STUDIOで作成された32のノミネート作品が公開

https://blog.studio.design/ja/posts/sda2022_nominate

ノーコードWebデザインプラットフォーム「STUDIO」を提供するSTUDIO株式会社がSTUDIOで作成された2022年を代表する32のノミネート作品を公開しました。

ノミネート作品はコーポレート・サービス部門、ブログ・メディア部門、イベント部門、ポートフォリオ部門、店舗・商品部門といったテーマ別に選定されており、投票サイトではクレジットと共に、作り手達のこだわりや意図を覗き見ることができます。

先日、米国に子会社を設立したり、AIを活用したSTUDIOグローバル版を刷新したりと、進化し続けるSTUDIO。ノミネート作品には「これがノーコードで実現できるのか!」と唸りたくなるようなリッチなアニメーションが施されていたりと、STUDIOで描くことができる表現の幅とその技術に驚くことばかりです。

また、Goodpatchのデザインパートナーシップ事業の特設サイトもコーポレート・サービス部門でノミネートいただいています。是非、弊社のサイトも合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

トレンド

カメラアプリのSNOW、AIアバター機能を公開し15日間で20万人以上の登録を獲得

https://twitter.com/SNOW_jp_SNOW/status/1616053348972789760?s=20&t=wWvi7_UxKr03_CdWUbJVAQ

ビューティーカメラアプリのSNOWが「AIアバター」という新機能を12月末に公開し、公開から15日間で20万人以上に利用されました。(ソース:https://realsound.jp/tech/2023/01/post-1244436.html

SNOWのAIアバターはジェネレーティブAI技術を活用した機能です。ユーザーが10〜20枚の自分の顔写真を選ぶと、ポートレートやアート、ポスター、アニメグラフィックなど様々なスタイルで最大200枚の画像を生成してくれます。

エンターテイメント感覚で自分の美化されたイメージを楽しめることから、若者を中心に話題を集め、インスタグラムなどではAIアバターで生成した画像が多く投稿されています。1月23日現在こちらの機能は有料で、50枚の画像を生成できるプランは480円(税込)から利用できます。

Goodpatch社内でも多くのメンバーがAIアバターを作って楽しんでいました。先月のChatGPTの話題なども含め、AI技術が生活にとってぐっと身近になってきたことが感じられるこの頃です。

海外

Appleが次世代チップ「M2 Pro」と「M2 Max」を発表

https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/01/apple-unveils-m2-pro-and-m2-max-next-generation-chips-for-next-level-workflows/

2023年1月17日、米Appleは、MacBook ProとMac mini向けの最新型システムオンチップ「M2 Pro」と「M2 Max」を発表しました。

Appleの発表によると、新しいチップを搭載したMacBook Proは、負荷が高い作業に対応し、エフェクトのレンダリングやカラーグレーディング(画像や映像の色味を調整する作業)のスピードを最大で数倍に高めてくれるそうです。今まで高負荷な作業の処理に時間がかかっていたクリエイターにとって、ノートブックでサクサク作業ができるようになれば、制作環境の大きな変化につながるでしょう。

M2 ProとM2 Maxはどちらも次世代の12コアCPUを搭載しています。さらにM2 Maxは最大96GBの高速ユニファイドメモリを持つため、巨大なファイルを瞬時に開いたり、複数のプロ向けアプリを行き来するといった作業もスムーズにこなせます。

新型モデルは2月3日発売予定。Macのチップの進化がクリエイターたちの作業効率を高め、より創造的なアウトプットに導いてくれるのではないかと期待できます。

プロダクト

「おくすりパクッとねるねる」が良いインサイト発見事例と話題に

https://twitter.com/Kracie_foods/status/1613344657051910144?s=20&t=Uxp5wl50KwEt_IaE7d4WqQ

長年愛されている知育菓子「ねるねるねるね」の新商品が、UXリサーチからインサイトを発見して商品開発に繋げた良い事例だとGoodpatch社内で話題になりました。

ねるねるねるねのユースケースとして「子どもに粉末タイプの薬を飲ませる際にねるねるねるねを使用している」という医師や親の声を発見し、それをきっかけに販売元のクラシエフーズ社は粉末・顆粒タイプの薬を服用するためのねるねるねるねを開発したそうです。類似の事例として有名なものに「ハインツのケチャップ」(=ケチャップを出しやすいように逆さにして冷蔵庫に入れてる人が多いのを発見して、逆さボトルを開発)などもあります。

ユーザー体験の解像度を上げることの重要性を紹介する際にぜひねるねるねるねのユースケースをご活用してみてはいかがでしょうか。

以上、1月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしていきますので、来月もどうぞお楽しみに!

過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!