トレンド

新しいものが大好きなGoodpatchで10月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2026)

金木犀の香りがふと漂い、日ごとに秋の深まりを感じる10月。「芸術の秋」と言われるように、街のあちこちでデザインやアートに触れる機会が増える季節です。そんな時こそ、身近なデザインやサービスをじっくり見つめてみると、いつもの日常に新しい発見があるかもしれません。

それでは今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

AI

Claude Opus 5.5のモーション動画をプロンプトとセットで集めたギャラリー「Prompt Motion」が登場

Prompt Motion

プロンプトとスキルだけで、高品質なモーション映像がつくれる──そんな未来のような体験が現実になりました。2026年9月に登場したClaude Opus 5.5は、言葉による指示から美しい映像表現を生み出せる点がSNSで大きな注目を集めています。

こうした潮流から登場したのが、生成例を集約したWebギャラリー「Prompt Motion」です。同モデルで制作された230点を超える多様な映像が、実際のプロンプトや使用スキルとあわせてアーカイブされています。UIモーションやプロダクトの発表映像、解説用アニメーションといった多彩なカテゴリを検索でき、気に入ったプロンプトは自身の制作へスムーズに活用できます。

映像表現の新たな可能性や、進化するデザインの現場を体験したい方は、ぜひ一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

サービス・プロダクト

「仲間がいるから続けられる」習慣化アプリ「Habee」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

JTの習慣化アプリ「Habee」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

Habeeは、「仲間がいるから続けられる」をコンセプトにしたチーム型の習慣化アプリです。友達やアプリ内で出会った仲間とチームを組み、運動や勉強など、さまざまなジャンルの「続けたい」ことに一緒に取り組めます。一人では続けにくいことも、仲間と励まし合いながら習慣にしていける点が魅力です。JTが手がけるデジタルプラットフォーム「Momentia(モーメンティア)」のサービスのひとつとして2024年9月に公開され、グッドパッチがデザインと開発の面から制作を支えてきました。

Habeeでは、目標を達成するたびに、仲間からリアクションや応援の言葉が届きます。競い合うのではなく、お互いのがんばりを認め合い、祝福し合えるように設計されているのが特徴です。公開以降、累計30万件を超えるダウンロードを集めており、グッドデザイン賞の審査でも、楽しみながら自然と習慣化を後押ししていくデザインが評価されました。

誰かに褒められると、やはり嬉しいものです。Habeeは、そんな小さな達成を仲間と喜び合う温かなやりとりが、日々積み重なっていくことを大切にデザインされたサービスです。

 

かざさずに通れる改札が、グッドデザイン金賞を受賞。「引き算のデザイン」が体験を変える

顔認証ウォークスルー改札機

最近たまたま駅で目にした、タッチ不要のウォークスルー改札機。ICカードをかざす必要がなく、顔認証でそのまま通り抜けられる仕組みで、最初は「ラッシュ時の詰まりが減りそうだな」くらいの印象でした。今回グッドデザイン金賞を受賞したことをきっかけに設計の意図を知り、思っていた以上に広い視点でデザインされている背景に目が留まりました。

この改札機の特徴は、既存の改札機に被せて設置できるウォークスルー型であること。開閉バーをなくし、顔認証で通過できるようにすることで、ラッシュ時の流れをスムーズにするだけでなく、ベビーカーや車いすを利用する人、荷物の多い人など、これまで改札での動作に負担を感じていた人たちの体験も同時に改善されます。利用者だけでなく、改札トラブルへの対応が減ることで駅員の負担軽減にもつながります。コンセプトは”Less is More”ー引き算することで、より多くの人に届く体験をつくるという設計思想です。

試行錯誤を重ねながら、削ることで価値を体現していく。そのアプローチが実を結んだとき、日本の通勤ラッシュ体験にどんな変化が現れるのか楽しみです。

物理空間に「引き算のUI」を。内省と没頭を照らしだす照明「SOLO」

内省と没頭を照らしだす照明「SOLO」が「2026年度グッドデザイン賞」を受賞

情報過多な現代、「一人で過ごす時間」の価値がますます高まっています。そんなインサイトを捉え、2026年度グッドデザイン賞を受賞したのが、YAMAGIWAのポータブル照明「SOLO」です。

このプロダクトの面白さは、デジタルにおける「ノイズレスなUI設計」を立体物で体現している点です。斜めに切り取られたセードと60度の精緻な配光設計により、光が当たる範囲を必要な手元だけに限定。視界に入る不要な情報やまぶしさ(グレア)を物理的に排除し、思考のノイズを徹底的に「引き算」しています。これは、ユーザーを迷いなくタスクに集中させる優れたUIの考え方にも通じます。

単に「周囲を明るくする」のではなく、「パーソナルな没頭空間を創出する」という良質な体験(UX)を目的にしている点も秀逸です。ユーザーの欲求から体験を設計し、無駄のない形状に落とし込む。私たちが日々向き合う人間中心設計が、美しくかたちになった事例と言えそうです。

ビジネス

修正対応を5往復から1往復へ。CanvaとMUFGスタジアムが実践する、リアル空間の「DesignOps」

Canva JapanがMUFGスタジアムのオフィシャルデザインパートナーとして契約締結

デザインプラットフォームを提供するCanva Japanが、MUFGスタジアム(国立競技場)の運営を担う株式会社ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメントと3年間のオフィシャルデザインパートナーシップ契約を締結しました。11月1日には、スタジアム西側に「Canva ゲート D」が誕生する予定です。

今回の連携で注目されるのは、デジタルツールを通じた実空間における業務プロセスの改善です。取り組みの第一歩として、スタジアム内の飲食店舗における店頭POP制作にCanvaが導入されました。共通テンプレートと共同編集機能を活用することで、従来は平均5往復程度かかっていたデザインの修正対応が、多くの場合1往復で完結するようになり、運営側と店舗間のコミュニケーション負担を大幅に軽減しています。

今後はデジタルサイネージへの展開に加え、地域コミュニティとのワークショップや、学生向けツアーでの教育版導入なども予定されています。デジタル上のプラットフォームが画面の枠を越え、日本屈指の公共空間におけるリアルな体験価値の向上と、現場のオペレーション課題の解決を同時に実現していく、実践的なデザイン運用の好事例といえます。

オフィスに求めるのは、完成された空間ではなく「余白」。イトーキ×ispaceが提示する未完成の美学

組織と共に進化するオフィス

リモートワークが定着する中、私たちはオフィスに何を求めているのでしょうか。個人の作業効率だけなら自宅でも事足りる今、人と人が交わり、チームの熱量を育む場所には何が必要なのか。そんな問いのヒントとなるのが、イトーキが手掛けた民間宇宙開発企業「ispace」のオフィスの空間デザインです。

プロジェクトの根底にあるのは「Unfinished Office(組織と共に進化するオフィス)」というコンセプトです。空間を完成形として固定せず、将来の変化を受け入れる「余白」をあえて残しています。象徴的な深紅の中階段がアイデンティティを示す一方で、残された無地の壁には社員自らがポスターを貼るなど、使い手の関与によって空間が更新され続ける仕掛けが特徴的です。

完璧に作り込まれた機能美よりも、使い手が入り込む余地を残すこと。これは私たちが向き合うUI/UX設計にも通じる視点です。「完成させて終わり」ではなく、ユーザーと共に進化していくための余白をどう設計するか。これからの体験設計に不可欠な視点を、ぜひリンク先から感じ取ってみてください。

イベント

日常をみつめ直す20日間。「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2026」開催

あたりまえの日常が、おもしろくなるデザインイベント。

2026年10月16日(金)から11月4日(水)までの20日間、六本木の東京ミッドタウンで「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2026」が開催されています。今年のテーマは「みつめる」です。

国内外で活躍するクリエイターや新進気鋭の作家19組が、このテーマに基づいた作品を芝生広場とガレリア館内に展示しています。たとえば狩野佑真氏の作品では、枝葉を樹脂で固めた独自素材「ForestBank」に、東京ミッドタウンの剪定枝も使われています。会期中には音楽ライブやブックマーケット、トークサロンも行われ、身近な入口からデザインに触れられる構成です。

注目したいのは、「みつめる」こと自体をデザインの原点と捉えている点です。私たちがユーザーの行動を観察したり、インタビューで声に耳を傾けたりするのも、つくる前にまず「よく見る」ためです。会場で数量限定配布されている、ハート型の穴があいた「みつめる」しおりも、来場者が自分の目で風景を切り取るきっかけになる、小さな仕掛けと言えそうです。

展示は入場無料で、ガレリア館内は23時まで(芝生広場は19時まで)鑑賞できます。仕事帰りに、いつもより少しだけ長く「みつめる」時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

メンバー募集のお知らせ

今月の「まとめ」はいかがでしたか?新しい出来事やリリースが盛りだくさんでした。この記事は、グッドパッチの2026年入社の新卒メンバーで共同執筆しています。グッドパッチのものづくりの環境が気になった方は、ぜひ採用ページも合わせてご覧ください!

未来の仲間にお会いできるのを、メンバー一同楽しみにしています。

グッドパッチ 新卒採用サイト

未来をデザインする仲間たちと迎えた、特別な一日──2026年卒内定式レポート

新卒メンバーの等身大ブログ