トレンド

新しいものが大好きなGoodpatchで4月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2026)

入社や入学、異動やクラス替え——4月は人生の節目が重なり、あちこちで「はじめまして」が生まれる季節ですね。

新しい環境に飛び込んだばかりの人も、迎える側として新しい出会いを楽しんでいる人も、今この時期ならではの空気を感じているのではないでしょうか。

まとめブログも今月がちょうど引き継ぎのタイミングで、これまで担当してきたhatchメンバーと、来月から担当する新卒メンバーが一緒に執筆しました。いつもよりボリューム多めでお届けします!

それでは今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

目次

サービス・プロダクト

デジタルに宿る「異彩」の感性。Google Pixel×ヘラルボニーが日常に問いかける新たな視点

ヘラルボニー、Googleと共創。Google Pixel 10a日本限定コラボモデル「Isai Blue」誕生、5月20日発売

株式会社ヘラルボニーは、「Google Pixel」誕生10周年を記念し、日本限定コラボレーションモデル「Isai Blue」を共創したことを発表しました。2026年5月20日(水)より発売を開始します。

本プロジェクトの象徴となるのは、自閉症啓発デーのテーマカラーであり、ヘラルボニーのブランドカラーでもある「ブルー」です。単なるカラーの変更に留まらず、限定のソフトウェア体験として契約作家のアートを生かしたオリジナル壁紙やカスタムテーマを搭載。デジタルプロダクトでありながら、まるでアートを持ち運ぶような感覚を実現しています。

最先端のAIテクノロジーに、障害のある作家たちが放つ「異彩」を掛け合わせることで、ユーザーは日々の操作を通じて自然に多様な価値観や視点に触れることになります。機能としての便利さを超え、一人ひとりの可能性を肯定する思想が、手のひらの上で体現されています。

また発売に先駆け、5月15日(金)から5月21日(木)まで下北沢reloadにて特別展示「Google Pixel|HERALBONY Isai Blue展」が開催されます。作家の表現を全身で感じられるこの空間は、私たちの感性をひらく「遊び場」となるはずです。

この共創をきっかけに、「ちがい」を可能性へと変える「異彩」という価値が、より多くの人の日常へと鮮やかに広がっていくことが期待されます。

課題を「整理する」から「構造で見る」へ。課題の因果を可視化する「Kadai」

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チャーリー(近藤哲朗) on X: 課題可視化のWebアプリ「Kadai」、いよいよ公開します!!!

「バス路線が減る」→「交通空白地域が深刻化する」→「買い物環境が悪化する」→「高齢者の健康が悪化する」——。課題は単独で存在することはほとんどなく、複雑に絡み合うことで「どこから手をつければいいか」が見えなくなります。これは、図解総研の近藤哲朗氏が2026年春に公開した課題可視化Webアプリ「Kadai」が向き合っている問いです。

Kadaiは、こうした課題同士のつながりを「因果マップ」として可視化するツールです。課題をノードとして配置し、影響関係をつないでいくことで、全体構造が一つの地図として見えてきます。マップビューに加え、階層構造・カテゴリーでの整理(テーブルビュー)、ヒアリング内容の蓄積と課題への紐づけ、解決策のカンバン管理、KPIのダッシュボード追跡まで、課題を「発見する」から「管理する」までを一貫して扱える構成になっています。

興味深いのは、このツールの出発点が”プロダクト開発”ではなく“暗黙知の言語化”にあるという点です。図解総研がこれまで多数のプロジェクトで培ってきた「課題を構造的に可視化するノウハウ」をシステムに落とし込んだもので、介護課題デザインマップなどの実績もあります。さらに、生成AIを活用して、コード未経験の社内メンバーがほぼ一人で実装を進めたとされています。

複雑な社会課題に、シンプルな構造で立ち向かう。Kadaiが開く新しい景色に期待が膨らみます。

事前調査の再設計。「Hmhm」が示す、クイックに見える価値

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なぜURLをいれたら課題がわかるAIツール「Hmhm」を作ったのか?

『「聞けばわかる」と「クイックに見える」の間には、想像以上に大きな溝がある』——これは、株式会社プレイドのWicleチームが2026年4月にリリースしたAIツール「Hmhm(ふむふむ)」の開発背景に記された言葉です。

Hmhmは、調べたいサイトのURLを入力するだけで、ペルソナ・課題・グロースモデル・競合情報を自動で可視化するツールです。マーケターやPdMの事前調査を想定して設計されており、サインアップも不要で、プロンプトを考える必要もありません。

このツールの特徴は、AIの出力をそのまま見せるのではなく、情報量のバランスや見せ方まで含めて体験設計している点にあります。サービス名やロゴに遊び心を持たせつつ、アイコンと文字を使って情報を構造化し、待機時間も期待感につながるよう設計されています。

さらに、デザインはFigmaで丁寧に設計し、Figma MCPを経由してClaude Codeで実装しています。AIにすべてを委ねるのではなく、まず人が体験の土台を設計し、その上でAIを実装に活かす流れです。

noteでは、Hmhmのデザインに込めた意図や、開発プロセスの詳細も紹介されています。AIを使った開発が広がる中で、どこをAIに任せ、どこを人が担うのかを考える上で参考になる内容です。

バルミューダから「時間を感じる」ための時計The Clockが登場。光と音で時間を体験するプロダクト

バルミューダから“時間を感じる”ための時計雨音や光を体験する「The Clock」が登場

3月18日(水)にバルミューダから発表された「The Clock」は、ただの時計ではなく私たちの生活を含めた“体験”に焦点を当てたプロダクトです。

最大の特徴である「Light Hour」は、時刻を数字で追うのではなく、光のまたたきとして感じさせてくれます。秒針の動きさえも柔らかな光で表現されており、1時間ごとに訪れる時報では、かつての振り子時計のような光のモーションが空間を彩ります。

また人間が心地よく感じる“音”にもこだわっている点も特徴的です。朝はアラームが鳴る前から静かに立ち上がる環境音で眠りを妨げず自然な覚醒へ、集中したい時はホワイトノイズが周囲の雑音を消し作業への没入を手助けるなど、今までの時計とは少し違った体験へ導いてくれます。

さらに専用アプリ「BALMUDA Connect」を使えば、世界各地の時刻の設定や、光り方のカスタマイズも自由自在とのこと

効率や正確さが求められる現代だからこそ、「数字」ではなく「心地よさ」で時間とつながるインターフェースという提案が、私たちの日常をそっと豊かにしてくれるはずです。

東京の輪郭を、建築からたどる書籍『TOKYO ARTRIP 建築 改訂版』

書籍『TOKYO ARTRIP 建築 改訂版』|事例紹介|CCCアートラボ

『TOKYO ARTRIP 建築 改訂版』は、東京を建築の視点から楽しむためのガイドブックです。2018年に刊行された書籍をもとに内容を見直し、新たなスポットも加えて、CCCアートラボより改訂版として2026年4月11日(土)に発売されました。

名建築家が手がけた名作だけでなく、ファッションブランドのアイコニックな建築や昭和レトロな建物まで幅広く掲載されており、専門知識の有無を問わず、東京という街の多層的な魅力に触れられる構成になっています。

本書の特徴は、建築を単なる鑑賞の対象として扱うのではなく、街を歩くなかで出会う文化や空気感とあわせて紹介している点にあります。日本語と英語のバイリンガル仕様のため、国内の読者はもちろん、海外から東京を訪れる人にとっても開かれた一冊です。写真を大きく見せる紙面構成や印象的な表紙イラストも魅力で、街歩きのガイドとして楽しめるだけでなく、手元に置いておきたくなるアートブックのような佇まいも備えています。

東京をよく知る人にとっては街の新たな見方に出会うきっかけとなり、これから歩いてみたい人にとっては最初の入口にもなる——。建築を通して東京の輪郭を改めて感じられる、そんな軽やかで奥行きのある一冊です。この本を片手に、見慣れた街の景色を少し違う目で楽しんでみてはいかがでしょうか。

『とんがり帽子のアトリエ』魔法陣における記号論と、線が紡ぐ機能美

TVアニメ『とんがり帽子のアトリエ

白浜鴎による人気漫画を原作とし、4月からアニメ放送が始まった『とんがり帽子のアトリエ』では、魔法を「唱える」ものではなく「描く」ものとして表現しています。羊皮紙にインクを落とし、定規とコンパスで円を引き、記号を丁寧に配置していく——。その所作は、Figmaでコンポーネントを組み、Illustratorでベジェ曲線を整える私たちUI/UXデザイナーの仕事と、驚くほど共通点があります。

作中の魔法陣は、円の中に記号を配置して意味を接続する、厳密な論理体系によって動いています。独立したモジュールを組み合わせることで複雑な現象を生み出す構造は、UIにおけるアイコンとインタラクションの関係に通じるものです。登場人物が未知の魔法陣を読み解くシーンには、デザインシステムのコンポーネントを再構成するときの感覚と重なる部分があります。

本作がとりわけ印象的なのは、インクの濃淡や筆圧といったアナログな身体性が、魔法の精度を直接左右するという描写にあります。線が揺らげば魔法は不発に終わる。ピクセル単位でアイコンを詰め、わずか1pxのズレに向き合うクリエイターの執念を、本作は魔法の発動条件として投影しています。

「描き方さえ知れば誰でも魔法が使える」という世界観は、「生成AI時代における技術の民主化」という問いにも通じます。アクセシビリティと悪用防止の倫理をどう両立させるか。それはフィルターやアルゴリズムを設計する現代のデザイナーが日々直面する課題でもあります。

ビジネス

“見える化”のその先へ。意思決定を支えるダッシュボード設計ガイド

ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとチャート・コンポーネントライブラリのキャッチアップイメージ。ガイドブックのサムネイルをタイル状に並べて少し傾けて配置している。

ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとデザインテンプレート

今回ご紹介するのは、デジタル庁が3月31日(火)に公開した「ダッシュボードガイドブック」です。

このガイドブックは、政策やサービスの状況を“見える化”するためのダッシュボード設計について、その考え方から具体的な作り方までを整理したもの。行政向けの資料ではありますが、プロダクトやサービスの可視化を扱うデザイナーにとっても学びの多い内容になっています。

特に印象的なのは、「誰のためのダッシュボードか」を起点に設計するという点です。ありがちな“データを並べただけ”の画面ではなく、意思決定や行動につながる情報設計が求められており、UXデザインの基本と強く重なります。ユーザーの目的に応じて、どの指標を、どの粒度で、どの順番で提示するかを丁寧に考える必要があります。

また、情報の優先順位付けや、視線の流れを意識したレイアウト、色やグラフの使い分けなど、UIデザインの観点でも実践的な示唆が豊富です。単に「見やすい」だけでなく、「誤解されない」「比較しやすい」といった観点が繰り返し強調されている点も特徴的です。

ダッシュボードというとデータ分析寄りの領域に見えますが、本質的には「情報を通じて意思決定を支援する体験設計」です。そのように捉え直すことで、プロダクトの管理画面やレポート機能など、さまざまな領域に応用できるヒントが得られます。

データ活用が前提となるプロダクトが増えている今だからこそ、改めて押さえておきたい内容です。

避難所受付を“体験”から再設計する──神栖市38カ所でのデジタル実証

茨城県神栖市内38カ所で同時実施・避難所入所受付のデジタル化を約1,400名が体験 | 株式会社バカンのプレスリリース

3月15日(日)に茨城県神栖(かみす)市で実施された「令和7年度神栖市総合防災訓練」において、市内38カ所の指定避難所で入所受付のデジタル化実証が行われました。従来の紙による受付に加え、スマートフォンでQRコードを読み取りWebフォームから情報を入力する方式を導入し、避難者情報をリアルタイムで集約する仕組みを検証した取り組みです。

災害時の避難所運営には構造的な課題がいくつかあります。紙ベースの運用は記入・集計・共有に時間がかかり、受付の混雑や待機時間、情報の遅延を引き起こします。近年は自然災害の頻発により、地方では限られた人員で迅速な判断を求められる場面が増えており、こうした非効率の解消が急務と考えられます。

今回の実証では、約1,400名が参加。そのうち約45%がデジタル受付を利用し避難所によっては半数以上がWeb受付を選択するなど、実運用に近い形での受容性が確認されたようです。さらにいずれの都市においても紙ベースと比較して80〜94%もの受付時間が短縮されたとのことです。

デジタル受付の場合は、各避難所の受付データが災害対策本部へリアルタイムで共有されることで、避難者数の推移や混雑状況を即時に把握でき、より精度の高い意思決定につながる可能性が示されたとのことです。

今回の実証で興味深いのは、デジタルとアナログを併存させた設計です。スマートフォンに慣れた人はスムーズに入力できる一方、紙の受付も残すことで誰一人取り残さない体験を担保している観点です。

そのほか、混雑や分散状況が可視化されることで、自治体や災害対策本部だけでなく避難者自身の行動選択にも影響を与えることができます。これは単なるデジタル上のUI設計ではなく、「人の動き」と「意思決定」をデザインするシステムレベルのアプローチといえます。

今後は、この仕組みが訓練や実証にとどまらず、全国の自治体へと展開されるかが注目ですね。平時の施設利用や地域サービスとも連携する“フェーズフリー”なインフラとして定着すれば、防災はより設計可能な社会システムへと進化することが期待できます。避難所という極限環境において、体験をどう設計するか。その問いに対する一つの具体解ともいえそうです。

AnthropicのAI「Claude Mythos」とは

red.anthropic.com

2026年4月7日(現地時間)にAnthropicが発表した最新の生成AIモデル「Claude Mythos Preview」は、主要ベンチマークで他モデルを大幅に上回るスコアを記録しながら、その能力が「危険すぎる」として一般公開が見送られました。最先端モデルの公開中止は、AI開発において稀な事態として話題になっています。

その脅威は、セキュリティ未経験者が一晩で攻撃コードを作れるほど。Mythosは自律的に、OpenBSDやFreeBSDなど主要なOSの長年潜伏していた未発見の脆弱性を特定。 root権限奪取にかかるコストと時間が人間の攻撃者よりもはるかに小さくなることが示されました。

この脅威に対し、同社は防御を固める「Project Glasswing」を開始。GoogleやMicrosoftら約50組織に1億ドル分の利用枠を提供し、攻撃側がこの力を手にする前に、世界中のシステムを強化する時間を稼いでいます。

「性能競争」から「安全保障」のフェーズへと突入したAI開発の最前線から目が離せません。

イベント

とらやの羊羹とネイチャーハーモニー——「複製できないもの」の価値をデザインで考える

【東京ミッドタウン店ギャラリー】企画展「紙と出会う」開催のお知らせ (※English Available) | お知らせ | 株式会社 虎屋

4月、グッドパッチに新卒メンバーが入社し、ビジネスマナー研修のなかで、こんな話が出ました。「謝罪に伺うときは、とらやの羊羹を持参するのがマナー」——言葉だけでは届かない誠意の重さを、羊羹というメタファーを用いて示すという知恵です。古臭いとも感じられるかもしれませんが、希薄になる日本の「当たり前」を知ることも重要だと感じました。そんな文脈もあって、目に留まったのがとらや東京ミッドタウン店ギャラリーの企画展「紙と出会う」です。

「紙」をテーマに据えた本展、今この時代にあえて開催することの意味が気になりました。デジタルデザインの世界では、木目や石材のテクスチャ、紙に着想を得た質感をWebデザインに取り込む「ネイチャーハーモニー」と呼ばれるトレンドが2026年の注目株として浮上しています。

AIの普及によって完璧で無機質なビジュアルがあふれるなか、人間味を感じさせるアナログな表現が再評価される流れが出てきたとも言われています。情報がいくらでも複製・流通できる時代だからこそ、人は「手触り」や「一点性」に価値を見出しはじめているのかもしれません。

謝罪の場にとらやの羊羹を持参するのも、デジタルデザインに紙の質感が求められるようになったのも、根っこにあるのは同じことのような気がします。「複製できないもの」「重さを持てるもの」——そこにしか宿れない意味があるということ。サービスデザイナーとして問い続けたいのは、「デジタルの体験にどうやって重みをもたせるか」です。とらやの展示が、そのヒントをくれるかもしれません。

「こち亀記念館」が「iF DESIGN AWARD 2026」を受賞!

こち亀記念館

2025年3月22日(土)に東京・葛飾区亀有にオープンした「こち亀記念館」(正式名称:亀有地域観光拠点施設)が、世界的に権威のあるデザイン賞「iF DESIGN AWARD 2026」を受賞しました。

「iF DESIGN AWARD」は、ドイツを拠点とする国際的なデザイン賞で、世界三大デザイン賞の一つとも称されます。今回の受賞は、日本の国民的人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の世界観を、独創的な建築デザインと没入感のある体験設計へと昇華させた試みが、国際的に高く評価された結果といえます。

本施設は、主人公の両津勘吉が「大原部長に内緒で、中川コンツェルンの資金を使い勝手に建ててしまった」という遊び心溢れる設定に基づいています。漫画のコマ割りをそのまま立体化したかのような大胆な外観は、一目で作品の世界へ引き込む力を持っています。館内は5階建てで、原画展示やデジタル技術を用いた体験型ゲーム、作者・秋本治氏の貴重なコレクションなど、フロアごとに異なる魅力が凝縮されています。

亀有駅から徒歩3分という立地にあり、地域の観光拠点としての役割も担う本施設。今回の受賞を機に、作品ファンのみならず、デザインや建築の視点からもさらに注目を集める聖地となりそうです。世界が認めた「こち亀」の新しい魅力を、ぜひその目で確かめてみてください。

「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催中

【公式】生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ | 2026年4月15日〜7月6日、国立新美術館

アジア人として初めてパリ・オートクチュール正会員となったファッションデザイナー・森英恵(もりはなえ)の、没後初となる大規模回顧展が、4月15日(水)より国立新美術館で開催され、オートクチュールのドレスや初公開作品を含む約400点が展示されています。

本展のタイトルにもなっている「ヴァイタル・タイプ」とは、森氏が1961年に雑誌『装苑』で提唱した人物像です。生き生きとして生命力に溢れ、一生懸命になれる仕事を持ち、努力を惜しまない——。その言葉は、森英恵氏自身の生き方そのものでした。

本展を通じて見えてくるのは、森氏がデザインの届け方ごと設計した人物だったという点です。オートクチュールという一点ものの世界にとどまらず、ライセンスビジネスを活用することで、衣服を手に取る機会のない層にもブランドイメージを広く届けました。洗濯機をはじめとする生活用品にまでハナヱ・モリのデザインを展開したのは、「体験の届け方そのものをデザインする」という思想の表れといえます。

さらに、雑誌『流行通信』の創刊やテレビ番組「ファッション通信」の立ち上げによって、ファッション文化の情報基盤を自ら作り上げました。ネット普及以前の時代において、映像ならではの臨場感を持つテレビ番組は、ファッションを学ぶ学生にとって教科書のような存在となり、インスピレーションの源になっていました。田中一光氏や横尾忠則氏といった気鋭クリエイターとの協働も、「次なる表現を生み出す場」としての機能を高めていました。

情報設計や体験設計を仕事にするデザイナーにとって、デザインが文化として根づくまでの「届け方」を考えるきっかけになる展示だと思いました。

6畳×40部屋。40通りの生き方に出会う体験型展覧会「TOKYOROOM展」

【公式】TOKYOROOMS展 | 40の部屋、40通りの生き方

2026年4月18日(土)から5月17日(日)まで、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45FのTOKYO NODE GALLERYにて、40通りの部屋が表現する世界観を通じて自身の「好き」に触れる体験型展覧会「TOKYOROOMS展」が開催されています。

本展では、デザイナー、建築家、華道家、インテリアブランドなど、様々な分野で活躍する実力派たちが6畳の空間に世界観を表現します。40部屋、40通りの世界観があり、その人の「自分らしさ」が最大限に詰まっています。6畳という共通の制約の中に表現される個性あふれる展示の数々。展示を見ること自体もおもしろいですが、「この部屋好きだな」「自分の好みとは少し違うかも」など、他者の「好き」を相対的に見ることで、自分の「好き」についても考えることができました。

また、画一的ではないインテリアの配置や選定、テーマ性を持った多様な展示を見て、「部屋はもっと自由でいいのだ」と思えたことが個人的な体験として大きかったです。自分の部屋のデザインを考えること、それは「自分らしさ」を表現することであり、毎日(人生)の一部をデザインすることになるのかもしれません。

40通りの部屋と価値観に触れながら、無意識のうちに自分の「好き」や「大切にしていること」に気づくきっかけをくれる展示です。興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

衣食住の本質を問い直す企画展「スープはいのち」開催中

21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「スープはいのち」 | 開催概要

六本木・21_21 DESIGN SIGHTにて、2026年3月27日(金)から8月9日(日)まで、企画展「スープはいのち」が開催されています。

本展は、デザイナーの遠山夏未氏がディレクションを務め、最小限の食である「スープ」を切り口に、衣服や住まいといった「身体を包む環境」の本質を再考する試みです。会場では、素材の変容や器との呼応を表現したインスタレーションのほか、レシピを収集しながら鑑賞する体験型の仕掛けも用意されています。

「食べる」という日常の所作の中に、どのようなデザインや命の循環が潜んでいるのか。五感を通じて、私たちが生きる環境を新たな視点で見つめ直すきっかけをくれる展示です。デザインと身体感覚のつながりに興味がある方は、ぜひ期間中に足を運んでみてはいかがでしょうか。

東京ミッドタウンで「大サイン展」が開催中

[ 大サイン展 ]

2026年4月24日(金)から、東京ミッドタウン・デザインハブにて、日本サインデザイン協会60周年記念企画「大サイン展」が開催されています。本展は、案内表示やピクトグラムといった「サイン」に焦点を当て、社会の中で果たしてきた役割や、その広がりを紹介する展覧会です。

サインは、駅や街中、施設の中など、私たちの日常にあたり前のように存在しています。情報を伝えるだけでなく、人の行動を導き、空間の使われ方そのものに影響を与える重要なデザインでもあります。本展では、これまでのサインデザインの実例や取り組みを通して、「伝える」「つなげる」という観点から、その価値が紐解かれていきます。

公開されている情報からは、サインが単なる視覚表現ではなく、空間や利用者との関係性の中で設計されるものであることが、大きなテーマになっていることが伺えます。同じ情報であっても、場所や状況によって最適な伝え方は変わるため、サインは人の動きや認知を前提に設計される領域だといえそうです。

また、年齢や文化、言語の違いを越えて機能する“共通言語”としての側面も、サインデザインの重要なポイントです。多様な人にとっての「わかりやすさ」をどう実現するのかという問いは、UI/UXにも通じるテーマのように感じます。

日常に溶け込んでいるからこそ意識されにくいサインですが、その背景にある設計や思想に目を向けることで、社会の中でデザインが果たしている役割を改めて捉え直すきっかけになりそうです。実際にどのような事例や視点が提示されるのか、気になる展示です。

グッドパッチ、2026年入社式を開催──7名の新卒メンバーが仲間入り

土屋尚史 / Goodpatch on X: “グッドパッチ26新卒入社式で伝えたAI時代に必要なマインドセット” /

2026年4月1日(水)、グッドパッチに7名の新卒社員が入社し、入社式が行われました。

普段リモートワーク中心のメンバーもオフィスに集結し、新入社員を含め90人近くが一堂に会し、熱気に包まれた特別な一日となりました。

式ではCEOの土屋から「AI時代に新社会人になる君たちへ」と題したメッセージが贈られました。正解を求めるのではなく問い続けること、審美眼を磨くこと、情緒的価値に響く人間性を大切にすること──変化の激しい時代だからこそ、それを面白がることができる人間になってほしいという力強いエールでした。

また、グッドパッチが組織文化においてリスペクトし続けているピクサーの精神をまとめた一冊『ピクサー流 創造するちから』が新卒メンバー全員へのギフトとして手渡されました。

午後は先輩社員とのシャッフルランチで打ち解け、夜はウェルカムディナーで笑顔とともに一日を締めくくりました。異なる個性とバックグラウンドを持つ7名が、これからグッドパッチのカルチャーをともに作っていく──そんな期待と温かさに満ちた入社式でした。

メンバー募集のお知らせ

今月の「まとめ」はいかがでしたでしょうか?今月も新しい出来事やリリースが盛りだくさんでした。こちらの記事はグッドパッチのデザイントレーニングチーム「hatch」に加え、今年の新卒メンバーと共同執筆しています。「hatchってどんなチームなの?」「2026年の新卒メンバーはどんな子たち?」と気になった方は、ぜひこちらの詳細記事も合わせてご覧ください!

🪺 デザインへの熱意を軸にキャリアチェンジ──デザイナートレーニングチーム「hatch」が始動
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