新しいものが大好きなGoodpatchで6月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2025)
こんにちは!グッドパッチ 2025年入社のUXデザイナー生島です。
6月になり雨音が心地よい日が増えてきました。一方で早くも梅雨明けをした地域もあり、今年は猛暑が長引きそうです。
こんな時期は、室内でじっくりと新しい情報をインプットするのも良いかもしれませんね。
それでは今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!
目次
サービス・プロダクト
東大建築科卒の若手CEOが“間取りの自動生成”サービスを提供開始
まどりLABO | 注文住宅の間取りを無料で自動生成できるサイト
(画像引用:日本初“間取りの自動生成”サービスを提供する株式会社まどりLABO、創業1ヵ月で1,750万円の資金調達を実施|PR TIMES)
「間取りは施主が考える時代を創る」をテーマに、株式会社まどりLABOは、日本で初めて国内における戸建住宅の一般向け「間取りの自動生成」サービスを提供開始しました。今年3月に創業したばかりのスタートアップながら、サービス開始からわずか1ヶ月で1,750万円の資金調達に成功したのだそう。
まどりLABOが提供するのは、施主自身が理想の間取りを作成し、その間取りに基づいて複数の建築会社から相見積もりを取れるという仕組みです。直感的な操作で希望の条件を入力していくだけで、約3分で複数の間取り案をAIが生成してくれるため、建築の専門知識がなくても間取り図を作ることができます。これにより、施主の理想がダイレクトに反映された住まいを実現する足がかりになるかもしれません。
このサービスの着想は、CEO自身が兄の住宅設計を手伝った際、コミュニケーションの難しさを痛感したことがきっかけだったそうです。「もし兄が自分で、理想の家の間取りを簡単に作ることができたなら、もっとスムーズで楽しい家づくりができたのではないか?」——この問いが、誰もが気軽に、そして自分らしく住まいの間取りを考えられるサービスの誕生につながりました。
サービスロゴにも間取りの要素が取り入れられており、プロダクトへの深い愛とこだわりが感じられます。家づくりの予定がなくても、一度まどりLABOであなた自身の理想の間取りをデザインしてみるのはいかがでしょうか?
iOSの見た目が一新。AppleがWWDCで「Liquid Glass」を発表
WWDC25 – Apple Developer
(画像引用:Apple(日本))
2025年6月9日から13日にかけて、Appleによる年に一度の開発者向けイベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)」が開催されました。今年も注目の新機能やテクノロジーが数多く発表され、Appleファンや開発者にとって熱い1週間となりました。
なかでも大きな話題となったのが、各OSの次期バージョンアップデートと、iOS 7以来となる大規模な刷新として、全プラットフォームに導入される新しいデザイン「Liquid Glass」の発表です。
Liquid Glassでは、文字通り液体ガラスのような素材感がUIコンポーネントに与えられ、背景と溶け合うような半透明の層がリアルタイムで反射・屈折するインタラクションを実現。 この表現はvisionOSからのインスピレーションを受けているとされており、「何を表示するか」だけでなく、「どこに情報を浮かべるか」「光をどう扱うか」といった空間的なUI設計が今後のOSデザインにおいてより重要な論点になっていくことを感じられました。
社内でもSlackの #wwdc25 チャンネルが盛り上がりを見せ、発表翌日にはデザイナーやエンジニアが朝からハドルに集まりキャッチアップを実施。また、今月の社内交流イベント「Pizzapatch」でも「WWDC 2025 Recap」を実施し、Liquid GlassやApple Design Awardsの考察を行い、大いに盛り上がりをみせました。
『Nintendo Switch 2 のひみつ展』紹介映像と公式サイトを公開
『Nintendo Switch 2 のひみつ展』の紹介映像と公式サイトを公開。巨大な「ひみつ展」の全容をご案内します。
待望の「Nintendo Switch 2」の登場と同時に発売された『Nintendo Switch 2 のひみつ展』が、ゲームファンやデザイナーの間でも大きな話題を呼んでいます。このコンテンツでは、Nintendo Switch 2を模した巨大な空間を探索しながら、ミニゲームやクイズ形式で新機能やハードウェアの構造を体験的に学習できます。
なかでも圧巻なのが、テックデモエリアで体験できる「HD振動2」がもたらす驚くほどリアルな触覚表現です。マラカスの中の砂が転がる感触、ノコギリの確かな手応え、バイクの重量感といった、従来は表現が難しかったリッチな触覚情報が、コントローラーを通じて忠実に再現されています。言葉だけでは伝えきれないリッチな情報がコントローラーを通じて見事に再現されており、視覚と聴覚に触覚が加わった、今後のゲーム体験の進化に思わず期待が膨らんでしまいます。
『ひみつ展』の巧みな点は、専門的で難解になりがちな技術情報を、ゲームというエンターテインメントの形で提供していることです。これは、製品の価値をユーザー自身の「体験」を通して伝わるようにデザインされています。ユーザーは楽しみながら製品への理解を深め、自然と愛着を形成していく。まさに理想的なオンボーディング(導入体験)が設計されているのです。
製品の魅力を深く知ることができるこのコンテンツ、まだ体験していない方はぜひ一度プレイしてみてください。
ついに日本上陸!「TikTok Shop」とは?
2025年6月、ついに日本上陸!「TikTok Shop」とは?
(画像引用:Introdcing TikTok Shop – Newsroom | TikTok)
日本でのサービス開始が期待されているショート動画プラットフォーム「TikTok」のEC機能「TikTok Shop」。6月中の実現とはなりませんでしたが、この機能が実現すれば、外部に遷移することなくアプリ内で商品をリアルタイムに購入でき、ユーザーの購買体験をシームレスに完結することができます。
注目すべきは、目的を持ってサイトに訪れ、検索や比較検討をしていた従来のECとは全く異なり、ショート動画から思いがけない新たな商品との出会いや、リアルタイムで配信者とコミュニケーションを取りながら商品について質問できるインタラクティブな体験をするなど、「エンタメ性」を感じられるような側面がある点です。
既に東南アジアや欧米などではブランドにとって大きな売り上げの柱の一つとなるほど主流となりつつあり、日本のZ世代やミレニアル世代などに対してもショート動画という視覚的なメディアを通じた新しい消費行動につながると期待されるこのサービス。新しい購買体験の実現が楽しみです。
ビジネス
NOT A HOTELが新会社を設立。土地、ホテル・旅館などを有効活用する新規事業開始
NOT A HOTEL、「NOT A HOTEL CONSULTING」を設立 土地、ホテル・旅館などを有効活用する新規事業開始
土地や建物の歴史・文化を継承し「日本の価値を上げる」──この視点で宿泊施設の再生に取り組む「NOT A HOTEL CONSULTING」が設立されました。建築基準法上で新築が困難な一等地や歴史的価値のある建物に着目し、現代的な滞在体験に再構築することで、文化的資産を新たな価値として再生することを目指します。
「NOT A HOTEL CONSULTING」の特長は、企画・設計から開発・運営までを一貫して自社で担う体制にあります。コンサルティングという名から想像されるような単にリサーチして提案して終わり」ではなく、地域に眠る文化や素材を実装レベルで生かすことが可能となっていくようです。
手がける事業は「国立公園、都心部および観光地における一等地の有効活用」、そして「歴史的価値のある旅館やクラシックホテル、文化財などの建物価値向上およびNOT A HOTEL化の実現」とのこと。
土地や建物が、単なる生まれ変わった観光施設としての役割ではなく、地方創生や文化共創・文化継承の拠点としての機能を持つことになることが予想されます。歴史と文化を資源と捉え、土地に根ざした「日本らしさ」に昇華させる動きは、ますます増加するインバウンドや高付加価値市場においても競争力を持ち、日本全体の文化的ブランド向上につながっていくことが期待されます。
イベント
“良い問い”と“酔い問い”が入り交じる「Yoitoi Summit 2025」初開催
Yoitoi Summit 2025 powered by Spectrum Tokyo | JP
(画像引用:Spectrum Tokyo)
2025年7月19日(土)に行われる「Yoitoi Summit」は、Spectrum Tokyoが提案する新しいスタイルのデザインカンファレンスです。
このカンファレンスは、昼と夜の二部構成で行われ、昼の部では「良い問い」をテーマに、登壇者2名がひとつの問いを起点に創造的な対話を実践。グッドパッチからはUIデザイナー/クリエイティブディレクターの栃尾が「デザインに愛(AI)は必要なのか?」という問いについて、MIMIGURI社の小田さんとセッションを行います。
一方夜の部では、「酔い問い」をテーマに、リラックスした雰囲気の中で参加者同士が対話するワールドカフェを実施。各テーブルにも「問い」が設定され、居合わせた方々とフランクに対話をすることもできます。
グッドパッチからは「ReDesigner」がドリンクスポンサーとしてオリジナルドリンクを提供しているので、ぜひ手にとってみてください。
本イベントのポイントは、さまざまな視点に触れる機会が得られることです。2つの「問い」に触れながら、新しい視点や気付き、思考のきっかけを得る場として活用できるのではないでしょうか。
メンバー募集のお知らせ
今月の「まとめ」はいかがでしたでしょうか?6月も新しい出来事やリリースが盛りだくさんでした。こちらの記事はグッドパッチのデザイントレーニングチーム「hatch」のメンバーで共同執筆しています。「hatch」では一緒に働くメンバーを募集しておりますので、ご興味がある方はぜひエントリーください!