PdM必見、1年間のロードマップをたった2時間で作る方法
プロダクトの責任者である「プロダクトマネージャー(PdM)」。その主な仕事の1つに「ロードマップの作成」があります。
プロダクトの改善一つとっても、何から手をつけるべきか、どのようなスケジュールが望ましいのか……考えることは山ほどあります。しかも、エンジニアやビジネスサイドとも合意を取らなければいけない。骨の折れる仕事です。
また、プロダクトマネージャーになりたてという方なら
- 計画の立て方がイマイチ分からない
- プロダクトの成長戦略を立てたり、施策の優先度を決めたりすることに自信が持てていない
という方もいるのではないでしょうか。そこで、今回の記事では「直近1年の活動計画を立てたいけど、優先順位や施策の合意がなかなか取れない」という忙しいPdMの皆さまに向け、プロダクト改善に向けた1年のロードマップを「約2時間」で考えるワークをご紹介します!
なお、今回のアプローチは直近の目標や課題点から発想する「フォアキャスト」なプロセスをとっているため、3〜5年後を見据えた中長期視点のロードマップなど、描く時間軸によってはプロセスがうまく当てはまらない場合がありますので、ご容赦ください。
目次
ロードマップ作成ワークの概要
ロードマップを作るにあたって、大切なのが「視点」です。このワークでは、以下の「3つの視点」を順に追っていく形で、ロードマップに落とし込んでいきます。
事前準備が必要な箇所もありますが、所要時間は約2時間。ワークということで、集中して一気にやるイメージで取り組みましょう。以下のようなプロセスで進めていきます。
- イントロ:ワークへの期待出し:5分
- これまでのゴールやロードマップを振り返ってラベル付け:20分
- 振り返りの結論づけ:10分
- 定量目標の認識合わせ:20分(要事前準備)
- ユーザー定義の認識合わせ:10分
- ビジョン・ミッションから逆算した「プロダクトのありたい姿」を発散:20分
- 直近1年のロードマップへの落とし込みと議論:30分
- アウトロ:学びの言語化:5分
ワークの参加者と詳細
このワークの参加者は「プロダクトマネージャー」と「事業責任者」、場合によっては、デザインチームや開発チームのリーダーもいると良いでしょう。では、ここからそれぞれのプロセスの詳細と、プロセスごとの役割を説明していきます。
1. イントロ:ワークへの期待(5分)
まずは、ワークの参加メンバー間で目的や心構えを共通認識化する「セットアップ」を行いましょう。時間は5分くらいで大丈夫。ワークを通じて得たいものが明確になり、ゴール設定や議論がスムーズになります。
2. これまでのゴールやロードマップを振り返ってラベル付け(20分)
ここからは前述の「3つの視点」に沿って進めていきます。まずは取り組みやすい「事業視点」から。 考えのベースになる「これまでの計画」を改めてフラットな目線で見直し、「できたこと」「できなかったこと」を振り返ります。その後、次の期に持ち越すかどうかも含めて記載していきましょう。
3. 振り返りの結論づけ(10分)
振り返ってラベル付けしたものから、次の期にどういうことをやりたいと考えたか、言語化して形に残しておきます。これが後ほどロードマップを立てる時の幹になります。
4. 定量目標の認識合わせ(20分)
事業目標の中で、直近1年の定量的な数値目標があれば、ワークの前に書き出しておきましょう。このワークでは、参加メンバー間で認識をそろえることが目的。確認や議論が中心となります。
5. ユーザー定義の認識合わせ(10分)
ここからは3つの視点の2つ目「顧客視点」へと移ります。これまでのユーザーリサーチなどで明らかになっていたユーザー像の認識をそろえます。また、今後拡張していきたいユーザー価値の言語化も行いましょう。
6. ビジョン・ミッションから逆算した「プロダクトのありたい姿」を発散(20分)
次に思考をポジティブな「未来志向」に変換し、具体像を発散していきます。課題解決だけでなく、顧客への価値提供のアイデアや、理想の姿を自由に発散するのがポイントです。
7. 直近1年のロードマップへの落とし込みと議論(30分)
いよいよ、ロードマップへの落とし込みです。チームで「どのようなゴール状態に向かって」「どんな順番でやっていくか」に落とし込み、議論していきます。今まで発散してきたものを基に話し合うことで、「どの優先度で/誰がやるか」を考えることに集中できます。
8. アウトロ:学びの言語化(5分)
最後に、ワークを通しての気づきを言語化しましょう。イントロで掲げていたワークへの期待が叶えられたか、ワークを通して分かった不足ポイントなどをメンバー間で出し合えると、追加で調査したいことや、議論したいことが新たに発見できるかもしれません。
「ロードマップ作成ワーク」は、論点整理とフローの体験に最適
以上のロードマップ作成ワークは、グッドパッチのクライアントワークプロジェクトで実際に行ったものです。ワークを実践した方々の声を一部、ご紹介します。
「事業視点、顧客視点、チーム視点をそれぞれ検討して組み合わせることで、ロードマップが成り立つことが理解できたため、どこから考えていけばいいのかの参考になった」
「これまでの計画に対して、Good、Badを評価することから始まるので、ワークに導入しやすかった。いきなり『ビジョンから発想しましょう!』だと、思考が飛んでしまって収集つかなくなることがあったため」
「これまで計画を立てるときは、直近見えている施策だけを並べていたが、それだけだと視野が狭くなっていることに気付いた。適度に中長期の妄想に向けたチャレンジも活動計画に含めていくとバランスが良い」
「ロードマップを立てる、決めるのは怖くない。検討する点を順番に追っていけば、自分でも半年の活動計画を立てられるし、人にちゃんと説明できると自信がついた」
「ロードマップの作成」と一言に言っても、その構成要素や考える視点などを具体的にイメージするのは、慣れていないと難しいもの。このワークを実践した方々は、順を追って体験することでイメージがしやすくなり、計画を考えやすくなったようです。
もちろん、2時間で仮説を組み上げただけなので、これをそのまま採用……というわけにはいかないと思いますが、考えるきっかけとして活用してみてはいかがでしょうか。
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