こんにちは!カスタマーサクセスチームのAyakaです。
5月末にサンフランシスコへ行ってきました。初めてのサンフランシスコ!
主な旅の目的はカスタマーサクセスのカンファレンスへの参加ですが、せっかくなのでMaaSやIoT、D2C関連のトレンドもチェックしてきました。カンファレンスについては以下の記事で概要をまとめていますので、ご覧ください。

MaaS!MaaS!MaaS!

先日もGoodpatch Blogで取り上げたMaaS(Mobility as a Service)。

サンフランシスコ市内ではMaaSの盛り上がりをひしひしと感じました。市内のあちこちで借りて移動できます。電動とはいえ、坂の多い町なのでフラットなエリアをメインに設置されているようでした。

電動キックスクーター

あくまで個人的な感覚ですが、多く目にしたのはSkip、次にBirdでした。

電動キックスクーターはアプリ起動時に免許証の読み込みを促されますが、SkipとBirdは日本の免許証でも利用できます!2019年7月時点では Scootは順次対応中、JUMPは日本の免許証では電動キックスクーターは利用できません(自転車はレンタルできます)。

6月にBirdがScootの買収を認めていることを考慮すると今後サンフランシスコ市内での電動キックスクーターはSkipとBirdがシェアを占めるのではないでしょうか。ただ、Lyftも電動キックスクーターのサービス提供をスタートしているので、まだ様相は変化していきそうです。

電動レンタルバイク

電動レンタルバイクはBay Wheels (元Ford Go Bike)、JUMP by UBER が圧倒的な多さでした。5月末時点ではサンフランシスコ市内でかなりFord Go Bikeを見かけましたが、6月からはLyftがリブランディングし『Bay Wheels』としてサービス提供しはじめているそうです。


使い方はどのサービスもほとんど同じです。

アプリのダウンロード→ログイン→決済情報などを入力するまでが事前準備。
実際利用するときには各バイクや自転車のQRコード読み込み・利用時間(プラン)の選択はサービスによって順番が異なっています。

Bay Wheels (元Ford Go Bike)は借りる前に利用時間を選択するので、寄り道を考慮した時間を設定してレンタルすると良いかもしれません。JUMP by UBERはアプリ内から近くにある自転車を探して予約ができるので、人が多くても安心して自転車を確保できそうです!

こうして見ていくと、ひとつのブランド/会社が複数の移動手段を提供していくパターンが多く、今後もっと増えていきそうですね。

  • Scoot:キックスクーター(Birdが買収)・原付
  • Bird:キックスクーター・自転車(+今夏から電動バイク)
  • JUMP by UBER:キックスクーター・自転車
  • Bay Wheels:自転車・キックスクーター


今年の夏からBirdも電動モーターバイクを提供するらしく、勢力図はまた変わってきそうです。電動モーターバイクの方が坂の多いサンフランシスコでは便利かもしれませんね。タンデムシートで2人乗りもできるそうです!


サンフランシスコでもシェアバイクやスクーターの放置問題や破損問題が多いのは目の当たりにしましたが、この件についてはフランスのパリが動いている様子なのでサンフランシスコも様相が変わるかもしれないですね。

UBER vs Lyft

サンフランシスコに行くまで、UBERLyftの具体的なサービスの差がわからなかったのですが、今回車での移動は全てLyftでした。

なぜなら 「安い」!そして「すぐつかまる」 から。

意外とGoogle Mapの広告などにLyftのプロモーションコードが記載されていたりするので、要チェックです。かなり安くなります。

気になる点としては、Lyftは車体サイズを指定することはできないので、空港へスーツケースを運ぶときだけ「トランクに荷物がはいるサイズの車がくるかなあ…」と不安でした。

結果なんとか収まりましたが、大きい荷物を運ぶ場合など車体サイズを気にする場合はUBERで車体サイズを指定して利用した方が良さそうです。
ちなみに1週間の滞在期間中、タクシーは1度も利用しませんでした。

Amazon Goに潜入!

絶対行きたかったAmazon Go
サンフランシスコ市内には3店舗あります。

当然ながらUSのAmazonアカウントが必要なので、行くなら先に取得しておくとスマートです。サクッと買い物ができるはずの店の前で、アプリのダウンロード、US Amazonのアカウント取得をするのはなかなか恥ずかしかったです…。

商品の補充とアプリのサポートのために何名かスタッフが店内に常駐しているので、わからないことなどあれば気軽に質問できます。

アプリのQRコードをかざして入店。
店内の広さは日本のコンビニチェーンと同じくらいです。

売り切れのサインは「SO GOOD IT’S GONE!(美味しすぎるので売り切れ!)」

商品を取ったらゲートを通過し、買い物終了。
アプリに買ったものの一覧と合計金額が通知されます。

レシートに買い物時間が明記されているのはAmazon Goならではですね!
私はゆっくり見てたので長いですが、慣れれば30秒もかからず買い物できそうです。

初回の体験としてレジを通さずにお店を出る、というのはなんともむず痒いというか緊張する瞬間でしたが、スタッフのお兄さんが笑顔で「Thank you!」と送り出してくれたのが安心感ありました。

日本でも駅ナカのコンビニやプラットフォームのNEWDAYSは急いでいるお客さんが多いと思うので、Amazon Goのような仕組みは相性が良さそうです。いつか日本でも出店してほしいですね。

D2C(Direct to Consumer)店舗

現地へ行く前、サンフランシスコの最新トレンドをTwitterで発信している日本人の方を何名かフォローして情報収集をしていました。中でもThe Potluckという次世代女性コミュニティから発信される情報で、D2C型のビジネスモデルはたびたび話題になっていたので気になり、実店舗をいくつかみてきました。
D2Cはいわゆるメーカー直販ですが、コンシューマーの声や体験を重視しているところが今までの「メーカー直販」とは違うところかな、と感じています。

Everlane

https://www.everlane.com/

サンフランシスコ発のエシカルなファッションブランドでWomen、Menどちらも取り扱いがあります。

どこで製造されて、なぜこの商品価格で店頭に並べられているのかを説明することで、顧客に価格設定を納得させ、価格の透明性が高いことが特徴です。

たとえば、アイコニックなこのTシャツの商品ページでは、各コストのほか、売り上げ金額の5%をACLU :American Civil Liberties Unionに寄付していることがわかるようになってたりします。

ブランドサイトとECの途切れ目はないので、ECサイトでの購入体験もスムーズです。
また、店舗での会計時にメールアドレスを入力します。レシートはメールで届き、ECサイトへの会員登録を促されます(パスワードだけの入力で会員登録が完了します)。日本でのアパレル店舗での購入体験と全く違うので、新鮮でした!

ECサイトの着用モデルも人種も体型も多様なモデルが起用されています。

店舗も広く、自由にフィッティングしたりできるので気兼ねなく見れました。
日本向けECもオープンしているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

Reformation


https://www.thereformation.com/

LA発のReformationはデッドストックや余剰生地、ヴィンテージ素材を原料に服を作っていて、洋服の制作にかかる環境負荷(CO2やゴミの排出量など)を開示しているレディースブランドです。

Everlaneに比較するとこじんまりした店舗ですが、フィッティングルームでの体験に力をいれてるのも魅力のひとつです。

照明をオケージョンに合わせて変えたり、スマートフォンから音楽を流して自分の部屋のような雰囲気で試着できます。また、店員さんへ声をかけなくても、タブレットから別のサイズを依頼すれば試着室内のクローゼットに用意されます!なんだか魔法のようですね。試着が苦手な人でも、心ゆくまで試着ができそうです。

ROTHY’S

https://rothys.com/

Reformationのすぐ近くにSan Franciscoの働く女性に人気というROTHY’Sもあったので見てきました。
こちらは100%リサイクルプラスチックで製造されているフラットシューズのブランド。なんと洗濯機で洗えるそうです!

型は4種類、素材はメッシュ素材のみですが、プリントの種類やカラー展開は多く、価格は$120〜140程度。

All Birdsも人気ですが、どちらかというとROTHY’Sの方がファッショナブルな印象なので、サンフランシスコで働く女性から支持されているそうです。Instagramでの世界観もすてきです。

ちなみにROTHY’SやReformationのあるエリア(Mission地区)は坂が多く、電動スクーターや自転車はほとんどありませんでした。
LyftやMUNIでの移動がオススメです。
夜はあまり治安が良くないそうなので、ぜひ明るいうちに。

環境への配慮


アメリカの大統領選での争点でもある環境問題への取り組みですが、少なくともサンフランシスコ市内での環境への意識の高さは東京と比較しても、一部の企業や店舗だけではなく全体的に取り組んでいるような印象です。

身近な例として、とにかくビニール袋が手に入りにくい!

大手スーパーであればレジで購入できるのですが、購入できるショッパーも紙袋や布製であることがほとんど。Amazon Goでもビニール袋ではなく紙袋もしくは不織布のバッグを販売していました。ちょっとしたお土産もすべて、ブラウンの紙袋に入れて渡されます。

大手スーパーやドラッグストアを見ていても、プラスチック製品であっても再生可能だったり、コンポストできるようにパッケージの素材が変化していることも特徴的でした。

ちなみにカンファレンス会場の Moscone Centerでは開催されるイベントへの環境配慮をはじめとし、周辺地域への影響や経済的に意義あるイベントを持続できるような宣言を出しています。

私が参加したカンファレンスでも去年の参加者の声を反映し、プラスチックを減らすことが今年のチャレンジの1つであることを主催企業であるGainshightのCEOがブログで明らかにしています。参加者へのギフトを何度も使えるステンレスタンブラーだったり、Moscone Centerを会場として選定している理由も環境への配慮が大きな割合を示しているそうです。

国や都市、それぞれの環境や文化によって取り組み方法は変える必要はありつつも、余剰分は極力少なくできると良いですよね。

IoTプロダクトについて

Amazon echoやGoogle Homeなど、どんどん身近な存在になっていくIoTプロダクト。
AppleのHome Podもついに日本発売が発表されましたね!
寝具メーカーのCasperや大手スーパー TargetのOpen Houseもチェックしてきました。

Casper

https://casper.com/

寝具メーカーのCasperが販売している「Glow」というベッドサイドライト。
実はプロダクトデザイナーの鈴木元さんのツイートを見て、実際に手にとってみたくて店舗に行ってきました!

https://twitter.com/g_suzuki/status/1125236964444164096?s=20

ツイート内のムービーを見るとわかりやすいのですが、ワイヤレス充電で、上下にひっくり返すことでオン・オフできたり、時間経過でだんだん暗くするなどの調整ができたりします。モバイルアプリとも連携できます(日本未対応)。とにかくデザインが無駄がなくシンプルで素敵ですよね。

CasperはSleep CompanyとWebサイトで謳っているとおり、寝具を中心にベッドフレームからベッドサイトランプなど睡眠に関するありとあらゆるプロダクトを扱っています。お店自体もコンセプチュアルでとてもステキでした!

Target Open House

https://targetopenhouse.com/

一箇所でありとあらゆるIoTデバイスを実際に操作したり、店舗内の部屋で実際にデバイスを操作できる家庭用IoTデバイスの体験型ショールーム。

Target Open Houseの他にも、家電量販店のBest Buyでも「実際のお部屋でこういう風に活用できるよ」みたいなIoT試せるコーナーがあったので、体験型のブースは今後増えてきそうです。どちらも各デバイスの横にiPadがあって、デバイスの担う役割の説明やイメージムービーが見れるようになってました。

サンフランシスコの光と闇

今回初めてサンフランシスコを訪れて一番感じたもの。
行く前から
「危ないエリアは危ない」
「ウィード(大麻)の香りがサンフランシスコの香り」
「道路に注射針が落ちてたりするからビーサンでは絶対に歩けない」
など、噂は聞いていたのですが、本当に、予想以上に路上生活者が多いです。
様々な理由で3年ほど前に路上生活者向けに市が提供していたシェルターやテントを閉鎖してしまったことが理由の1つだそうです。

旅行者としては渡航前に危険な
エリアと時間帯を把握したら、あとは出来るだけ気をつけるしかありません。昼間でも1人で出歩くのは怖いと感じるエリアも実際にありました。

銀座のような華やかな通りの角を曲がると、銃やクスリ、注射器を触っていたり、「お金を」「なにか食べ物を」「仕事を」と無造作に話しかけられるような状況です。

日本ではあり得ないほど、あまりにも多い路上生活者の真横を毎日歩きながら、自分にとって、どういう行動が正しく適切と思うのか、とても考えさせられました。

色々あるけど魅力的な街

約1週間の滞在期間でも光と闇が隣り合わせの街ということを感じたサンフランシスコ。
正直、一人歩きができるエリアと時間帯は限定されているのでひとり旅にはあまりオススメできない街ですが、インターネット界隈で仕事をしている人にとっては、町中いたるところにSaaSプロダクトの大きな看板やラッピングバスにきっとワクワクしてしまうと思います!

SaaSで街や経済がまわっていることを実感できる場所はまだ日本国内でないので、励まされたような気持ちにもなりました。

路上生活者が多いエリアでも大きくVimeoの広告が


たくさんの角度からの刺激をうけるサンフランシスコの様子が少しでも伝わればうれしいです。
これから行くご予定のある方は、安全第一で楽しんできてくださいね!!