これまでGoodpatch Blogでは、デザインを学べる本について様々なテーマでご紹介してきました。
登場する多くが、海外で出版された原書の翻訳本であることがわかります。今でこそデザインに関する本の多くは日本語で読めるようになっていますが、原書に当たるということも大事なのではないでしょうか。(もちろん、英語がある程度できないと難しいですが…。)
そこで今回は、英語でデザインを学べる本のおすすめについてご紹介したいと思います!
選書にあたって、以下の基準に沿って紹介する本を選びました。
- Goodpatchで働く外国人メンバーからオススメしてもらった本
- 見た目を良くする意味でのデザインよりも、マインドセットや理論・手法など広義のデザインを学べる本
- 日本で入手できる英語で書かれた本
では、さっそく見ていきましょう!
目次
- ① The Design of Everyday Things: Revised and Expanded Edition
- ② Emotional Design: Why We Love (or Hate) Everyday Things
- ③ Lean UX: Designing Great Products With Agile Teams
- ④ Don’t Make Me Think, Revisited: A Common Sense Approach to Web Usability (Web Design Courses)
- ⑤ Hooked: How to Build Habit-Forming Products
- ⑥ Creative Confidence: Unleashing the Creative Potential within Us All
- ⑦ Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days
- ⑧ Change by Design: How Design Thinking Transforms Organizations and Inspires Innovation
- さいごに
① The Design of Everyday Things: Revised and Expanded Edition
The Design of Everyday Things: Revised and Expanded Edition
社内のデザイナーに聞いたところ、複数のメンバーが最初にオススメしてくれた本がこちらでした。『誰のためのデザイン?』として知られている本の原書です。
毎日触れているデザイン、例えばドアやティーポットなどを例に、人が物事に対してどのような反応をするのかということを述べているのがこの本の特徴です。また、デザイン思考や人間中心設計についても説明があります。
【Kindle無し】【日本語版あり】
② Emotional Design: Why We Love (or Hate) Everyday Things
Emotional Design: Why We Love (or Hate) Everyday Things
最初に紹介したThe Design of Everyday Things: Revised and Expanded Edition を書いたドナルド・ノーマン氏の著書であり、The Design of Everyday Thingsの内容をさらに深めていくために、ふさわしい本です。良いデザインの範疇を使いやすさだけでなく感情に訴えかける魅力にまで広げ、感情とデザインの関係性を具体例を示しながら説明しています。
2003年のTEDでの講演も興味深いです。
【Kindle無し】【日本語版あり】
③ Lean UX: Designing Great Products With Agile Teams
Lean UX: Designing Great Products With Agile Teams
『Lean UX』では、『The Lean Startup』でおなじみのリーン思考をUXデザインへと応用させるための実践的なプロセスが説明されています。変化の早いソフトウェア業界においては、常にフィードバックを取り入れてプロダクトを改善することはもはや、当たり前とも言えるでしょう。その改善プロセスを作り出すためのマインドセットを学べます。
④ Don’t Make Me Think, Revisited: A Common Sense Approach to Web Usability (Web Design Courses)
Don’t Make Me Think, Revisited: A Common Sense Approach to Web Usability (Web Design Courses)
元々は2000年に出版された本書ですが、2005年に第2版、2013年に第3版が出ています。ウェブサイトのユーザビリティについての話がメインですが、第3版ではモバイルについても応用が効くように編集されています。サイトやアプリをデザインする場合に、ユーザーに「考えさせない」というのは原則であるとも言えるでしょう。
⑤ Hooked: How to Build Habit-Forming Products
Hooked: How to Build Habit-Forming Products
どのようにユーザーの習慣を形作ることができるかについて、心理学を活用しながら説明しているのが、本書の内容です。日本語では『ハマるしかけ』と訳されていますね。具体的な手法として“Hook Model”を提唱しており、以下の4つのプロセスがあります。
① Trigger(きっかけをもたらす)
② Action(行動を促す)
③ Reward(報酬を与える)
④ Investment(投資を促進する)
SlideShareの資料や、著者が書いているブログも参考になります。動画もあります。
⑥ Creative Confidence: Unleashing the Creative Potential within Us All
Creative Confidence: Unleashing the Creative Potential within Us All
IDEOのファウンダーであり、スタンフォード大学教授のデイビッド・ケリーによる著書です。「人はみな、生まれながらにして創造的である」ことがテーマで、人々の創造的な可能性を引き出すための理論と戦略について説明されています。
TEDでの講演もありますよ。
⑦ Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days
Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days
デザイン・スプリントの生みの親であるジェイク・ナップ氏の著書です。ビジネス的なクリティカルな課題とソリューションを見つけ出すために、5日間というごく短い期間で理解・発散・決定・プロトタイプ・検証を行うことができるフレームワークのことで、GVにより開発されたのがデザイン・スプリントです。
デザイン・スプリントについてはこちらも参考にしてみてください。
参考:サービス開発におけるデザインスプリントの特徴や、プロジェクト導入のメリットとは
⑧ Change by Design: How Design Thinking Transforms Organizations and Inspires Innovation
Change by Design: How Design Thinking Transforms Organizations and Inspires Innovation
IDEOの社長兼CEOのティブ・ブラウン氏がデザインの重要性について説明しているのが本著です。デザイナーではないビジネス職の人たちでも、デザイナーのように考えられるマインドセット・プロセスがデザイン思考です。デザイン思考はイノベーションを起こすための手法であり、洞察・観察・共感の3つの要素が問題解決へと導きます。
さいごに
今回ご紹介した半分以上の本は日本語でも読むことができますが、原文で読むことでまた違った発見が得られるかもしれません。時間はかかってしまうかもしれませんが、英語を学ぶ機会も兼ねて、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。