こんにちは!フロントエンドエンジニアのamuです。
最近、関わっているプロジェクトの中でロゴデザインについての話が出ました。そこで、ロゴデザインの方法についてリサーチしてみたところ、黄金比を使ってデザインする方法を見つけたのでご紹介します。

ロゴを実際にデザインする前に行うアイデア出しや、ロゴの種類、オススメのツールについては以下の記事をご覧ください。

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黄金比とは

黄金比(Golden ratio)とは1:1.618の比率のことで、人間にとって最も安定し、美しく感じられる比率とされています。多数の有名なロゴにも、デザインの調和を保つために黄金比が取り入れられています。Appleの林檎のロゴや、Twitterの鳥のロゴなどは、黄金比を用いて作られていると言われています。

フィボナッチグリッドとフィボナッチサークルの作成

さて、ロゴデザインに黄金比を取り入れるために、まずは黄金比を用いられて作られる黄金螺旋(ここではフィボナッチグリッドと呼びます)を作っていきましょう。
フィボナッチグリッドは全体のレイアウト構成を決める時などにもよく用いられます。

1.まず、正四角形を描きます。

2.正四角形の一辺を半径とした正円を描き、正四角形に沿って1/4の大きさにカットします。

 

3. 2の図形をコピーし、 黄金比である1.618の値で割ります。

 

4.3で出来た図形を回転させ下の図のように2の図形と合わせます。

5. 3と4の手順を繰り返し、カタツムリのような図形を作っていきます。これがフィボナッチグリッドです。これは全体のレイアウトを決めるガイドなどにも使用することができます。

6.そして最後に作成したそれぞれの正方形の一辺の長さを直径とした正円を描きます。ここでは仮にフィボナッチサークルと呼びます。

これで準備は完了です。

ロゴデザインを実際に作ってみよう

基本的には上で作成したフィボナッチグリッドと、一番最後の工程で描いたフィボナッチサークルを使ってロゴを調整していきます。一度基準の大きさを決めた後は、複製した円の大きさを変更しないので注意しておきましょう。大きさを変更すると、せっかくの黄金比率が変わってしまいます。

今回は、こちらで用意した簡単なシンボルをブラッシュアップしていきたいと思います!

まずは、データを取り込みましょう。
まだデータとしてまとまっていない場合は、ラフを描き取り込むと良いでしょう。

今回は曲線部分が多いため、マッチしそうなフィボナッチサークルを合わせてみます。フィボナッチサークルの大きさは、ロゴ全体の幅を一番大きなサークルと合わせて基準としました。円同士を整列しながら整えていくと良いです。

これが完成図です。曲線部分だけでなく、空白にも取り入れました。

作りたいイメージによって様々な組み合わせ方法があるため、あくまでも一例として捉えてください!

そして必要な部分だけを結合し、いらない部分を消していきます。Illustratorであれば、シェイプ形成ツールを使っていくと簡単に線をなぞるだけで結合できます。

さらに、ペンツールやはさみツールを使って整えていきます。

これが出来上がったアウトラインです。

最後に、3でできた基準となるアウトラインを元にロゴの形を整えていきます。

 

これで完成です!ブラッシュ前と比べてみましょう。

 

曲線が滑らかになり、全体的にバランスが取れたのではないでしょうか。

ロゴデザインに黄金比を取り入れる方法

一概に黄金比を取り入れるといっても様々な方法があるので、今回の例を一部ご紹介します。

①曲線を調整する

フィボナッチサークルを曲線部分に合わせると、美しい曲線にすることができます。
フィボナッチグリッドの円弧の部分を合わせている例も多くありましたが、こちらがもっとも一般的な方法だと思います。

②全体のレイアウトに使う

フィボナッチサークルを組み合わせたりして配置することで全体のレイアウトを整えることができます。今回は一番大きいフィボナッチサークルを全体の大きさと合わせ、基準としました。

③空白の調整に使う


要素間の間隔など空白の大きさを調整するために用いた例です。

今回はフィボナッチサークルだけを用いましたが、フィボナッチグリッドを取り入れているロゴデザインの例も多くありますので、ご興味があればぜひ調べてみてください!

さいごに

いかがでしたか?
美しいとされる比率には他にも白銀比や青銅比などありますが、今回は中でも一番有名である黄金比をピックアップし、実際のロゴデザインへの取り入れ方を紹介してみました。
ロゴデザインをしていく上では様々な制約があるので、必ずしもこのような比率を用いることがベストというわけではないかもしれません。しかし、最終工程として全体の調和を保つために取り入れることで、より美しいデザインに仕上げることができるのではないでしょうか。

こちらに、今すぐ使えるフィボナッチグリッドとフィボナッチサークルのファイルを用意しました!ぜひ参考にしてみてください。

今回はロゴデザインに関する記事でした。Goodpatchはロゴデザインに限らずUI/UXデザインを中心とした豊富な実績を持つデザインカンパニーです。ご興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

ロゴデザインのおすすめ本

また、本記事の内容とは異なりますが、ロゴデザインが作られる工程や技法として実例を用いて紹介されている以下の2冊がとても勉強になったので、ご紹介しておきます。

ロゴデザインの現場

ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング

複数のデザイナーが、ロゴデザインをするためのプロセスがたっぷり掲載されています。クライアントに行うヒアリングから、ラフスケッチ、プレゼン、ガイドライン作成まで、プロセス自体が参考にできそうです。ロゴデザインは何から始めたらいいのか?という初心者にもおすすめできる、充実した内容です。

ロゴでブランディング

ロゴでブランディング フード&ドリンク、ファッション、IT、カルチャー業種の成功事例集

フード&ドリンク、ファッション、IT、カルチャーと幅広い領域のロゴの由来や、デザインプロセスが書かれています。世界8ヶ国にあるデザインスタジオが手がけたロゴなども掲載されています。2018年3月発売と比較的新しい本なので、トレンドもキャッチアップできます。インスピレーションが欲しい時におすすめです。


いかがでしたか?黄金比を取り入れたり、様々なサービスのロゴの研究をして、ロゴデザインにトライしてみてください!

また今回は省略しましたが、ロゴに使用するブランドカラーを決めたい時は、GoodpatchのUIデザイナーによるこちらの記事も参考にしてみてください。

「基礎」から学べる!デザイン記事特集。記事一覧を見る