今回は、グッドパッチのフロントエンド兼スクラムマスターとして活躍する高橋のインタビュー記事をお届けします!大手SIerのSEだった高橋がデザインに関心を持った経緯や、「キラキラしていて自分は合わないのではないか」と感じたグッドパッチに入社を決めた理由、SEの力が求められている環境などについて話を聞いてみました。
プロフィール
フロントエンド兼スクラムマスター 高橋 一樹(たかはし かずき)
twitter:@kazudeath1
1987年生まれ。国立長野高専 卒業後、大手SIerへ新卒入社。新規事業開発にエンジニアとして携わり、組込ファームウェアからWebアプリケーション、インフラ・DB設計などを担当。特に製造業におけるカイゼンに新技術を取り入れるプロジェクトにおいて活動し、2018年にグッドパッチへ入社。デザイナーを目指す学生向けSaaSサービス「ReDesigner for Student」の開発に従事しフロントエンド兼スクラムマスターを担当。
デザインとの出会いはiPhone
私が社会人をスタートした2012年はiPhoneが流行りだした時期でした。14歳からインターネット使っていていろいろなWebサイトやPCアプリに触れていましたが、iPhone本体やアプリケーションの配置や配色への配慮、スモールインタラクションに感動しデザインに関心を持つようになりました。
新卒入社した大手SIerでは、主に新規事業開発に携わりました。当時は、Kinect、ビックデータ、データビジュアライズ、IoTといった新しい技術やキーワードが出てきていて「それを使って何かつくろう」という形でプロジェクトが始まることが多かったです。WebやAR、センシングデータの可視化などの多くのプロトタイプを開発しました。しかし、そのころの私はマーケティングやリサーチなどプロダクト開発の知識を全く持っておらず、顧客の欲しいもの最終形態はなにか、どの市場で戦うのか、どんな状態の商品をいくらで買ってもらうのか、といった分析ができていませんでした。結果として、開発したものをほとんど世に出すことができませんでした。
BtoCの世界には使いやすく美しいデザインで溢れていると感じる一方で、自分が仕事でつくるアプリケーションに対する違和感がありました。データベースからAPI、フロントエンドまで開発経験はありましたが、使いやすいアプリやシステムをつくる観点において必要不可欠な「デザイン」のスキルや知見が私にはまったく欠けていたんです。
自分に欠けているものが見え、もやもやを抱えながらも、目の前の仕事に取り組み続けました。6年が過ぎたころ、転職エージェントから声がかかりました。
グッドパッチと補完し合える
当時社名は明かされないまま「ユーザー体験を考慮したデザインを元に開発を進める上で、システムエンジニアとして要件を整理し、設計できるスキルがあるフロントエンドエンジニアを探している」と声をかけていただきました。
最初にグッドパッチの説明を受けたときの印象は、若くてキラキラ(笑)。Prottやマネーフォワードといった使ったことのあるプロダクト開発を行っていたことを知り、興味は湧いたのですが、正直そのときは堅い企業にいる自分に合うとは全く思えませんでした。しかし「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というグッドパッチのビジョンは、もやもやを抱えていた私に響き、ダメもとで選考を受けてみることにしたんです。選考の場で、当時のCTOや現場のメンバーと会話してみて、グッドパッチに対してキラキラしている面だけでないポジティブな印象を持ちました。
OKRやフルフレックスなど、新しい仕組みを導入し前進している会社の雰囲気を感じましたし、グッドパッチが独自にアレンジされたデザインプロセスを持っており、それを実践できる環境があるという点で、自身に足りなかったものがここにあるのでは、と強く感じました。
2017年9月から、グッドパッチが取り組んでいた会社の本質的価値向上のための施策
(参考記事:カルチャー崩壊と再構築。 Goodpatchが取り組んだ組織デザインの2年間 – 前編)
グッドパッチが取り入れているユーザードリブンのデザインプロセス
(参考記事:ユーザー中心のサービスデザインを体験できる!Goodpatchのデザインプロセスワークショップとは)
面接では、新規デバイスの情報を仕入れてアプリケーションのプロトタイプをつくってきたこと、多様な新しい技術を駆使して新規ビジネスづくりに挑戦してきたこと、人が使いやすい価値のあるものをつくることに興味があることなどを話した記憶があります。
自分のスキルセットに空いていた「デザイン」の穴を埋めることができ、与えられるものと与えることができるものの両方があると考え、入社を決めました。
当たり前の基準が高い環境
入社後は、本当に学びしかありませんでした。マーケティングやリサーチといったプロダクト開発にかかせない要素や、KPTを用いたチームでの振り返りなど、前職のころ本やWebで伝え聞いていたものが当たり前のこととして実行されていました。そして、一人ひとりがなぜその活動をやるのかを理解し、意見を出すことにより、改善に結びつく姿を初めて目の当たりにしました。
グッドパッチのメンバーは「やる気勢力」が多いと思います。働きアリの法則で、一生懸命働いている2割の働きアリが全体の8割の食料を集めてくるという法則がありますが、グッドパッチはその割合が多い。みんなが得意領域を持っていて、尊敬できる人ばかりです。
入社してから一年と数ヶ月ですが、当たり前の基準が高い環境に居ることで、すごく成長している実感があります。
元システムエンジニアとして提供できる価値
フロントエンドエンジニアとして入社したものの、フレームワークについてのトレンドに疎く、正直最初は分からないことばかりでした。しかし、前職でさまざまな技術に触れたことやシステムエンジニアとして培ってきた要件定義や設計、タスク・進捗管理のプロジェクトマネジメント面でのスキルが役立っています。
グッドパッチはホラクラシー的なところがあり、あれをしろこれをしろと上司から指示が飛ぶ環境ではありません。メンバー全員がプロフェッショナルとして、チームの目標と各々の考えに従って行動しています。自分の意見を説明できることが前提ですが、押さえつけられているところが全くなく尊重され信頼されていると実感するので、やりがいがあり、居心地が良いです。
入社後いくつか開発案件に携わったのち、現在はデザイナーに特化した学生向けの就職活動支援サービス「ReDesigner for Student」においてフロントエンド開発を担当しています。
2019年6月にリリースしたデザイナー志望の学生向け就職活動支援サービス「ReDesigner for Student」
「ReDesigner for Student」および中途デザイナー向けキャリア支援サービス 「ReDesigner」は「デザイナーを世の中に増やす」というミッションを掲げています。デザイナーやデザイナーを目指す学生と、デザインの力を信じている企業を繋ぐサービスです。
2018年に経産省から「デザイン経営」宣言が発表されましたが、この宣言に書かれている通り、デザインの重要性は日に日に増しています。しかし、そのデザインを生み出すデザイナーや、デザイナーを志望する学生と企業とのマッチングはうまくいっているとは言いがたい状況です。
プロジェクトにジョインするまでは、デザイナーのキャリア事情については全く知りませんでしたが、ニーズと実際との間に大きなギャップがあることを今は実感しています。ReDesignerはこの状況を打破する社会的に重要なサービスだと考えています。
今後は、フロントエンドエンジニア、そしてスクラムマスターとして定期的なリリースを安定させ、より早く機能追加や改善などを行い世の中にこのサービスの価値を届けていきたいと思っています。
さいごに
Goodpatchは、エンジニアリングを提供価値の1つとして重視しています。実装前のフェーズから常にデザイナーとコミュニケーションをとったり、体験設計に携わることに興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。