Goodpatchでは社内業務として発生する 「バナーやブログのアイキャッチの制作」 をUIデザイナーが担うことが多くあります。インターン生や新卒のUIデザイナーがデザインの基礎力を高めるために制作したり、時には案件にアサインされているUIデザイナーが自ら挙手し、業務の合間をぬって制作する場合もあります。

今回、そんな社内クリエイティブ制作に関わるUIデザイナーが、有志で取り組んでいる社内クリエイティブを管理する仕組みをご紹介できればと思います。

これまで抱えていた課題

品質管理の観点からインターン生や新卒のUIデザイナーの場合は、シニアデザイナーやクリエイティブディレクターがレビューを行っています。しかし、これまで明確な制作フローやレビュー項目がなかったため、以下のような課題が発生していました。

  • それぞれの制作意図を適切に汲み取る仕組みがなく、レビューする際に前提の理解から個別に擦り合わせる必要があった
  • インターン生や新卒デザイナーが制作する際にバナー制作の「基本のき」からレビューする必要があり、コストがかかっていた
  • これまでの社内クリエイティブのトンマナなど、過去のアウトプットを確認する場所や参考となるまとめが用意されていなかった
  • レビューの観点や粒度がレビュー者によって異なっており、制作するデザイナー側が混乱することがあった

以上のような課題が続き、結果的に 制作するデザイナー側にも、レビューを担当する側にも負荷がかかりすぎる課題 がありました。

課題解決のために行ったこと

デザイナーがセルフ確認できる「クリエイティブチェックシート」を作成

スピードをもって品質の高いバナーを作れるように、主にインターン生や新卒に向けて デザインのセルフ確認が出来る「クリエイティブチェックシート」を作成 しました。
このシートを使うことで社内のバナーやアイキャッチを作る際に気をつけてほしいところを、制作フローに沿って自分自身で確認していくことができます。

制作フローは 「情報整理→ラフ作成→デザイン作成→ディティール調整→納品」 のステップで整理 しました。いきなり手を動かさずに、初期の段階でしっかり要件をまとめ、その要件に沿ってデザインを作っていくことで、作り切ったあとの考慮漏れによる手戻りなどを防ぐことができるようになりました。

各ステップ内では、そのステップの中での デザインする上で気をつける観点 をまとめています。情報整理の段階では、目的整理とコンセプトの設計方法を。デザイン作成段階では、文字組みやレイアウト方法など、制作のステップ順に気を付けるポイントを細かく記載しています。ステップごとに制作者自身が確認を行うことで、自然と一連の流れで注意すべき観点を身につけることができます。

あわせて、デザインレビューのタイミングも制作フローの中で明確に指定 しています。それによって、レビュー側も一連の流れを瞬時に把握することができ、いち早くフィードバック対応に入ることができます。

また、インターン生に向けた「基本のき」のコーナーも設けており、制作における基礎的なところを簡単にインプットできるように設計 しました。例えば「レイアウトの組み方」や「トンマナのすり合わせ」などです。
これらをチェックしながら制作を進めることは、デザインの基本を学ぶことにも繋がりますし、スキルアップも期待できます。

チェック項目の内容自体は、普段レビューをする機会が多かったUIデザイナー同士で、フィードバックする際の共通の観点を洗い出して作成しました。こうして、Goodpatchオリジナルのクオリティチェックシート が完成です 🎉

作成データを一元管理する「アウトプット置き場」を整備

これまで社内クリエイティブを管理する場所がなかったため、「アウトプット置き場」という場所も新たに設けました。ここでは、バナーやアイキャッチも含め、すべての社内クリエイティブのアウトプットを管理 します。作成データを一元管理することで、リサイズ依頼があった場合なども他デザイナーが対応できるようになりました。
また、アウトプット置き場を設けたことによって、新しくバナーを制作するデザイナーにとって、自社の制作物におけるトンマナの検討にも役立つようになりました。

おまけ!制作を頼みたい時の「依頼シート」も作成

バナーを依頼をする方は、社内の採用担当者や、広報と営業、UXデザイナーなど、さまざまな職種の方々です。どんな情報と項目を用意すればデザイン制作にスムーズへ入れるか、依頼に慣れていないと把握することはなかなか難しいのではないでしょうか。
そこで、依頼者向けに 「誰に」「何を」届けたいモノなのかを明確化し、成果物の目的を達成できる情報が揃った依頼シート も次に制作し、社内で運用をはじめました。

依頼シートを通すことで、必要な情報がすべて揃っている状態になるので、デザイナーがすぐに制作にとりかかることができますし、認識の食い違いも起こりにくくなります。 こうして、依頼から制作、そして納品までの体験をスムーズにすることができました。

仕組み化した成果

アウトプットのクオリティが上がった!👏

クリエイティブチェックシートにより、1次レビューの際のクオリティが、仕組みがリリースされる前よりレベルアップした と実感しています。
また、「基本のき」をクリアしてもらうスピードが上がったため、さらに魅力的なデザインにするにはどうすればいいか?のフィードバックをできる時間 が生まれました。細かいデザインの詰めなど、これまで締切直近でクオリティアップを諦めた点なども、この時間でカバーできるようになりました。

直近では、株式会社LIGの アイキャッチデザインで参考になるWebメディア37選 の中で、クオリティの高いアイキャッチのWebメディア紹介に、Goodpatch Blogのアイキャッチを選出していただけました!

制作するデザイナーからの声

一連の制作フローと細かい注意ポイントを確認できることで、自分自身で情報の整理ができるようになった

自分で一定のブラッシュアップをできるので、レビューしてもらう先輩の工数を削減できるようになった

レイアウトパターンなどの具体的な参考が載っているので、すぐに手を動かせるようになった

初回レビューの段階で以前よりもクオリティを上げて出せるようになった

という声が仕組み化後に集まりました!期待通り作業がスムーズ化できたことで、手間やコストを削減できたかと思います。

まとめ

以上、GoodpatchのUIデザイナーが取り組んだ「社内クリエイティブを管理する仕組み作り」についてを、Goodpatch Design Advent Calendar 2022 24日目の記事としてご紹介しました。

デザイン業務の中のほんの一部分の課題ではありますが、この取り組みによってそれが解決できたことが嬉しいです。「Gooodpatchのアウトプットっていいよね」と言われるように、これからも自分たちでよりよい環境をつくっていきたいなと思っています。また、このような想いをもったデザイナーがたくさんいるところが、Goodpatchの良いところでもあると思っています!

そんなGoodpatchでは、一緒に働くUIデザイナーを募集しています。この記事を読んで少しでも興味が湧いた方は、ぜひご連絡ください!

執筆者

UI Designer: Yuehsheng Han / Ul Designer: Yuki Yamashita