厳しい残暑もようやく和らぎ、朝晩は秋の気配を感じられるようになりました。
「読書の秋」「食欲の秋」など、新しいことを始めるのにも最適な季節ですね。

それでは今月も、グッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します

AI

Google 検索における「AI モード」を日本語で提供開始

Google 検索における「AI モード」を日本語で提供開始

Googleの新しいAI検索機能「AIモード」が日本語で提供開始されました。Gemini 2.5のカスタム版を活用したこの機能は、従来の検索では難しかった複雑な質問にも一度で回答を導き出す優れものです。私たちが日々感じていた「もっと深く知りたい」「調べるのが面倒」といった課題を、AIが解決してくれる可能性を秘めています。

この「AIモード」は、質問をサブトピックに分解して深くウェブを探索する「クエリ ファンアウト」という独自の技術を使っており、これにより単一の質問から複数の側面を掘り下げることが可能になり、より深い情報を得ることができます。また、テキストだけでなく、画像や音声を使った質問にも対応している本格的なマルチモーダル体験ができる点も大きな魅力です。

AIによる回答を表示させることを目指す一方で、Googleの既存の品質およびランキングシステムに基づいて、信頼性が低いと判断された場合には従来のウェブ検索結果を表示するなど安全性にも配慮しながら、人とコンテンツの出会いの幅を広げていくと期待されます。

AIとデザインがどのように融合していくのか、そしてそれがユーザー体験をどう変えていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

Geminiの画像編集機能が大幅にアップグレード

Image editing in Gemini just got a major upgrade

2025年8月26日、GoogleはGeminiアプリの画像編集機能を大幅にアップグレードしたと発表しました。Google DeepMindが開発した新しい画像編集モデルが統合され、従来よりも人物やペットの外見的特徴を一貫して維持しながら編集できる精度が向上しています。

このアップデートでは、人物やペットの写真編集時に服装や背景を変更しても元の特徴が保たれるような最適化が行われました。例えば、ペットや人が写った写真を編集する際に、衣装や髪型などの本人らしさを損なわずに他の要素を変更できるようになります。

また、複数の写真を合成したり、段階的に部屋の壁紙や家具を変更するステップバイステップの編集、異なる画像の質感や模様を他の被写体に適用するスタイルの転写も可能です。

編集した画像はGeminiアプリで再編集や動画変換が可能で、生成画像には可視ウォーターマークおよび「SynthID」などのデジタル透かしが自動で付与されます。これによりAI生成コンテンツであることが明確に示されます。

既に浸透し始めているAIによる画像編集ですが、今回のアップグレードによって、画像編集はより誰にとっても簡単なものになりました。Gemiinの画像編集機能によって、これからどんなものが生まれるのか、期待に胸が膨らみます。

サービス・プロダクト

「iOS 26」「iPadOS 26」「watchOS 26」配信 新UI「Liquid Glass」採用

 

「iOS 26」「iPadOS 26」「watchOS 26」を9月16日配信 新UI「Liquid Glass」採用

2025年9月16日、最新の「iOS 26」「iPadOS 26」「watchOS 26」が配信開始されました。今回のアップデートで大きな注目を集めているのが、先日のWWDC25で公開された新しいUIデザイン「Liquid Glass」です。

iOS 26はiOS 7以来のデザインの刷新となり、「Liquid Glass」は透明感と立体感を組み合わせたインターフェースで、従来よりも滑らかで直感的な操作体験を実現しています。通知やウィジェットの表示方法にも変化が加えられ、より一体感のある見た目にアップデートされました。さらに、iOS 26ではAppleのAI「Apple Intelligence」の進化や写真アプリの強化、iPadOS 26ではマルチタスク操作の改善、watchOS 26では「Apple Intelligence」を活用したフィットネス機能の拡張など、それぞれのデバイスに最適化された新機能も追加されています。

筆者もiOS 26に早速アップデートしてみました。これまでよりも滑らかな操作感で、アプリを切り替えるときやスクロールするときには、まるで手の動きに画面が自然に追随しているような感覚があります。また、新機能の「空間シーン」によって、壁紙や写真が奥行きをもって表示され、画面全体が空間的に広がるような没入感も楽しめることには驚きました。新しいアニメーションに慣れるまでは少し違和感を覚える場面もありますが、毎日の操作が楽しくなるアップデートだと思います。

Appleユーザーの方は早速アップデートしてみてはいかがでしょうか。

万博会期後に「EXPO2025デジタルウォレット」のメインアプリとWeb3ウォレット領域が「HashPort Wallet」にリニューアルへ

万博会期後に「EXPO2025デジタルウォレット」のメインアプリとweb3ウォレット領域が「HashPort Wallet」にリニューアルへ

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の閉幕後、公式アプリである「EXPO2025デジタルウォレット」のメイン機能とWeb3ウォレット領域が、HashPort社が提供する「HashPort Wallet」にリニューアルされることが発表されました。このリニューアルは、単なるアプリの名称変更にとどまらず、万博で培われたデジタル技術の社会実装に向けた重要な一歩として、注目されます。

万博での「EXPO2025デジタルウォレット」は、キャッシュレス化やWeb3技術の体験に特化した実験的なアプリでした。しかし、万博後も「HashPort Wallet」として継続されることで、単なるイベント用アプリから、誰もが日常的に使えるWeb3ウォレットへと進化します。

また、リニューアル後の「HashPort Wallet」は、米ドルや日本円といった法定通貨と連動したステーブルコイン(USDC、JPYCなど)の利用を可能にすることを検討しています。これは、価格変動が激しい通常の暗号資産とは異なり、安定した価値を持つデジタル通貨を、日常的な決済や送金に使えるようにすることを意味しており、専門的な知識が少ない一般のユーザーでもWeb3の世界に抵抗なく入っていくための重要なステップとなります。

万博を契機に、最先端のWeb3技術が私たちの日常生活に溶け込み、新たなデジタル体験を創造する基盤となる可能性を秘めた「HashPort Wallet」。今後の展開に大きな期待が寄せられます。

ビジネス

初上陸や新業態で奇をてらわない「ニュウマン高輪」新オープン “未知数の地”で目指したもの

ノース・サウス棟

初上陸や新業態で奇をてらわないニュウマン高輪 “未知数の地”で目指したもの

9月12日、未来型都市開発「高輪ゲートウェイシティ」の中核施設として、新商業施設「ニュウマン高輪(NEWoMan TAKANAWA)」が開業しました。ルミネ13館目、ニュウマン3館目となる同施設は、延床面積約6万平方メートル。「ニュウマン新宿」の3.5倍、「ニュウマン横浜」の2倍という圧倒的な規模を誇ります。

今回オープンしたのは「サウス・ノース」「ルフトバウム」の2エリアで、来春には「ミムレ」も加わる予定です。設計はsinatoの大野力氏が担当し、高輪築堤の安山岩を使ったストーンペーパーの壁面サインなど、街の歴史を感じさせるデザインが取り入れられています。コンセプトは「100年先のまだ見ぬ生活体験価値の創造」。単にブランドを並べるのではなく、テナントと共に街そのものをゼロからつくる姿勢が貫かれています。

業種構成はファッション4割、ビューティ3割、飲食・サービス3割とバランス型です。コロナ禍の影響で「初上陸」や「新ブランド」は少なめですが、あえて奇をてらわず普遍的な価値が重視されています。商店街のような街づくりを意識し、営業時間をテナントごとに柔軟に設定できる仕組みを導入することで、働き方改革やサービス向上につなげています。

共用部にも独自の魅力が盛り込まれており、サウス棟28・29階の「ルフトバウム」では、都心上空150mに500本以上の植栽と富士山の眺望を楽しむことができます

開業日のオープン前には2,500人が行列をなし、大きな期待を感じさせました。都市開発と商業施設の融合によって、ニュウマン高輪が描く「生活体験の未来」に注目が集まります。

ニュウマン高輪に、店舗面積1,000坪超・約10万冊の本を揃える“心が躍る、自由で、楽しい本屋”「BUNKITSU TOKYO」9月12日(金)オープン

ルミネ史上最大規模で本格開業するニュウマン高輪に、店舗面積1,000坪超・約10万冊の本を揃える“心が躍る、自由で、楽しい本屋”「BUNKITSU TOKYO」9月12日(金)オープン

ニュウマン高輪の中でも特に筆者が注目するのは、文喫史上最大規模となる「BUNKITSU TOKYO」です。「文喫」とは、“文化を喫する、入場料のある本屋”をコンセプトに、持続可能な新しい書店モデルの提案として展開されている滞在型書店です。本との偶然の出会いをじっくり味わえる空間として人気を集め、この「BUNKITSU TOKYO」は4店舗目のオープンとなりました。

ネットで欲しい本を指名買いするのが当たり前になった今でも、タイトルや装丁にひかれて手に取り、数ページをめくるうちに文章が自然と心に流れ込んでくる――そんな感覚に出会った時の喜びは格別ですよね。

「BUNKITSU TOKYO」の空間は、その出会いをより豊かに体験できるように設計されています。フロア全体を巡るように伸びる小道や、路地のように入り組んだ本棚の配置、子どもがくぐれるサイズの通り穴、そしてアーティストによるアート作品。探検したくなる仕掛けや遊び心が随所に散りばめられ、訪れる人の想像力を刺激します。そこは単なる「本を買う場所」ではなく、本をきっかけに時間を過ごし、世界を広げるためのテーマパークのような場。ページを開くたびに広がる可能性と、空間そのものがもたらす創造的な体験。その魅力的な共創を楽しみに、足を運んで「読書の秋」を満喫するのはいかがでしょうか。

イベント

この秋、東京ミッドタウンがデザイン一色に染まる!展示からカンファレンスまで、多彩なデザインイベントが集結

この秋、東京ミッドタウンがデザイン一色に染まる!展示からカンファレンスまで、多彩なデザインイベントが集結

この秋、東京ミッドタウンでは多彩なデザインイベントが開催されます。ビジュアル、空間、プロダクトなど幅広い分野の最新動向に触れられる貴重な機会です。

注目は「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」。佐藤卓氏や土田貴宏氏による展示やワークショップが、“あたりまえの日常がおもしろくなる”をテーマに展開され、生活視点からデザインの本質を再発見できます。

「TOKYO MIDTOWN AWARD 2025 EXHIBITION」では、全国から集まった1,400点以上の応募作のファイナリスト作品を展示。プロダクトやグラフィックなど、ジャンルを超えた新しい表現や体験に出会えます。

「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」では、今年のグッドデザイン賞受賞作を一堂に紹介。社会課題やテクノロジーを背景にしたプロジェクトも多く、空間やサービスを含めた総合的なデザインを体感できます。

さらに「DESIGNART TOKYO 2025」「JAPAN FURNITURE SHOW」「Designship 2025」も開催予定。アートやファッション、インテリアなどジャンルを横断した展示やセッションからも、空間や文化とデザインの関係性を広く感じ取れます。

そして「Designship 2025」には、グッドパッチから執行役員の石井、Goodpatch Anywhere事業責任者の小澤、デザイントレーニングマネージャー秋野が登壇。秋野は、本記事を執筆しているデザイナートレーニングチーム「hatch」のマネージャーも務めており、「新しいデザイナー育成のカタチ」をテーマに、UI/UXに特化したデザイナートレーニングチームの誕生秘話や、その活動についてお話しします。

デザインの未来を感じさせる展示やイベントは、思わぬ発見や刺激にあふれています。秋の東京ミッドタウンで、五感を刺激するデザイン体験をぜひ味わってみてください。

「1秒後、世界が変わる。」東京大会ならではの世界陸上の盛り上がり

9月13日(土)から9月21日(日)にかけて、東京・国立競技場をメイン会場に開催される国際陸上競技の祭典「東京2025世界陸上」。34年ぶりの東京開催であり、世界中のトップアスリート約2,000人が集結しました。

今大会のキャッチコピーは「1秒後、世界が変わる。」

陸上競技は“1秒”という短い時間で記録が生まれたり、展開が大きく変わったりと、躍動感、緊張感にあふれています。まさに1秒後、人類が進化することを目の当たりにする様子が伝わってきますね。

今大会が話題となっている要因の一つに、東京大会ならではのグラフィック・ビジュアル的な演出があることが挙げられます。

一般的な大会ロゴ・キャッチコピー・マスコットだけでなく、TBSの公式サイトでは、TVアニメ『進撃の巨人』や「サンリオキャラクターズ」とのコラボVTRが紹介されていたり、「東京世界陸上アートプロジェクト」と題して都内各地に巨大壁画アートプロジェクトが展開されるなど視覚的訴求の幅広さが目立ちました。これにより単なる競技観戦だけでなく、「体感」「共感」「参加」などより参加体験に没入できるようなエクスペリエンスが強まっていると考えられます。

大会3日目(9月15日)、男子棒高跳び決勝でデュプランティス選手が3大会連続となる金メダル獲得をした際に、夜11時前にもかかわらず当日全種目のなかで最終チャレンジとなった3回目の跳躍を多くの観客が固唾をのんで見届けたのが印象的でした。

近年の世界陸上の興行が人気を博す背景には、「劇場性」と「ライブ性」があり、スタジアムでの観戦・応援、テレビやストリーミングでの実況・解説、SNSでのリアルタイム拡散が相まって「その場にいない人にも伝えるドラマ」が創られているといえます。

メンバー募集のお知らせ

今月の「まとめ」はいかがでしたでしょうか?9月も新しい出来事やリリースが盛りだくさんでした。こちらの記事はグッドパッチのデザイントレーニングチーム「hatch」のメンバーで共同執筆しています。「hatch」では一緒に働くメンバーを募集しておりますので、ご興味がある方はぜひエントリーください!

👉UXデザイナーの募集要項はこちら
👉UIデザイナーの募集要項はこちら