こんにちは。UXデザイナーの関口と申します。私は1999年生まれで、総合大学の経済学部を卒業し、2023年にUXデザイナーとして新卒入社しました。
大学時代は、サークル運営を頑張ったり、関心のあった教育系の活動を母校に持ち込んで行ったりしたほか、コワーキングスペースの立ち上げと運営をしていました。
当時は「自分はビジネス知見が少ない。もっとさまざまなことを見て、触れなくては」と考えて就活をしようと考え、運営していたコワーキングスペース事業から離脱してグッドパッチの門を叩きました。
あれから早1年。グッドパッチでは、ビジネス知見が少ないことよりも、もっと自分に足りないもの、これから鍛えていくべきテーマを1年目から大いに学ぶことができたと思っています。
そこでこの記事では、自分がグッドパッチへの入社時に期待したことを振り返りつつ、実際に1年間、仕事をして何を学んだかを「備忘録」として残しておきたいと思います。自分の進路に悩む大学生や、グッドパッチに興味がある方の参考になれば幸いです。
目次
新卒入社に「グッドパッチ」を選んだ、3つの理由
ビジネスの知見が少ない、と危機感を覚えて就活を始めた私ですが、当時は「事業を自分で作って、グロースさせられる人間になりたい」と考えていました。いわゆる就活の「軸」は以下の3つでした。
さまざまな事業ドメインに触れられる環境
ビジネス知見の少なさを解消するために、多様な事業に触れられる状態が良い定型的な業務が少なく、柔軟性が必要な業務が多い環境
なるべく成長スピードを自分でコントロールしたい。望めば自分で成長機会を増やせる状態が良い人数が少ないが、今後の企業成長に重点を置いている環境
社内合意形成にスピード感があり、手を上げたらやらせてくれる環境が良い
自分は基本的に逆張りをしたくなるタイプなので、ややひねくれている面があるかもしれませんが、グッドパッチはこうした要素を満たす企業だと思えました。
……と、偉そうに書きつつも「デザイナーって手に職がつきそうだし、フリーランスとかで働きながら、自分で挑戦したいことができるかも!」とか「フルリモート、フルフレックスって最高!出勤がなければ、いっぱい寝れそう!」といった邪な(?)気持ちがあったのも事実です。今思えば恥ずかしい。
1年目のUXデザイナーが学んだこと、つまづいたこと
そして4月に入社し、約9カ月が経ちました。これまでデザイナーとして関わった案件は3つで、全て新規事業立ち上げにおけるコンセプト策定です。やや偏った経験かもしれませんが、1年間UXデザイナーとして仕事してみて、自分が学んだことを振り返っていきたいと思います!
1年目から求められる「鳥の目」「虫の目」
グッドパッチのUXデザイナーは、「体験設計」を通じてサービスを作る/改善することで、クライアントのビジネスに寄与することを目指しています。そのため、「純粋な」UXデザインのスキルだけを求められているわけではありません。
言ってしまえば、クライアントのプロジェクトを体験設計の力を使って前進させるということ。そのため、プロジェクト全体と、そのプロジェクトに関連するクライアントのビジネスを理解する必要があります。
俯瞰して見ることを「鳥の目」と言われ、細かいところをよく見ることを「虫の目」と言われますが、グッドパッチのデザイナーは、プロジェクトやビジネスを知る鳥の目と、現場目線でタスクを進める虫の目を、1年目から求められることになります。
自分は初めて関わった案件で、「今考えているサービスアイデアのコンセプトをまとめてみて」と先輩に頼まれ、自分なりにコンセプトをまとめてみたところ、期待に沿うものを作れなかったという失敗を経験しました。
その時に作ったコンセプトは、プロジェクトの中でまだ合意が取れていない要素が多く入っており、単に自分が考えていることを反映しただけのものになってしまっていた、というわけです。
改めて先輩に確認したところ、求められていたのは、「プロジェクトチームで、サービスアイデアへの認識をそろえることができるコンセプト」でした。自分の考えではなく、これまでの議論で出てきた、個々の発言をうまく集約したものである必要があったのです。
プロジェクトのゴールがどこにあり、いつまでにどんな状態になっているべきなのか、そして、その状態になるために何が必要か──こうしたプロジェクトの全体像を把握し、クライアントだけではなく、社内のチームとも擦り合わせながら(鳥の目)、現場目線で実際にタスクを進める(虫の目)ということが、最も重要だと学ぶことができました。
研修で習ったことが全てじゃない。自分で考えて自分で走る。
苦労したことを思い出すと、「自分自身でタスクを作っていく」こともそうでした。
グッドパッチでは、決まりきったデザインの「型」に則して進めるだけのプロジェクトはほとんどありません。クライアントのことを柔軟に理解する必要がありますし、すべての案件で進め方もタスクも異なります。そのため、鳥の目でプロジェクトの全貌を理解した上で、自分自身でタスクを作っていくことを1年目から求められるのです。
もちろん、先輩もタスクを指示してくれますが、それが全てではありません。チームに負荷をかけないために、そして自分自身の成長のためにも、自らのタスクは自分自身で作っていくことが大切なのです。
自分は2つ目の案件で、このタスクを作っていく壁に当たりました。この案件は、抽象度が非常に高く、研修で教わったUXデザインのフレームワークがハマらない部分が多く、とても苦戦しました。
その際には、「UXデザインのフレームワークを用いることで、何が得られるのか」を再度考え直していくことで、フレームワークが使える部分と使えない部分を見定め、UXデザインの枠に留まらない動きをしていくことが重要だと気付きました。
このときの経験を経て、自分にとってのUXデザイナー像は「UXデザインをする人」から「UXデザインを用いて物事を前に進める人」という形にアップデートされたのです。
「伝える」ために時間をかける
自分たちにとっては当たり前のことでも、クライアントにとっては初めてのことである──普通のことに聞こえますが、これが意外と難しかったことが印象に残っています。
プロジェクトでは、「関係各所の認識を合わせて、正しく伝える」ことが非常に重要です。「UXデザインの考え方だと、これが良いんです!」ではなく、「プロジェクトの目的はこうで、直近の目標はこうです、だから、このように進めていきます」といったロジカルな説明が求められます。先ほどと同様、プロジェクト理解が重要なのは言うまでもありません。
正しく伝えるのはクライアント相手だけではなく、社内の人に相談するときも大切です。自分は最初の案件では、特に目的やアジェンダを決めていない状態で相談することが多々ありました。グッドパッチは親切で丁寧な方が多いので、まとまっていない状態でも一緒に整理してくれましたが、相手に負荷をかけてしまっていると感じることが多くあったのです。
そのため、まとまっていない時には「一緒にまとめてくれませんか?」という形で時間を設けて、疑問点を明らかにしてから相談するという方法で時間をもらうように意識するようになりました。
もちろん、すぐに分かりやすく言語化して伝えられれば良いのですが、自分はそれが不得意なので、丁寧に整理していくことを心がけて、言語化の力を少しずつ伸ばしていければと思っています。
大変だけど、UXデザイナーになって良かった
以上の3点が、自分がグッドパッチに入社してから得た学びです。入社前の自分は、「ビジネスの知見が多くないことが課題だ」と考えていたのですが、それはもちろんですが、もっと大切だったのは「ビジネスを前に進める力」だったのだと実感しました。
グッドパッチのデザイナーは、デザインの力を活用してクライアントのビジネスを加速させることを目標にしています。そのため、UXデザインの専門性を身につけていれば良いのではなくて、その専門性を最大限発揮できるように土俵を作っていくことも重要になってきます。
グッドパッチでUXデザイナーとしてファーストキャリアをスタートさせたことで、この専門性と土俵作り、両方の力を素早く身につけていくことができると感じています。
まだまだ出来ないことが多く、経験を通して学んでいかなくてはいけないことがたくさんありますが、これからも一歩ずつ頑張っていこうと思います。グッドパッチが気になっている方の参考になれば幸いです。