2024年も、あっという間に半年が過ぎようとしています。時の早さを感じるこの頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

今月もGoodpatchで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

サービス

集英社が縦読み漫画アプリ「ジャンプTOON」をリリース

集英社「ジャンプTOON」:https://jumptoon.com/ 

大手出版社の集英社が、縦スクロール形式で読める漫画アプリ「ジャンプTOON」をリリースしました。

縦読み形式は、スマートフォンでの閲覧に最適化されており、ユーザーがより直感的にストーリーを追うことができます。そのため、漫画の世界に没入することができ、作品自体への愛着も増すのではないかと考えられます。

縦スクロール形式の漫画アプリは数多くある中、ちょうど一年ほど前に、同じく大手出版社の小学館が縦読みマンガアプリ「マンガワン」をリリースし、驚異の3,000万ダウンロードを達成しています。

今回リリースされた「ジャンプTOON」も、大手出版社ならではのオリジナルコンテンツの提供により、他のプラットフォームとの差別化を図る戦略も見られます。これにより、出版社はデジタルマーケットにおける競争力を強化し、新たな収益モデルを構築することができ、ますます競争が激化しそうです。

米OpenAI(オープンAI)が新モデル「GPT-4o」を発表

https://openai.com/index/hello-gpt-4o/

OpenAIは、2024年5月13日に最新モデルである「GPT-4o」を発表しました。

注目すべきは音声会話の応答速度であり、以前のモデルでは早くて約2.8秒だったのに対し、「GPT-4o」では最短0.232秒で応答でき、人間の速度に近い応答が可能となりました。

Googleの生成AIサービス「Gemini」や、Adobe Lightroomの「生成AI削除」機能、Appleからはメールや個人的なメッセージの作成を補助する「Apple Intelligence」が発表されるなど、続々とAIに関わるニュースが発表され続けています。

こちらの記事ではアイデアの壁打ちやデザイン制作で活用できるAIツールを紹介しています。多くのAI関連サービスが登場し続ける昨今、何がいいのか難しく感じてしまいますが、こちらの記事で紹介されているAIサービスをはじめ、使い慣れていない方でも利用しやすいサービスも多くあります。AIを上手に活用して、クリエイティブを作るスピードを加速させましょう。

イベント

日本のグラフィックデザイン2024

https://www.designhub.jp/exhibitions/gdj2024

東京ミッドタウン・デザインハブにて2024年7月1日から8月25日にわたって、東京ミッドタウン・デザインハブ第109回企画展として「日本のグラフィックデザイン2024」が開催されます。

企画を行った、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、会員約3,000人を擁するアジア最大級のデザイン団体です。1981年から毎年年間の日本グラフィックデザイン協会員の優れた仕事や作品をまとめた年鑑「Graphic Design in Japan」を発行し、日本の多種多様で質の高いグラフィックデザインの成果を国内外に紹介しています。

このイベントでは2024年版に掲載されている作品の中から約300点を、実物と映像で展示される予定です。ロゴ、パッケージをはじめとした、幅広いグラフィックデザインが展示されるとのことで、新たなデザインに触れられる機会となっています。

私としても、ブランドの世界観を反映するグラフィックデザイン表現などを学びに参加したい、注目の展示会です。

Figma Config 2024

https://config.figma.com/

2024年6月26日〜27日の2日間にわたってサンフランシスコにて「Figma Config 2024」が開催されました。

Figma Configとは、Figmaの新機能発表や、世界中のデザイナーがスピーカーとして登壇するイベントです。昨年のFigma Config2023では8000人以上ものFigmaユーザーが来場しました。今年のセッションには、開発やデザインに並び、AIをテーマとしたセッションもありました。

私が注目しているのは、Configで発表されるFigmaの新機能です。昨年はDev ModeやVariablesなど、制作や開発との連携がスムーズになる便利な機能が多く発表されました。

今年の注目機能はFigma AIです。レイヤー名を自動で変更したり、プロンプトを入力することでAIが数秒でデザインを制作したりします。制作が手軽になる反面、今後デザイナーは作ること以外のスキルを特に求められそうです。

Cannes Lions 2024 

https://www.canneslions.com/

カンヌライオンズは、コミュニケーションの創造性を祝う世界的なフェスティバルで、毎年多くの業界リーダーや新進気鋭のクリエイターが参加します。

今年のイベントでは、多岐にわたるカテゴリが特集されています。基調講演者やキュレーションされたライブストリームを通じて、業界の最新トレンドや革新的な戦略についての貴重な洞察を得られる場となりました。

特に、注目したいのは「デザイン」のカテゴリです。現在、特設サイトからは、926のエントリーから厳選された101の事例を一覧で閲覧できます。

https://www.lovethework.com/work-awards/results/cannes-lions/design

ブランドを定義したり、メッセージを伝えたりするためにデザインがどのように使用されているか、特出した事例から考察することは、新しいアイデアを考える上で豊かなインスピレーションを与えてくれますねるでしょう。

ビジネス

デジタル庁:ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとチャート・コンポーネントライブラリ(ベータ版)を掲載

https://www.digital.go.jp/resources/dashboard-guidebook

デジタル庁は、ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとチャート・コンポーネントライブラリ(ベータ版)を掲載しました。

このガイドブックは、行政や公共機関、民間企業などに従事する人が、わかりやすいダッシュボードを効率的に開発できるよう、作成・公開されています。

実践ガイドブックを見てみると、タイトルの付け方や配色など、わかりにくいけれどついやってしまう表現をより良くする方法が細かく記されており、デザイナーではない人でも、表現に迷わず、簡単にダッシュボードのデザインが作れそうです。

また資料には代替テキストも用意されており、視覚にハンデのある方でもガイドブックの内容を参考にできるよう配慮されています。ダウンロード形式の資料では音声読み上げソフトが対応できないため、このように代替テキストでも確認できるようにすると、多くのユーザーに優しい設計となりそうです。

デザイン白書2024 公開

https://www.jidp.or.jp/2024/06/04/wpd2024

公益財団法人日本デザイン振興会は、各都道府県や企業、行政などのデザインに関する多様な取り組みを取りまとめたレポート「デザイン白書2024(WHITE PAPER ON DESIGN 2024)」を6月4日に公開しました。

デザイン白書2024では、日本の地域や企業、行政などのデザインに関する多様な取り組みや動向について幅広く紹介されています。定量的・定性的に示された多くの情報は、デザインへ投資することの意義や効果を多様な視点から取り上げています。

全国各地において、デザインを用いたどのような取り組みが展開されているのか、デザインは経済や社会にどのような効果をもたらしているのかなどが「世界×デザイン」「地域×デザイン」「企業×デザイン」「行政×デザイン」「文化×デザイン」の観点から取りまとめられています。グッドパッチ弊社も企業×デザインのテーマで紹介されています。

私が注目したのは、第6章の「資料」です。ここではデザイン業の売上高など、デザインにまつわる様々なデータが紹介されており、デザインに携わる身としてもとても興味深い内容です。

CULTIBASE Lab完全無料化

https://www.cultibase.jp/articles/cultibase-free

2024年6月4日より「CULTIBASE Lab」が無料化されました。「CULTIBASE Lab」とは、株式会社MIMIGURIが、経営・マネジメントに関する独自の最新知見を伝えるサービスです。

「CULTIBASE Lab」で発信されているコンテンツは多角化経営、マネジメント、組織変革、組織開発、職場づくりやファシリテーションなど幅広く扱っており、その数は無料で提供してきた記事やPodcastを含めると、延べ900本以上になっています。これまで有料会員限定だったコンテンツが、簡単な会員登録で誰でもアクセス可能になりました。

無料化により、経営・マネジメントを学びたいが今まで手が届きにくかった学生など、より多くの人にとっての学びの場となりそうです。