ぐんぐんと気温が上がり、夏の気配を感じる季節となりました。これから梅雨の時期となりますが、元気いっぱい乗り切っていきたいものです!

今月はPayPayのアップデートから議論を呼んだあのタブレットの話まで、Goodpatchで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

サービス

PayPayが送金上限を大幅引き上げへ

https://about.paypay.ne.jp/pr/20240424/02/

PayPay株式会社は2024年4月24日に、キャッシュレス決済サービス「PayPay」の「送る・受け取る」を使って一度に送金する際の金額の上限を、10万円から30万円(過去24時間)に引き上げました。

PayPayの「送る・受け取る」とは、24時間365日、無料でPayPay残高を即時に送ることができる機能です。特に「スケジュール機能」のニーズが高まっており、2024年3月にスケジュール機能で送金した件数は、前年同月比で2.6倍となっています。このことを受け、今回本人確認済みユーザーに限り、一度の送金の上限金額を10万円から30万円へ大幅に引き上げることになりました。

これにより、フリーランサーや個人事業主、友人や家族間の送金がより活発になることが予想されます。デザイン業界においても、個人で仕事を受注する場合、報酬支払い方法として口座振り込みより、手軽なPayPayのやりとりが導入される日が来るかもしれません。

すでにスマホ決済における送金回数では約95%のシェアを占めているPayPayですが、今後ますますの発展が見込まれそうです。

モビリティサービス、OSAMPOの実証実験実施

https://toyotaconiq-pro.co.jp/activities/1676/

トヨタ・コニック・プロは、「自然」と「便利」が融合する持続可能な都市を目指すイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」に合わせて、お台場・晴海エリアの観光を促進する新しいサービスとして、TOYOTAの歩行領域BEV「C+walk T」とGPS連動の音声ガイドによってお台場・青海エリアを巡る周遊観光サービス「OSAMPO」を企画しました。

同社は、トヨタ自動車と電通グループ出資の広告代理店であり、 企業CMなどの広告事業、ブランディングやイベントの企画・運営など、総合的にアプローチすることで、事業効果の最大化を支援している会社になります。

OSAMPOでは最高速度6km/hのモビリティによる移動の体験と、GPS連動の音声ガイドによるエリア観光情報の提供によって、お台場・晴海エリアの「自然」「観光スポット」を巡ります。最高時速6km/hでの移動が生み出す体験として、普段見落としてしまいがちな景色に目を向けて、今まで知らなかったお台場・晴海エリアの魅力を再発見したり、友人、家族とのコミュニケーションを楽しむことができるとのこと。

OSAMPOのサービスを通して、安心と発見に満ちた新しいカタチでの周遊観光体験の提案を目指しています。

モリサワ 教科書出版大手 東京書籍のオリジナル欧文フォントを共同開発、令和7年度版中学校英語教科書に採用

https://www.morisawa.co.jp/about/news/10142

株式会社モリサワと東京書籍株式会社は4月23日、共同開発したオリジナル欧文フォント「Tosho Title Font」が、令和7年度版の中学校英語教科書「NEW HORIZON」に採用されたことを発表しました。

近年ではより多くの児童が学びやすいよう、教科書で使用するフォントなどへの配慮が進んでいます。今回発表された「Tosho Title Font」では、英語教育の中で生徒が判別しにくい文字を調査をし、文字の判別性や、日本語と組み合わせた際にも違和感がないデザインになるよう設計されているそうです。

欧文では、すでに知っている単語でも、一文字読み間違えただけで意味がわからなくなってしまうことがあります。特に長文だと、小さな文字が並ぶので読みにくくなります。文字の形が分かりやすくなったことで障壁が一つ減り、勉強に取り組みやすくなるのではないでしょうか。

2024年4月1日から障害者差別解消法の改正により、合理的配慮の提供が民間の事業者にも義務化されました。それに伴いWebサイトにおいては、アクセシビリティを確保することが努力義務となりましたが、今後も日常的に使用するプロダクトのアクセシビリティを意識する流れが続きそうです。

イベント

ASABA×BAUHAUS

https://plus81.gallery/katsumiasaba/

浅葉克己は、日本のグラフィック・デザイン界をリードし、タイポグラフィを中心に様々なデザインを手掛けてきたデザイナーです。その功績を称え、東京・渋谷にある+81 Gallery – Tokyoで彼の個展が開催されています。この展示では、彼がBAUHAUS*を題材に創り続けて来た100点を超える作品の中から抜粋された作品を一覧することができます。

*BAUHAUS:1919年から1933年までの間に、ドイツのワイマールで始まった芸術とデザインの運動。個人の芸術性と大量生産・機能性を融合させることを試みた。

浅葉は文字に対する情熱を持ち続け、そのデザインは常に独創的であり、「血肉化」されたものとなっています。彼の作品には、映画監督ウディ・アレンを起用した西武百貨店の広告「おいしい生活」や、ISSEY MIYAKEのロゴなど、さまざまなデザインが含まれており、人々に強烈な印象を残しています。

この展示では、ミサワバウハウスの企業広告として、ドイツの伝説的な美術学校BAUHAUSの世界観を表現した作品に焦点が当てられています。浅葉のデザイン哲学とBAUHAUSの伝統が融合した空間で、彼の作品の魅力を体感できる内容となっています。会期は本日5月31日まで!これから行けばギリギリ間に合うかも?

Featured Projects 2024「そうぞうからはじまる」

https://featuredprojects.jp/

5月24日から5月26日の3日間にわたって、コクヨ株式会社東京品川オフィス(THE CAMPUS)にて、デザインの祭典「Featured Projects 2024」が開催され、グッドパッチもスポンサーとしてブース出展やポスター、パネル展示などを行いました。

Featured Projectsは、「よいものづくりは、明日を拓く」という理念に基づいたデザインプロジェクト。このプロジェクトでは、コミュニケーション、コミュニティ、プロダクションの機能を融合し、統合的なプラットフォームとして展開しています。

今回のFeatured Projects 2024では「”そうぞう”からはじまる」をテーマに、近年のデザインにおける流行を組み込んだトークセッション、ミートアップ、ワークショップ、展示、クリエイターズマーケットの5つの多様な企画が実施されました。

従来のビジネス領域にとどまらず、幅広いデザイン・クリエイティブ領域で活躍する新たな才能とのコラボレーションを通じて、「デザイン」の可能性を探求するムーブメントを生み出すことを目指しているとのこと。今後ますますデザインの概念が拡張され、さまざまな領域へと応用されることが期待できそうです。

ビジネス

電通総研、ミツエーリンクスを完全子会社化

https://www.dentsusoken.com/news/release/2024/0426.html

電通総研は4月26日、UI・UXデザインを手掛けるミツエーリンクスを完全子会社化したことを発表しました。

電通総研が今回ミツエーリンクスを完全子会社化した背景として、業界・業務知見やテクノロジー実装力と、デザイン力やウェブサイト・スマートフォンアプリケーション等の構築・運用力を掛け合わせ、企業における「価値の創出」と「顧客体験の向上」の両面に必要なケイパビリティを強化することが挙げられています。

社会の進化に貢献することを目指す、「社会進化実装」を事業コンセプトとして掲げている電通総研が、自己変革に必要な新しい能力の一つとして「構想力・デザイン力」を挙げていることから、社会からの構想力やデザイン力に対する注目が感じられます。

新iPad発表動画に世界中のクリエイターを中心にユーザーから批判が殺到

https://www.youtube.com/watch?v=ntjkwIXWtrc

アップルが5月7日の新作iPadの発表会で公開した動画について、批判が殺到し、アップルが謝罪するという出来事がありました。

動画は、大きなプレス機がギターやピアノ、塗料などを押しつぶし、プレス機が上がった際に新型アイパッドが現れるという内容になっています。これまでのiPadで最も薄いという特徴を強調する狙いがあったとみられています。

これに対し、「悲しくなった」「クリエイターへのリスペクトがない」など批判が寄せられました。

Appleのマーケティング責任者トア・ミレンさんは海外メディアに対して、「創造性はAppleのDNAに根ざしており、世界中で創造に力を与えるデザイン製品は当社にとって非常に重要である。当社の目標は常に、iPadを通じてユーザーが自身を表現し、アイデアを実現する無数の方法を祝福することだ。このビデオは的外れだった。申し訳ない」と謝罪のコメントを寄せました。

さらに、Appleの動画公開からわずか1週間後、Samsungが動画を公開。動画は、破片や残骸などが散乱した空間を歩く一人の女性が、壊れたギターを手に取り、Samsungのタブレット端末「Galaxy Tab S9」で譜面を見ながら弾き始める内容で、「私たちは決して創造性を潰すことはない」(We would never crush creativity.)という文言と共に公開されました。

人間の創造性とテクノロジーの関係について、今後ますます議論が行われそうです。