新しいものが大好きなGoodpatchで12月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2022)
もういくつ寝ると、お正月〜〜♪と口ずさみたくなる時期、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
クリスマスからお正月にかけて美味しいものを食べすぎて太り気味になることが気になっている筆者です。
さて、今月もGoodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介します。
目次
サービス
LINE・ヤフー・PayPayが販促DXを推進する新サービスを発表
https://about.paypay.ne.jp/pr/20221213/01/
Zホールディングス傘下のLINE、ヤフー、PayPayの3社は、2023年3月にオンラインとオフラインを横断する新しいマイレージ型の販促プラットフォームをスタートすると発表しました。これまでのポイントやマイレージの考え方とは異なり「商品ごとに設けられたマイレージ」という構想で、特定の商品をPayPayで購入すると、その商品に設けられたマイレージが貯まります。マイレージが一定以上に達すると、「PayPayポイント」がもらえたり、同じ商品や同じメーカーの他の商品がもらえたりするそうです。
スマホ決済でPayPayが大きくシェアを獲得したことで、これまで消費者のオフラインでの購買行動を把握するのが非常に難しかったことに対する解決策にもなりました。実店舗と消費者両方の体験を変えていくPayPayの躍進には感服します。
家計管理のスマートバンクが、親子で一緒に支出管理ができる「B/43ジュニアカード」の提供を開始
Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった新しい支出管理サービスB/43を提供する株式会社スマートバンクは、親子で一緒に支出管理ができて、お金の管理が子どもにもに身につくチャージ式Visaプリペイドカード&アプリ「B/43ジュニアカード」無料版の提供を開始しました。元々同棲しているカップルや夫婦間での支出管理をターゲットにしたサービスから「お金の流れをもっと透明に」という軸で子供向けにも横展開していることが、サービスの設計・グロース観点からしても美しいと社内で話題になりました。
ちなみに筆者も家計管理でB/43をとても活用しています。使いやすいUIと、支払いした瞬間に家計に反映されるUXがとても良い印象で、これから家計管理、資産管理、資産運用とどんどん拡大していくであろうサービスに期待が膨らみます。
セブンイレブンが、レジに並ばずに決済できる「セブンスマホレジ」の導入を拡大
https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2022/202212131400.html
2022年12月15日、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、レジに並ばずにスマホ上で決済を完了できる「セブンスマホレジ」の導入を、現在実証実験中である12店舗から全国のセブン-イレブン51店舗へと拡大することを発表しました。
「セブンスマホレジ」での買い物の流れは、アプリケーションのダウンロード後、導入店舗にて「入店QRコード」をスキャンすることで買い物が開始。購入する商品のバーコードをアプリケーション上でスキャンし、購入内容を確認・編集し、決済に進むことができます。現時点での決済方法としては、クレジットカードの他、PayPayやd払い、auPAYといったバーコード決済に対応しているとのことです。そして決済完了後、「退店QRコード」をスキャン、もしくはアプリケーション上に表示されたQRコードを専用リーダーにかざすことで、買い物が終了するそうです。
現在のセブンイレブン店頭では、店員が商品を読み取って客が会計操作を行う「セミセルフレジ」の導入が9割ほど進んでいますが、それでもレジ前の行列と遭遇することが多い印象を受けます。客が商品の読み取りから決済まで行う「セルフレジ」と合わせて、この「セブンスマホレジ」の拡大が、店員の業務負担の削減と客の決済手段の増加といった効果をもたらし、レジ前の行列の回避などをはじめとする良い購入体験に繋がることを期待したいと思います。
Appleがフリーボードを発表
2022年12月13日、AppleがiPhone、iPad、Macで利用できるホワイトボードアプリ「フリーボード」の提供を開始しました。
フリーボードはまるで無限に広がる白いホワイトボードのようなもので、文字はもちろん、画像データやオーディオなど様々なファイルをボード上に貼ることができます。また、個人での使用だけでなく同じボードで最大100人と共同作業できるのも特徴です。
Appleのフリーボードは「FaceTime」との連携やその他ツールとの互換性や、無料で使用できるなどのメリットも挙げられます。実際にビジネスシーンでのコラボレーションツールとして頭角を表している「miro」やGoodpatchで自社プロダクトとして提供している「Strap」など既にあるオンラインホワイトボード系ツールにどのような影響を与えるのか。はたまたユーザーの反応も含めて今後の動向に期待です。
デザイン
デジタル庁が「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」のベータ版を公開
https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook/
2022年12月6日、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」をミッションとして掲げるデジタル庁が、ウェブアクセシビリティに初めて取り組む行政官の方や事業者向けに、「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」のベータ版を公開しました。
本ガイドブックの内容としては、
①ウェブアクセシビリティの基礎。
ウェブアクセシビリティの恩恵を受ける日本人の人口数とその内訳やアクセシビリティとユーザビリティの関係性などについて紹介。
②ウェブアクセシビリティで達成すべきこと。
ウェブアクセシビリティを担保する上で、「必ず達成しなければならないもの」「基本的に達成すべきこと」「状況に応じて確認すべきこと」「よく検討して導入すべきこと」について、OK例やNG例と共に紹介。
③ウェブアクセシビリティの実践。
プロセスアクセシビリティ対応として、サービス開発や情報発信におけるプロセスと担当者の主な役割を紹介。
などによって構成されています。
ガイドブックで紹介されているように、ウェブアクセシビリティの恩恵を受ける日本人の人口は少なくとも428万人以上とされており、この人数は年々増加しています。一方で普段の生活において、ウェブアクセシビリティについて考える機会は決して多くはないのではないでしょうか。本ガイドブックは導入ガイドブックということもあり学びはじめとして取っ掛かりの良い読み物になっています。ウェブアクセシビリティに対する自分の解釈と態度を形成する機会にぜひお読みになってはいかがでしょうか。
グッドデザイン・ニューホープ賞の受賞結果が発表
https://newhope.g-mark.org/award.html
2022年12月3日、日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン・ニューホープ賞」の結果が発表されました。グッドデザイン・ニューホープ賞は「出会いたい。これからの世界をつくる新しい才能たちと。」をスローガンに、若手のクリエイターや学生を対象にした、これからの時代を担う人たちのデザインアワードです。
初年度の応募総数は414点。その中から91点が受賞し、そのうち合計8点が優秀賞、最優秀賞1点が決定しました。家庭環境に問題がありながら、既存制度の支援対象には該当しない少年少女の居場所を見つけるためのサポートプロジェクト「第3の家族」を筆頭に、中途失明者の点字習得の難しさに解決するための「読む」システムデザイン「Flick Braille」など、大きな社会問題からマイクロニーズまで幅広い領域へのユニークなアプローチが特徴的なデザインが多く集まりました。
今後、グッドデザイン・ニューホープ賞が学生ならではの視点で社会を見つめ、挑戦的な手法やアウトプットが集まるデザイン業界の新たな文化となるか、来年以降の動向や社会への影響にも期待です!
トレンド
AIチャットボットのChatGPT、公開6日目で100万ユーザー突破
人工知能の研究と展開を行うアメリカの非営利団体OpenAIが、2022年11月30日にAIチャットボット「ChatGPT」を公開し、12月5日時点でユーザー数が100万人を突破したとOpenAIのCEOであるSam Altmanが発表しました。
https://twitter.com/sama/status/1599668808285028353?s=20&t=ZBdQ5bPTjvOgIPSN2zExwA
ChatGPTは、チャット形式で投げかけた質問に対してAIが回答してくれるWebサービスです。例えば「どうすればデザインが上手くなる?」と質問したところ、数秒後に以下のような回答を返してくれました。
この画面からもわかるように非常にシンプルなチャット形式のUIで、誰でも簡単に使うことができます。意味の通じる言葉であれば基本的にどんな質問にも反応し、わかりやすい言葉で回答を返してくれます。
最近では、お問い合わせ対応や顧客サポートを目的としたチャットボットの活用が増えていますが、ChatGPTとのやり取りは業務サポートのチャットボットとは異なり、本当に人間と会話しているかのような体験でした。12月15日現在、プレビュー版が一般公開されており、サインアップすれば誰でも無料で使うことができます。気になる方はぜひこの機会にチェックしてみてください。
海外
STUDIOが米国に子会社を設立、AIを活用しSTUDIOグローバル版を刷新
https://blog.studio.design/ja/posts/studio-us
ノーコードWebデザインプラットフォーム「STUDIO」を提供するSTUDIO株式会社が、海外拠点として米国カルフォルニアに子会社「STUDIO Technologies, Inc.」を設立しました。また同時に、「Web Design with AI」をコンセプトとしたグローバル版STUDIOの全面的な刷新を発表しました。
同社によると、子会社では「これまでのノーコード技術に加え、新たに人工知能(AI)技術にも注力し、デザイナーがより速く、より簡単にビジョンを描けるソリューション提供を加速していく」とのことです。グローバル版STUDIOの紹介ページでは、AIを使った新機能として「セレクタ(周囲のスタイルに基づくデザイン提案)」「音声アシスタント(複雑なスタイリングタスクを実行してくれる)」「オートレスポンシブ(レイアウトの自動リサイズ)」などが挙げられています。
STUDIOは2017年4月のβ版リリース以来、他のノーコードWebデザインツールとは一線を画す使い心地で注目を集め、業界を代表するトップデザイナーの数々が出資したことでも話題になりました。Goodpatchメンバーにも愛用者が多く、今後もSTUDIOの進化から目が離せません。
以上、12月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
今年も一年ありがとうございました。来年も毎月新しい情報をお届けしていきます。どうぞお楽しみに!
過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!