プロジェクトに活かせる!おすすめのユーザーインタビュー実践本
プロジェクトを進めるにあたって、製品・サービスのコンセプト決めや設計にそのまま取り掛かるのではなく、「ユーザー理解」からはじめることはとても重要です。ユーザーが抱える根本的な課題を明確にする前に必要とされないサービスを作っても、事業の売上に結びつかずに頭を抱えることになるでしょう。
そこで、ユーザーのインサイト(顧客の本心)を理解するために、有効な方法の1つとして挙げられるのがユーザーインタビューです。サービス設計の序盤ではもちろん、サービスの作成途中やリリース後にも繰り返しユーザーインタビューを行うことで、よりユーザー中心なサービスデザインを実現できます。
今回はユーザーインタビューを実施する前に、まず読んでおきたいおすすめの本を9冊厳選してご紹介します。ぜひ自社プロジェクトにインタビューを取り入れる際の参考に読んでみてくださいね。
目次
UXデザイン・マーケティングにおけるユーザーインタビュー
ユーザーインタビューをはじめよう
2017年6月に発売された比較的新しいユーザーインタビューの実践本
「なぜインタビューをするのか?」というよくある問いに対する答えから、インタビュー前のリサーチ方法、質問設計方法、準備方法、分析方法までもを一挙解説。
ストーリーマッピングをはじめようという同シリーズと合わせて読むことで、ユーザーインサイトの発見〜コンセプト設計の流れを実践的に行うことができます。自社ではじめてUXデザインをする際や、サービス設計の上流段階で悩んだときは是非この2冊を読んでみてくださいね。
インタビュー調査のすすめ方
リサーチ専門家からビジネスにリサーチを取り入れたい人へ
マーケティング/商品企画のためのユーザーインタビュー
5名のUXのプロによる必読のユーザーインタビュー・ノウハウ本
UXリサーチ専門家5名が集い、ユーザーインタビューの実践法に関するノウハウをわかりやすく、誰でもはじめられるようにまとめた実践本。はじめてユーザーインタビューを試みるビジネスパーソンはもちろん、すでに行っている人にも読んでほしいです。UXリサーチのエキスパートとして20年以上のキャリアをもつ人たちだからこそできる、WHYを突き詰めるインタビュー法に是非触れてみてくださいね。
マーケティング・インタビュー
マーケティングとインタビューの関係性がこれ一冊でまるわかり
この一冊は、マーケティングの真髄を理解するために読んでおきたい本です。マーケティング調査に欠かせないユーザーインタビューは、ユーザーの潜在的ニーズや価値観を引き出すために行います。その具体的な手法をすぐに実践できるような形で、一歩一歩わかりやすく説明しています。そもそも「マーケティングって何?インタビューってどうやるの?」という疑問を抱えたビジネスパーソンは是非読んでみてほしいです。
心理マーケティングの基本
心理マーケティングからインタビュースキルを学べる本
タイトルに「インタビュー」にまつわる語句がないので、一見マーケティングの本のようにも捉えられがちですが、本書にはインタビューにまつわる見逃せない知見が数多く潜んでいます。
マーケティングのはじめの一歩となる生活者を理解することがいかに重要であるかがわかり、数え切れないほどのインタビュー手法とテクニックを体系的に学ぶことができるでしょう。少しテクニカルなインタビューの方法やスキルについて書かれているので、ユーザー調査を数回行った後に読んでみると納得感を得られるかもしれません。
さまざまな場面で活用できるインタビュー術
インタビュー術!
あらゆる場面で実践できるインタビュー手法が学べる本
こちらはユーザー調査などで行うインタビューというよりも、フィールドワークに近い(雑誌や新聞に載せるためにビジネスや個人を対象に行う)インタビュー方法ついてまとめられた本です。ユーザーインタビューとフィールドワークインタビューでは、最終的なゴールやアウトプットは全く異なるものの、似た調査や事前準備、質問の仕方をします。そのため、このような基礎知識は、どのようなインタビューをするに当たっても知っておくべきでしょう。
調査されるという迷惑―フィールドに出る前に読んでおく本
インタビュイーの気持ちを理解するために、読んでおきたい本
Amazonレビューでも星4.5と非常に高いレビュー指数を獲得している本。小説のように読める仕様となっているにもかかわらず、思考法を変遷するような学びが得られることが高評価の要因でしょう。インタビュー調査をはじめる前に、インタビュイーが抱える不安や最低限気をつけるべきことを理解することで、実際のインタビューでも十分な配慮ができるようになるでしょう。特にユーザーインタビューを行う場合、ユーザーをリクルーティングする場合もあるわけですから、こうした配慮は欠かせません。そのために、インタビューを実施する前に必ず目を通しておきたい本です。
良い質問をする技術
質問は投げかけたら終わりではないということがわかる本
本書は、サービス制作に関わるユーザーインタビューについての手法を述べた本というよりは、むしろビジネスや私生活全般に応用できる「良い質問をする技術」について述べている本です。質問をすることには、人に気づきを与え、行動を起こさせる力があります。普段から質問の仕方を意識しながら変えていくことで、さまざまな場面で相手の考えや価値観を理解しやすくなりますよね。是非本書を手にとることで、あなたも誰かの行動に影響を与えられる人になる一歩を踏み出してみてください。
聞く力
インタビューだけではなくコミュニケーションスキルとして欠かせない「聞く力」について
最後に、Goodpatchのプレイングマネージャーであり、人間中心設計専門家でもある北村に「ユーザーインタビューをするならこれは読んでおくべき」と勧めてもらった本で締めくくりたいと思います。本書には、テレビキャスターである阿川佐和子氏による、彼女の豊富なインタビュー経験から得た「人の話を聞くこと」にまつわる倫理が書かれています。あらゆる場面で活きる「聞く力」は、どのようなことを意識すれば身につくのかが体系的に書かれています。ビジネスにおけるインタビューの際に限らず、普段の友人との会話の中でも、この本の内容を意識することで、より気持ちのよいコミュニケーションができそうです。
いかがでしたか?サービス設計にとりかかる前に、まずはどんな課題やニーズが市場にあるのかを認知するために、ユーザーインタビューからはじめてみると良いでしょう。どのようにはじめたら良いかわからない・・・と悩んでいる人は、ここで挙げた本と合わせて、すぐに実践できる手法が書かれた以下の記事も参考にしてみてくださいね。