ReDesignerオリジナル「デザイナータイプ診断」とは?

ソフトウェアに関わるデザイナーの職種が細分化し、採用ニーズが高まる中で、ReDesignerに蓄積されたデザイナーキャリア支援の4年間のノウハウ、そして1,400名のデザイナーとの面談を通じて得られた知見を活用したデザイナータイプ診断をリリースしました。

今回のデザイナータイプ診断により、ReDesignerはデザイナーの深い理解を反映した約30問の診断データを通じ、デザイナーが自身のパフォーマンスを最大限発揮できる環境へ最適なマッチングをすることが可能になりました。

今回のデザイナータイプ診断は企画構想段階からリリースまで数ヶ月を要しました。毎週の定例でキャリアデザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャー、事業責任者が集まり、ディスカッションを重ねることで、実際にデザイナーと面談をしているキャリアデザイナーのナレッジや、Goodpatchという環境の強みを生かしたプロダクト開発に取り組んできました。今回はその開発の中で工夫をしたポイントや裏側について、ナレッジとともに解説していきたいと思います。

なぜ、デザイナータイプ診断を始めるのか?

まず、今回の課題背景を説明します。ReDesignerはおかげさまで6,000名を超える社会人のデザイナーに登録いただき、600社の企業にご利用いただいています。デジタルデザイナーの価値が高まり、企業のニーズが急増する中で、せっかくの魅力的な企業が埋もれてしまい、デザイナーも自分に合う企業が見つけづらいという課題がありました。

また、今はキャリアデザイナーがデザイナーにマッチする企業を提案する形を取っていますが、本人がなぜその企業が自分に合うのか、納得度が担保しきれない場合もあります。限られた時間の中で伝えきれないこともありますし、支援できるデザイナーの数も限られます。

キャリアデザイナーが介在する価値はそのままに、発掘しきれないマッチングの可能性を広げられないか?その結果としてビジョンとして掲げている『デザイナーが最大限パフォーマンスを発揮できる社会をつくる』ことに近づけたい。そんな想いで取り組みました。

デザイナータイプ診断の設計ポイント

6つの診断結果とパーソナライズされたキーワード

今回の診断結果は以下の6つのタイプに分かれます。スタートアップタイプ、チームプレイヤータイプ、ジェネラリストタイプ、スペシャリストタイプ、クリエイタータイプ、ミッション遂行タイプです。

さらに、今回は設問をデザイナータイプ、職種タイプ、スキルタイプ、事業タイプ、企業タイプ、働き方タイプの6つに分類し、診断結果で表示されるものを「あなたの特徴にあったキーワードトップ5」「あなたに合うキャリアトップ5」「あなたに合う求人トップ5」として表示しています。

フルスクラッチでマッチングのアルゴリズムを作成

今回のデザイナータイプ診断は、ただのタイプ診断として型にはめるのではなく、デザイナーのことを深く理解しているからこそできるマッチングアルゴリズムをゼロから設計することにこだわりました。

従来、このようなタイプ診断は外部サービスをベースにカスタマイズすることが多く、実際私たちも外部企業に話を聞きに行きました。

しかし、ReDesignerが目指す今回のデザイナータイプ診断は、ただのタイプ診断として型にはめるのではなく、デザイナーと企業のマッチング精度の向上やマッチング可能性の拡大、そして自己のキャリア内省を実現するためには、加速度的に変化するデザイナーを取り巻く環境をアルゴリズムに入れる必要があり、自分たちで作るしかありませんでした。

(作って壊してを繰り返した独自アルゴリズム検討)

プロセスとしては、まず、デザイナーの経験値と価値観を理解するために、『ReDesignerのキャリアデザイナーは普段どういうことを聞いているだろうか?』という問いを軸に、デザイナーができることと(Can)、これからやっていきたいこと(Will)に分類しました。

次に、その回答結果から考えられるデザイナーのタイプをいくつか仮説として作り、そのタイプに紐づく質問を発散・収束。回答結果やスキル・職種によってスコアテーブルの配分を変えていきました。

(タイプ別質問の検討と求人スコアリングルールの調整)

特に、デザイン領域をどのように表示するか、デザイン対象は何か、デザイナーとして希望する環境とは何かなど、デザイナーのことを理解しているからこそできる選択肢を設けました。

例えば、スキル面ではデザインリサーチとUXデザインはしっかりと切り分け、アートディレクションとコミュニケーションデザインも分け、デザインシステムとデザインガイドラインを統合するなど、デザイナーから見たら当たり前ですが、デザイナーに特化していないと作れない選択肢を1つ1つ丁寧に作り込みました。

その上で、全ての求人に対して、キャリアデザイナーがタグ付けをしていきました。これは企業へ直接ヒアリングをしているからこそ、機械的な振り分けではなく、デザイナーがパフォーマンスを発揮できる環境を検討した上でタグ付けしています。その量なんと数百・・!

(検討段階の求人ごとのタグ付け)

今回のタイプ診断は質問も診断結果も「デザイナー視点で見て」納得できるのかが一番大事であり、そこがReDesignerだからこそ挑戦できた点です。

例えば質問1つとっても、「デザイナーがいない環境に飛び込むことに抵抗がない」と言う設問は、デザイナー1人目で入社する心理的なハードルや、デザイナー1人目に求められる期待値を正確に理解していないと出てこない設問項目だと思っています。

こういった複合的な観点を独自にスコアリングをして、自己理解を深めつつ、キャリアを選択する上でのマッチング材料を提示することで、デザイナーはよりパフォーマンスが発揮でき、自分の志向性にあった環境を選択することができるようになりました。

Goodpatch社内デザイナー向けにユーザーテストを繰り返す

今までに書いてきたような診断結果がデザイナーにとって自然かつ最適な状態になるまでには、何度もアルゴリズムのチューニングが必要でした。

ReDesignerの最大の強みは、Goodpatchが作っているサービスであることです。社内に200名近くのデザイナーがいるからこそ、あらゆるタイプのデザイナーがすぐ側にいます。今回は社内デザイナーに協力してもらい、アルゴリズムのチューニングを行っていきました。

テストタイミングとしては大きく2回。『質問を設計した時点』と『診断結果を表示し、その人に合ったキーワードや求人を提案した時点』の2つに分けて社内デザイナーに対してユーザーテストを実施しました。

(ユーザーテストの結果、スコアテーブルの見直しをしている場面)

特に意識したのはなるべく全てのタイプに当てはまる人に対してテストをすること、提案された診断タイプへの納得度合いや、提案されたキーワード、求人に対する関心に対する観察を大事に改善を重ねました。

個々人のデザイナーキャリアを通して、振り返ることができる体験へ

今回の診断結果は保存され、再診断を受けることも可能です。今回のデザイナータイプ診断は一時的な体験ではなく、累積的な体験にしたいという想いも込めています。

半年前と今のあなたでは、志向性も経験値も価値観も異なるので、過去の自分との違いを見比べて、自分なりにキャリアの変化を見つめ直すもよし、その診断結果を持ってReDesignerのキャリアデザイナーにアドバイスやコーチングを求めるもよし、累積されたデータをもとに自分と深く向き合うことが可能になります。今後は時系列で振り返ることができるように診断結果一覧ページを実装する予定です。

また、再診断をすると現状のあなたにあった最新の求人が表示されるので、転職や副業・フリーランスを考えた時、マーケットの動きや市場価値に対して自分を客観視したい際には見返すだけでも価値があるような設計にしています。

ReDesigner登録者はマイページで診断結果の管理や、先日リリースしたキャリアプランニングシート、毎年秋に公開しているDesignDataBookなどを見れるようにしてあります。もちろんここから担当キャリアデザイナーに相談することも可能です。キャリアデザイナーが間に介在することで、経験やポートフォリオからわかる実力であったり、働き方の希望を加味するなど、意志だけではなく実態にも即す形でのマッチングやキャリアの棚卸しができます。

デザイナータイプ診断の先を見据えた、ReDesignerのプラットフォーム構想

全てのデザイナーが利用する「キャリアインフラ」へ

今回のデザイナータイプ診断を皮切りに、ReDesignerは全てのデザイナーのためのキャリアインフラへと進化していきます。

いまのReDesignerに対しての印象はきっと「転職を考える際に相談するエージェント」や「最近、副業やフリーランスの相談もできるようになったエージェント」という印象が多数かもしれません。ですが、我々の見据えるReDesignerは「デザイナーの人生に伴走するプラットフォーム」としてキャリアインフラへ進化しようとしています。

今後ReDesignerが進化していくことにより、デザイナーは自分のことを表現できるプラットフォームとして活用したり、キャリアデザイナーが介在しなくても、企業とデザイナーが直接マッチングできるようなキャリアプラットフォームになっていきます。今回のデザイナータイプ診断は主に社会人向けですが、今後はReDesigner for Studentに登録している学生から社会人まで一貫して利用できるプラットフォームに進化していきたいと思っています。

私たちReDesignerが存在することで、デザイナーはパフォーマンスを最大限発揮できる環境を自ら見つけ、企業はデザインの力を活用しながらユーザーへ価値を最大化できるようになります。

ReDesignerは、デザイン会社Goodpatchが掲げる「デザインの力を証明する」ために、サービスを運営しています。そのためにはシステムやデータができることと、キャリアデザイナーのような人が介在したからこそできることを組み合わせて、手触り感のあるサービス運営にこだわりたいと思っています。

さいごに

今回のプロジェクトで気付かされたチームの力

デザイナータイプ診断の裏側についてご紹介しました。

振り返ってみると今回の議論を重ねていく中で一番大事だったのはチームメンバー同士の信頼関係だったように思えます。本気で議論をしていく熱量、そして衝突を恐れずに肩書きを超えて本質を議論していく姿勢。ものづくりにはビジョン、情熱、そしてチームが最も大事だと気付かされたプロジェクトでした。

ReDesignerはこれからも「デザイナーがパフォーマンスを最大限発揮できる社会をつくる」というミッションを実現するため、サービスの改善を続けていきます。

自分はどのタイプに当てはまるのだろうか?と気になった方は是非こちらからデザイナータイプ診断を受けてみてください。診断結果のSNSシェアもお待ちしています!